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更新日:平成22(2010)年7月29日
旭市ではイチゴの系統出荷者は99名で約33haが栽培されています。また、直売生産者などを含めれば生産者は120戸を越え、面積も約50haと県内最大のイチゴ産地です。
現在栽培されているイチゴの主要品種である「とちおとめ」は、近年の夏期の高温、台風等により炭そ病が発生しやすく、定植苗の不足が続いています。イチゴは現在、ポット・夜冷・山上げ・無仮植など多種多様な育苗法があり、親株の取扱いについても多くの方法があります。そこで以前炭そ病の発生について行ったアンケートを踏まえて、炭そ病の発生実態について記載します。
炭そ病の発生は、ランナー発生期の初期に当たる6月頃までは「無い」と答えた方が多く、7月以降になると「多くなった」という回答が多くありました。発生は、親株の他、ランナーや採苗した小苗にも発生しています。親株での炭そ病発生が多い場合は、潜在感染(病原菌が植物体中に侵入しているのにかかわらず,植物が発病していない状態)が疑われます。
親株及び親株床での発生が少ないほ場は、育苗後半でも苗への炭そ病発生が少なく、発生が多かったほ場は、そのまま育苗中も発生が多くなってしまう傾向がありました。

炭そ病による病班
炭そ病の発生が少ない方は、「購入後専用のハウスに保管する」、「定植前から管理をしっかり行う(薬剤散布など)」といった傾向が見られました。一方、炭そ病の発生が多い方は、「購入後の親株を露地に置いていた」など耐病性品種と同様の管理をしている傾向がありました。
親株を定期的に更新している生産者の方が、炭そ病発生が少なく見受けられます。一方で、親株を購入し炭そ病発生があると答えた方の中には、防除を行っていても「発生が多く3割以上が枯れた」という方もおりました。また、生産者からは、「購入した親株がすでに感染していたのでは?」という意見もありました。購入したフリー苗を、「イチゴのウイルス病に対してフリー(無病)が、病気全てにフリー」といった誤解が、一部の生産者にあるようです。
育苗場所については露地育苗が約8割で圧倒的に多く、雨よけ育苗は約2割と少数に留まりました。炭そ病対策には、泥はねが少い雨よけ育苗が有効でありますが、雨よけ育苗でも炭そ病の発生が見られました。雨よけ育苗を行っていても炭そ病の発生が多い方は、頭上灌水など泥はねが起きやすい灌水法をとっている傾向が見られました。雨よけ育苗は泥はねによる感染の軽減が目的になるので、雨よけ育苗を行うだけでなく、灌水法まで視野に入れる必要があります。露地育苗でも炭そ病の発生が少ない方は、「ドリップ灌水や点滴灌水」、「ランナーの確保ができれば灌水を控えめにする」など、泥はねを軽減する工夫が見られました。
炭そ病の発生が少ない方は、葉かき後に薬剤散布を必ず行っている傾向が見られました。葉かきによって傷口から病原菌が感染するため、葉かき後の薬剤散布は有効です。また、台風や強風で株の傷みがあった後に薬剤散布を行うことは重要です。
フィールドノート8月 施設野菜
海匝農林振興センター振興普及部
改良普及課 旭グループ
普及技術員 益子尚道
TEL 0479-62-0334
掲載日:平成20年8月1日
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