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更新日:令和5(2023)年5月11日
ページ番号:314731
(けんぽんちゃくしょくりょうかいまんだらず)
県指定有形文化財(絵画)
平成15年3月28日
いすみ市荻原2136(行元寺)
両界曼荼羅図は密教の根本思想を図示した本尊画像である。
本図は胎蔵界曼荼羅が12の区画(院)に、金剛界曼荼羅が9の区画(会)に分かれた典型的な例である。胎蔵界曼荼羅虚空蔵菩薩像・千手観音の表現と、金剛界曼荼羅が九会の曼荼羅としてあらわされていることから、本図は空海請来本系の両界曼荼羅といえる。
描線と彩色は淡くなり像容はゆがんで制作当初の姿を正確にうかがえないが、筆力ある描線で表された像容は作者の優れた技量を感じさせる。
長身と思われる像容や諸尊の光背の色調が変化に乏しいことは鎌倉時代以降の作と考えられ、ことに絵絹の目の粗さなどから制作が室町時代頃であることが推定される。
昭和63年(1988)の修理の際に判明した、軸木の墨書銘の覚え書きには、本図は正長2年(1429)に山城国京五条坊門西戸の光賢が百一日を費やして描いたことが記されている。この軸木覚え書きの正長2年の年記は、本図の推定制作年代とも合っている。なお、筆者の経歴等明らかではない。
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