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更新日:平成29(2017)年4月4日

防災キャンプ「生活体験学校」事業報告

千葉県防災キャンプ「生活体験学校」は、子どもたちの「生きる力」の向上を目指し、避難所生活を想定した6泊7日の長期宿泊体験活動です。子どもたちは、薪を使った野外炊事などの生活体験の他、防災に関する技術・知識や、東日本大震災における地域の被災状況などを学びました。

また、子どもたちの生きる力の変容調査(国立青少年教育振興機構作成「IKR調査用紙簡易版」を使用)を行ったところ、生活体験学校修了後における生きる力に向上が見られました。その他、子どもたちの作文や保護者の感想から、子どもたちの自助・共助に対する意識が高まったことがうかがえました。

印刷用報告書(PDF:986KB)

生活体験学校の日程

1日目

開校式、仲間づくり、昔の生活を知ろう、箸づくり寝どこづくり

2日目

防災運動会、災害はいつ起きる、シャワーづくり

3日目

町に災害が起きたら、こんなところにこんなもの、火おこし~たき火

4日目

洗濯・危険個所マップづくり危険個所発見、聞き取り調査他、目指せ!星座博士

5日目

ロープワーク~テント設営けがをした人を見つけたら、昔の人のすごいところ

6日目

人と食べ物~伝統食づくり(昼食)冷蔵庫の残り物で何が作れる?(夕食)、キャンプのまとめ

7日目

作文・わかちあい、清掃・後片付け、閉校式

※太字は実習プログラム

1.千葉県防災キャンプ「生活体験学校」プログラムの特徴

防災キャンプ「生活体験学校」は、避難所生活を想定し、野外炊事を中心とした長期宿泊型のプログラムです。

実施プログラムは、中心となる生活体験、防災・減災の技術・知識を学ぶ体験、地域への理解を深める体験のどこにつながるかのバランスを考えて構成しました。

プログラム内容

プログラム内容

つながり

野外炊事・朝のつどい(早起き、体調管理)・身支度等

生活体験

防災運動会、洗濯(洗濯機を使わない)、火おこし・たき火、ロープワーク・テント設営、冷蔵庫の残り物で何が作れるか(創作料理)、けがした人をみつけたら(救急法)、はしづくり、昔の子どもの生活、昔の人のすごいところ等

防災・減災の

技術・知識

自分の町に災害が起きたら、危険箇所マップ・聞き取り調査、こんなところにこんなもの(地域の自然)、地域伝統食づくり(太巻き)等

地域理解

防災キャンプ「生活体験学校」実施上のポイント!

ポイント1:薪を使った野外炊事体験16回(19回の食事機会のうち自炊機会は16回)

  • 繰り返すことは子どもの自信につながる。自助の高まりはそのまま共助につながる!
  • 段階(ステージ)を踏んだメニュー設定。
    (1)薪で火をおこしてお湯を沸かす体験(釜揚げうどん)→(2)はがまでご飯を炊く(カレーライス)→(3)調味料で味付ける(牛丼)→(4)与えられた食材で献立を考えて作る
  • 米や根菜類を中心とした保存の利く食材と調味料を使ったメニュー設定。
    非常食でなく、家庭にある食材で温かい食事を作る
  • 子どもたちの自由な発想や工夫の機会を組み込む。
    夕食の食材を次の日の朝食のみそ汁の具にしたり、野菜は、めんつゆを使って浅漬けにしたり。
  • 朝食づくりに見られる調理時間の短縮
    2日めは火おこしから食べ始めるまでに1時間45分だったのが、6日めは1時間以内にいただきますができるように!

ポイント2:調和のとれたプログラム

  • 野外炊事を中心とした避難所生活体験を基本プログラムとし、日々の食事づくりの間に、生き抜くための技術・知識や、地域を知り地域を好きになるための実習や講義でプログラムを構成。

洗濯機を使わない洗濯、ペットボトルを太陽熱で温める簡易シャワーづくり、昔の生活や知恵を知る講義、危険箇所の把握や被災体験を聞くフィールドワーク、土嚢づくりやバケツリレーによる防災運動会、冷蔵庫の残り物で何が作れるか(創作料理)等

  • 活動は異年齢のグループで。協力する心や他者を思いやる気持ちなど、共助の心を育む。
  • 体験だけの活動にならないように気づいたことなどを振り返り、まとめ、発表し合うなどの活動時間を確保。

ポイント3:伝承者と次代の担い手、つなぎ手の三世代による異世代交流

  • プログラム講師は地域の大人。被災体験や昔の知恵を次代の担い手である子どもたちに伝承
  • 子どもに近い存在の大学生が子どもと大人をつなぐ。そして、大学生自身が大きく成長。

大学生スタッフには事前研修を実施。スタッフ同士の人間関係を構築し、キャンプ時のスタッフ間コミュニケーションをスムースにするとともに、安全確保の視点やキャンプの意義を理解することがねらい!

※大人スタッフを配置し、大学生をサポートする体制づくり

ポイント4:県と市の共催による事業運営

  • 県のネットワークを活用したスタッフ構成

野外活動の専門家、教員志望の大学生スタッフ、県の体験活動指導者養成事業修了者

  • 山武市の資源(人材や資源)を活用したプログラム企画

山武杉のはしづくり、津波被害の体験の聞き取り(フィールドワーク)等

2.「生活体験学校」における生きる力の変容(独立行政法人国立青少年教育振興機構「IKR評価用紙」(簡易版)使用)

生きる力に関わる28項目について、防災キャンプ「生活体験学校」参加児童生徒に、事前(実施前)・事後(終了直後)・追跡(約1ヶ月後)の3回の調査を分析した結果、子どもたちの生きる力は、事前調査に比べて、すべての項目において向上していることが分かりました。しかし、調査項目のうち、事後調査で向上していた「先を見通して、自分で考えられる」(心理的社会的能力<視野・判断>)の得点が追跡調査では低下していました。このことは、子どもの日常の中で「先を見通して自分で考える」機会が少ないためと推測でき、子どもの体験と日常生活を結びつける工夫が課題であると考えられます。

  • プログラム毎に満足度を調査したところ(各4点満点)、「野外炊事」「自分の町に災害が起きたら」の満足度が高い結果となりました。「生活体験学校」をとおして、子どもたちの災害に対する意識が高まったと考えられます。
  • IKR調査や感想などから、自分のことは自分でしたり、困っている人のために何かしたい等、子どもたちの自助と共助の意識の高まりが感じられました。
  • 繰り返すことによって力が身に付くプログラム(野外炊事等)と、一度でもやった経験が自信につながるプログラム(洗濯機を使わない洗濯等)があることが分かりました。

活動プログラムは、内容のバランスを考えて組み合わせることが重要です。

3.参加児童・生徒の感想

  • 初めてご飯を作ったらおかゆになって、次におこげがたくさんで、最後はおこげもなくて白いご飯が作れました。
  • 自分のご飯は自分で作らないと食べられないということを知った。(大変なことも)仲よくやれば楽しかった。
  • 防災キャンプで学んだことを生かして、なるべく家の手伝いをし、万一に備えて、靴をしっかり揃えて、ライトやラジオ等をいつでも持って行けるところに置いて、防災に向け努力したいです。
  • 自分にできることは、火をおこしたり、水を沸騰させたり、避難所にいる人に配給したり、高齢者のために布団を敷いたりすることです。
  • 僕にできることは、避難してきた人達を励ましてあげること。避難してきた人達と仲よく協力して色々な人を助けられたらいいと思います。

4.保護者の感想

  • 台風の時、災害のことについて色々話した。普段の生活の中では特に変わったとは思っていなかったが、いざという時、親の知らない知識を持っているなと感じた。とても落ち着いて行動している姿に感心した。
  • 台所の手伝いを進んでやるようになりました。包丁を怖がらずに使えるようになっていました。
  • 普段から兄弟、下級生の面倒をよく見る子でしたが、以前よりも思いやりを持って接することができていると思います。

5.まとめにかえて

「生活体験学校」に参加し、防災に関する技術・知識等を学んだことで、子どもたちの生きる力は向上しました。

  • 長期日程は、野外炊事等の体験を繰り返し行えるなど、子どもが試行錯誤する機会が多く効果が高い。
  • 洗濯(洗濯機を使わない)等、初めてでインパクトのある体験は、子どもたちの記憶に残るとともに自信につながる。
  • 「生活体験学校」と日常生活の結びつきを深めるには、振り返りや分かち合いの時間を確保することが大切である。

※実施期間(宿泊日数)にかかわらず、学校や家庭等における日常の生活体験と関連付けないと効果は薄れる。

  • 支援スタッフに子どもと年齢の近い大学生などの若者を活用することは、コミュニケーションを活発にし、自主性など子どもの意欲を高める効果がある。
  • 通学合宿やサマーキャンプなどの既存事業でも、防災キャンプのプログラムを取り入れることができる。

※被災時を想定した食材や調理法を意識した炊事体験、体育館や屋外での宿泊体験、地域散策等

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