ここから本文です。

更新日:令和3(2021)年7月2日

ページ番号:7294

春どりに適した食用ナバナの品種と播種時期

1.はじめに

早春の食卓を彩る食用ナバナは、東京都中央卸売市場において本県産が市場占有率1位を誇る南房総地域の特産野菜です。早生・中生・晩生の品種を組み合わせて栽培し、10月から出荷が始まります。3月までの出荷量が全体の9割を占めますが、春どり(4月から5月収穫)に適する品種を適期に播種することで、平均単価の高い時期に出荷することができます。

2.品種と播種時期

春どりに向けては、「CR栄華」、「サカタ88号」(株式会社サカタのタネ)、「CR華の舞」、「CR花まつり」(丸種株式会社)などの中晩生品種を10月中旬以降に播種します(図)。9月下旬までの播種では、極晩生の「CR花まつり」をのぞき、遅くとも収穫は3月末までとなります。
10月中下旬の播種では、いずれの品種も4月上中旬まで収穫することができ、収量が多いのは「サカタ88号」「CR花まつり」です。
11月下旬の播種では、「サカタ88号」「CR花まつり」が4月収穫に適しています。
1月下旬から2月に播種すると、いずれの品種も4月中旬から5月上旬にかけて収穫できます。この時期の播種では、品種による収量の差はありません。

図.食用ナバナの播種期別の収穫期間及び収量
注)収穫期間は、平成20年から23年度に暖地園芸研究所水田(館山市)で栽培した結果に基づく。
収量は、平成23年度の数値を示す。
ベッド幅100センチメートル、通路幅50センチメートル、条間30センチメートル、株間30センチメートルの2条植え。
基肥は10アール当たり窒素16キログラム、リン酸20キログラム、カリ14キログラムを施用し、追肥は約1カ月間隔で窒素4.8キログラム、リン酸3キログラム、カリ4.2キログラムを施用した。

3.春どり出荷の注意点

12月から1月の厳寒期の播種では、低温と乾燥のため発芽不良となりやすいので注意が必要です。できるかぎり、この時期の播種は避けます。播種する場合は、不織布をべたがけして保温する、潅水するなどの工夫が必要です。
10月中旬に「サカタ88号」や「CR花まつり」を播種すると、総収量を確保しながら4月上旬まで収穫できます。5月まで収穫したい場合は、2月に「サカタ88号」や「CR花まつり」を播種します。
5月になると、白さび病、モンシロチョウ、ナモグリバエの発生が多くなります。3月下旬頃から圃場をよく観察して早期防除に努めるとともに、出荷時に病害虫の混入がないように十分に注意して選別します。
ヒヨドリの多い地域では、早春に食害を受けやすいので、防鳥ネット等を設置します。

 

初掲載:平成26年8月

農林総合研究センター暖地園芸研究所
野菜・花き研究室
研究員
宮本直子
(電話:0470-22-2603)

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?