• センター紹介
  • センターご利用案内
  • 診療科・部門紹介
  • 採用情報
  • 地域医療連携室

ここから本文です。

更新日:令和2(2020)年8月26日

成人先天性心疾患診療部-業務案内

成人先天性心疾患診療部の紹介

成人先天性心疾患診療部は、生まれつきの心臓病、すなわち、先天性心疾患に罹患している成人患者さんの診断、治療、経過観察など総合的な診療を行うために、日本で初めて設立された診療部です。

先天性心疾患は、以前は、長生きが出来ない子どもの病気と考えられてきました。しかし、近年の内科診断、外科治療の発達のおかげで、多くの子どもの患者さんが、成人となることが可能となりました。当院は、先天性心疾患手術を他施設に先駆けて行ってきた歴史があります。また、先天性心疾患手術の多くは根治手術ではないため、患者さんの大部分は、手術後も、継続的な長期間の経過観察や診療が必要です。現在、当院の先天性心疾患患者さんの多くは、成人となっています。

先天性心疾患患者さんの多くは、成人後も、継続的な診療が必要ですが、これまでは、循環器小児科医か手術を行った心臓外科医が継続して診療する事がほとんどでした。特に、こども病院で経過観察を続けている患者さんの場合は、診療の年齢制限があり、周囲の患者さんの多くが赤ちゃんや乳児であることが少なくありません。成人でありながら、小児科を標榜した診療科を受診しなければならない点も問題でした。また、成人先天性心疾患患者さんの経過観察中は、外科的な問題よりも内科的な問題が多く認められます。従って、循環器小児科医や心臓外科医だけでは不十分となり、成人先天性心疾患を専門とする医師を中心とした、新しい診療体制が必要になります。循環器内科医、循環器小児科医、心臓血管外科医、麻酔科医、そして、成人なので、一般内科医や外科医等の共同したチーム診療が大切です。さらに、成人先天性心疾患の専任看護師も重要な役割を果たします。また、心理療法士やソーシャルワーカーの助けが必要な場合もあります。

当診療部は、経験豊かな成人先天性心疾患専門の医師を中心として、成人先天性心疾患の患者さんの総合的な診療を行うために、日本で初めて開設されました。成人先天性心疾患に多くみられる、不整脈、心不全、肺高血圧、チアノーゼ合併症等に対して、チーム医療を行える診療体制を備えています。また、出産は取り扱いませんが、妊娠中の経過観察、カウンセリング、心臓の治療も行っています。また、成人となった小児期心疾患、例えば、川崎病後の冠状動脈異常を残した方の診療も行います。さらに、当診療部は、今後の成人先天性心疾患の診療の向上のために、臨床研究や若手医師の教育の役割も担っています。

心疾患女性の妊娠カウンセリングについて

一般的に、女性が妊娠すると、全身を循環する血液量が増加する、血液が薄くなり相対的な貧血状態になる、ホルモン作用により血液の粘稠度が増加する、血管壁が弱くなる、などの変化が生じます。これらの変化は、心疾患を持つ女性にとっては、心疾患が悪化する大きな原因となる可能性があります。たとえ心疾患があっても、妊娠前の一般状態が良好であれば、妊娠・出産に深刻な影響が出ることは少ないとされていますが、決して安心はできません。妊娠前から症状がある場合や、なんらかの服薬をしている場合などは、特に注意が必要です。そこで、より安全にお産を迎えるために、妊娠・出産を希望する全ての心疾患の女性に、専門医・専門スタッフによる、(できれば妊娠前からの)カウンセリングをおすすめしています。

当院では、成人に近づいた心疾患の患者さんに対して、心疾患名や現在の病状、将来の展望をお話しするようにしています。女性の場合は、妊娠・出産の見通しなども、お話ししています。当院には産婦人科部門がないため、患者さんの心疾患の状態を評価した上で、妊娠中や出産後の病状の見通しを立て、妊娠の可否を検討し、患者さんとご家族に説明し、心疾患の担当医や産婦人科担当医へ連絡する(情報提供する)、というスタイルをとっています。他の病院を通院中の心疾患の女性患者さんについても、カウンセリングの相談を受け入れています。

生まれてきた子どもに、先天性心疾患が合併する頻度は約1%とされていますが、家族(母親、父親、兄弟姉妹など)に先天性心疾患の患者さんがいると、その頻度は2-5%程度にまで高まります。胎児心臓超音波検査によって、出生前に心疾患がわかれば、生まれてくるお子さんやご家族に対して、充分なケアを提供することが可能になります。当院では、心疾患の女性が妊娠した場合や、心疾患の患者さんを家族に持つ女性が妊娠した場合などには、本人やご家族の希望に応じて、胎児心臓超音波検査を行っています。この検査は出生前診断となりますので、躊躇する方もあろうかと思います。検査を強制する訳ではありませんので、お気軽にご相談下さい。

病院連携

当診療部は、千葉県内の循環器系の主要病院(千葉大学小児科循環器グループ、千葉県こども病院循環器内科、千葉市立海浜病院小児科、東京女子医科大学八千代医療センター小児科、その他)や、聖路加国際病院循環器内科などと連携しながら、小児期心疾患患者の生涯を通じての一貫した診療を行っています。どうぞ、よろしくお願い致します。