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更新日:平成30(2018)年2月26日

ナシ幼果期の降雹が果実の品質に与える影響について

1.はじめに

近年、気象変動が大きくなり、降雹が以前はそれほど多くなかった千葉県北西部でも時折見られるようになっています。春先の降雹はナシ幼果期にあたり、この時期の小さな傷は収穫果に大きな影響を与えます。生産現場では、傷の影響を見極めるために摘果を遅らせるなどの工夫がされていますが、摘果を遅らせることで樹への着果負担が大きくなり、肥大低下による収穫量減少や樹勢の低下などの二次的影響が懸念されます。これを回避するためには、なるべく早期に収穫果への影響程度を見極め、摘果を進めることが必要です。

2.降雹被害の追跡調査について

1)調査方法

平成24年5月10日、千葉県北部を中心に降雹があった地域のナシ果実の追跡調査を行いました。降雹後10~20日後の傷が収穫果に影響する程度を調査しました。なお、降雹があった時期は満開後20~25日後の果実肥大期にあたりました。

2)調査結果

図1.「幸水」の雹害追跡調査結果
図1「幸水」の雹害追跡調査結果
図1「幸水」の雹害追跡調査結果
図1「幸水」の雹害追跡調査結果


図2.「豊水」、「あきづき」、「かおり」の雹害追跡調査結果
図2「豊水」、「あきづき」、「かおり」の雹害追跡調査結果
図2「豊水」、「あきづき」、「かおり」の雹害追跡調査結果

3)収穫果への影響程度について

  1. 「幸水」の収穫果への影響程度について
    ・幼果への被害が重度(内部まで明らかな割れ、凹みがある)の場合、収穫果の果形が乱れ、被害部分にはコルク層が形成されました(図1-ア)。
    明らかな割れが複数個ある場合でも、収穫まで裂果はありませんでした(図1-ア)。
    表皮の破れが明らかな傷があっても浅い場合(中度)には、果皮には傷跡が少し残りましたが、収穫果の果形の乱れは少なく、被害部分のコルク層の形成も少ないようでした(図1-イ)。
    ・黒色の傷(表皮は破れなかったが内部に傷ができたものと推察)は、凹みが少ない場合でも被害部分にコルク層が形成されていました(図1-イ)。
    ・軽度の傷(表皮の傷のみのかすったような傷)は、収穫果の果形の乱れはほとんどなく、果皮の傷跡もあまり目立たない程度まで回復していました(図1-ウ)。
  2. 「豊水」、「あきづき」、「かおり」の収穫果への影響程度について
    「豊水」、「あきづき」、「かおり」についても「幸水」と同様のことが観察され、その他、以下の点が観察されました。
    ・「豊水」、「あきづき」では、収穫果の表皮の傷が「幸水」よりも目立ちませんでした(図2-ア、イ、ウ)。
    ・「かおり」では、表皮の傷が浅い場合であっても、収穫果の傷が他の品種に比べて明らかに目立ちました(図2-ウ)。

4)まとめ

満開後20から25日頃に降雹被害を受けた果実を追跡調査し、収穫果を観察した結果、以下のことが推察されました。

  • 幼果に明らかな割れ、凹みなど重度の傷がある場合は、商品価値が著しく低下する。
  • 傷が浅い程度(中度)であれば、複数個あっても裂果はせず果形の乱れは少ないため、良品程度の収穫は期待できる。
  • 「豊水」、「あきづき」など褐色度の濃いナシ(果皮のコルク層が発達しやすいナシ)は傷が目立ちにくい。
  • 「かおり」など青ナシでは軽度の傷でも収穫果では目立ち、商品価値が低下する。

初掲載:平成27年3月

東葛飾農業事務所改良普及課
南部グループ
普及指導員
河合孝紀
(電話:04-7162-6151)

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