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更新日:令和2(2020)年10月1日
ページ番号:315413
(えんめいじいたいしとうば)
県指定有形文化財(考古資料)
昭和38年5月4日
南房総市本織2014-1(延命寺)
板石塔婆は板碑とも呼ばれる、板状の石を用いた卒塔婆の一種として発生した供養塔で、14世紀をピークに鎌倉時代から室町時代にかけてつくられた。千葉県内には、埼玉県秩父地方で採れる緑泥片岩を素材とした「武蔵型板碑」が広く分布するほか、茨城県筑波山周辺産の雲母片岩などでつくられた「下総型板碑」が、利根川下流域や九十九里北部地域に限られて分布している。
本資料は里見氏の菩提寺の一つである延命寺の境内に建てられた「武蔵型板碑」で、高さ126cm、幅32cmを計る。上半部には天蓋をつけた弥陀をはじめとする三尊の種子(しゅじ)〔キリーク(弥陀)、サ(観音)、サク(勢至)〕を各々蓮座にのせて配し、下半部には行書体で正安3年(1301)辛丑卯月廿一日敬白の紀年銘が読みとれる。また、現在の形は江戸時代に別の板石にはめ込まれ、亀座の背に立つ姿に整えられたものである。
北総地方に比べ、現存する板碑が少ない安房地方において貴重であるばかりでなく、房総半島では「武蔵型板碑」の南限となる資料としても重要である。
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