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更新日:平成30(2018)年10月5日

ビワ新品種「なつたより」の特性

1.はじめに

千葉県産ビワのセールスポイントは、果実が大きく見た目が美しいことです。ビワの管理作業は労働集約的ですので、労力を分散させるために多様な品種が必要です。
ビワ新品種「なつたより」は、千葉県の主力品種である「大房」及び「田中」と比較して、果実はやや小さいが、早く収穫でき、果皮の生理障害の発生は少なく、良食味の特徴があります。今後、千葉県にも導入・普及する見込みがありますので、これまでに得られた特性について紹介します。

2.育成経過

長崎県果樹試験場(現長崎県農林技術開発センター果樹研究部門)で、平成2年に「長崎早生」を種子親として、「福原早生」の花粉を交配して得られた交雑実生です。千葉県を含む9か所の研究機関でその優秀性が認められ、平成21年に長崎県によって品種名「なつたより」として品種登録されました。すでに県内でも苗木が導入され栽培が始まっています。

3.品種特性

(1)樹体の特性

樹姿はやや直立性で、枝の発生数はやや多く、樹勢はやや強を示します(表1、写真1)。また、育成地によると、がんしゅ病抵抗性はやや強いと評価されています。

(2)開花特性及び収穫期

1花房当たりの花数は中程度で、花房は大きく、小花梗は長くなります。側軸の着生方向はやや上向きとなり、開花期が10月下旬~1月中旬のため、果実の耐寒性は「茂木」並みで、「大房」及び「田中」より弱く、凍害を受けやすい特性を持っています。
露地栽培において、収穫期は6月3日頃で「大房」より5日、「田中」より14日ほど早く収穫できます(表1)。

(3)果実特性

果実は長卵形で、果頂部が凹み、がく片が開く傾向があります。果重は65~75gで、「大房」及び「田中」より10g程度小さくなります。糖度が高く、酸含量が低く、果汁が多いため、食味は良好です。果皮色が橙黄色で、生理障害の発生が少ないため、外観は美麗です(表1、表2、写真2)。
紫斑症(赤あざ)の発生は少ないので、ビワ5号袋(小林製袋産業株式会社)での栽培が可能です。

誘引により開張させた若齢樹写真

写真1:誘引により開張させた若齢樹写真

果実の外観

写真2:果実の外観

 

表1

※表1の拡大(JPG:169KB)

 

表2

※表2の拡大(JPG:178KB)

4.栽培上の留意点

樹姿はやや直立性なので、若齢のうちから誘引が必要です。
果実は凍害を受けやすいので、栽培地としては夜間の放射冷却現象が緩和される傾斜地を推奨します。また、早期摘らいによる開花期の延長、防霜ファンの設置、燃焼法の実施などによる凍害対策を行うことも重要です。
苗木は許諾を受けた種苗会社から購入できます。

初掲載:平成24年11月
農林総合研究センター暖地園芸研究所
果樹・環境研究室研究員蔦木康徳
電話:0470-22-2603

よくある質問

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