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更新日:平成30(2018)年1月30日

水田300%活用に向けた酪農家組織の取組

1.夷隅地域における畜産と飼料イネ生産の現状について

夷隅地域における畜産農家戸数は、酪農33戸、採卵鶏11戸、肉用牛7戸、養豚4戸の合計55戸で、管内の農業産出額の約半分を占めており、地域農業の重要な部門となっています。しかしながら、近年、為替相場の動向等が原因で輸送費や飼料費の高騰が著しく、生産コストの増加により収益性が悪化し、畜産経営は逼迫しています。
このため、当農業事務所では畜産経営の安定を図る解決策として、耕畜連携による水田を活用した飼料用イネ等の生産を推進しています。夷隅地域では、平成22年度に2ヘクタールの稲発酵粗飼料(以下、「稲WCS」という。)の生産が始まり、その後、飼料米も含む飼料イネの生産面積は年々拡大し、平成26年度には70ヘクタールとなっています。

2.飼料生産に取り組む酪農家組織

ここでは、夷隅地域で水田を活用して飼料生産に取り組む有限会社アイデナエンタープライズ(以下、「アイデナ」という。)について紹介します。アイデナは、農産物の生産、加工、販売に関する事業等を目的として、平成12年にいすみ市の酪農家4戸と近隣町の酪農家1戸で設立され、これまでは主に堆肥の生産、販売を行ってきました。同社は、輸入粗飼料の価格高騰が続く中で、安定して粗飼料を確保するため、平成22年度に耕種農家と連携して、2ヘクタールの稲WCSの生産を開始しました。稲WCSは乳牛の嗜好性も良いことから、アイデナはその生産面積を拡大していき、平成24年度には17ヘクタールの生産に取り組んでいます。

3.飼料生産体制の整備

稲WCSの生産体制は、稲の栽培管理を耕種農家が、収穫・調製・運搬作業をアイデナが行っていました。アイデナも、飼料費低減につながる稲WCS利用に積極的でしたが、稲WCSの収穫時期が稲わら収集、堆肥散布、二毛作の牧草播種等の作業と重なるため、アイデナの労力では平成24年度に取り組んだ稲WCSの生産面積が限界でした。
一方、稲WCSを作付する耕種農家は米価低迷の影響もあり、交付金が受給できる稲WCSの作付拡大を要望していました。
このため、アイデナ、耕種農家及び関係者で検討した結果、平成25年3月にいすみ市の耕種農家6戸による稲WCS生産組織「上総中川地区飼料作物生産組合(以下、「飼料組合」という。)」が設立されました。
飼料組合は、稲WCS専用収穫機等を導入し、栽培から収穫作業までを担う飼料生産体制を整備しました。これにより、アイデナと飼料組合は、収穫作業を分担することで、平成26年度には、夷隅地域の57%にあたる約40ヘクタール(アイデナ:13ヘクタール、飼料組合:27ヘクタール)、10アール当たり3.45トンの稲WCSを生産することができました(表1)。

表1アイデナと飼料組合による稲WCS生産面積

年度

H22

H23

H24

H25

H26

面積(ha)

アイデナ

2

12

17

12

13

飼料組合

-

-

-

21

27

合計

2

12

17

33

40

4.水田300%活用の取組

アイデナと飼料組合は、平成23年度から稲WCSを生産する水田で、牧草(エンバクとイタリアンライグラスの混播)を生産しています。稲WCSの収穫後、堆肥散布、耕うん(耕種農家が実施)、牧草播種を行います。牧草は12月と翌年5月の計2回刈り取りを行い、ロールベールサイレージにします(図1)。平成25年9月には、水田28ヘクタールに牧草を播種し、同年12月と翌年5月に刈取った牧草の収量は、10アール当たり550キログラムでした。稲WCSを収穫するほぼすべての水田で、年3回収穫することから「水田300%活用」の取組を実施しています。この取組は、農林水産省の「水田活用の直接支払交付金」の対象となることから、平成26年度は10アール当たり合計10.8万円が交付金申請者へ交付される予定となっています(表2)。


画像の拡大(JPG:98KB)
図1稲WCS及び牧草の作業体系

表2水田活用の直接支払交付金

項目

交付金額(10a当たり)

戦略作物助成

8.0万円

二毛作助成

1.5万円

耕畜連携助成

1.3万円

合計

10.8万円

 


画像の拡大(JPG:107KB)
写真1実際の作業の様子

5.今後の取組に向けて

平成26年産の米価下落を受けて、平成27年度は、飼料用イネの作付面積の拡大が予想されますが、現状の生産体制では、稲WCSの収穫作業に限界があります。このため、飼料用イネを栽培・利用する耕種農家と酪農家及び関係機関が連携して、次年度の稲WCS生産の作業分担や飼料米の活用も含めたさらなる見直し、飼料会社との連携や畜産クラスター協議会の設立等を検討しているところです。今後とも、水田300%活用に向けた体制整備を進めていきます。

初掲載:平成27年1月

夷隅農業事務所改良普及課
勝浦・夷隅郡グループ
普及技術員
小池広明
電話:0470-82-2213

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所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2912

ファックス番号:043-201-2615

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