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更新日:令和3(2021)年7月2日

ページ番号:7317

「ちばエコ農産物」栽培基準を達成する根しょうが・マルチ栽培

1.はじめに

千葉県のしょうが作付面積は305ヘクタール(平成30年)で、全国2位の産地ですが、「ちばエコ農産物」としての取組はまだ少ない状況です。
そこで、ここでは、根しょうが・マルチ栽培で「ちばエコ農産物」栽培基準を達成するためのポイントについて紹介します。

2.「ちばエコ農産物」栽培基準

根しょうがの「ちばエコ農産物」の栽培基準は、マルチ栽培で設けられています。基準は、表1のとおりです。
なお、「ちばエコ農業」の詳細や最新の情報については「ちばエコ農業情報ステーション」(https://www.pref.chiba.lg.jp/annou/eco-jouhou/index.html)を確認してください。

表1.根しょうが・マルチ栽培の「ちばエコ農産物」栽培基準(平成25年4月現在)

作型

上限量

堆肥目安量(10アールあたりキログラム)

化学合成農薬
(使用成分×回数)

化学肥料由来窒素成分量
(10アールあたりキログラム)

牛ふん

豚ぷん

鶏ふん

土づくり的
堆肥

マルチ

7

11

2,300

900

500

3,000

3.病害虫防除のポイント

「ちばエコ農産物」の栽培基準に適合した農薬防除例を表2に示します。

※農薬の使用にあたっては、農薬のラベルおよび最新の農薬登録情報を確認して安全に使用してください。

表2.根しょうが・マルチ栽培の「ちばエコ農産物」栽培基準に適合した農薬防除
処理時間 主要作業 農薬名

10アール当たり
使用量
(希釈倍数等)

使用時期 対象病害虫 備考

3月下旬

 

バスアミド微粒剤
(又はガスタード微粒剤)

30~60キログラム
20~30キログラム

定植21日前まで

根腐腐敗病
一年生雑草

全面土壌混和

6月上旬

中耕除草

 

 

 

 

 

7月上旬

培土

ダコニール1000

1,000倍

収穫14日前まで

白星病、紋枯病

 

7月中旬

 

パダンSG水溶剤

1,500倍

収穫7日前まで

アワノメイガ

アズキノメイガ

 

7月下旬

 

モンカットフロアブル40

2,000倍

収穫3日前まで

紋枯病

 

8月中旬

培土

トルネードエースDF

2,000倍

収穫7日前まで

アワノメイガ
ハスモンヨトウ

 

9月上旬

 

※エスマルクDF

2,000倍

発生初期但し
収穫前日まで

アワノメイガ

 

9月中旬

 

※ゼンターリ顆粒水和剤

1,000倍

発生初期但し
収穫前日まで

ハスモンヨトウ

オオタバコガ

シロイチモジヨトウ

 

※印は「ちばエコ農産物」栽培基準における化学合成農薬に含めない農薬

基準を達成するためには、次のことに注意して防除することが重要です。

  • 種しょうがや土壌から根茎腐敗病、紋枯病などの病気の伝染を防ぐために、無病の種しょうがを使用し、連作せずに病気の少ない圃場で栽培します。
  • 防除の必要がある病害虫を圃場毎に把握して、発生状況を観察し、発生初期に防除します。
  • アワノメイガは7月中~下旬と8月中~下旬に多く発生します。新葉を良く観察して、幼虫が茎に食入する前に防除します(写真1)。
  • ハスモンヨトウは、新葉への白い食害痕が発生の目安です。トルネードエースDFでアワノメイガと同時防除するとともに、BT剤であるゼンターリ顆粒水和剤で発生初期に防除します。
  • 病害の二次感染源となる発病株は早めに抜き取り、圃場の外に持ち出して埋めます。栽培後は、残渣をできるだけ圃場から持ち出し処分するとともに、圃場を十分に耕耘して残った残渣の分解を促進させ、土壌病菌の密度を減らします。


写真1.食入前のアワノメイガの幼虫(矢印)と食害痕

4.施肥のポイント

「ちばエコ農産物」栽培基準に適合した肥料の施用例を表3に示します。

表3.「ちばエコ農産物」栽培基準に適合した堆肥及び肥料の施用例

区分

製品名

保証成分量(%)

現物施用量
(10アール当たりキログラム)

成分施用量(10アール当たりキログラム)

窒素

りん酸

加里

窒素

りん酸

加里

堆肥

牛ふんもみがら堆肥

 

 

 

2,300

 

 

 

基肥

味好1号

6(0)

8

4

200

12.0(0)

16.0

8.0

苦土石灰

 

 

 

80

 

 

 

追肥

ブリケット
里芋生姜専用

8(4)

10

7

120

9.6(5.4)

12.0

8.4

総施用量

 

 

 

 

 

21.6(5.4)

28.0

16.4

注)()内は、総窒素量のうち、化学肥料由来の窒素成分量

堆肥や有機質肥料の施用により、「ちばエコ農産物」の栽培基準を達成できます。なお、前作で畑に残った肥料分等によって必要な施用量が異なりますので、各圃場の施肥量は土壌診断に基づいて決めるようにします。

 

初掲載:平成27年1月

農林総合研究センター水稲・畑地園芸研究所
畑地利用研究室
鈴木健司
(電話:0478-59-2100)

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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