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更新日:令和2(2020)年7月8日
『患者さんの立場に立って良質な検査サービスを提供します』
臨床検査技師17名(正規職員16名、会計年度任用職員1名)
2交代制(日勤/夜勤)
毎年、日本臨床衛生検査技師会、千葉県臨床検査技師会が主催する外部精度管理調査に参加し、日常検査の正確性を確認しています。
良好な成績を維持し、2014年からは日本臨床衛生検査技師会の「精度保証施設」の認証を受けています。
病気の診断や治療のために患者さんから採取した血液、尿、便、体腔液などの成分や病原体等を調べます。
すべての検体検査は、24時間同じ検査が提供できる体制を組んでいます。
(1)血液検査
白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビン濃度等の測定と、白血球の分類などを行っています。
バックアップ機を備え、24時間止まらない検査を実現しています。
(2)血液凝固検査
PT、APTT、フィブリノーゲン、プラスミノーゲン、AT-III、FDP、Dダイマーを測定しています。
(3)血液ガス検査
pH、pO2、pCO2、血糖、乳酸、電解質、Hb、CO-Hb、Creなど緊急性の高い20項目に対応しています。
(4)生化学・免疫検査
生化学自動分析置により比色項目31項目と電解質を測定しています。
化学発光を原理とした免疫測定装置により心臓マーカー(BNP、TnI)、ホルモン(TSH、Free T3、Free T4)、感染症(HBs抗原、HCV抗体、HIV抗原・抗体)、敗血症マーカー(プレセプシン)の測定を行っています。
(5)薬物血中濃度
エタノール、バルプロ酸、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、ジゴキシン、テオフィリン、バンコマイシン、炭酸リチウム、アセトアミノフェン計10種類の薬物濃度を測定しています。
(6)一般検査
尿の定性検査、尿沈渣、髄液や胸水、腹水の検査、便ヒトヘモグロビンの検査を行っています。
(7)輸血検査
全自動輸血検査システムにより血液型検査(ABO/RhD)、不規則抗体検査、交差適合試験を実施しています。夜間での緊急輸血も多いため、薬剤部との協力体制の下、迅速な輸血業務に努めています。どのような状況でも常に安全な輸血が行われるよう研修やトレーニングを行っています。
(8)微生物検査
24時間体制で緊急検体のグラム染色や抗酸菌染色、鏡検、各種抗原検査、培養、薬剤感受性試験を行っています。緊急性のある結果は直ちに臨床医に報告し迅速な治療につなげます。また2018年より厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業の検査部門に参加し細菌検出状況と薬剤感受性の報告を毎月行っています。
(9)薬毒物検査
中毒の起因物質は多種多様ですが、日本中毒学会が提言した「分析が有用な中毒起因物質15品目」について対応できるように準備をしています。
一般的な尿中の薬物スクリーニングでは、11薬物の検出が可能です。
また、スクリーニングで検出できない場合、尿、血清、胃液を材料として、
LC/MSとGC/MSによる質量分析で多項目一斉分析を行い原因物質の検出に努めています。
(10)病理検査
病理検査はほとんどが外部委託ですが、緊急性のある心筋生検については標本作製を行っています。また、亡くなられた患者さんの死因究明のための病理解剖、臨床病理検討会を行っています。
各種生理診断機器を用いて、患者さんの身体から生体情報を取り出し、数値・波形・画像として診断、評価する検査です。充分な検査結果を得るために、患者さんのご協力が必要な検査が多くあります。
(1)安静時心電図検査
心臓から発生する電気信号を手足・胸に付けた電極から波形として記録し、
心臓の筋肉の状態や脈の乱れ(不整脈)などを調べます。
(2)ホルター心電図検査(通常誘導・12誘導)
24時間心電図を記録することで、安静時心電図では捉えられない冠状動脈の状態や不整脈の有無を調べます。
携帯型心電計を装着し、通常の生活を送りながら心電図の変化を記録します。
(3)イベント心電図
ホルター心電図でも捉えられない場合、長期間貸出し型(14日間)の携帯心電計を用いて、少ない頻度の不整脈や自覚
症状が生じた時点の心電図変化を記録します。
(4)心室遅延電位(LP)検査
加算平均心電計を用いて、悪性の心室性不整脈を起こしやすいかを調べます。
(5)心臓超音波検査
超音波を用いて、心臓の壁(心筋)や心臓弁、心内血流をリアルタイムに画像として観察します。
非侵襲的にそれぞれの形や動き、大きさなどを調べることができ、心疾患の診断に有用です。
(6)経食道心エコー検査
胃カメラのような細い管(プローブ)を飲み込んで食道側から心臓を観察する検査です。
通常の心エコー検査では観察しづらい部分を観察することができます。
(7)脳波検査
脳の電気信号を頭皮に付けた電極から波形として記録します。覚醒時や睡眠時の脳波を記録し、異常波形の出現や左右差等を観察します。必要に応じ、光や深呼吸による刺激を与える場合があります。
(8)肺機能検査
患者さんに大きく呼吸をしてもらい、肺の換気能力や気管支の状態を調べます。
呼吸器疾患の重症度や手術前(全身麻酔時)の手術適応の判断にも用いられます。
(9)24時間血圧検査
携帯型の小型血圧計を装着し、一定間隔で24時間血圧を記録します。
通常の生活を送りながら1日の血圧の変化を調べることができます。
(10)終夜睡眠ポリグラフ検査
身体に様々なセンサーを付けて一晩眠り、睡眠の状態や無呼吸の有無を記録します。睡眠時無呼吸症候群の診断に有用です。小型で操作や装着が簡単な簡易検査もあり、こちらは自宅で行うこともできます。
(11)遠隔モニタリング管理
ペースメーカーや埋め込み型除細動器を装着されている患者さんのモニタリングを行います。定期的に送信される機器情報から、患者さんの症状の有無や機器の作動状況、電池残量などを管理します。