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更新日:平成22(2010)年7月29日
近年、量販店等で使うキューブ状や球状のカット用として、種が極めて少ない3倍体スイカ(いわゆる種なしスイカ)の需要が増えています。育苗や交配等が通常の2倍体スイカよりも難しいため、栽培にはちょっとしたコツが必要です。
「べにかんろ」(高知前川種苗)、「ガブリコB」(タキイ種苗)など
契約出荷の場合、販売契約先から品種指定されることがほとんどです。

写真1 銚子特産の真っ黒西瓜「べにかんろ」
3倍体スイカは種皮が厚く、出芽までに通常の2倍体スイカよりも1日程度長く要します。播種床が過湿にならないように床土をやや厚めにして(覆土は1センチメートル程度)、出芽まで30~32度を維持します。出芽後は徐々に温度を下げ、徒長を防ぎます。また、子葉が種皮に覆われたまま出芽することが多いので、出芽後は早めに種皮を除去します。
子葉の形状や大きさは、株によってばらつきがあります。展開後の子葉葉長が20ミリメートル以下の小さい株を用いても収量に差はありませんが、生育が遅れたり、接ぎ木作業がやりにくかったりします。「べにかんろ」ならば、必要株数の7割増しを播種することで、ある程度の大きさに揃った苗を接ぎ木に供することができます(表1)。
台木播種から45日程度、接ぎ木から30日程度で展開葉数4~5枚の苗を定植します。

株間80~90センチメートルとして4本整枝2果どり、または株間75センチメートル程度として3本整枝1果どりとします。3倍体スイカは生育が旺盛なため、整枝作業をこまめに行い、着果節位までの孫つるはすべて切除して、いわゆる「つるぼけ」を防止します。
3倍体スイカの花粉は稔性を期待できないため、花粉採種株として2倍体スイカを1~3割用意する必要があります。花粉採種株には市場性の高い品種を用いればよいのですが、花粉採種株を先に着果させると雄花の大きさ、花粉の量、花粉発芽率が低下します。3倍体スイカの交配が2、3日早く始まるように、定植時期をずらしたり、花粉採種株の着果節位を上げたりといった工夫をします。
交配後30日間くらいは、果実の肥大を促すために日中30~35度を目安に保温します。この時期に温度が不足すると果実肥大は劣り、果形は三角柱状になりやすくなります(写真2)。このため、トンネル栽培では着果位置をベッドの中心付近とし、肥大期に果実を冷やさないようにします。

写真2 三角柱状に形状が乱れた3倍体スイカ
トンネル栽培では高温多雨期に当たるため、つる枯病、炭そ病、果実褐色腐敗病等の病害の発生に留意します。降雨や強風の前後を中心に殺菌剤の予防散布に努めます。
収穫が近づいてきたら換気を強くして、呼吸消耗を減らし、糖度の上昇を促します。熟期は2倍体スイカよりもやや晩生で、7月収穫で交配後50~55日程度です。果肉が硬く、収穫適期幅は広いので、早もぎを避け、必ず試し切りを行ってから収穫します。
フィールドノート4月 露地野菜
農林業総合研究センター北総園芸研究所
東総野菜研究室
研究員 町田剛史
TEL 0479-57-4150
掲載日:平成20年3月31日
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