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更新日:平成22(2010)年7月29日
シクラメン経営をより良くする方法のひとつに、自家採種が考えられます。 交配自体はそれほど難しい植物ではありません。その利点、方法、注意点を確認し、自分の経営で、もう一度自家採種を見直してみませんか。
最も大きい利点は、自分の経営に適した系統の選抜が可能なことです。
千葉県は、各地域で気象条件が異なり、栽培管理や販売先(顧客が求めているもの)も多様です。また、現在でも品種名のない系統が利用されており、素材は十分あります。栽培技術の向上とともに、自分の経営に適した系統を自分で選抜していくのが、自家採種の大きな意味であり、楽しみでもあります。
親株は、父親・母親とも同一系統内から選抜します(ここでは、同一系統内での特性の改善を目標とします)。以下の点を参考に、また、特に改善したい項目があれば、そこに重点を置き、望ましい親株を選抜します。
交配は1月から2月末までに行います。3月以降は気温の上昇とともに、種子の質・量が低下してきますので、交配は避けてください。
交配は、開花3日目位の花から花粉を採り、同一系統の株の雌ずいにつければ可能です。しかし、この場合は自殖してしまうこともありますので、厳密には除雄を行います。まず母親となる株を用意し、花を除き、蕾のみにします。開花1~2日前位の蕾の萼を片手で抑え、次に萼と花弁の間にピンセットを入れ、根元をつまむようにして軽くひねります(写真1)。少し蕾がずれた感触がしたら、蕾が葯ごとはずれていますので、抜いてください。慣れてくると、手で行うことも可能です。
交配は、除雄した3~4日後、なるべく暖かい日の午前中に行います。
まず、父親になる株を用意し、花粉を採ります。花の後を軽くたたくと、黄白色の花粉が落ちてきますので、プラスチックのキャップ等で受けます。キャップは、濃い色の無地の方が花粉がわかりやすく便利です。キャップの花粉を、直接または筆等を使い、除雄した花の雌ずいにつけます。
交配がうまくいくと、まもなく花梗が湾曲してきます。次第に、莢がふくらみ下垂してきますので、針金等のリングで支えます(写真2)。
種子は、一莢から30~50粒程度取れます。株の負担を考え、一株に付けるのは15莢程度にします。
自然に莢が割れ、種子が得られるには100日程度かかります。この間、交配した株は肥培管理を十分に行い、また病害虫防除に努めます。種子は莢が割れると、直ちにこぼれ落ちてしまうので、こまめに確認します。事前に採種するには、交配日を記録して90日前後で採種するか、柔らかくなり始めた莢を指で軽くつまみ、莢が割れるものを採種します。採種したものは、軽く水洗いして陰干しします。乾いたら、交配親、採種月日を記入した封筒等に入れ、乾燥剤を入れた密閉容器にしまい、冷暗所または冷蔵庫で保存します。

写真1 除雄作業

写真2 花梗が湾曲し、莢がふくらみ下垂する
採種にかけられる時間、労力、置き場所を良く考えて始めましょう。
1回では特性が安定せず、成果が期待ほどではないことがあります。長い目で見て、3年は、選抜・交配を繰り返してみましょう。
これにより、各年の天候による影響を小さくすることもできます。
栽培方法が大きく変わると、品種特性より栽培方法の影響が大きくなります。基本的には、同じになるように心がけましょう。
登録品種を増殖し、その種苗を譲渡することは、法令により禁じられています。また自家用の増殖でも、契約によりそれを制限されている場合がありますので、この点を良く確認してください。
フィールドノー11月 花き
農林総合研究センター
育種研究所 野菜緑化育種研究室
上席研究員 川辺 速夫
TEL 0475-32-3379
掲載日:平成20年10月31日
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