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更新日:平成31(2019)年4月23日

切花圃場で行われている土壌還元消毒の先進事例

1土壌還元消毒とは

作物を栽培した後の圃場は,土壌病害虫等が増加している場合があります(連作障害)。土壌病害虫を次の作に持ち越さないことは高品質・低コスト栽培には必須であるため,作物栽培後の土壌を消毒する必要があります。

土壌消毒には農薬を使用し病害虫を死滅させる方法がありますが,土壌還元消毒は農薬を一切使用しないで水と有機物を利用する「環境にやさしい消毒法」です。

土壌に米ぬかを混ぜて地温が30℃~40℃になると,これらを養分として土壌微生物が急増します。このとき土壌が十分に水を含んでいると,微生物による酸素の消費によって,急激に酸欠状態になります。酸欠により土壌病害虫が死滅し増殖は抑制されます。また有機物から生成される有機酸,太陽熱や発酵熱による高温,微生物同士の競合等の複合的な要因によって防除効果が得られます。

2土壌還元消毒の特徴的な事例紹介

施設切花における土壌還元消毒は,防除作業による作業者の身体への負担が無く,病害虫の防除ができる土壌消毒方法として普及しています。
今回は生産者自身が現地で改良を重ねて高い効果を挙げている事例について,手順とポイントを紹介します。

(1)下準備

栽培後の圃場の作物残渣をハウスの外に持ち出し,マルチや灌水チューブを撤去します。ロータリーで耕耘し,潅水をしておきます。

(2)米ぬかを播く

下準備の耕耘,潅水から2~3日後に,10a当たり1tの米ぬかを均一に散布します。その後,ロータリーで20cmの深さになる様に2~3回混和します。

(3)水を溜める

潅水チューブでハウス内に水が溜まるまで,水を散布します。この際,ハウス内の植付場所周囲の土を鍬等で盛り上げ,木製レーキ(トンボ)や,かご車輪を付けたトラクター,クローラーを装着したトラクター等で土を混和すると,均一に水と土を撹拌することができます。

 

写真1-1:湛水状態にして土を混和する様子

写真1-1湛水状態にして土を混和する様子(かご車輪)

 

写真1-2:湛水状態にして土を混和する様子

写真1-2湛水状態にして土を混和する様子(クローラ式トラクタ)

(4)ビニールをかける

十分に水が溜まったら透明なフィルムで全体を被覆します。フィルムは穴が開いていないものを使用します。被覆の際は中にフィルムと土との間に空気が入らないように注意します。

(5)ハウスを密閉する

ハウスを20日間以上密閉します。密閉後3日間,晴れた天気が続くと十分に還元状態になります。この際「ドブの様な強い臭い」が発生すれば還元状態になった目安になります。

(6)処理後の耕耘

ハウスを十分な日数密閉したら,ハウスを開放してビニールをはがし,ロータリーで耕耘して土壌を酸化状態に戻します。十分に耕耘を行わないと作物に生育障害が発生する場合があります。しかし,深く耕耘すると消毒が十分されていない土が混和されるので,20cm程度の深さで行います。耕耘してから5日以上おいてから定植を行います。

写真2:土壌還元後の土の状態

写真2土壌還元後の土の状態

 

写真3時25分cm程度の深さまで色が変化

写真325cm程度の深さまで色が変化

3土壌還元消毒の効果は複合的

この事例の圃場では湛水状態まで水を溜め,土を良く混和することで圃場の高低差によるムラや,残存肥料のムラが解消され作物が均一に生育します。また,夏の高温が続いた時に消毒を行っているので,地温が十分確保できて消毒効果が向上するため,防除効果も高くなっています。さらに,湛水混和によって土壌の構造が変化し,排水性や扱いやすさなど物理性の改善も見られます。

海匝農業事務所

改良普及課旭グループ

普及指導員間宮悠介

(TEL.0479-62-0334)

掲載日:平成25年5月1日

よくある質問

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2913

ファックス番号:043-201-2615

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