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更新日:令和5(2023)年12月14日
ページ番号:314651
(けんぽんちゃくしょくあじかんぞう)
県指定有形文化財(絵画)
平成7年3月14日
匝瑳市貝塚860(寶光寺)
金箔の置かれた梵字の「阿」が蓮華座に置かれ、これを外周に金箔の置かれた円相がつつみ、その円相を大きな蓮華座に載せる。大蓮華座は、迷いをうち破る仏の智慧を象徴する三鈷杵に支えられ、さらに全体が反花に載る。「阿」字の置かれる蓮華座の蓮弁の色は黒変していて本来の色はわからない。大蓮華座は上方が赤色で、蓮弁の輪郭と葉脈には切金を置いて表現している。三鈷杵は金泥で描かれているが、これは修理の際に補われたものと思われる。反花の蓮弁は緑色で彩色されていたものと思われる。
大蓮華座の蓮弁は、繊細な切金を流麗な線として駆使しており、蓮弁のまとまりの表現も古様な描写であるが、図像が描かれる絵絹地の目が粗いことなどから、本図の制作は南北朝時代(14世紀頃)と推定される。
この図が用いられる「阿字観の観法」は、弘法大師が日本に伝えた真言密教の瞑想法である。「阿」字は、古代インド語である梵語の最初の文字で、大日如来を象徴している。大日如来は、宇宙の真理をあらわす仏である。「阿字観の観法」は、「阿」字を観て想いをめぐらし、自分の心が大日如来のような心そのものであると瞑想することにより、心身の安定をはかるものである。
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