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更新日:令和3(2021)年6月28日
ページ番号:7244
平成22年4月16日の夜から翌17日朝まで県内各地でみぞれが降り、開花期中のナシを直撃したため、予備摘果時では無傷果がほとんど無いほど被害が大きい状況でした。その時の果実の傷の程度別に収穫時期まで追跡調査を行いましたので、ここで紹介します。
農林総合研究センターでみぞれが降った4月16日は、「幸水」の開花盛期の2日後に当たりました。予備摘果後の5月10日に、果実が受けた傷を2段階(軽傷:浅い・重傷:深い)に分けて軽傷17果と重傷10果を選びました。この時の被害果率は71パーセントでした。5月19日と6月16日に傷の写真を撮り、8月18日に収穫して傷の程度を経時的に調査しました。
その結果、予備摘果時期の傷は、収穫時期まで残ることが確認されました(写真)。5月10日に軽傷と判断した果実は、収穫時においてはおよそ半数の果実で傷がわずかに残る程度まで回復していました(表)。一方、重傷と判断した果実の70パーセントに大きな傷が残りました。
写真_「幸水」での程度別の果実の傷(上段:軽傷、下段:重傷)
5月19日
写真_「幸水」での程度別の果実の傷(上段:軽傷、下段:重傷)
6月16日
写真_「幸水」での程度別の果実の傷(上段:軽傷、下段:重傷)
8月18日
写真_「幸水」での程度別の果実の傷(上段:軽傷、下段:重傷)
8月18日(切断面)
予備摘果時の傷の状況 |
調査果数(個) |
有傷果数(個) |
有傷果割合(%) |
収穫時の傷程度割合(%) |
||
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
2 |
3 |
||||
軽傷 |
17 |
9 |
53 |
53 |
0 |
0 |
重傷 |
10 |
9 |
90 |
10 |
10 |
70 |
注)収穫時の有傷果の傷程度は、
の3段階に分け、それぞれの果実において最も重度の傷について調査しました。
平成2から20年の19年間で降雹による被害は、14か年報告されています。つまり、4年のうち3年は県内各地のどこかで雹害が発生していることになります。平成22年度のように予備摘果の時点において被害果率が50パーセント以上と推定されるような場合は、果実の傷の状況(浅い・深い)が判別できる時期に、果そう上位の無傷果より、軽度の傷で大きい果実を残すように摘果を行うのがよいと思われます。
初掲載:平成23年4月
農林総合研究センター生産技術部
果樹研究室
上席研究員
塩田あづさ
電話:043-291-9989
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