ホーム > しごと・産業 > 農林水産業 > 農業 > 普及・技術 > 千葉県普及情報ネットワーク > フィールドノート履歴一覧 > フィールドノート 平成20年 > フィールドノート シクラメンの黄色蛍光灯の利用による夜蛾類防除
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更新日:平成22(2010)年7月29日
~夜間点灯により夜行性の蛾の飛来と産卵を抑制~
シクラメン生産では、6月~10月までハスモンヨトウ・オオタバコガ等の夜蛾類の被害が発生します。特に近年、8月下旬~10月にハスモンヨトウが急激に増加し、被害や防除作業が集中します。香取地域では、平成17年から食害被害や薬害の低減と作業者の健康被害の軽減を図る物理的防除技術として、黄色蛍光灯の利用を推進してきました。黄色蛍光灯の夜間点灯により夜行性の蛾の飛来と産卵が抑えられる効果を利用したもので、技術導入のポイントについてご紹介します。
全天候型の防水型では(1)イエローガード(M社)があります。安価なものでは(2)電球型蛍光灯(H社)と(3)蛍光灯に巻きつけるフィルムカバー型のものがあります。香取管内では、ハウスの既存の電気配線を利用して、主に(2)の電球型蛍光灯の普及が進んでいます。
H17~19年の現地試験と導入した生産者のほ場での防除効果は、(1)殺虫剤散布回数の削減とハスモンヨトウによる食害の低減(2)出荷時期(11月下旬~12月上旬)の花の食害被害が、薬剤のみの防除に比べて、蛍光灯と薬剤を併用することで、最大1/10程度に抑えられることが確認できました。
※ 殺虫剤の削減効果は、他の害虫の同時防除もあるため、全体として20~30%程度の削減となりますが、栽培環境条件や害虫発生状況により異なります。

有効照度は1ルクス以上です。目安としてイエローガードでは20坪に40Wタイプ1台程度の設置になります。安定した効果を得るために、植物体のある領域が、1ルクス以上になるよう照度計で確認してください。
導入前後に、虫の発生状況の変化と食害の有無を確認してください。黄色蛍光灯の効果を実証する一つの目安となり、導入者である生産者が効果を確認し、新技術を安心して継続利用するために、ぜひ行ってください。
相対的長日植物であるシクラメンは、黄色蛍光灯を使用することで、生殖成長が助長され、品質が低下する場合があります。8月下旬から、1)追肥のタイミングを若干早めに行い、肥切れさせないこと、2)根を老化させない、根を傷めない管理により、葉枚数の確保を心がけてください。
光源と植物体の距離は2m以上を確保しましょう。光源と植物体との距離が近いと、光源めがけて飛来した夜蛾が、直下に落ちて植物体の暗い部分に入って産卵、食害被害が増えることがあるためです。
黄色蛍光灯点灯直後に、ハウス内外の周辺害虫が一時的に誘引され、被害が一次的に増加する現象も観察されました。導入するハウスの周辺作物や立地条件により注意が必要です。
黄色蛍光灯の点灯時間は、日没1時間前から日の出後1時間を基準とします。曇雨天では、さらに早めの点灯が良いです。点灯開始時期は、早い例では6月下旬頃から、通常は8月中旬頃からです。点灯終了時期は、11月上旬の加温開始時期を目安とすることで、花首が徒長しない良品質なものが生産できます。
生産者は、黄色蛍光灯の導入にあたって、1年目の試験導入では、不安と期待が葛藤する傾向にあり、2年目になると本格的に全生産面積の70%程度導入しています。したがって、1年目の試験導入で、(1)生産者が効果を確認できるか、(2)生産者が積極性に薬剤防除と組み合わせた効果的な使用方法を確認し自分の技術にできるかが特に重要な要素です。そのためは、指導機関の的確な支援も大切です。
フィールドノート8月 花き
香取農林振興センター振興普及部
改良普及課 東部グループ
上席普及指導員 松若真由美
TEL 0478-54-1338
掲載日:平成20年8月1日
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