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更新日:令和3(2021)年4月5日
ページ番号:20566
平成20年12月25日(木曜日)10時30分~11時06分
本庁舎1階多目的ホール
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(知事)
おはようございます。定例の記者会見、始めさせていただきます。
(知事)
年末というと恒例ですが、県政の10大ニュースを発表させていただきます。
報道機関の皆様、県の関係者、私も入っているし、副知事も入っているし、支局長さんたちなど、比較的県政に詳しい人たち30人で投票によって選定された10大ニュースでございます。
今年の第1位は、「海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故」でございました。今でも忘れられません。
第2位は2つございます。「成田空港開港30周年と国際空港都市づくり」、もう一つは、「食の安全・安心を脅かす事件や健康被害などの発生」です。ギョーザの事件などいろいろございました。
第4位は、「三番瀬海域における漁業補償問題に係る民事調停の成立」。
第5位は、「千葉県立千葉中学校のスタート」。一貫校がスタートしました。
第6位は、「サッカー王国千葉を全国にアピールしたインターハイでの本県勢2校のダブル優勝」でした。
第7位は2つございます。1つ目は、気候変動などをテーマとした国際会議「G20グレンイーグルズ閣僚級対話の本県開催」。イギリスからブレア首相も参加してくれました。
もう一つは、「東金市の女児死体遺棄事件など重大事件の捜査本部設置」でございます。
第9位は、いよいよ来月から運行を開始する「ドクターヘリ2機目の導入」。
第10位は、「燃料価格の高騰に伴う漁業者の全国一斉休漁と県の緊急支援の実施」でございました。
「衝突事故」のニュースが1位になったのですが、国民の安全を守る立場にある自衛隊の艦艇による事故で地元の漁業者が犠牲になって、命を失ったという重大さのあらわれだと思います。本当に残念な事故で、このような事故は二度と繰り返してほしくないと思っています。
衝突は2月19日に起こりました。南房総市の野島崎沖で漁船の乗組員2人が行方不明になりました。県は直ちに漁業調査船を出して、地元の漁協と一緒にお二人を捜索しましたが、残念なことに5月20日に海上保安本部によって死亡と確定されたものです。
千葉県は漁業が盛んで、今回の事故にあった海域は漁船の多く行き交う場です。このような悲惨な事故が二度と起きないよう、国に対して再発防止策と漁船の安全な操業の確保などを強く要請をいたしました。
では、第2位ですが、「成田空港」の問題でございます。成田空港30周年と国際空港都市づくり。第2位の成田空港は、羽田空港にかわる日本の新たな空の玄関として昭和53年に開港し、今年の5月20日で30周年を迎えました。
成田空港では、来年度中に供用が開始される、平行滑走路を2,500メートルに延長する工事が順調に進んでいます。また、さらに平成22年度には成田新高速鉄道が開通するなど、アクセスもよりよくなります。日本の国際拠点空港としてますます充実をしていきたい。日本で一番大きい国際空港ということで、成田の立場というのか、拠点としての立場はますます充実していくと思っています。
第2位は2つございました。同点だったのですが、今年1月、中国産の冷凍ギョーザによる薬物中毒事故が発生し、問題になりました。県内でも健康被害が起きました。これを皮切りに今年は食品の薬物混入や偽装表示、事故米の不正流通など、食の安全・安心を脅かす事件が全国的に後を絶ちませんでした。
県では、こうした状況に対応するために食品の検査体制の強化を図るなど、国に対しては、原料原産地表示の徹底、検疫・検査体制の強化、営業停止権限の地方移譲など、新たな対策を強く求めているところです。
第4位です。「三番瀬海域における漁業補償問題」については、今年の10月27日に調停が成立しました。長年にわたり懸案だったこの問題が、調停委員や漁業関係者、県議会など、多くの方々のご尽力によって解決に至ったことは、本当によかったと思っています。関係者の皆様に、ここで改めて御礼を申し上げたい、感謝したいと思っています。何しろ、本当に長い間、いろんな形で、こじれるというよりも、年月がたったために難しい案件でしたが、この案件がとにかく解決したということは、解決というよりも調停が成立したという言い方の方が正確ですが、よかったと思っております。
第5位に移ります。第5位の「千葉県立千葉中学校」は、県立千葉高校に併設した県立初の公立中高一貫校として今年の4月に開校しました。大変な注目を集めたところです。ここで学んだ生徒たちが卒業後にどのように活躍していくか、大きな期待を持って、みんな見守っているところです。これは開校式です。私も出席しました。
第6位でございますが、「インターハイ」サッカー競技での市立船橋高校と流通経済大学付属柏高校の同時優勝は、千葉県の高校サッカーのレベルの高さを全国にアピールするすばらしいプレゼントでした。両校一緒に千葉県庁に見えたのですが、1つならともかく、両方一緒に優勝するというのはめったにないことです。すばらしい成果だったと思っています。
第7位に移ります。「G20グレンイーグルズ閣僚級対話」は、覚えていらっしゃるでしょうか。幕張で大変大きな国際会議でしたが、今年の7月の「G8北海道洞爺湖サミット」に先立って3月14日から16日の3日間、幕張メッセで開催され、20カ国からの閣僚が地球環境問題について話し合いを行いました。まさに、ダイアローグの場でございました。
県では、このG20の本県開催を環境について考える絶好のチャンスと捉え、県内各地で「地球温暖化の防止と生物多様性の保全」をテーマとしたシンポジウムなどの記念行事を展開し、環境への関心が大きな高まりを見せました。子どもたちも参加したし、県内各地から皆さん参加してくださった。そういう意味では、ブレア首相も大喜びでした。
ブレア首相のこと、そしてグレンイーグルズというイギリスの地名を知っているのは、日本広しといえども千葉県だけですよと直接申し上げたのですが、「そうですか。どうしてですか。」と聞かれたのですが、「とにかくこのグレンイーグルズのG20の対話に向けて、千葉県では県民からのアピールを集約しようということで、各地でいろんなタウンミーティングが開かれたのです。」という説明をしたところ、とても驚かれました。すばらしいことだったと思っています。
こうした県内での熱心な議論は、今年の3月に千葉県が全国に先駆けて策定した「生物多様性ちば県戦略」にも盛り込まれております。
第7位はもう一つございます。東金市で起きた女児死体遺棄事件等の捜査本部の設置です。今は犯人が逮捕されていますが、もう一つ、警察による懸命な捜査の結果だと思います。まだ犯人と言えないですが、容疑者が逮捕されて慎重な取り調べが進んでいます。今日、県庁へ来る途中でも裁判所の前には報道陣がいっぱい詰めかけていましたが、これからいろんなことが明らかになってくるのかもしれません。いずれにしても、大変つらい出来事でございました。
第9位ですが、「ドクターヘリ」の2機目の導入です。こちらの方は、どちらかと言えばうれしいニュースだと申し上げていいと思いますが、1月19日から運航を開始いたします。
広大で平坦な地形の千葉県では、ヘリコプターに医師が同乗し、医療行為を行いながら救命救急センターなどへ救急搬送する「ドクターヘリ」の活用が非常に有効です。道路は混んでいると時間がかかってしまいます。広いので近くの病院といっても遠いところにある場合、ヘリだったらば大変早い時間、しかもヘリからドクターが手術の用意をしておいてくださいとか、何型の血液ですとか、そういったことが連絡できる。骨折をしていますとかしてませんとか、そういったこともみんなヘリから指示ができるという大変なメリットがあります。ですから、患者さんが病院に着いたときには、受け入れ体制をつくっておけるというのがドクターヘリの大変に有効なことだと思うのです。それは、ドクターが同乗しているということが一番大きい理由だと思っています。
そこで、県では平成13年度から「日本医科大学千葉北総病院」に配備しているドクターヘリに加えて、今年8月に2機目のドクターヘリを県南部の「君津中央病院」に配備することを決めたわけです。
2機体制によって、県内のすべての地域で現地到着まで15分から20分でカバーし、県民の皆様の救命率の向上を図ってまいります。
また、1機が出動中でも、2機目のヘリが出動できます。今までは1機目が出動中だと、どうすることもできませんでした。待っているわけにもいかない。しかし、大規模な災害時には2機が同時に出動することができるし、2機あれば片方で何かあったときには別のところで緊急にヘリを必要とするときにも対応できるということで、1月7日の水曜日には君津中央病院のヘリポートで運航記念式典を開催し、フライトドクター(飛行機に乗るドクターのこと)やナースが試乗フライトを行う予定です。
また、1月11日の日曜日には、県民の皆さんを対象とした「ドクターヘリ見学会」をやります。ドクターヘリの実物をご覧になりたい方は、どうぞご参加ください。
今後は、2機のドクターヘリを有効に活用して、県全体の救急医療体制の強化を図ってまいります。
第10位です。「燃油価格の高騰」が入りました。今では鎮静化していますが、昨年から今年の夏にかけて価格が急激に高騰し、漁業経営は危機的な状況に追い込まれました。漁業は経費に占める燃料の割合がとても高いので、また、燃料高騰分を価格に転嫁することが難しい産業です。漁業者によるデモなどが行われたのは、今までで初めてだと思いますが、ああいったデモを見て、いかに漁業の方が苦しいかというのはよくわかりました。
そこで、窮状を訴えるために、今年7月15日に本県の漁船6,000隻を含む全国20万隻が一斉に休漁しました。このような全国一斉休漁は初めてのことだそうです。これがそのときの様子です。
県としても、7月24日に国に対して直接、緊急対策の実施を要望いたしました。また、県独自に補正予算を組んで、漁業者と同様に経営を圧迫された施設園芸農家の皆さんを支援したところです。
10大ニュースですが、今年1年を振り返って、県政に関連する10大ニュースを見ますと、このほか10位までに入りませんでしたが、総合的な経済対策の実施や環境基本計画の策定、観光立県の推進に向けた条例の制定など、多くの事業を進めた1年でした。
さて、年が明けたら「春に一番乗り!」をテーマに早春の観光キャンペーンが始まります。多くの皆様に、冬でも暖かい房総半島に、花やおいしい食べ物、温泉など、早春一番の魅力を満喫していただきたいと思います。これはポピーでしょうか。いろんな花がいっぱいに1月に咲くというのは、千葉県はそういう意味でとても暖かい、恵まれたところだと思います。深い雪で大変苦労している方もいらっしゃるでしょうし、雪でスキーを楽しんでいる方もおられると思いますが、千葉はこんなに明るい、花いっぱいのお正月を迎えます。
(知事)
次の話題です。ちょっと似た話題ですが、全然違う話題です。今のは10大ニュースでございました。今度は世論調査の結果です。
「県政に関する世論調査」、県民の皆様からいろいろ伺っておりますが、「県政への要望」について伺ったところ、トップは「高齢者の福祉を充実する」ことで、35.1%の方々から要望をいただきました。急激に進む高齢社会の中で、老後の暮らしや健康、介護などに高い関心を持っていらっしゃいます。高齢者が地域で安心して暮らせるように、福祉施策の充実に取り組んでいきたいと思います。
続く第2位ですが、「災害から県民を守る」ことで、33.3%です。今年発表された地震被害想定結果では、東京湾北部の大地震が起きると、千葉県内でも阪神・淡路大震災に匹敵する被害が予想されています。こうした被害から県民の命と財産を守るため、「地震防災戦略」策定等の対策を進めております。
次ですが、「医療サービス体制を整備する」こと、これのご要望も大変多くなっています。30.9%で、去年よりも8.5ポイントも上昇して第3位となりました。全国的な医師不足により公立病院の閉鎖や妊婦のたらい回しなどが大きな社会問題となりました。自治体病院の支援や救急医療体制の強化など、地域医療の再構築に取り組みます。
第4位は、先ほど10大ニュースでも取り上げた「食品の安全を守る」ことで、24.2%でした。
次に、「環境と生活について」の意識調査ですが、現在お住まいの地域に「住み続けたい」という方、「県内でよそへ移りたい」、県内に住みたいのですが、千葉県内で今住んでいるところではないところに住みたいという方を合わせると、7割を超える多くの方々が千葉県に住み続けたいと答えてくださいました。これからも生活環境や社会基盤の整備、そして雇用の創出などに努めて、より暮らしやすい、住みやすい、皆様に愛される千葉県づくりに努めてまいります。
(知事)
もう一つうれしいニュースを申し上げます。ここに本が1冊ありますが、来年、日本とメキシコの交流が始まって400年ということです。両国の交流は、1609年、フィリピン諸島の臨時総督だったドン・ロドリゴたちの乗る船が千葉県沖で遭難をして、御宿の人々によって317人が救出されたことから始まりました。
これを記念して、県では今年の9月に両国の交流のきっかけとなったこの史実をアピールするために『ドン・ロドリゴの幸運~交流の始まり~』を発刊し、県内の図書館や関係する大使館などにお配りをいたしました。
その後、この本をぜひ読んでみたいという声が、県内だけではなく、東京、大阪、兵庫などからも多く寄せられてまいりました。このため、一般書籍として販売について数社に出版を打診した結果、子どもの本を出版している「汐文社」から『ドン・ロドリゴの幸運~日本・メキシコ交流の始まり~』として12月12日に発売されました。一般書店、インターネットでの購買が可能になったことで、交流の歴史的な史実と千葉県の先人たちの献身的な偉業を全国の皆様に知っていただけるようになったことはとてもうれしいことです。
これはドン・ロドリゴの絵ですが、このドン・ロドリゴ、当時は御宿とは言わなかったようですが、沖で暴風雨に遭って難破して、もしかしたら全員殺されるかもしれないと思っていたときに、御宿の人たちがみんなで死にそうになっている人たちを助けて、自分たちも貧しかった人たちが食べ物を与えました。
挿絵がいろいろ入っていますが、これがその船です。サンフランシスコ号という船です。これに400人近い人が乗っていたわけですが、そのうちの317人が日本人によって助けられたということで、メキシコは大変恩に着てくださっています。県庁で仕事をしていた小倉明さんが、もともと童話の作家ですが、やさしく中学生にも読めるような本を書いてくださいました。私も読ませてもらいましたが、とても読みやすい本なので、ぜひ千葉県の皆さん、全国の皆さんに、日本でも多分初めてのメキシコとの交流がこういう形で始まったので、その当時、世界を制覇していたスペインと一緒の国だったのですが、そういった歴史も、日本とこういう形でかかわったのだと、こちらが献身的に助けたことで400年たっても、まだ恩に着てくださっていて、ありがとうと言い続けてくださっていること、そのことを大変尊敬の念を持って、私はいつもメキシコの方たちにお会いをしております。
お知らせは以上ですので、ご質問にお答えをしたいと思います。
(知事)
幹事社の方、どうぞ。
(記者)
これは全国的な状況ですが、今、雇用状況、派遣の方など厳しいという話がありまして、この間、千葉でも労働局と一緒の会議があったかと思うのですが、その後に何か追加された政策ですとか対応策がありましたらば、教えていただけますか。
(知事)
それから後やったことは、例えば住宅なども、あの当時、19戸となっていたと思いますが、それをできるだけ増やそうということで、今、調査をどんどんかけているということですとか、具体的に実際に相談するということで、年末の特別就労ということでやる。
ジョブカフェも12月27日、28日も行いますし、29日、30日の本当に暮れ押し詰まってからも10時から5時までハローワークプラザちばで相談を受け付けています。12月27、28日の土、日ですが、これは9時から5時までジョブカフェちばで、29日、30日、月、火になりますが、午前10時から5時までハローワークプラザちばで、千葉で就労相談、求人情報の提供などを行うということで、暮れに今月いっぱいでいいですよと言われてしまう方が出ないわけではないと思うので、それに対してすぐ対応できるような対策をやっています。
県による雇用の創出ということで、県でどんな仕事が用意できるのかという準備にも入りました。今のところ、何ということは直接申し上げられませんが、採用枠で、例えば今までどんなことがあったかというと、県でやっていたことは、例えば、防犯安全パトロール事業とか、そういうものも考えられるかもしれません。平成11年度からそんなことをやったということなので、これから今年、どんなことができるか洗い出しをして、実際に相談にいらした方に県として仕事を提供する、そういったことの準備をしようということがあります。
(記者)
2点だけ。そうしますと、県営住宅は、この間、19戸用意されているということですが、増える可能性があるかどうかというのと、採用については、例えばですが、自治体によっては臨時なり正規職員という形で雇うという話も出ているのですが、県の方でも、今、そういった方針、お考えはおありになると。
(知事)
今、県庁内でどんな仕事が可能かということで、今、洗い出しをしているところです。
住宅については、使っていない住宅だと整備しなければならないので、空いてはいますが、少し修繕しなければならないところもあるようです。それも、それぞれいろんなところで、必ずしも全部知事部局とは限らない。教員が使っていたところもあるでしょうし、違う部局が使っている場合があるので、そういったところも洗い出しをしていく。3桁ぐらいになればいいなと私は思っています。
19戸だと本当にすぐ埋まってしまうかもしれない。ただ、よその県でやっているのを聞くと、シェアリングして、非常に安い値段でお貸しするのでしょうが、ただではないかもしれませんが、数千円から1万円以下という形なんでしょうが、それでもそれを何人かで共有すると、さらに安くなる。そんなこともあるかと思います。
(記者)
おはようございます。今日は10大ニュースが発表されたわけですが、この順位とは別に知事が一番印象に残っていらっしゃる出来事と、この1年間の県政を振り返っての、知事の個人的な印象でもいいのですが、総括を一言お願いしたいのですが。
(知事)
10大ニュースは、ネガティブな出来事としては、千葉県の漁民を国の船が沈没させてしまったということに関しては、当時も非常な憤りを感じたし、あってはならないことが起こったということは非常に強いです。これは何とも言えないぐらいすごいことだと思っていますので、非常に強烈な印象で、しかも、当時の防衛大臣には、こちらが怒鳴りつけたに近い形で抗議を申し上げた。家族のみんなを考えたら許せませんと。その前には現地にも来てなかったのです。余り怒ったせいかもしれないですが、翌日、早速、現地に見えましたが、こちらとしては最大限の抗議をしたということでいうと、本当に大きな事件だったと思っています。
もう一つ、国際的なことを話させていただければ、グレンイーグルズのG20の会議が千葉で行われたということも大事でしたが、そこに向かって千葉県内の環境に関してのいろんな議論が非常に活発に行われたということはよかったと思っています。このグレンイーグルズが千葉で行われたおかげで、みんなそこに向かって温暖化あるいは生物多様性についていろんな意見を出し、アクションを起こし、それが1つのうねりになったと思っているものですから、いいときにグレンイーグルズが千葉に来たと思いました。
幾つも挙げていると10全部挙げなくてはならなくなっちゃうんだけど、三番瀬の漁業補償の問題、大変地味で、しかも調停が成立するまではマスコミの皆様にも申し上げられない、裁判所の中のことで非常に秘密裏にしか運べないような交渉事でした。ですが、実態としては大変な仕事だったと思います。これに携わった県庁職員は、地味だけど、こつこつと非常に難しい問題を解くような感じで携わってきました。それだけに、私としてはほっとしたというか、それは大変大きいことだったと思います。
1年を通してどうだったのかということですが、この7年間、ずっと県民参加型の県政運営をやってきたのですが、昨日も経済界の方に経済の問題だけではなくて、知事がどんなことをしてきたかということを話してくれという珍しいご注文があったので、8年間、正確に言うと7年と9カ月ぐらいになりますが、その間のことをずうっと電気紙芝居みたいにして写真でお見せをしたのです。
私もしゃべりながら、こんなことがあった、こんなことがあった。しかし、気がついてみたら、それが新しい公あるいはダイバシティーガバナンスという形で、「多様な価値観」という形で締めくくらせてもらったのですが、分権に向けての千葉県の中におけるうねりが県庁あるいは市町村、そして県民の皆様、そういった本当に違うセクターの人がみんな連携したり共同したりしながらやっと姿になってきた。一つ一つの計画についても、今度の福祉の計画は今までのよりずっといいということで、外で褒めていただいたりしました。観光の計画もよかった、観光の条例もよかった。
そういうふうにして、単に県民参加だけではなくて、それが県政の一つ一つの計画、条例あるいは戦略というものにきちっと位置づけられて、形になったということが一番大きいかと思うのです。そのことを見てくださった方が、一つの感動を覚えましたと言ってくださったものですから、実態として、最初は海のものとも山のものともわからない、つかみどころがないというのがスタートでしたが、長いのか短いのか、とにかく7年の歳月の中で、それがそれぞれ県の政策としていろんな分野、経済の分野も、福祉の分野も、環境の分野も、農業の分野も、医療の分野、県土計画といったような非常に地味な分野とか、そういういろんなところでそれがきちんと計画として全部位置づけられたということが一番大きな印象です。
(記者)
今年については今、知事に振り返っていただきましたが、来年、政治家としての知事はどのような年になるとお考えでしょうか。
(知事)
選挙の年ですから、一番大変な年になると思っています。そこで言われもし、多くの方に最近言われるのは、県庁が非常に透明性が出てきた。今まで電話一本かけられなかったのが、経済界の方もそういった経済協議会から間接ではなくて、それぞれの担当の部署に直接電話ができるようになった。そういった県民あるいは企業と県庁が近くなったことがとてもよかったという感想を漏らしておられたのです。
それは企業の方に限らず、例えば福祉の領域でも、直接県庁に来て話をする、あるいは研究会などを常時開いていますから、そういうところで発言することができるようになった。それを後戻りさせて、前のようにということは、県庁が遠い存在だった、身近ではなかった。身近でない存在から身近な存在になった県庁を、また遠くしてほしくないということを、大変強くいろんな形で訴えられました。違う言葉で言えば、時計の針を逆転させてほしくないという言い方でおっしゃる方もあるし、自分たちが言ったことが政策として実現してきた。これがこれからの分権の価値だし、これをきちっとやり終えれば、千葉県は日本をリードするような県になっていくのだろうから、これをもっと増幅し、完成させていってほしい、持続させていってほしい、そのために頑張ってほしいということを多くの方から言われています。
私もそのことを願うことは非常に強くて、やっといろいろな計画ができたところです。骨格予算をつくりながらでも、その中で次に、今度、それが実践されていくという段階がとてもはっきりと県庁の中で総合的に進んでいることを知ったものですから、これは大事にしていくこと、2009年はぜひそういうふうなことがきちっと実現していくような年にしなければいけないのではないかと思っています。
(記者)
続いてですが、それをもって知事が常々言われている県民からの強い要望というふうには受けとめられたのでしょうか。
(知事)
それは県民からの要望というよりは、県庁と県民と両方でつくり上げてきた一つの実績のようなものです。それを継続し、発展させ、展開させていくことが大事だと思います。
要望と思っているのかということは、つまり選挙に出るのかという質問だと思うのですが、そのことについては、もう少し時間をいただきたいと思っています。
(記者)
昨日の千葉地裁であった裁判についてお伺いしたいのですが、昨日の民事訴訟で浦安市の知的障害を持つ女の子が、当時小学校の元教諭だった男性からわいせつ行為を受けたとして損害賠償を求めていた裁判の判決が出て、一部ではあるのですが、わいせつ行為を認定する判決が出たのですが、この判決を知事としてはどのように受けとめられているのかということと、県として控訴をするおつもりがあるのかをお伺いできますか。
(知事)
報告は受けていますが、まだ判決文が手元にないので、控訴するかしないかということは判決文を十分に読ませていただくことが何よりも大事な作業になりますので、まずは判決文をきちっと読んだ上で決めることになります。
ご苦労さまでした。どうもありがとうございました。
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