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更新日:令和3(2021)年6月25日
ページ番号:7298
パンジーとビオラはスミレ科の植物で、100年以上前から品種改良が行われており、花の大きさ、色、形などの違いによって多数の品種があります。
バンジーとビオラだけで一面花壇を彩る他、他の花と組合せて寄植えにも使われる、秋から春の万能選手です。
千葉県は、花壇用苗ものの生産量が全国第2位(平成25年産花き生産出荷統計)であり、苗もの生産が盛んな県です。中でも県北部に位置する印旛地域はその生産が盛んな産地で、春はペチュニア、秋はパンジーやビオラ、ハボタンなど、1年中たくさんの種類の苗ものが生産されています。中でもパンジー、ビオラは10月から年明けまで、市場やホームセンターなどに出荷されています。
生育中のビオラ
生産ほ場の様子
(凡例:○播種、▲鉢上げ、□出荷)
通常は288から512穴のプラグトレイに播種しますが、当地域では406穴が多く使われています。
定植後の生育が良好になることから、最近では固化培土が入った512穴のセルトレイで播種から20から25日後程度の若苗で定植を行う方法も増えつつあります。
秋出荷は高温条件で播種するため、発芽不良や生育不良になることがあります。適度な遮光や循環扇による換気を徹底し、温度を低く保つよう努めます。
ピートモス、赤土、植物堆肥、パーライト等を混合した用土を用います。pH5.5から6.5になるよう調整します。
基肥は用土1リットルあたり成分で窒素60ミリグラム、リン酸400ミリグラム、カリ60ミリグラムを、均等に混ざるよう施します。緩効性肥料(溶出期間3から6ヶ月)を使うのが望ましいです。
本葉4から5枚になったら、9から10.5センチメートルのポットに鉢上げします。老化苗になると活着不良や土壌病害発生の原因になるので、適期に定植します。
葉の色が薄くなる前に追肥を行います。1回の追肥の目安は、液肥の場合7から10日ごとに成分で窒素80ppm、リン酸80ppm、カリ80ppmです。緩効性の置肥を使う場合もあります。
露地栽培の場合は、施設栽培に比べ肥料が溶出しやすいので注意します。
夏場のプラグ苗育苗では、育苗場所(ハウス内等)が高温になる時間を避け、早朝または夕方にかん水を行います。かん水ムラが苗の生育のばらつきや病害発生の原因になるので、過乾燥や過湿にならないようにかん水を行います。
定植後は、過湿にならないよう用土の表面が乾いたらかん水を行います。
病害は、育苗時や定植直後の黒根腐病などに注意します。薬剤による防除の他、予防として、用土や播種に使う道具の消毒と、激しい乾燥や長時間水が溜まってしまう程のかん水等、根にダメージを与えない水管理を行います。
定植後は、黒かび病や灰色かび病に注意します。
栽培期間は台風が発生する時期にかかるので、台風発生時は天気予報に注意しながら、ポットの置き場所の移動や嵩上げ、かん水を控えるなどの風対策や湿害対策を行います。
害虫は、ヨトウムシ類など葉を食害する害虫や、アブラムシ類に注意します。
徒長防止や苗の良好な生育のため、並んだ株と株が触れ合う前に、ポットひとつ分程度空ける間隔でスペーシングを行います。
初掲載:平成26年12月
印旛農業事務所改良普及課
普及指導員
田川和泉
(電話:043-483-1124)
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