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更新日:平成22(2010)年7月29日

フィールドノート ちばエコ栽培に対応した育苗技術

平成19年の水稲における「ちばエコ農産物」認証状況は、生産者約1,000名、栽培面積約1,650ヘクタールとなっており、徐々に増えてきています。そこで、「ちばエコ」栽培に取り組む際の種子消毒などの育苗技術についてご紹介します。

育苗の前に

薬剤の使用回数に制限がある「ちばエコ」栽培では、最初に病原菌を持ち込まないことが特に重要になります。以下のような点に注意しましょう。

  • 育苗箱についた病原菌を排除するため、ケミクロンGの500~700倍液に育苗箱を10分間浸漬し、その後水洗いしてから日光に当ててよく乾かします。このときのケミクロンGは、「ちばエコ農産物」の薬剤使用回数には含みません。
  • 育苗に使う土は加熱消毒済みのものを用いましょう。
  • 割れ籾や不稔籾(しいな)を播種すると病気の元になることが多いので、できるだけ塩水選を行いこれらを除去しましょう。

種子消毒

化学農薬によらない種子消毒の方法として、微生物農薬の利用や温湯消毒があります。

1 微生物農薬

病気を起こさない微生物を籾の周りに繁殖させ、病原菌が増殖できなくする薬剤です。エコホープドライに重曹を加えて褐条病にも効果を発揮するようにしたエコホープDJ、イチゴで「バイオトラスト」という名前で登録されており褐条病にも登録があるタフブロックなど、新しい微生物農薬もできています。粉衣処理で廃液を出さず、さらに環境負荷を低減できるものもあります。

(1) 微生物農薬の種類と農薬登録状況

  • エコホープドライは生産終了となり、全てエコホープDJに移行しています。
  • 剤によって処理時期で効果に差が出ることがあります。例えばタフブロックは催芽時処理が最も効果が安定します。
  • モミゲンキは単体ではばか苗病への効果が劣るため、化学農薬との併用が必要です。

微生物種子消毒剤の種類と農薬登録

(2)、使い方と使用上の注意

  • 浸漬処理では薬液量を少なくとも種籾の容量と同量以上にします。種籾は網袋に入れて薬液の中でよくゆすり、薬液を行き渡らせます。
  • 浸種前に処理した場合、薬剤が落ちないように浸種の最初の2日は水を交換せず、その後の水交換時も水が強く動かないように留意しましょう。
  • 乾燥すると効果が落ちるため、処理後から播種までは種籾を乾燥させすぎないようにしましょう。乾かす場合は陰干しで、握って手に付着するくらい湿り気が残る程度にしてください。洗濯機で脱水すると乾燥しすぎることなく余計な水分を飛ばせていいでしょう。
  • 薬剤ごとに使用している微生物の種類が異なるため、併用できる薬剤に違いがあります。化学農薬等を併用する場合は微生物農薬の効果が落ちないか確認した上で使用してください。例えばエコホープの場合、スターナ、カスミンは同時使用しても影響は小さく、ダコニール、タチガレン、フジワン、ウィンは同時でなければ使用して問題ありません。
  • 微生物を使っているため、薬剤の保存可能期間が短いです。購入した分は直射日光の当たらない低温・乾燥条件で保存し、必ず期間内に使い切りましょう。ただしタフブロックは他のものに比べて有効期限が長い(1年半)です。

2 温湯消毒

籾を一定の温度の湯につけて、熱で病原菌を殺す方法です。湯の温度を一定に保たなくては効果が期待できないため、以下のリンクにあるような専用の機械を使います。機械の購入に費用がかかりますが、その後は種子消毒の薬剤を使わないため、低コストで環境負荷の少ない方法です。
温湯消毒機 タイガーカワシマ「湯芽工房」:http://www.tiger-k.co.jp/tig/saigatop.html

(1)、やり方

  • 温湯消毒に使う種籾はよく乾燥させてから使用します。
  • 湯の温度と時間は、60度で10分、58度で15分です。短いと殺菌効果が劣り、長いと発芽率が低下するため、時間を正確に計ります。
  • 所定の時間が経過したらすぐに湯から上げて冷水で熱を取り、その後浸種を行います。

(2)、注意点

種子についた病原菌は温湯消毒で殺菌できますが、種子箱や床土に病原菌がいた場合、それを防ぐことはできません。そのため、温湯消毒を利用する場合には育苗箱や土は必ず消毒済みのものを使用しましょう。温湯消毒後に微生物農薬を使ったり土に殺菌剤を使用したりといった対策を取る方法もあります。また温湯消毒は褐条病への効果は劣ることが知られているため、褐条病を蔓延させやすい循環シャワー催芽とは併用しないようにしましょう。

育苗ハウスでの管理

微生物農薬は化学農薬と違い、微生物が増殖して初めて効果があります。育苗初期は微生物が増殖している期間でもあるので、効果が出るまで適切な条件を保つよう特に注意しましょう。高温、低温、過湿などの悪条件下では、微生物農薬の効果が不十分になることがあります。

  • 水は播種時にたっぷりやり、その次は土の表面が乾いてくるまでやらないようにします。
  • 育苗シートに弛みがあると土表面に密着して過湿・酸素不足となり、微生物農薬の効果が劣りやすいので、注意しましょう。
  • 4月上旬でも昼間晴れると育苗シートの下は40度以上になることもあります。緑化が終わったら昼間はシートをはがし、ハウス内が20度以下になるように換気を行いましょう。人の立つ高さと育苗箱の高さでは温度がかなり違うため、温度計は育苗箱の高さに設置します。
  • ハウスのビニールを交換した年に高温障害を出す人が多いです。思っている以上に温度が上がるので注意しましょう。
  • 低温時よりも高温時に出る障害・病害の方が対処・回復できないものが多いため、特に高温障害に注意してください。
  • 微生物が増殖すると、エコホープでは白~深緑、タフブロックでは黄色のカビの塊が土表面や籾の周りに発生しますが、これは効果が出ている証拠ですので問題ありません。モミゲンキ、モミホープはカビではなく細菌を使っているので、このようなカビの発生はありません。

フィールドノート3月 水稲
山武農林振興センター振興普及部
改良普及課北部グループ
普及指導員 阿久津 元
TEL 0475-54-0226
掲載日:平成20年3月3日

よくある質問

このページに関するお問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話:043-223-2911

ファクス:043-201-2615

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