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更新日:令和6(2024)年2月5日

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平成28年度第2回景観セミナー&千葉県屋外広告タウンミーティングの開催結果

平成28年度第2回景観セミナー&千葉県屋外広告タウンミーティングは、千葉県、船橋市、柏市、千葉県屋外広告美術協同組合の主催により、また、国土交通省、千葉市の後援により、船橋市で開催しました。

第1部では、講師の藤本先生から「街は看板(サイン)で美しくなる?」をテーマに御講演いただき、第2部では、船橋駅前の美しい看板等を探すまち歩きや、美しい看板と都市景観について意見交換(ワークショップ)を行い、多くの参加者から御意見や御感想をいただきました。

「街は看板(サイン)で美しくなる?」

日時:平成28年11月18日(金曜日)13時00分~17時00分
会場:船橋市中央公民館5階第3、4会議室
内容:基調講演、まち歩き

開催案内チラシ(PDF:982KB)

基調講演「街は看板(サイン)で美しくなる?」

講師:藤本英子(ふじもとひでこ)氏(京都市立芸術大学教授)

 看板はまちの景観要素の1つであり、その地域のメッセージの発信手でもあります。屋外広告物(看板)の発信するメッセージが魅力的であれば、その地域が発信するメッセージも魅力的になります。魅力あるメッセージとは、ビジュアルメッセージの魅力だったり、活動メッセージの魅力になります。

 活動メッセージの魅力には、看板に花を添えるようなひと手間や、通りのみんなでのれんを掲げたりする例があります。また、地域の協議会が看板の色等の基準を定めた冊子を作り、チェックしているところもあります。

 美しい日本のメッセージとして、木製の看板や建物の出入り口に合わせたのれん、古い街並みの建物や通りに調和して和を醸し出した看板を取り付けたりする例があります。

 屋外広告物(看板)デザイン指針として、3つの柱「技術」「配慮」「センス」があります。

  1. 「技術」:要素(文字マーク・イラスト写真・素材等)の整理、情報の絞り込み、余白の活用、情報の一貫性(複数の看板を設置する場合)
  2. 「配慮」:必要なサインを優先させるマナー、相応しい管理(メンテナンス)体制の選択
  3. 「センス」:美しいもの、質の高いデザインをインプットし、個々の資質としてのデザインセンスを高めます。

 各地で起こりうる問題と課題として、地域イメージと看板のミスマッチがあります。そこには、全国統一で同じ看板を出すような意識して地域を読まない事業者や、自分の看板しか考えていないような地域を読めない事業者がいます。また、地域をつくる(活性化させたい)生活者と(規制誘導したい)行政がいます。

 街の美しさを目指して行う事例を紹介します。

  • 街の整理整頓:店舗名の入った軒(テント)の高さを揃えます。テントのメンテナンスをしっかり行います。乱立したのぼりや立看板を片付け整理します。形が揃っていない複数の壁面看板の形や位置を整えます。個々の看板の形を揃えた集合看板とします。プロムナードを活かした立看板を設置します。看板を活かした店舗のしつらえとなるよう、室外機や自販機等を整理します。
  • 魅力アップに向けて:殺風景な駅前を魅力的にできるのは素敵なサインです。派手なラッピング広告ではなくシンプルなデザインのバスを走らせます。イメージの揃った複数の看板や建物外観とします。
  • 地域イメージの活かし方:地域でよく使われるロゴを使います。文字の表示位置を統一します。周りとの調和を図ります。工事現場の仮囲いに街の古い写真を表示します。地域産木材を使用した看板を設置します。

 看板を超えて、地域のために役に立つ一要素として、地域の魅力を高める事が今求められています。

(講演の聞き取りから事務局まとめ)

まち歩き「船橋駅前の美しい看板を探そう」

(1)「移りゆく風景ー船橋今昔ー」

説明者:船橋市都市計画課

 船橋市の移り変わりについて、まち歩きを行う船橋駅南口周辺の今と昔の写真を、その写真に写る屋外広告物も交えながら、見比べました。

(2)「オーナーさんのための看板安全管理ガイドブック」について

説明者:千葉県屋外広告美術協同組合

 「看板安全管理ガイドブック」の冊子を使用し、所有者の日常点検等のレクチャーがありました。

(3)「船橋駅前の美しい看板を探そう」をテーマにまち歩き

 5グループに分かれて、本町通り、山口横丁(東通り)、仲通り、駅前通りの各部分を、千葉県屋外広告美術協同組合の方からお話をお伺いながら、まち歩きを行いました。

(4)意見交換「美しい看板と都市景観について考えよう」

 グループごとに、好感をもった看板はあったか、オーナー・業者・行政それぞれの立場から看板で美しい街づくりをする為にはどうすれば良いか等について、ワークショップを行いました。

(5)グループ発表

 グループ(1):広告主の意識を変えるために船橋市のイメージが大切であり、広告主が自分達の街並みに合う看板のローカルルールを作り、また、市民も意識して看板を見ていければいいと思います。行政の意識としては規制だけでなく広告主の心を知らなければならないと思います。

 グループ(2):看板には主張するものやシンプルなものがあり、まずは市民にどういう看板がいいものなのか等、意識を持ってもらうことが重要で、それが地域のイメージにつながっていくと考えます。

 グループ(3):大通りの看板はシンプルに、路地裏の看板は個性があってもいいのではと思います。建物の雰囲気が良くても立看板がそれを壊しているところもありました。電線が有るか無いかで街の雰囲気が違うと思います。オーナー・業者・行政のみんなで一緒に考えて、良い街並みが作れればいいなと思います。

 グループ(4):広告と建物の統一感が図れていないといい広告、いい景観とは言えません。統一感を図るために国や地方行政からガイドラインを発行できれば、オーナーがその街にどのような広告が相応しいのかがわかってくるので、そのような努力をしていくべきではないでしょうか。

 グループ(5):個々に優れた広告物は多いが、統一感がありませんでした。洋風なものと和風なものとが連続して街としてのつながりが希薄でありました。昔からある店舗の方から、最近できたお店ばかりで商店街として機能していないというお話がありました。行政の規制や地域で自主的なガイドラインを作ってデザインコントロールをしていってはどうでしょうか。強いリーダーシップを持った人が引っ張っていければいいのではないでしょうか、という意見がそれぞれありました。

(6)総評 藤本英子(ふじもとひでこ)氏(京都市立芸術大学教授)

 共通してお店のオーナーの心が伝わってくる看板がいいものと思われています。また色彩では原色使いの問題が多く、中間色で地域らしさを出していければ街がつながっていきます。

 今日みたいな場が大切で、意見交換を重ねることで、看板業者・行政・市民の共通言語が増えていければ地域がよくなっていきます。

 事例として、いい看板の写真を街角に貼り出し褒め合うことにより、まねしよう、あそこより頑張ろう、といい方向に振れていったまちがありました。

参加者からの質疑

 質疑1:看板の色の誘導の話がありましたが、言うことを聞いてくれないことはありましたか。

 藤本氏:全く聞いてくれなかった事例はありませんが、(看板・のぼりの)数を減らしても色は変えてくれなかったことがありました。あと看板ではありませんが、京都にあるドラックストアーで店先のワゴンや、外から見える店中の陳列商品等がどうしても行儀悪く見えてしまいます。

 質疑2:チェーン系の派手なお店ではあまり買いたくないという心理もありますので、先生や業界からオーナーに対するメッセージをもっと発していただきますと日本の景観が良くなると思います。山口通りは小さな店が多くみんないい佇まいでしたが、本町通り・駅前通りは派手だったのでお願いします。

 藤本氏:事業者は大きく派手な看板を出してもそのことがわからないので、市民から一言でも声を届けてほしいです。今日見ていて素敵なお店が増えてきている感じがしたので、それを大事にしてあげたらいい看板の街になると思います。

お問い合わせ

所属課室:県土整備部公園緑地課景観づくり推進班

電話番号:043-223-3279

ファックス番号:043-222-6447

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