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更新日:令和元(2019)年7月8日

12月~1月どり加工・業務用レタスの栽培法

1 はじめに

レタスは、サンドイッチ、ハンバーガー、及びサラダ等、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、又はレストラン等で毎日販売する商品の素材であり、一年を通して一日も欠かすことなく必要とされています。
これまで冬どりの加工・業務用レタスは、鹿児島県や長崎県等の西南暖地で多く栽培されてきました。しかし遠隔地の産地には、降雪等の災害による交通遮断や輸送コストの高騰等のリスクが懸念されます。レタスの加工・業務用需要が大きく伸びる状況下で、輸送リスクが低く、比較的温暖な気象条件である本県に対して、特に冬どり生産を求める声が実需者から寄せられています。また産地からは、小玉化しやすいこの時期に加工・業務用に適した大玉レタスの安定生産技術が要望されています。

2 加工・業務用に求められるレタスの特性

加工・業務用レタスに求められ、家計消費用とは異なる特性として、大きさや結球の巻き具合が挙げられます。家計消費用の規格が1玉350~500g程度に対し、加工・業務用では一般的に500g以上の大玉が求められます。レタスの加工は包丁等の刃物を使わずに、手で剥がすのが通常なので、手で剥がすことが容易で、かつ、加工品の重量が十分に得られる、適度な締まり具合が求められます(写真1)。

結球の巻き具合で異なる製品歩留まり

写真1 結球の巻き具合で異なる製品歩留まり

左:結球は重いが巻きがきつく、残る芯が大きいので、製品歩留まりは低い

中:巻きが適度で、残る芯が小さく、製品歩留まりは高い

右:巻きが緩く、残る芯が小さく製品歩留まりは高いものの、中心付近の小さい葉が多いので1玉から得られる葉の量が少ない

3 適品種と保温方法

冬どり業務用レタスには、大玉で、きつく締まりにくい品種が適しますが、収穫時期ごとに適品種は異なり、適した栽培方法と温度管理も異なります(図1)。トンネルよりパイプハウスの方が低温期の収穫は安定しますが、トンネル栽培においてもべたがけを2枚重ねにすることで、1月上中旬の収穫が可能です。

 

図1 加工・業務用冬どりレタスの収穫時期別の適品種(東総地域)

収穫時期

適品種

栽培様式

9月

10月

11月

12月

1月

2月

温度管理

12月上旬

どり

インカム

トンネル

加工・業務用冬どりレタスの収穫時期別の適品種(東総地域)(12月上旬どり)

生育後期でトンネル被覆
トンネルの十分な換気

12月中下旬

どり

レオグランド

トンネル

加工・業務用冬どりレタスの収穫時期別の適品種(東総地域)(12月中下旬取り)

外葉形成期の11月上中旬にトンネル被覆
結球の形状が乱れることがある

トンネルの十分な換気

1月上中旬

どり

レオグランド
スティンガー

トンネル
べたがけ

加工・業務用冬どりレタスの収穫時期別の適品種(東総地域)(1月上中旬どりトンネルべたがけ)

11月中下旬にトンネル被覆、12月以降トンネル内

不織布べたがけ(2重)トンネルの十分な換気

レオグランド
スティンガー

ハウス

加工・業務用冬どりレタスの収穫時期別の適品種(東総地域)(1月上中旬どりハウス)

生育初期の高温注意
摂氏25度以下に管理

1月下旬以降

どり

フルバック
シグマ

ハウス
べたがけ

加工・業務用冬どりレタスの収穫時期別の適品種(東総地域)(1月下旬以降どり)

生育初期の高温注意
摂氏25度以下に管理
1月中旬以降に不織布べたがけ

注)凡例 ●:播種 ▲:定植 ■:収穫 ∩:トンネル ----:べたがけ 凡例:ハウス:ハウス

(1) 12月上旬どり

品種「インカム」(みかど協和)
定植から生育初期は無被覆とし、収穫間際の11月下旬トンネル被覆を行います。この時期は、雨除け・霜除けを主目的とするため十分に換気します。

(2) 12月中下旬どり

品種「レオグランド」(みかど協和)
形状重視の家計消費用生産の場合、結球が始まる時期にトンネル被覆を行いますが、加工・業務用では形状より大きさが重視されます。そこで、形状より大玉化を促進させるために、より早い外葉形成期の11月上中旬にトンネル被覆を開始します。

(3) 1月上中旬どり

品種「レオグランド」(みかど協和)、「スティンガー」(ツルタのタネ)
パイプハウスを用いることで、レタス腐敗病の発生を抑え、結球肥大も良くなるため、安定的に大玉生産が可能となります。温度管理は摂氏25度以下になるように注意します。
トンネルの場合は、凍害防止のため、トンネル内に不織布2枚重ねのべたがけによる保温が必要です。2枚重ねのべたがけにより、凍害を受けた部分から発生する腐敗病を軽減します。ただし、べたがけに併せてトンネルの換気を十分に行わないと、腐敗病の発生を助長してしまいます。また、収穫遅れは、べたがけの有無にかかわらず、腐敗病の発生を顕著に増加させるので適期収穫を心掛けます。

(4) 1月下旬以降どり

品種「フルバック」(タキイ種苗)、「シグマ」(サカタのタネ)
安定的に大玉を生産するためには、パイプハウスを用います。ハウス栽培でも1月中旬以降には不織布のべたがけで保温をして腐敗病を防ぐ必要があります。温度管理は25℃以下になるように注意します。

(5) 品種の注意点

「インカム」、「スティンガー」は収穫が遅れると結球がきつくなり、低温期に栽培する「フルバック」、「シグマ」は高温で管理すると形状が乱れやすくなります。

(6) 株間

株間を狭めると大玉収量が減るので、株間は28~33cmとしますが、その他の栽培方法は家計消費用栽培に準じます。

4 加工・業務用レタスの経営試算

加工・業務用の場合、取引価格は家計消費用よりも安いものの、大玉とするために収量が多く、粗収入の差は価格差ほど大きくありません。さらに、加工・業務用では出荷に段ボール箱やフィルム包装を必要としないため、出荷部分の資材費が少なくなり、10a当たりの所得は19~25万円余りで家計消費用と大きな差はありません。

加工・業務用の労働時間は、フィルム包装が不要で出荷規格も極めて簡易なため、家計消費用より10a当たり30時間程度短縮されました。このため、1時間当たりの所得はトンネル栽培で1,000円程度、ハウス栽培で1,300円程度になるので、家計消費用とほぼ同等です。

 

初掲載:平成25年7月

農林総合研究センター北総園芸研究所
東総野菜研究室
室長 草川知行
電話:0479-57-4150

 

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所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

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