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ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化財 > 文化財の指定と登録 > 新指定・登録の文化財 > (平成30年度)県指定文化財の指定について
更新日:令和4(2022)年3月10日
ページ番号:314590
発表日:平成31年2月6日
教育庁教育振興部文化財課
千葉県教育委員会は、有形文化財(絵画)「藁屋根」(千葉市)・「漁婦」(千葉市)、有形文化財(考古資料)「能満上小貝塚出土土製品」(市原市)、有形民俗文化財「三ツ堀のどろ祭用具及び関連資料」(野田市)及び天然記念物「町原大銀杏」(横芝光町)の5件を新たに県指定文化財に指定することを決定しました。
(わらやね)
有形文化財(絵画)
千葉市中央区中央港1丁目10-1号 千葉県立美術館
千葉県
「藁屋根」の作者、浅井忠(あさいちゅう・1856~1907)は佐倉藩士・浅井常明の長男として生まれ、少年時代を佐倉で過ごした、本県を代表する明治期の洋画家である。
イタリア人教師アントニオ・フォンタネージに師事した浅井は、バルビゾン派の画風を学び、農村・漁村の風景を好んで描いている。「藁屋根」は、「春畝」(1888年、重要文化財)などと同様に農村の生活の一コマを描いており、緊密な構図で入念に描き込まれ、油絵具の性質を活かした豊かなマチエールを持ち、日本近代絵画史の上でも重要な作品である。
藁屋根(縦:48.9cm・横71.0cm)
(ぎょふ)
有形文化財(絵画)
千葉市中央区中央港1丁目10-1号 千葉県立美術館
千葉県
「漁婦」の作者、浅井忠(あさいちゅう・1856~1907)は佐倉藩士・浅井常明の長男として生まれ、少年時代を佐倉で過ごした、本県を代表する明治期の洋画家である。
1897(明治30)年1月に外房州根本へ旅行した際に制作され、同年春に開催された第8回明治美術会に出品されたことが明らかにされている。印象派風の光の表現も認められ、浅井の画歴の中で重要であるのみならず、日本近代絵画史上でも重要な作品である。
漁婦(縦:57.7cm・横83.5cm)
(のうまんかみこかいづかしゅつどどせいひん)
有形文化財(考古資料)
市原市能満1489番地(市原市埋蔵文化財調査センター)
市原市教育委員会
能満上小貝塚は、市原市能満字上小貝塚に所在する縄文時代後期から晩期の貝塚を伴う集落である。平成4年に行われた発掘調査では、今回指定する土製品を含む多くの資料が発見されている。指定品の内訳はイノシシ形土製品2点、手燭形土製品1点、土偶頭部破片1点、土版2点である。これらのうち大きい方のイノシシ形土製品は、県内の他の事例と比べて大形で写実性が高いことから特に貴重である。いずれも縄文時代晩期の住居跡等から出土しており、当時の祭祀を考える上で重要であるとともに、縄文時代の精神文化の一端を示す資料として学術的価値が高い。
能満上小貝塚出土土製品
(みつぼりのどろまつりようぐおよびかんれんしりょう)
有形民俗文化財
野田市三ツ堀164番(香取神社)
三ツ堀香取神社氏子
「三ツ堀のどろ祭」は、ヨイモリ行事と若者を中心とした浜降り行事で構成されており、特に後者の行事は神輿の担ぎ手が泥まみれになることで知られる。平成元年を最後に休止しているが、当時の祭礼用具一式が保存されており、行事の実態を伝えるとともに歴史的な背景や変遷までも知ることができる資料である。
祭礼用具の虫干しの様子
(まちはらおおいちょう)
天然記念物
横芝光町木戸台字町原1917-1
町原区ほか
「町原大銀杏」は、神社の境内に生育するメスのイチョウであり、樹高約25m、幹周り約6.5m、推定樹齢は500年と言われている。太い枝の付け根からは、枝の一部がこん棒状に多数垂れ下がっており、「乳銀杏」と呼ばれ、女人信仰の対象となっている。また、一部の実の柄が葉柄と合着し葉上に結実した「オハツキイチョウ」の特徴も有しており、県内でも稀有である。
イチョウ全体像
結実した様子
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