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更新日:令和元(2019)年6月5日
ページ番号:7364
「おおまさり」は、千葉県が育成したゆで豆に適した品種です。軟らかくて甘く、大きな子実が特徴です。
栽培面では、株が大きく広がるので、従来の落花生栽培方法とは異なる点があります。
写真1.生育中の「ナカテユタカ」(左)と「おおまさり」(右)との比較
落花生を連作している畑では、茎腐病や白絹病などの立枯性の病害が発生しやすくなります。できるだけ連作を避け、立枯性の病害が少ない畑を選びます。
土づくりのために堆肥を施用したり緑肥をすき込んだりする場合は、未熟な有機物により立枯性病害を助長することへの注意が必要です。以下のような施用の工夫をしましょう。
10アール当たり、窒素成分で3キログラム、りん酸と加里とを成分で各10キログラムを目安に施用します。
例:落花生専用化成(5-15-20)を10アール当たり60キログラム施用すると、10アール当たり成分で窒素:3キログラム、りん酸:9キログラム、加里:12キログラムになります。
また土壌pHを確認しながら、莢の充実を図るため、苦土石灰等を10アール当たり40~60キログラム程度を基肥として施用します。
野菜跡地など前作の残存窒素が多いほ場では、過繁茂になりやすいため、その場合は窒素施用量を調節しましょう。
ヒョウタンゾウムシやコガネムシ類の幼虫は、莢の表面を食害して商品価値を低下させます。
薬剤防除としては表1のとおりトクチオン細粒剤Fを使用します。
※農薬は、初掲載(平成28年3月)時点の登録内容をもとに作成しております。農薬の使用に当たっては、ラベル及び最新の登録内容を確認し安全に使用してください。
適用害虫名 | 10アール当たり使用量 | 使用方法 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | プロチオホスを含む農薬の総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|
コガネムシ類幼虫 | 6~9キログラム | 全面土壌混和 | は種時 | 1回 | 2回以内 (但し、は種時の土壌混和は1回以内) |
ヒョウタンゾウムシ類 | 9キログラム | 土壌表面散布後土壌混和 | 生育期(但し、収穫60日前まで) |
2回以内 |
おおまさりは、株が大きく分枝が横に広がります。収穫作業性の向上や病気予防のために、栽植密度を通常栽培よりも疎植にします。
規格9230マルチを使用する場合は、平畝で床幅60センチメートル、通路幅50センチメートル程度にとります。
マルチ栽培では、通常、地温を上げやすい透明マルチを使用しますが、雑草の多い畑では黒マルチを使用します。適度な土の湿り気のある時に耕うんしてマルチを張ります。
は種は、気温が十分に上がってきた5月中旬~6月中旬に行います。
種子量に対して、キヒゲンR-2フロアブルを乾燥種子量1キログラム当たり原液20ミリリットルになるように塗沫処理し、発芽時の鳥害を防止します。
マルチ内の地温が適度に上がってから、深さ3センチメートルに1穴当たり2粒を播きます。
開花始めの頃、マルチを取り除きます。
マルチを取り除いた後、基肥に石灰を施用しなかった場合は、莢の充実を図るため、苦土石灰等を通路に10アール当たり40~60キログラム程度を施用し、管理機で中耕と培土を兼ねた作業を実施します。
白絹病の発生が懸念される場合は、フロンサイド粉剤(収穫45日前まで)を10アール当たり20キログラム株元散布します。発生した場合は、被害株を早めに抜き取り、菌核を残さないように処分します。
※農薬の使用に当たっては、ラベル及び最新の登録内容を確認し安全に使用してください。
夏季に乾燥状態が続く場合は、空莢が発生しやすくなります。そのため、結莢期(7月下旬~8月上旬)と莢肥大期(8月上旬~中旬)に、1週間ごとに1回30~40ミリメートルを目安にかん水を行います。
特に、収穫した落花生を来年の種子として利用する場合、莢肥大期(8月上旬~中旬)の乾燥は幼芽褐変の原因になるので、この時期のかん水が重要です。
収穫時期の目安は、網目がはっきりした上莢(登熟した莢)が、莢全体の80%となった時であり、おおよそ開花期後85日頃(9月下旬~10月上旬)になります。
掘り遅れは食味の低下につながるため、必ず試し掘りを行い、適期収穫に努めます。
※開花期とは「ほ場全体の50%程度の株に1輪でも花が咲き始めた日」のこと。
初掲載:平成28年3月
千葉農業事務所改良普及課
千葉・習志野グループ
普及技術員
黒住和美
電話:043-300-0950
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