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ホーム > 教育・文化・スポーツ > 体育・スポーツ > 競技力向上 > 千葉県競技力向上推進本部 > 特集!千葉県のスポーツ&アスリート > 特集!千葉県のフェンシングと注目選手~東京2020千葉県内開催競技を知ろう~<後編>(平成28年12月14日)
更新日:令和元(2019)年12月4日
ページ番号:316021
千葉県で親しまれている競技にスポットを当てて、その魅力や特徴、注目のアスリートやエキスパートへのインタビュー内容をご紹介します。
今回は、東京2020大会で、千葉県内開催となる「フェンシング」特集。
2016年11月27日(日曜日)に行われたフェンシング体験イベントの様子、イベントに出演した高校生フェンサー溝口選手のインタビューをお届けした前編に続き、後編では、千葉県で取り組まれているフェンシングの競技力の今や、フェンシングに取り組むことができる県内クラブ等の情報をお伝えします。
3競技のうち1番基本的な種目で、「突き」だけを用います。フルーレでは「攻撃をするためにはまず腕を伸ばす」ことから始まり、「攻撃されれば、相手の剣を完全に払いのけて攻撃」しなければなりません。この攻撃と反撃の剣と剣の渡り合いが、フルーレの最大の見どころです。フルーレには有効面と無効面があり、有効面は金属繊維でできているジャケットを着用した部分になります。
正式な決闘武器として行われていたものが競技化したもので、前身(頭から爪先)どこを突いても有効となり、突いた選手に得点が入ります。しかし、電気審判器の中に25分の1秒のタイム差がセットされていて、このタイム差内で両選手が「同時突き(CoupDouble:ク―ドゥーブル)」をすると両選手に1ポイントずつ得点が与えられます。全身が有効面で、かつ素早い突きが要求されるため、試合運びにおける両選手の張りつめた緊迫感が見どころです。
馬上で行う軍刀術がスポーツ化したもので、他の2競技と異なり、「切り」が主体ですが、「突き」もできる競技です。サーブルにも有効面と無効面があります。有効面は選手の腰から上の部分で、頭、両腕も含まれます。フルーレ同様細かな規則が決められているため、攻撃権の取り合い、防御の方法等が判定に影響します。サーブルのおもしろさは、激しい動きと豪華な切り合いにあります。
※以上、千葉県フェンシング協会ホームページから抜粋。
千葉県内で競技普及にあたられている菊池平治副会長(千葉県フェンシング協会)に、千葉県の競技力の今についてお話を伺いました。
「県単位で競技力を測る上で、国体での成績を一つの指標にすると、2010年、2種別を除く全ての種別で8位入賞を果たした千葉国体以降、2011年山口国体で成年男子フルーレ7位・少年男子7位、2012年岐阜国体で成年男子フルーレ8位、2014年長崎国体で少年女子フルーレ3位・成年女子フルーレ7位(この時、女子総合成績(皇后杯得点)で5位にも食い込んだ)、2015年和歌山国体で成年女子フルーレ8位と各種別で入賞を果たしました。」
「本大会出場を懸けて1都7県で関東ブロック予選を戦うわけですが、群雄割拠の関東を突破するのが非常に難しい状況です。それを突破しさえずれば本国体での入賞の可能性はぐんと高くなります。チーム千葉全体で男女総合成績(天皇杯)、女子総合成績(皇后杯)を狙うには、やはり各年代での底上げが必須になってくるわけです。」
菊池副会長「日本フェンシング協会に登録している県内クラブは、光ヶ丘フェンシングクラブ(柏市)、柿の木台スケルマ・フェンシング教室(松戸市)、千葉市フェンシングクラブ、市川フェンシングクラブ、市川市定期スポーツクラブ、船橋市フェンシング教室、大穴フェンシングクラブ(船橋市)の7つがあり、青少年に向けた指導を中心に行っています。これらは千葉県フェンシング協会の各支部という位置づけでもあります。日本フェンシング協会の主催大会には個人の登録が出場資格として必要になっています。」
「県内高校では、柏市に2校(東葛飾高校、柏陵高校)、松戸に1校(松戸高校)、千葉に2校(検見川高校、渋谷教育学園幕張高校)、市川市に1校(国府台高校)、そして船橋市に1校(日本大学習志野高校)の計7校があり、県高体連に加盟しています。最近では、中高一貫校として東葛飾中学校でも部活動が誕生しました。」
「登録者数でカウントしますと、2016年10月現在で140名程度。未登録でも出場できる大会もありますし、何らかの形で競技に親しんでいる方を含めると、概ね240名程度といったところと推察します。」
競技人口を増やしていくには、指導者の確保が最重要かだ「まず競技人口について。1人の競技者のサイクルを考えたとき、大学生から社会人になる時にどうしても一定数が辞めてしまいますから、その分、新たな子ども達に加わってもらわないと、人口を増やすベクトルにはどうしても向いていきません。一番の問題は、高校数も先に紹介した限定数しかありませんから、その高校へ入学できず、民間のクラブにも通えなくなれば、競技から遠ざかってしまうことになります。高校ベースで拠点が増え受け皿が安定すれば、競技人口を大きく下支えすることができるわけです。上に挙げた高校には幸いにもフェンシング経験のある指導者が(1校を除き)配置されています。フェンシングができる高校数を増やしていくには、やはり指導者の確保が必要というわけです。」(写真は、体験ブースの運営に当たるボランティアの学生にフェンシングの基礎知識を教える菊池副会長)
「競技の普及に一番重要なのは、やはり指導者の数に尽きます。先ほど競技人口と高校や民間クラブの説明をしましたが、この数は他県と比べると恵まれている方ではあります。」
「昭和48年の若潮国体開催が決まったことをきっかけに、県内高校でもっと競技を広めていこうということになり、当時大学生だった私は、国府台高校フェンシング部に教えに行ったりしていました。かつてはそのような形で、OBが指導にあたったり、各学校で競技専門外の先生が四苦八苦して教えたりしていた時代があったわけですが、そうした努力が徐々に積み重なって、2010年のゆめ半島ちば国体の頃には指導者数も確保され、一昨年の教員異動で6校に顧問が配置されました。今後は、さらに今の選手達が、社会人となっても千葉に残り、指導者の循環が拡大していくことが望まれます。
「そのためには、協会として組織的に選手の競技環境を整える活動、例えば、学生の頃に指導者講習の受講、資格取得ができるような財政的支援などが必要と考えています。また、ピスト(金属素材でできた試合コートに敷く装置)や審判器といった競技用具の整備も、費用面で大きな負担になります。競技のルール変更に伴ってピスト・審判器も対応したものに整えていくことが必要です。現在、県内で使用されているものは10年以上前に整えられたもので、痛みもだいぶ激しくなっています。五輪開催に向けて、こうした競技用具も整えていく必要がありますし、五輪開催後もしっかりと管理を行い、競技環境面での良いレガシーづくりができていければよいです。
「個人では、ピンポイントで強い選手が千葉から育っています。溝口選手の指導者である本間奈々絵氏も千葉の出身で、アトランタ五輪出場時に注目を集めた選手です。こういう選手が指導者となり、現在、後世の育成に当たっているわけです。本日の体験会ゲストの三宅諒選手も、幼少期から中学生まで、市川を拠点に頑張っていた選手。こうした選手に刺激を受けて新しい世代が育ってほしいです。」
「最近、新聞にも記事になりましたが、光ヶ丘フェンシングクラブでは小学6年生2名が全国の大会で入賞を果たし、日本代表として世界の舞台に挑んでいます。年齢的には東京五輪の後になってくるとは思いますが、こうしたジュニアの成長はとても楽しみです。」(写真は、溝口選手の右横で紹介を受ける黒澤塁選手(小学6年、光ヶ丘フェンシングクラブ所属)。2017年3月にドイツで行われるケーニヒ杯出場が決まっている。)
「今後も、県内開催種目としてのフェンシングにより多くの競技者が集まってくれるよう、本日のような体験会イベントを積極的にやっていければと思います。」
日本フェンシング協会の登録団体を以下にご紹介します。県内で練習できる拠点情報は「千葉県内練習場案内」(千葉県フェンシング連盟ホームページ)からも参照いただけます。
※以下、2016年11月現在の情報。最新情報は各団体にお問い合わせください。
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