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更新日:平成22(2010)年7月29日

フィールドノート 促成キュウリのつる下ろし栽培における品種特性

キュウリの促成栽培では、近年、‘ハイグリーン21’、‘ハイグリーン22’などのつや系またはワックス系と呼ばれる果実の形状と色沢の優れた品種が主力となっています。これらの品種は、市場性は高いものの、褐斑病に弱い、厳寒期に落下傘葉の発生が多いなど、以前は問題とされなかった病害や障害が多発しやすいという欠点があります。また、つる下ろし栽培の場合、12月~2月の最も寒い時期につるが伸び過ぎて、誘引枝を摘心しなければならない場合があり、計画的な生産を行っていくには、非常に扱いにくい品種です。

これらに替われる新品種を選定するために、昨年秋からこの春まで行った促成キュウリの品種比較試験の結果について紹介します。

供試した品種は、対照品種を‘ハイグリーン21’、‘ハイグリーン22’(埼玉原種育成会)とし、これらの品種より褐斑病に強いとされている‘モンドール’(ときわ研究場)、‘392’、‘383’(埼玉原種育成会)の5つです。誘引枝4本のつる下ろし仕立てにより10月17日定植で、4月30日まで栽培を行いました。病害防除や施肥は、慣行どおりに行いました。

表1に生育調査の結果を示しました。初期生育は、いずれの品種も‘ハイグリーン21’より早く、摘心時の主枝長は‘392’が最も長くなりました。‘モンドール’は、小振りの草姿で、他の品種より葉がやや小さく、栽培末期の誘引枝の節数も最も少なく、誘引枝の着果位置が他の品種より高く、この点では栽培しやすい品種でした。

表1促成キュウリのつる下ろし栽培における各品種と生育

表2には、病障害の発生状況を示しました。試験は150平方メートルの小さな施設で行いましたので、一般生産者の施設と比べ乾燥していたと考えられますが、厳寒期には、対照2品種に落下傘葉が多発しました。他の品種は、これらと比べると発生が少なく、特に‘392’には、ほとんど認められませんでした。褐斑病の発生は、‘383’で最も少なく、‘392’と‘モンドール’がそれに次ました。菌核・灰色かび病はいずれも被害果率1%以下と、本試験では発生が少なかったですが、‘383’では0.21%と他の品種と比べるとやや高かったです。つる枯病の発生は‘392’が少なく、‘383’と‘モンドール’が多かったです。

表2促成キュウリのつる下ろし栽培における各品種の病障害の発生

図1に収量を示しました。総収量が最も多かったのは‘383’で、10a当たり21.6t、上物収量も最も多くなりました。‘モンドール’は、総収量が低く曲がり果による下物もやや多く発生しました。

図1 促成キュウリのつる下ろし栽培における各品種の収量

以上の結果をまとめると、供試した3品種は、いずれも褐斑病と落下傘葉の発生が、対照品種より少なく、実用的な品種と考えられます。それぞれの品種の特徴と栽培上の留意点をあげると以下のとおりです。

‘モンドール’:厳寒期に伸長枝が伸びすぎず、下ろす回数も少なくて済む省力的な品種です。欠点として、曲がり果がやや多く、上物率がやや低い。ただし、対照品種より小葉であるので、本試験より密植または誘引枝の数を増やすと、上物収量が多くなると考えられます。

‘392’: 灰色かび病やつる枯病が少ないので、対照品種より病障害の発生の面では優れます。上物率も高く、誘引枝の伸びは対照品種並みですので、厳寒期の整枝や栽培管理については、対照品種と同様に検討が必要です。

‘382’:総収量・上物収量が最も多いが、他の品種より灰色かび病やつる枯病に弱いので、多湿環境ではやや栽培しにくい品種です。湿度を低め管理するか、灰色かび病などを対象とした予防散布の励行が重要です。誘引枝の伸びについては、‘392’と同様に問題があります。

フィールドノート10月 施設野菜
農林総合研究センター生産技術部
野菜研究室
上席研究員 大木 浩
TEL 043-291-9987
掲載日:平成20年10月1日

よくある質問

このページに関するお問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話:043-223-2911

ファクス:043-201-2615

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