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更新日:平成22(2010)年7月29日
皆さん、何のために経営記帳を行っていますか?大半の方は、税務申告のために記帳を行っていると思います。当然、この記帳の結果に基づいて税務申告をすると、税務上の控除など有利な特典があります。
現在の農業は、規模拡大や借入金の発生など、経営が複雑化しており、安定した経営を行うためには、経営管理が必須です。いわゆる経営は管理の対象であり、生産、雇用、借入金など管理部門を明確にし、計画的な管理が重要となります。
簿記記帳は、税務申告も目的の一つとして有効ですが、本来、記帳結果に基づく的確な経営管理や経営判断に活用するなど、経営管理の手段として行うものです。
青色申告は、あくまでも納税手続きのルールを定めたものであり、簡易簿記(単式簿記)も認められていますが、経営の発展・確立を目指す経営管理には、複式簿記記帳が必要です。
損益計算書だけで経営を把握するのは危険です!
ある篤農家Aさんは、乳牛の飼養規模拡大に取り組み、技術もトップクラスの立派な専業経営です。
第一表に掲げたように、黒字経営で、しかも農業所得だけで十分家計費をまかなえるようになり、青色申告で納税していました。ところが、融資先から「貸付限度を超えているので、借入金を減らすように」との指導がありました。Aさん夫婦は、二人でいろいろ考えましたが、黒字決算なのになぜ借金がたまるのか、どうしても納得できませんでした。

Aさんの経営は、損益計算上はたしかに黒字なのですが、第二表のように借入元金の返済が500万円もあるので、実際は250万円の赤字です。
たしかに、毎年定まった月末には指定の口座から長期借入金の元金と利息が引き落とされています。その利息分については経費として計上できるというので損益計算書に載せて申告しています。
しかし元金の返済は、青色申告の書類には記入欄がないので頭に入っていませんでした。「結局、家計費を引くと、毎年約250万円ずつ資金不足で、その分を営農口座から借金して暮らしていたという結論になりました。」 単に損益計算書だけを見ていたのでは経営の実態はわかりません。第二表のように資金の収支を含めて把握する必要があります。そのためには、複式簿記での経営の管理が大切です。
技術がよくても倒産する例があるように、経営が発展するためには、第一図に示したように、技術力・情報活用力に加えて「経営管理能力」が不可欠で、これが「経営発展のための三点セット」です。
その経営管理能力は、複式簿記記帳によらなければ有効に発揮できないのです。
新年の始まりと同時に、複式簿記記帳を開始してみてはいかがでしょうか

フィールドノート2月 畜産
夷隅農林振興センター振興普及部
改良普及課平坦地域グループ
普及指導員 森本修司
TEL 0470-82-2213
掲載日:平成20年2月1日
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