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「ちば遺産」100選(5)
九十九里浜(海岸平野)と地曳網漁・水産産業のゾーン
1.九十九里地域の獅子舞と神楽
鎌数
(
かまかず
)
の神楽
(旭市;県指定)・
北之幸谷
(
きたのこうや
)
の獅子舞
(東金市;県指定)・
永田旭連
(
ながたあさひれん
)
の獅子舞
(大網白里町) 伝統文化
九十九里地域には、多くの神楽や獅子舞が現在まで地域の人々の手により伝承されている。東金市北之幸谷の獅子舞(写真)は、稲荷神社の氏子に伝承されている2人立ちの獅子舞で、地域の若者により伝えられている。演目は「
平舞
(
ひらまい
)
」「四つ足」「玉釣」「
蛇狂
(
へびぐるい
)
」「
蛙狂
(
かえるぐるい
)
」「おそめ」などがあり、特に秋祭りに演じられる「はしご昇り」は見事な動きで有名である。大網白里町永田旭連の獅子舞は、慶長年間(1596〜1615)以来の伝統を持つと伝えられ、伊勢の太神楽の系統を引き、矢口神社の春・秋の例祭で奉納されている。
また、毎年3月27日・28日に旭市の鎌数伊勢大神宮の大祭では十二座神楽が演じられる。江戸時代に行われた椿の海の干拓にあたり、伊勢神宮から御神木と御札をいただいてきたところ、そのご利益で無事に干拓でき、これを感謝して、寛文12年(1672)に鎌数伊勢大神宮が建てられ、この神楽が奉納されるようになったという。
2.九十九里大漁節
(九十九里町;県指定) 伝統文化
九十九里浜の沖合は、いわしが多く回遊し、また長く続く砂浜は遠浅のため、江戸時代から地曳網漁が発達した。九十九里大漁節は、活気にわいたいわしの地曳網漁の様子をうたった歌で、大漁の祝いの宴席などで歌われた。発生時期は、天保10年(1839)の大漁の頃と考えられている。
3.横芝光町
広済寺
(
こうさいじ
)
の
鬼来迎
(
きらいごう
)
(横芝光町;国指定) 伝統文化
鬼来迎は、毎年8月16日に、横芝光町
虫生
(
むしょう
)
地区にある広済寺の境内で行われる。鬼来迎は、仮面による仏教劇であり、現在は、地獄の責め苦とその救済を描いた「大序」「賽の河原」「釜入れ」「死出の山」までの4段が演じられている。鬼婆(写真)が、幼い子どもを抱くと、かんの虫が治るなどの信仰も伝わっている。
4.
常灯寺
(
じょうとうじ
)
の木造薬師如来坐像
(銚子市;国指定) 文化遺産
常世田薬師
(
とこよだやくし
)
の名で信仰を集める薬師如来坐像は、平安時代後期の優れた仏像である。端正な表情と優美な衣の表現に加え、音楽を奏でる様々な姿の菩薩像を付ける
光背
(
こうはい
)
と、衣が垂れる八角形の台座は、当時の美意識を見事に示している。像高140.9cm、複数の木材を組み合わせて作られた
寄木造
(
よせぎづくり
)
という技法で作られる。
5.
粟島台
(
あわしまだい
)
遺跡出土の
椰子
(
やし
)
の実容器と
琥珀
(
こはく
)
(銚子市) 文化遺産
粟島台遺跡は、千葉県内で最東端に位置する、縄文時代前期〜後期(約6000年前〜約3000年前)の遺跡で、竪穴住居と貝層が確認されている。漆で文様を描いた土器や動物・魚類の骨、様々な石器の他、銚子の「中生代白亜紀」の地層から採取できる琥珀の原石や加工途中の琥珀の破片が出土しており、琥珀を供給する拠点的な遺跡であったとも考えられている。また、南方の椰子の実に漆を塗り、容器としたものが出土しており、房総の黒潮文化の歴史の古さを物語っている。
6.
大原幽学
(
おおはらゆうがく
)
遺跡旧宅・墓および
宅地耕地地割
(
たくちこうちちわり
)
(旭市;国指定) 文化遺産
大原幽学(1797〜1858)は、道徳と経済が調和した「
性学
(
せいがく
)
」を説き、江戸時代の農村改革を実践した人物で、その実践の地が、大原幽学遺跡である。現在の農業協同組合に当たる「
先祖株組合
(
せんぞかぶくみあい
)
」や生産性を高める水田の地割や屋敷の構え方を考案し、門人を指導した。幽学自身が設計した旧宅や水田の地割が現在も残され国指定史跡となっている。遺跡内の大原幽学記念館では、幽学が書いた著作や手紙などが展示されている。
7.飯高檀林跡《飯高寺》
(匝瑳市;講堂・鐘楼・鼓楼・総門:国指定) 文化遺産
日蓮が生れた房総には、江戸時代に日蓮宗の大学(檀林)が数カ所あった。その一つの飯高寺は飯高檀林と称され、全国から学僧が集う学校だったのである。境内全体が史跡として保存され、巨大な講堂、
鼓楼
(
ころう
)
、鐘楼、
一切経蔵
(
いっさいきょうぞう
)
などの建物があり、修学に励む学僧の息吹を今日に伝えている。
8.
宮谷県庁跡
(
みやざくけんちょう
)
(大網白里町;県指定) 文化遺産
明治元年(1868)7月、
天領
(
てんりょう
)
(幕府の直轄地)を管理するために、
久留米藩士
(
くるめはんし
)
・
柴山
(
しばやま
)
典が、新政府から
上総房州監察兼知県事
(
かずさぼうしゅうかんさつけんちけんじ
)
に任命された。その管轄地は、上総・安房と常陸(茨城県)の一部を含み、
宮谷県
(
みやざくけん
)
と命名され、柴山典は、房総で最初の新政府民政担当の地方長官となった。本國寺(ほんこくじ)の建物が、その庁舎として使用され、現在まで残されている。なお、本國寺は、江戸時代、日蓮宗の大学、宮谷檀林として多くの学僧を輩出した。
9.芝山古墳群と埴輪
(芝山町・横芝光町;古墳群:国指定) 文化遺産
4基の前方後円墳、13基の円墳からなる古墳群で、なかでも全長88mの
殿塚
(
とのづか
)
、全長58.5mの
姫塚
(
ひめづか
)
古墳が主墳として注目される。出土した埴輪は、あごひげを蓄えた男性や
島田髷
(
しまだまげ
)
を結う女性、太刀をはく男性の人物埴輪の他に、珍しい物をかたどった
器財
(
きざい
)
埴輪などが出土している。これらの出土品からは、古代に当地を治めていた首長の権威をうかがうことができる。
10.犬吠埼
白亜紀浅海堆積物
(
はくあきせんかいたいせきぶつ
)
とアンモナイト化石
(銚子市;国指定・県指定)自然遺産
房総半島の地表面の大部分は、第三紀始新世(約5600万年前)以降の新しい地層でできている。しかし、千葉県の東端の犬吠埼周辺では白亜紀前期(約1億2000万年前)の海底で堆積した地層が露出し、その堆積状況を観察できる貴重な場所である。また、この地層からはアンモナイトなどの中生代を代表する化石が産出する。
11.渡海神社の極相林
(銚子市;県指定) 自然遺産
神社境内の社叢林(神社のまわりに聖域として残された林)は、関東地方の典型的な海岸林で、タブとシイを中心として、トベラ、ツバキなどの常緑広葉樹も生えている。強い潮風を受け、亜高木層(高い木の中でもやや低い木のグループ)は見られない。3〜400年間、人間の手を加えない自然状態におかれてようやく出来上がった、植物生態学の上で極めて貴重なものである。
12.
屏風
(
びょうぶ
)
ケ浦の地層と自然景観
(銚子市) 自然遺産
屏風ケ浦は、銚子市塩見町から旭市
刑部岬
(
ぎょうぶみさき
)
に至る約10kmに及ぶ断崖絶壁である。約500万年前から堆積した標高約40〜60mの台地を、太平洋の荒波が浸食してできたものである。崖面では緩やかに傾斜した地層の様子がはっきり観察できる貴重な場所である。崖から浸食された砂は、九十九里浜の一部となっている。東洋のドーバー海峡とも呼ばれ、千葉県を代表する自然景観でもある。
13.食虫植物群落
(東金市・山武市;国指定) 自然遺産
大正9年(1920)に指定された我が国最初の天然念物の一つ。モウセンゴケやイシモチソウ、ミミカキグサなどが自生し、環境省作成のレッドデータリストのうち18種が自生する貴重な湿原である。初夏に花の見頃を迎える。
14.山武市のクマガイソウ
(山武市;県指定) 自然遺産
クマガイソウは北海道から九州、中国大陸にも分布するラン科の植物で、4〜5月に薄紫色の花が咲く。成東の群生地は範囲が極めて広く、土地所有者の努力により、現在も群落が守られている貴重な場所である。
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