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更新日:平成30(2018)年11月28日

種子なしビワ「希房」(きぼう)の省力的な着果方法

1.はじめに

千葉県が育成し、平成18年に品種登録された種子なしビワ「希房」は三倍体品種であるため、自然状態ではほとんど着果しません。したがって、種子無しの果実を得るためには、花と幼果に植物成長調整剤(以下植調剤)のジベレリン200ppmとホルクロルフェニュロン(フルメット液剤)20ppmの混合液を2回処理することが必要です。従来の種子ありビワに比べ、この植調剤の処理作業や薬剤量が増加することが、コストがかかり普及の妨げとなっています。
そこで、従来の方法に比べ、植調剤処理の作業労力や薬剤量の削減が見込める「希房」に適した摘蕾・摘果方法を明らかにしたので紹介します。

2.省力的な着果方法

これまで「希房」の摘蕾・摘果処理は、施設主要品種の種子ありビワ「富房」に準じ、花房下段の小果梗枝を2段残し、それぞれの果梗枝に1果ずつ着果させる方法が行われてきました(写真1-慣行)。この方法では、植調剤処理を1果ずつ行うため、植調剤処理を1つの花(果)房に対して2回処理を行っていました。これらの作業時間や植調剤使用量を削減するため、花(果)房ごとに植調剤処理を2果同時に行い、1回で済ませる方法が有効と考えられます。そこで、暖地園芸研究所内の施設に植栽されている「希房」を供試して、各花房における着果位置を写真1に示す3通りの方法及び慣行法で試験を行いました。

写真1試験区の果房内着果位置
写真1試験区の果房内着果位置

(1)作業時間と薬剤量の削減

各着果位置における、摘蕾、1回目植調剤処理、摘果、2回目植調剤処理、摘果・袋かけ、収穫、それぞれの作業時間について、慣行との比較を行いました。袋かけは、頂2果区、中・下2果区及び下1枝2果区では「びわ12号大」(縦24センチメートル、横20センチメートル)を用いて2果まとめて行い、慣行ではでは「びわ12号」(縦15.4センチメートル、横11センチメートル)を用いて1果ごとに行いました。収穫は、2果まとめて袋かけした試験区では果梗部まで橙黄色になった2果を同時に、1果ごと袋かけした慣行では1果ごとに行いました。
100果当たりの総労働時間は、慣行区に対して頂2果で44%、中・下2果で26%、下1枝2果で45%削減できました(図1)。また、100果当たりの植調剤使用量は、頂2果で35%、中・下2果で27%、下1枝2果で45%削減できました(図2)。
図1(希房)における着果位置の違いによる作業別労働時間
図2(希房)における着果位置の違いによる植物成長調整剤使用量

(2)果実品質への影響

着果位置の違いによって果実の外観品質に差はみられませんでしたが、頂2果区の可溶性固形物含量は他の着果区より高い傾向がみられたことから、果実品質の点で有効な方法と思われます。

3.「希房」における着果管理

「希房」では、作業時間と薬剤使用量の削減を図るうえで、着果管理は果房の先端に2果(頂2果)、又は花房の下部の小花(果)梗枝に2果(下1枝2果)とする方法が適切です。ただし、糖度を高く維持できる点では頂2果が適しており、その作業は以下のとおりです。

(1)1回目植調剤処理時の摘蕾

花房の頂部以外の小果梗枝を全て除去し、頂部を10花蕾程度に摘蕾した後(写真2)、1回目の植調剤処理を行います。

(2)2回目植調剤処理時の摘果

摘果して、幼果を5、6果残した後(写真3)2回目の植調剤処理を行います。

(3)袋かけ時の着果調整と果実袋

摘果・袋かけ時に縦長果や不整形果を摘果し、正常に肥大した果実を2果残し、1果房当たり2果とします(写真4)、この時、収穫期を揃えるため、1果房内の果実の大きさが揃ったものを残すようにします。葉果比10~15を目安にして着果数を調整し、びわ12号大袋を用いて2果まとめて袋かけします(写真5)
写真2~5

(4)収穫適期の判断

果梗部まで橙黄色になったら、収穫します。
なお、下1枝2果を行う場合は、摘蕾時に、花房の最下段又は下から2段目の充実した小果梗枝を残して他の小果梗枝を全て除去します。その後の作業は頂2果と同様に行います。

4.おわりに

種子なしビワ「希房」を結実させるため必要な植調剤処理の使用量、処理労力を軽減する目的で、着果管理の改善に取り組み、着果位置を頂2果又は下1枝2果とする着果管理方法が適していることが明らかとなりました。


初掲載:平成27年11月

農林総合研究センター暖地園芸研究所
特産果樹研究室
室長
佐藤三郎
電話:0470-22-2603

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