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更新日:令和7(2025)年11月21日

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令和7年9月定例県議会(9月19日) 会議録(速報版)

令和7年9月招集 千葉県定例県議会会議録(第7号)

令和7年9月19日(金曜日)

 議事日程

議事日程(第7号)

 令和7年9月19日(金曜日)午前10時開議

日程第1 議案第1号ないし議案第31号、諮問第1号、報告第1号ないし報告第15号及び決算認定に対する質疑並びに一般質問

日程第2 請願の件

 

 午前10時0分開議

○議長(武田正光君) これより本日の会議を開きます。

 

 議長の報告

○議長(武田正光君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 議長の出席要求に対する出席者について変更があり、本日、人事委員会委員長高梨國雄君が出席しますので、御了承願います。

 質疑並びに一般質問

○議長(武田正光君) 日程第1、議案第1号ないし第31号、諮問第1号、報告第1号ないし第15号及び決算認定についてを一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により小川としゆき君。

  (小川としゆき君登壇、拍手)

○小川としゆき君 皆さん、おはようございます。自由民主党、千葉市若葉区選出、小川としゆきでございます。今回で通算5回目の一般質問になります。このような機会を賜りましたことを、先輩・同僚議員にこの場を借りまして厚く御礼を申し上げます。

 さて、毎回のように申し上げておりますけれども、千葉県の持つポテンシャルを十分に生かし、千葉県らしい持続可能なまちづくりを進めてほしいと思っています。そのためには、自治体のみならず、様々な団体や企業との連携が重要でありまして、戦略性も求められるところであります。今回もそのような観点から、千葉県のポテンシャルを生かす千葉県らしい施策を進めていただくために様々な提案をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 まず、県市間の協議についてですが、千葉市と千葉県は、県都として役割を果たす上で密接な連携が不可欠です。県市間の円滑な協議は、県民、市民の生活の質の向上に直結する重要な課題であり、特に大規模施設や広域的な課題においてはその重要性が増します。県として、千葉市との連携をどのように強化し、具体的な課題解決に向けてどのように取組を進めていくのか、改めて確認していきたいと思います。

 まず、マリンスタジアムの再整備については昨日も鷲見議員が質問されておりましたけれども、今月4日にパブリックコメントを経て、千葉市が千葉マリンスタジアム再整備基本構想を策定、公表したところですが、市民、県民のみならず、マリーンズファンをはじめとした多くの野球ファンから注目を集めております。近年、エスコンフィールド北海道やエディオンピースウイング広島など、全国各地でスタジアム、アリーナを核としたまちづくりが進められ、地域活性化に大きな効果を上げているところであり、このマリンスタジアムの再整備においても、その効果を大いに期待するものです。

 再整備候補地においても、これまで同様、県有地に市がスタジアムを建設、維持管理する方式ですので県市の連携は欠かせないところですが、5月に骨子が発表された際には、正式発表前に新聞報道がされ、その後の県と市の対応状況を見ても、ちゃんと連携が取れているのか若干不安が残るところであります。

 そこで、千葉市のマリンスタジアムの再整備に当たり、県と市でこれまでどのような協議を行ってきたのか。また、今後の方向性はどうかお伺いいたします。

 次に、アルティーリ千葉のアリーナ建設についてです。

 Bリーグが開幕してから、琉球ゴールデンキングスの沖縄サントリーアリーナや、神戸ストークスのジーライオンアリーナ神戸など、専用アリーナが誕生して新たなスポーツ観戦のスタイルを提供しています。バスケット専用のアリーナは、コートを中心に客席がすり鉢状に設置されていて、観客は目線を上げることなく自然な姿勢で観戦できるためゲームに集中しやすい環境となっており、ゲームとゲームの間に見ることができる様々なイベントは、通常の体育館にはない音響設備と照明によって非日常空間を演出しております。また、野球場やサッカースタジアムと比べまして広大な面積を必要としないため、郊外でなくとも町なかでも建設可能になっていることから、バスケット以外のコンサートや他の屋内スポーツイベントでも使用することができるため、今後もこのようなアリーナビジネスは発展していく可能性を秘めており、さらに増えていくのではないかと思っています。県内におきましても、千葉ジェッツが南船橋駅前にららアリーナ東京ベイを整備し、ホームアリーナとしてだけでなく、音楽コンサート、スポーツイベント、企業の展示会等、様々なイベントに対応可能な大型多目的アリーナとなっております。

 このようなことを踏まえ、プロバスケットボールチーム、アルティーリ千葉のアリーナ建設は、収容2万人と、これまでの専用アリーナの規模を大きく上回ることから、さらに地域活性化やスポーツ振興に大きく貢献する可能性があり、このような効果を最大化していくためには、県市がしっかりと連携し効果的な支援をしていくべきだと考えます。

 そこで、幕張海浜公園にアリーナ建設の検討が進められていることについて、県はどう考えているのかお伺いいたします。

 次に、忠霊塔についてです。

 本間議員のおかげをもちまして、忠霊塔の整備が進んでおります。ありがとうございます。戦没者の慰霊と平和の祈りを捧げる忠霊塔は、その維持管理が遺族の高齢化などにより全国的に課題となっております。この7月に千葉県忠霊塔再整備計画が公表され、新たに市営桜木霊園内に移転、新設されますことは、地元の人間として歓迎するところであります。ちょうど千葉県護国神社様も桜木霊園の近くに御遷座されており、遺族会の皆様も慰霊しやすい環境になるのではないかと期待しております。

 一方で、地元からは、新たな施設ができることで、例えば、終戦の日の慰霊式典はちょうどお盆と重なっており、さらに渋滞が激化するのではないかといった不安や、そもそもなぜ千葉市の土地に県の施設が建つのかといった不満なども聞こえてきております。整備に当たっては、市とも連携し、ぜひ地元の意見と調整しながら進めてほしいところです。

 そこで、再整備計画発表後、どのような意見があり、県として今後どのように対応していくのか。

 また、忠霊塔の維持管理や周辺環境の整備について、千葉市とどのように連携し、歴史的・文化的価値を次世代に継承していくのか、具体的な取組と今後の計画についてお伺いします。

 次に、都川の流域治水についてです。

 都川は、過去に度々水害を引き起こしており、流域治水対策は喫緊の課題です。近年、全国各地で流域治水の取組が加速しており、河川管理者、下水道管理者、都道府県、市町村などが連携し、流域全体で水害対策を進める事例が増えています。例えば、兵庫県では都道府県初の総合治水条例に基づき、河川改修、遊水地整備、住民への情報提供など、多角的な対策を推進しています。都川の上流域、特に浸水被害が多く発生している大草地区においても、総合的な流域治水の対策を進めるためには、千葉市が内水氾濫対策として、下水道など排水施設の整備や調整池などの雨水貯留施設の設置を行うなどしても、その最終的な受皿としての都川の外水氾濫対策と同時に行わなければ効果を発揮できませんので、千葉市との連携が非常に気になるところであります。

 そこで、県と市が連携して総合的な流域治水対策を進めていくべきと考えますが、都川上流域における浸水対策の取組状況はどうか、お伺いいたします。

 次に、観光政策についてです。

 本県は、観光に資する地域資源、観光コンテンツを多数有しており、令和5年の観光消費額は約1兆8,053億円、経済波及効果は約2兆252億円となり、いずれも平成22年の統計開始以降過去最高額となっており、今後も伸びていくポテンシャルを秘めています。これらの波及効果をさらに上げ、選ばれる観光地、また来たくなる観光地になるためには、観光政策を戦略的に進めていく必要があると毎回質問のたびに述べさせていただいております。

 そこで、今回は、戦略を語る上で重要な施策となる2項目について質問させていただきます。

 まずは、宿泊税についてです。

 宿泊税については、今年の2月議会でも取り上げており、観光振興の財源確保として大いに期待しておりますが、一方で、導入する場合の市町村への交付額や使途、用途などについて、各市町村でも大いに議論が残るところであります。というのは、市町村によって観光の内容が異なっており、その課題も様々であるからであります。例えば、千葉市は、幕張メッセを中心としたMICE観光がメインとなっており、誘致に関連する経費が多くなっております。また、浦安市さんや成田市さんなどは東京ディズニーリゾートや成田山といった人気観光施設によるオーバーツーリズム対策が課題であります。さらには加速するインバウンド対応など、それぞれのニーズやシーズに対応できるようにすべきであります。現在、千葉市を含む各市町村においては宿泊税に対する意見調整が行われているところだと伺っております。

 そこで、現在検討している宿泊税制度の市町村交付金について、市町村からどのような要望が出ているのか。また、県はその要望にどのように対応するのかお伺いいたします。

 次に、観光DXについてです。

 観光分野におけるデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXは、観光客の利便性向上や観光事業者の生産性向上に不可欠です。全国各地でこのDXの取組が進められており、例えば山口県美祢市では、生成AIミネドンを活用した観光案内、山形県西川町では、2Dメタバースやデジタル住民票NFTによる地域交流など、先進的な事例も生まれています。広島県でも、一般社団法人広島県観光連盟を中心に、広島県観光DX推進協議会というコンソーシアムを形成し、課題となっているリピート率の低さに着目し、観光視察のオンライントラベルエージェンシー、いわゆるOTAと言われるものの掲載と、サービス利用の定着を図ることで、観光事業者の生産性向上と旅行者の利便性向上に取り組み、OTAの利用促進を図りながら、観光産業のDXを進めています。

 このように、観光分野における課題をDXで解決する取組は年々増えているところで、先日もマリンレジャー議連で視察した西伊豆の海釣りGOやツッテ西伊豆の取組は、まさにDXによって漁業者と釣り人が共存する持続可能な釣りレジャーを実現しており、さらには観光振興、地域活性化にも大きく寄与しているので、県としてもこれらの先進事例も参考にしながら、観光DXを進めていくべきと考えます。

 そこで、観光分野におけるDX化をどのように推進していくのかお伺いいたします。

 次に、民間活力の導入についてです。

 公共サービスの質の向上と効率化を図る上で、民間活力の導入は重要な選択肢で、民間事業者のノウハウや創造性を活用し、県民サービスの向上と財政負担の軽減を今後も積極的に図っていくべきと考えております。官民連携のまちづくりといった大きなものから、課題解決のためのガバメントピッチといったような知見の活用など、関わり方や規模も多様化しており、これまでの成果を検証しながら、新たな連携もどんどん進めてほしいと思います。

 そのような中で、官民連携の手法の一つであります指定管理者制度が導入されてから約20年が経過し、住民サービスの向上や財政負担の軽減につながる事例も多数報告されております。一方で、1社のみの応募が多くなり競争性が担保されなくなっていたり、事業者も固定化されるなど様々な課題も出てきており、状況の変化に応じた制度の見直しも必要と考えます。

 そこで、公の施設に指定管理者制度を導入して以降、これまでの取組をどのように評価し、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

 都市の魅力向上や地域コミュニティーの活性化には、パブリックスペースの利活用が不可欠で、国交省においても官民連携のまちづくりにおいて推進しているところです。例えば、サンフランシスコやニューヨークで導入されているパークレット、札幌市、豊田市で実践されているプレイスメイキング、ニューヨーク市のオープンストリートプログラム、バルセロナのスーパーブロックなど、国内外には多様な先進事例があります。これらの取組は、道路空間の一部を市民に開放したり、未利用空間を魅力的な交流拠点に変えたりすることで都市のにぎわいを創出し、地域住民の生活の質を高めています。国土交通省では、昨年11月に都市の個性の確立と質や価値の向上に関する懇談会を設置し、新しい時代の都市再生におけるパブリックライフやエリアマネジメントの在り方などについて議論してきました。

 この懇談会の中間取りまとめを踏まえ、ウォーカブル施策やエリアマネジメントに関する必要な制度改善について検討を深めるため、官民所有のパブリックスペースの利活用・管理ワーキンググループ及び持続的なエリアマネジメントに必要な財源・人材ワーキンググループを設置し、議論を深めているところです。県においても、このような国の動きを注視し、パブリックスペースを有効活用した官民連携のまちづくりを先行的に取り組んでいくべきと考えます。

 また、国土交通省では、新しい都市再生の方向性として、ウォーカブル、アイレベル、ダイバーシティー、オープンの頭文字を取ったWEDOを提唱し、本県もその趣旨に賛同し、ウォーカブル推進都市になったと伺っております。

 そこで、ウォーカブルなまちづくりにどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 次に、薬物対策についてです。

 私は、千葉市において保護司を20年ほど務めておりますが、私が担当したうちの多くは薬物犯罪により検挙された方々でした。薬物乱用は、個人の健康を損なうだけでなく、社会全体に深刻な影響を及ぼす問題であり、特に若年層への浸透が懸念されています。全国の薬物事犯の検挙人員は年間約1万3,500人となっており、これは10年前と比較しておおむね横ばいで推移していると伺っています。また、薬物別では、覚醒剤事犯は減少傾向にあるものの、再犯率は他の薬物と比較して非常に高く、依然として根強い需要があるほか、近年は大麻事犯が増加傾向にあり、一昨年は統計史上初めて覚醒剤事犯の検挙人員を上回ったと聞き、大変驚いたことを覚えております。特に、アメフトやラグビー、柔道などの大学スポーツにおける大麻事犯が頻発していることは、大学スポーツにいそしんできた私にとりましても極めて遺憾であります。

 また、若者の間で増えているのは大麻だけではありません。近年、10代、20代の間で医薬品や市販薬のオーバードーズが急増し、社会問題となっております。それらの背景には、社会情勢の変化やSNSの著しい普及に伴って薬物売買が容易になると同時に、薬物に関する誤った情報にあふれ、正しい知識のない若者などが薬物への危険性を認識しないまま安易に手を出してしまうなどの状況が、その一因となっているのではないかと考えております。

 県民が違法薬物に接しないようにするためには、薬物乱用者に対する取締りはもとより、薬物に対する正しい知識と規範意識を向上させるための効果的な対策が必要と考えます。国においても、平成10年から薬物乱用防止五か年戦略を策定し、現在第六次戦略に基づきフォローアップを展開しているところです。全国の自治体でも、薬物乱用防止教室の継続的な実施や、地域の実情に応じた独自の戦略策定など、様々な取組が進められています。

 そこで、県内の薬物事案の検挙状況はどうか。

 また、県警での薬物対策はどうか。

 さらに、県では、若年層に対してオーバードーズも含めた薬物乱用防止対策として、どのような広報啓発に取り組んでいるのかお伺いいたします。

 次に、アニマルウェルフェアについてです。

 アニマルウェルフェアは、動物の身体的・精神的健康を確保する考え方であり、近年社会的な関心が高まっています。英国やニュージーランドといった国々では、アニマルウェルフェアに関する法整備が進み、畜産動物の飼育方法や動物実験における配慮が義務づけられています。国内においても、農林水産省がアニマルウェルフェアに配慮した飼養管理を広く普及し、定着させるため、平成29年及び令和2年に「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理の基本的な考え方について」を発出するとともに、畜種ごとの飼養管理方法等については、公益社団法人畜産技術協会が作成したアニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針を基に、その普及を支援してきたところです。また、山梨県が自治体として初となるやまなしアニマルウェルフェア認証制度を導入するなど先進的な取組が見られるほか、民間企業においても、キユーピーや日本ハムなどがアニマルウェルフェアに配慮した調達を行っており、消費者のエシカル消費へのニーズの高まりに対応するようになっています。

 本県は日本酪農発祥の地であり、首都圏でも有数の畜産業が盛んな地域で、アニマルウェルフェアに率先して取り組むことが新たな価値を生み出していくのではないかと期待しております。

 そこで、県は、家畜のアニマルウェルフェアについて、どのように認識しているのかお伺いいたします。

 次に、公務員の兼業についてです。

 公務員の兼業は、地域貢献や多様な経験の蓄積につながる可能性がありますが、一方で、公務の公平性や職務専念義務との両立が課題となり、思いのほか進んでいないのが実情であります。総務省は、希望する地方公務員が兼業できる環境を整備するように求める通知を、自治体に今年の6月11日付で発出し、許可基準の設定や運用に当たって留意すべき点を示すとともに、地方公務員は営利企業の従業員との兼業が可能であることを改めて周知したところです。

 通知は、職員による自律的なキャリア形成、自己実現のニーズの高まりや、高齢化、人口減少など、社会情勢の変化を背景として、兼業を希望する職員が兼業できる環境を整備することが求められていると説明しており、地方公務員法の趣旨の範囲内で創意工夫しながら、詳細かつ具体的な許可基準を設定すべきだと指摘しています。このようなことから、県としても兼業を希望する職員が兼業できる環境を整備すべきと考えます。

 そこで、職員の兼業の状況はどうか。また、6月の総務省通知を受け、今後、県はどのように対応するのかお伺いいたします。

 最後に、発酵県ちばについてです。

 本県は、生産量全国1位のしょうゆ、みりんや日本酒など、各地に発酵の文化や歴史、技術が存在し、発酵は大きな魅力の1つとなっています。その魅力を世界に発信するため、2025年の日本国際博覧会、大阪・関西万博に、千葉県は発酵をテーマとした出展をしているところであり、我々もそのブースを視察してまいりました。また、ちばの発酵ポータルサイトを開設して情報発信に努めていることは大いに評価するところです。

 愛知県も、みそやしょうゆ、酒などの発酵食を通じて国内外から愛知への誘客につなげようと、業界団体や商工・観光団体、自治体などで構成する愛知「発酵食文化」振興協議会を創設し、PRのキャッチコピーとしてうまみ県あいちを掲げており、私も先日、愛知県半田市を訪れ、発酵ツーリズム東海や半田運河発酵マルシェなど、発酵のまち・半田の具体的な取組事例を調査してまいりました。このように、愛知県はその目的も旅の目的地として明確にし、3か年事業方針を策定して具体的な取組を展開しております。

 一方で、本県の発酵県ちばについては緒についたばかりで、明確な目標や戦略的な展開などはまだまだ見いだしていない状況でありますが、発酵県ちばをよりPRしていくためには、まずは県民が本県の発酵をお勧めできることが大切であると考えております。

 そこで、発酵県ちばをより根づかせていくため、特に県民への意識醸成が必要と考えますが、どうか、お伺いいたします。

 以上で1回目の質問を終わります。明快な答弁をお願いいたします。(拍手)

○議長(武田正光君) 小川としゆき君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の小川としゆき議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、県市間の協議についてお答えをいたします。

 忠霊塔の歴史的・文化的価値の継承に関する御質問ですが、新たな忠霊塔は、日清戦争以降の戦没者を慰霊し、恒久平和を祈念するシンボルという役割、機能を引き継ぐことから、様々な世代の県民が平和について関心を抱けるよう、平和や安寧等を想起させやすい合掌をモチーフとしたデザインとしています。また、再整備計画地である桜木霊園は周囲に住宅等が建ち並ぶ地域の中にあるため、霊園を管理する千葉市と調整し、地域住民の日常生活に溶け込み、歴史に日常的に触れられる広場としても整備し、適切に維持管理を実施したいと考えています。さらに、新たな忠霊塔においても、遺族会や千葉市等の参加の下、毎年8月15日に拝礼式典を開催することにより、悲惨な戦禍の記憶を風化させず、平和の尊さを県民に伝え、戦争のない平和な社会を次世代に継承していきたいと考えています。

 次に、発酵県ちばについての御質問にお答えをいたします。

 大阪・関西万博の出展で本県の発酵の魅力を国内外の方々に力強く発信をいたしましたが、発酵県ちばをより広く定着させていくためには、県民の皆様に本県に根づく発酵文化や歴史について深く知っていただくことも重要であると考えています。これまで県では、本県の発酵に関する情報を取りまとめた発酵ポータルサイトの開設、広報用動画やパンフレット、「県民だより」等により発酵文化や歴史などを紹介する取組を進めてきたところです。

 今後は、現在作成しているロゴマークを活用し、本県の発酵の認知度やブランド力の向上を図るとともに、江戸時代から現在に至るまで食文化を支えてきたしょうゆやみりん、酒をはじめとする本県の発酵文化を具体的に紹介することなどにより、県民の皆様の意識醸成に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○議長(武田正光君) 総合企画部長三神彰君。

 (説明者三神 彰君登壇)

○説明者(三神 彰君) マリンスタジアム再整備についての御質問ですが、本年5月に千葉市がマリンスタジアム再整備基本構想案骨子を公表し、その中で幕張メッセ駐車場を移転候補地とすることが表明されました。これまで、市とはメッセ駐車場にスタジアムを建設した場合の様々な課題について意見交換を行ってきたところです。今後、千葉市では事業協力者の公募を経てスタジアムの基本計画の策定に着手し、その中で、代替駐車場や周辺の交通混雑などの課題について具体的な検討を行うこととしています。

 県といたしましても、基本計画の策定に当たり、株式会社幕張メッセをはじめとする関係者とともに協議を進め、マリンスタジアムの移転が幕張新都心の活性化、ひいては県経済の活性化につながるよう、市と連携して取り組んでまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 都市整備局長横土俊之君。

 (説明者横土俊之君登壇)

○説明者(横土俊之君) 幕張海浜公園にアリーナ建設の検討が進められることについての御質問ですが、アリーナは、様々なスポーツや芸術・文化活動等を通じて多くの人々が交流できる場となり、また、災害時の防災拠点となることが期待できる施設と考えられています。幕張海浜公園にアリーナが建設される場合は、新たなにぎわいが創出され、公園の魅力向上、ひいては幕張新都心全体の活性化につながるものと考えています。

 県としましては、地域住民の御理解と御協力が必要と考えており、千葉市等が行う意見交換会などを注視しながら必要な協議調整を行うなど、市に協力してまいります。

 続いて、ウォーカブルなまちづくりの取組についての御質問ですが、居心地がよく歩きたくなるウォーカブルなまちづくりは、町なかを車中心から人中心の空間へと転換するなど、にぎわいを形成する上で重要な取組です。県では、今後の都市づくりの目標を示した千葉県都市づくりビジョンの中で、ウォーカブルな町なかの創出を目指すべき都市の姿の1つとして位置づけるとともに、市町村とのワーキンググループを設置し、先進事例の研究、意見交換等を実施しているところです。現在、木更津市や習志野市などでウォーカブルなまちづくりとして、快適な歩行空間の整備やパブリックスペースを活用した官民連携のイベントの開催などが計画されており、県としては、これらの取組がより一層推進されるよう、引き続き市町村を支援してまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 健康福祉部長岡田慎太郎君

 (説明者岡田慎太郎君登壇)

○説明者(岡田慎太郎君) 千葉県忠霊塔再整備計画についての御質問ですが、本年6月に策定した千葉県忠霊塔再整備計画では、英霊名簿等が埋蔵でき、拝礼式典を行える十分な広さが確保できること、墓地として許可されていること等の立地条件を考慮し、遺族会を構成員とする検討会議での御意見も踏まえ、千葉市桜木霊園内に忠霊塔を整備することとしたところです。再整備計画の発表後、計画地に関し、利便性を評価する声がある一方、式典時の渋滞を懸念する声が寄せられました。県としては、新たな忠霊塔を恒久平和を祈念するシンボルとして整備し、適切な管理を行うとともに、地域の方の生活環境への影響が生じないよう、今後具体的な式典の運営方法について検討してまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 県土整備部長四童子隆君。

 (説明者四童子隆君登壇)

○説明者(四童子隆君) 都川上流域における浸水対策についての御質問ですが、都川については、流域における浸水被害の軽減を図るため、都川水系流域治水プロジェクトを策定し、県と千葉市が連携して流域治水を推進しております。これまでに都川上流域では、流下能力を確保するための樹木伐採や堆積土砂撤去、大草橋の上流右岸における築堤及び河川監視カメラの設置などを実施したところです。現在は、大草地区にある祐左衛門橋下流の湾曲している箇所の河道拡幅や、堤防高が不足している箇所の築堤などに向け詳細設計を実施しているところであり、引き続き市の事業と連携して浸水対策を実施してまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 商工労働部長関 雄二君

 (説明者関 雄二君登壇)

○説明者(関 雄二君) まず、宿泊税における市町村交付金についての御質問ですが、県としては、宿泊税の導入により宿泊・観光産業における人手不足の解消や、観光消費の拡大に取り組んでいきたいと考えており、半島という地理的な特殊性を抱える本県の場合、県と市町村が一体となって県全体で観光振興を図っていく必要があります。そこで、宿泊税を活用した県全体の観光振興に向け、県と市町村の役割分担や取組の方向性を整理した上で、市町村に対する交付金制度を設けることとし、1月に実施した市町村との意見交換会において、交付金の活用要件や配分割合などの考え方をお示ししたところです。本交付金については、一部の市町村から活用要件が厳しく地域の課題に柔軟に対応できないという御意見や、観光施策を着実に実施できるよう配分を手厚くしてほしいという御要望をいただいており、引き続き、様々な御意見を丁寧に伺いながら検討してまいります。

 次に、観光DXの推進についての御質問ですが、観光分野においてDX技術を活用することにより、旅行者の利便性の向上が図られ、周遊の促進や消費の拡大につながることが期待されます。そこで県では、6月補正予算に計上した養老渓谷温泉郷の観光地域づくりの中で、地域の交通利便性の向上に向け、最適な移動手段の検索から予約、決済までをオンラインで一括して行えるMaaSの導入可能性についても検討していきたいと考えています。

 このほか、風景写真の撮影に最適な時間帯等をその日の天候に応じて案内するシステムや、手荷物の一時預かりサービスをスマートフォンから手軽に利用できるシステムなど、観光分野に生かせるDX技術について、民間事業者等から聞き取りを行っているところです。

 県としては、引き続き先進事例について情報収集を積極的に行い、県内への誘客につながるDX技術の活用について研究を深めてまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 総務部長前田敏也君。

 (説明者前田敏也君登壇)

○説明者(前田敏也君) まず、指定管理者制度の評価と取組の御質問にお答えいたします。

 本県では、公の施設に指定管理者制度を導入したことにより、受託者の創意工夫によってドッグランやバーベキュー場の設置などが行われ、施設の魅力が向上し、利用者が増加した施設もあるなど、住民サービスの向上につながっていると考えております。また、より多くの事業者が応募できるよう公募期間を延長する一方で、施設運営の継続性や事業者の専門性などを考慮して指定管理者の選定が行えるよう、ガイドラインの見直しなどを行ってきたところです。引き続き、民間事業者等の有するノウハウを活用することにより、多様化する住民ニーズに効率的、効果的に対応できるよう、制度の運用改善を図ってまいります。

 次に、県職員の兼業についての御質問ですが、職員が兼業を行う場合には、地方公務員法に基づき許可を受ける必要があり、昨年度知事部局においては大学での講義や専門誌等への原稿執筆のほか、地域クラブでのスポーツ指導等の社会貢献活動など、378件の兼業許可を行いました。今回の総務省通知では、有為な人材の確保や人口減少等を踏まえた社会課題の解決への寄与等の観点から、兼業の有用性が示されるとともに、兼業の促進に向け、職員個人のスキルや地域の実情を踏まえた自営兼業も可能であることなどが明記されたところです。このため、現在兼業に対する職員ニーズを把握するためアンケート調査を実施しているところであり、本県を取り巻く課題なども踏まえ、兼業の範囲の拡充や許可基準の見直しについて検討を進めてまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 警察本部長青山彩子君。

 (説明者青山彩子君登壇)

○説明者(青山彩子君) 私からは薬物対策についてお答えいたします。

 まず、県内の薬物犯罪の検挙状況に関する御質問ですが、令和7年6月末現在の薬物事犯の検挙人員は323人であり、前年同期と比較すると7人増加しております。このうち、覚醒剤事犯の検挙人員は139人であり、前年同期より24人減少、大麻事犯の検挙人員は135人であり、9人増加しております。

 次に、薬物対策に関する御質問ですが、県警では、薬物犯罪の根絶に向けて、末端乱用者の検挙と突き上げ捜査による薬物密売人の検挙、暴力団や外国人犯罪組織等が関与する密売事犯の取締り、税関等の関係機関との連携による密輸入事犯の水際検挙等を組織を挙げて強力に推進しております。また、児童生徒を対象とした薬物乱用防止教室、関係機関やボランティア団体と連携した薬物乱用防止街頭キャンペーンなどの広報啓発活動も推進しております。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 保健医療担当部長山口敏弘君。

 (説明者山口敏弘君登壇)

○説明者(山口敏弘君) 若年層への薬物乱用防止対策についての御質問ですが、薬物乱用は、乱用者個人の健康上の問題とともに、様々な事件や事故の原因になることから、個人の将来を守ることに加え、社会全体を健全に保つため、若年層に対し薬物の危険性や乱用防止について広報啓発することは非常に重要だと認識しています。そこで県では、若年層に届くよう動画配信サイトにおいて県が作成した啓発動画を広告として配信しているほか、学校で開催される薬物乱用防止教室への講師派遣、保護者や学生向け等、様々なリーフレットの配布など、オーバードーズも含めた薬物乱用防止のための啓発に取り組んでいるところです。

 引き続き、他県の取組事例を情報収集することなどにより、本県におけるより効果的な広報啓発について研究してまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君)農林水産部長高橋輝子君

 (説明者高橋輝子君登壇)

○説明者(高橋輝子君) 家畜のアニマルウェルフェアについての御質問ですが、家畜が自由に行動でき、好きな場所で休息できるなど、アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼育方法では、ストレスや疾病の発生が減少し家畜の健康が保たれるなどの効果が期待されます。一方、自由に動けることで家畜同士の争いや事故が増え、けがなどが増加することで生産性の低下につながる場合もあることから、家畜の性質や飼育密度に注意しながら飼育することが重要です。県では、アニマルウェルフェアに配慮した鶏や豚の飼育方法に関する研究を行っているところであり、これらの研究成果や国からの情報を生産者へ提供することなどにより、引き続きアニマルウェルフェアに取り組む畜産農家を支援してまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 小川としゆき君。

○小川としゆき君 ただいまは、知事をはじめ執行部の皆様から御丁寧な答弁を賜りありがとうございます。答弁を踏まえまして、意見と要望、幾つか再質問を行います。

 まず、県市間の協議についてですが、幕張新都心は町開きから30年以上が経過し、職・住・学・遊の複合機能を備えた未来型の国際業務都市として、日々約23万人が活動する大きな町へと発展を遂げてまいりました。これまで旧企業庁がまちづくりの中心でしたが、事業の収束に伴い、現在は千葉市が主体的に取り組んでいくようになっているとはいえ、まだまだ県有地が多いため、今後の幕張新都心のさらなる発展のためには県市の連携が不可欠であります。今回取り上げたマリンスタジアムの再整備や新アリーナの建設は、建設予定地が県所有でありますし、新たに3万人、2万人規模の集客施設ができるということは、幕張新都心の在り方や町全体の回遊という意味でも大きなインパクトがあります。幕張メッセを中心としたMICE誘致にも大きな影響を与えることから、この波及効果やシナジー効果を最大化するためにも、ぜひ県市がしっかりと協調し、同じベクトルでまちづくりを進めていただくことを強く要望いたします。

 次に、忠霊塔についてです。新忠霊塔の新築工事については、本年8月に行った入札が不調になったと伺っております。来年8月15日の忠霊塔拝礼は、新築工事が順調に進んだ場合、新忠霊塔で行う予定だと伺っておりましたが、この入札の不調により今後の再整備に遅れが生じることが懸念されるところです。

 そこで再質問いたします。忠霊塔の再整備について、今回の不調がどのような影響を与えるのかお伺いいたします。

 次に、都川の流域治水についてです。都川上流域の大草交差点付近の外水氾濫対策については、当選以来、事あるごとに要望させていただきましたが、先日、千葉市選出の県議会議員と千葉市長との意見交換をする場におきましても、市長から都川の件を取り上げていただき、県市ともに対策に前向きに取り組んでいただけることを心から感謝申し上げます。答弁でも、祐左衛門橋下流の河道拡幅や築堤などの詳細設計に入っているとのことですが、ぜひこの蛇行している河道を直線化していただくとともに、築堤の延長も強く要望いたすところであります。

 次に、宿泊税についてですが、交付金について様々な要望が出ている中、市町村が観光施策を実施するに当たり使いやすい交付要件とするよう、また交付金を十分に配分するよう、県は市町村の意見をしっかり受け止め、丁寧に検討することを要望いたします。

 次に、観光DXについてですが、以前もDXとデジタル化について言及しましたが、先行事例などを調査しても単なるデジタル化の事例も多く、変革まで至っていないのも多い印象です。もちろん、デジタル化によって効率化を図ることも重要ですし、DXが目的化したらそれこそ本末転倒ですが、本県の持つ貴重な観光資源をもっと旅行者に知ってもらい、もっと周遊や消費の拡大につながるために、観光分野におけるDXを進めやすい環境整備を進めてほしいと思います。

 具体的には、官民問わず社会実装に向けての社会実験などを積極的に進めるとともに、民間や県内市町村が観光DXを推進したくなるようなインセンティブが働く補助金や組織などをつくってほしいと思います。

 次に、民間活力の導入についてです。ちょうど私が市議会議員になりたての頃に、1980年代半ばに欧米で始まったニュー・パブリック・マネジメントがちょうど日本でも定着し始め、指定管理者制度やPFIなどの新しい制度が導入され、公共における民間活力の導入は当たり前のようになってきました。しかし一方で、欧米に比べると裁量の幅も狭く、正直コストの縮減につながったものの、目を見張るようなサービスの向上にはつながっていない気がいたします。昨年、指定管理者のガイドラインを見直したとのことですが、指定管理者制度やPFIを含め、これまでのパブリック・プライベート・パートナーシップ、いわゆるPPP全体を総括し、より効果的に取り組めるよう改善に努めていただきたいと思います。

 また、9月15日の千葉日報の1面に、空き公共施設の活用推進、千葉県と市町村、連携し企業誘致、27自治体の61施設に進出という見出しで、公共施設の利活用が進んでいることが報道されておりました。先日も観光議連で、老川小学校の跡地利用で、良品計画が多目的集客施設として運営しているMUJI BASE OIKAWAを視察し、公共施設の活用が進んでいることを確認いたしました。このように、既にある施設の利活用をした官民連携は進んでおりますが、公園や道路のほか、遊休県有地などの公共空間、パブリックスペースの利活用はまだそんなに進んでおりません。県では、その一環であるウォーカブルなまちづくりを進めているところでありますが、国土交通省が進める官民連携のまちづくりを進める上で、パブリックスペースの利活用が進むような施策や方針が必要であります。

 どうしても、公園や道路を管理している所管は管理がメインであって、利活用はあくまでも副次的なものになるのは致し方ないですが、せっかくすばらしい提案が民間からあったとしても、管理中心な思考ですと、どうしても使用許可が下りず、地域の活性化の機会を損失してしまいます。公園や道路などのパブリックスペースの利活用が推進されるよう、県としても積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。

 次に、薬物対策についてです。県警の薬物事犯の検挙件数や当局の広報啓発の状況はよく分かりました。ただ、私が違法薬物の取締りにおいては、いわゆる末端の所持者、使用者を検挙することも大切ですが、その上流部分である販売や密輸などをしている組織や人物を徹底的に取り締まることも重要であると考えます。特に、本県は成田空港や千葉港など海外とのポータルになっていることから、水際対策を強化すべきと考えています。また、近年では欧米で問題になっている合成麻薬フェンタニルといった新たな違法薬物も日本を経由して販売されているのではないかと報道もされており、このような新たな事案についても早々に対策を講じるべきであります。

 そこで再質問いたします。県警では、フェンタニル等の違法薬物の水際対策にどのように取り組んでいるのかお伺いします。

 次に、アニマルウェルフェアについてですが、日本総合研究所によると、国内のアニマルウェルフェアの付加価値総額は5,735億円と試算されており、畜産動物のアニマルウェルフェア改善で得られるメリットは大きいと考えます。しかしながら、正直まだ理解が進んでおらず、県内で導入が進んでいないのが現状です。まずは、アニマルウェルフェアについて正確な理解をしていただけるよう当局もしっかりと研究し、啓発に努めていただきたいと思います。

 次に、公務員の兼業についてですが、今回取り扱ったきっかけは、他団体の例ですが、公務員の方でJリーグの審判をしている方から相談がありました。これまで無償で審判を務めておりましたが、無償ですとかえって持ち出しも多くなり、家族の理解も得にくい状況であったようです。今回の総務省通知によって地方公務員の副業を後押しするため、兼業許可の基準を定める際の留意事項が示されたことから、通知の趣旨にのっとって、県職員が地域の活性化や自身のキャリアアップ、スキル向上につながるよう取り組んでいただきたいと思います。

 発酵県ちばについてですが、やはりこちらも目的や意義を明確にし、戦略的に進めていかないと狙った効果が発揮できないと思います。ぜひ、単なるアドバルーンで終わらせないためには、歴史などとひもづけ、県のアイデンティティーの1つになるよう、明確な方針や計画を策定して全庁的に取り組んでいただきたいと思います。

 以上で2回目を終わります。

○議長(武田正光君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 忠霊塔の再整備についての御質問でございます。

 新忠霊塔の工事については、先月21日が開札予定日でございましたが、応札者がいなかったことから入札不調となりました。このため、契約内容を見直した上で再度入札する予定でございます。このことに伴いまして、新忠霊塔の完成は令和8年度の後半以降となることから、来年度の忠霊塔拝礼については現在の忠霊塔において実施する見込みでございます。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 警察本部長青山彩子君。

○説明者(青山彩子君) 違法薬物の水際対策に関する御質問ですが、本県は、成田国際空港のほか、漁港をはじめとする多数の港を有しており、フェンタニルを含めた違法薬物の国内への流入を阻止するためには、水際における監視と取締りは極めて重要であると認識しております。そのため県警では、税関、海上保安庁などの関係機関との連携強化、警察庁や他の都道府県警察との情報共有、共同捜査等により、実効ある水際対策を推進しております。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 小川としゆき君。

○小川としゆき君 御答弁ありがとうございました。3回目は、要望と所感を述べさせていただきます。

 まず、忠霊塔についてです。来年は新しい忠霊塔で式典が行えないのは残念ですが、逆に時間がありますので、移転再整備の理解を深めたり地元の懸念事項を払拭できるよう調整願うとともに、早期に整備できるよう速やかに再入札をよろしくお願いいたします。

 次に、薬物対策については、そもそも入手ができないように販路を徹底的に潰していただきたいと思いますし、引き続き使用する側の意識も変えていただきたいと思います。そのためには、禁止薬物への周知や啓発も大切ですが、その入り口となるゲートウェイドラッグへの注意喚起もしていただきたいと思います。ゲートウェイドラッグは、一般的に、コカインやヘロインなどの依存性の高い禁止薬物の使用のきっかけとなる薬物を指す言葉ですが、近年では研究の結果から、アルコールやタバコもゲートウェイになり得ることを指摘されており、有機溶剤、いわゆるシンナーや危険ドラッグといった従来のゲートウェイドラッグや、依存性や身体への悪影響がないと誤った知識が蔓延している大麻、そしてオーバードーズ問題を含め、正しい知識を持ってもらいたいと思います。

 また、若年層の薬物使用問題の背景には、若者が直面する様々な生活上の課題や生きづらさなどがあるのではないかと思いますので、医療、教育、福祉など、多角的な視点からの包括的な対策が必要であると考えます。いずれにいたしましても、県としまして薬物対策にしっかり対応するため、薬物乱用防止推進計画を策定し、全庁的に取り組んでいただきたいと思います。

 以上で私からの一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○議長(武田正光君) 次に、宮坂奈緒君。

  (宮坂奈緒君登壇、拍手)

○宮坂奈緒君 おはようございます。浦安市選出、自由民主党、宮坂奈緒でございます。質問の機会をいただきました先輩・同僚の皆様に心より感謝申し上げます。

 それでは、随時質問をさせていただきます。

 まず1つ目、女性に対するAEDの使用についてでございます。

 心停止となった人の心臓の動きを正常に戻す医療機器AED、救急車が到着する前に心臓マッサージとともに使えば、何もしない場合よりも救命率が4倍上がるとされております。また、電気ショックが1分遅れるごとに救命率が約10%減少すると言われており、ためらわずにAEDを使用することが重要です。しかし、倒れた人が女性だったことを理由に使われないという事態も起きております。

 セクハラに対する意識が高まりつつある昨今、公共の場で倒れた女性に対してAEDを使用すること、胸元を露出させなければならないといった配慮から、使用をためらうケースは少なくありません。男性よりもAEDが使われにくいという調査結果を、京都大学などの研究グループがまとめております。全国の学校の校内で心停止となった子供232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べたのです。学校にはAEDの設置が進んでいて、もしもの時にはすぐ使える状態の場合がほとんどです。しかし、小学生と中学生では男女に有意な差はありませんでしたが、高校生になると大きな男女差が出てきました。男子生徒は83.2%なのに対し、女子生徒は55.6%と、その差は30ポイント近くありました。

 そこで伺います。男女別のAED使用率の現状はどうか。また、その状況について、県はどのように認識をしているのか。

 次に、旭化成ゾールメディカルのアンケートによりますと、目の前で倒れている人が女性だった場合、胸骨圧迫やAEDの使用などの救命処置ができるかどうかを問う質問では、65.2%の方が、救命処置をしたいが抵抗がある、またはできない、したくない、分からないと回答しております。しかし、命を救うための対応と、相手のプライバシーや尊厳への配慮を両立することは可能なことです。

 議長の許可をいただきまして、こちらのAEDの持ち込みと、資料を配付させていただきました。こちらのAEDは講習用のAEDになっております。普通と少し違いますのは、こちらのポケットを開けますと、中に皆様にお配りしましたこの案内、そして、こちらのこのようなガーゼも一緒に2つ入っております。こちらをちょっと1個開けてみますと、このような白い布が1枚入っております。これを、本来であれば女性が倒れていたときに、周りの人たちが腕を組んだりとかしてバリケードをつくったりとか、また、例えば近くにテントがあったりすれば、そこに連れていってあげるとかすればいいですけれども、そういう場合ばかりではありませんので、こちらの布を1枚このようにかけていただくだけで、大分救命率、AEDを女性にも使えるということの抵抗感がなくなるというふうに思っております。こちらのポケットがないタイプもありますので、このほかにもポケットがついてないタイプでは、AEDが設置されているボックスの中に、皆様にお配りさせていただきました資料の裏面ですけれども、ボックスと一緒に風呂敷のようなものが一緒に置いてある自治体というのもございます。「女性にAEDを使うのをためらわないで!!」と書かれたチラシをセットに設置している市町村もあります。県内では、我孫子市、野田市、柏市が取組を進めているようですが、全県下で女性への使用をためらうことがないような周知をし、救命率を上げる必要があります。

 そこで伺います。女性へのAEDの使用率の向上に向けて、プライバシーに配慮したAEDの使用に関する普及啓発を行うべきと考えるが、どうか。

 次に、2番目の項目、失われつつある文化や技術の継承についてです。

 令和7年5月1日時点において、これまで指定等された千葉県内の国、県指定の無形文化財、無形民俗文化財、国の選定保存技術の数は88あり、このうち、保持者が亡くなったり後継者や継承団体が途絶えるなどにより保存、継承されなかった数は15あります。また、県内市町村指定の無形文化財、無形民俗文化財の現存数は195あり、指定解除の数は把握されておりませんが、保存、継承されるべきものが失われてしまうということを危惧しております。

 これらは、多くのものが昭和30年から60年頃に指定をされ、地域における価値の高い、形のない技術や風俗習慣、民俗芸能などであり、一度失われると二度と取り戻すことのできないものです。こうした失われつつある文化、技術を次代を担う人たちに着実に継承していくことは、地域の独自性を保ち、先人が築いた価値観や技術、倫理観の継承にもつながってくると考えております。

 そこで伺います。次の世代に向けた伝統的な技術や芸能を含む文化財の保存、継承について、どのように取り組んでいるのか。

 次に、千葉県ホームページ、文化活動支援・助成事業の中では、地域の文化・芸術支援事業や地域伝統芸能等保存事業などがあり、県が窓口となり補助や助成を行っております。このうち地域伝統芸能等保存事業では、各地域の失われつつあり、かつ記録に残されていない地域固有の伝統芸能等を映像に記録、保存する市区町村の事業を財政的に支援する事業です。完成した映像は順次公開し、情報発信をされております。

 私の選挙区であります浦安市のような都市部でも、もちろんこのような伝統文化や技術があり、どの団体も継承者不足という課題に直面しておりますが、その技術に誇りを持ち、後世に残したいという思いで活動をつなげている中、1つの成功例として、浦安細川流投網保存会を御紹介させていただきます。

 浦安の投網は、昭和46年の漁業権全面放棄、昭和48年の投網組合解散や海面埋立事業などにより多くの投網船が姿を消すことになりましたが、この漁法を後世に残さなければいけないと立ち上がった方々で、平成7年に浦安細川流投網保存会が結成され、平成8年には浦安市指定無形文化財保持団体の認定を受けました。公開練習などを通じ技術の継承に取り組んでおり、さらに数年前に入会した数名の若手会員が現在中心となって、若者が興味を持つきっかけとなるような発信と、網を投げるかっこよさをユーチューブで発信したりと継承に力を入れたところ、会員は増加し続けており、このように様々な仕掛けを行うことが担い手の創出には有効であり、絶やさないことが一番ですが、現在の高齢化や人口減少の中では難しい地域もあるかと思います。

 そこで伺います。伝統的な技術や芸能の保存、継承を支援するため、記録映像を作成し、公開する必要があると考えるが、どうか。

 次に、道路問題についてです。

 国道357号の浦安・市川市域では、慢性的な渋滞緩和を目的に、国土交通省が交差点の立体化工事を進めております。特に、県民生活に影響しているのが舞浜立体と塩浜立体の整備であり、舞浜立体は令和2年6月28日に開通となり、舞浜交差点の立体化により東京ディズニーリゾート周辺の交通流が大幅に改善されました。また、塩浜交差点の信号待ちによる慢性的な渋滞緩和にも期待をしているところです。

 そこで伺います。国道357号東京湾岸道路の浦安・市川市域の整備状況はどうか。

 続きまして、新湾岸道路についてでございます。

 令和5年5月26日に発足いたしました新湾岸道路整備促進期成同盟会は、千葉県と湾岸沿線6市が一体となり、国に対して新湾岸道路の早期整備を強く働きかけるために設立されたものです。東京都と千葉県を結ぶ湾岸地域では、都心方面と千葉県を行き交う人、物の流れが集中し、広範囲にわたり慢性的な交通渋滞が発生する中で必要不可欠な道路であり、今議会では佐野彰県議からも早期整備について御質問がされたところですが、私も一日も早い整備を望む一人です。

 そのような中、浦安市域の取組状況について質問をさせていただきます。現在、外環高谷ジャンクション周辺から蘇我インターチェンジ周辺並びに市原インターチェンジ周辺までの湾岸部において、多車線の自動車専用道路として早期に計画の具体化を図ることとなっておりますが、その先の浦安から東京方面の計画は未定となっております。浦安市としても、オープンハウスを開催し、市民からの意見を積極的に収集し、東京湾岸地域の慢性的な交通渋滞の解消と、首都直下型地震などの災害時に備えた強靱な道路ネットワークの構築に期待をしているところです。

 そこで伺います。新湾岸道路以西の都県間を含む浦安市域の取組状況はどうか。

 続きまして、宿泊税導入に向けた取組についてです。

 2月議会にて宿泊税導入について質問をさせていただきました。先ほどは小川県議からも同様の質問があったと思います。県は、県内観光の持続的発展と宿泊客の利便性を向上させるために必要となる財源について、令和6年10月、千葉県における観光振興財源のあり方に関する検討結果報告書を踏まえて方向性を示しており、この間、様々な機会を通じて市町村や宿泊事業者から多くの意見が集約されてきたと思います。県は、1人1泊150円で、市町村の課税は県税分に上乗せする素案を提示し、県が目指す宿泊税の方向性は明らかになったものの、詳細は決まっていない中、各市町村における観光を取り巻く環境については、宿泊者数、宿泊施設数とその種類、旅行者数、地域により状況が異なり、各市町村の観光施策等は柔軟に展開することが必要だと考えております。現在、8つの市町が独自課税、いわゆる上乗せを検討していると認識をしており、宿泊税の取組自体には賛同している中で、一日も早い宿泊税導入を行っていくためにも、特にそれらの市町との合意点をどのように出していくのかが宿泊税スタートの核となります。

 そこで伺います。宿泊税導入に当たって、市町村や宿泊事業者の理解や賛同が得られるよう、どのように進めていくのか。

 続きまして、大規模開発されたマンションや戸建て住宅での耐震等の対策についてです。

 県内では、大規模開発により一定の範囲にマンションや戸建て住宅が多く、同時期に建てられております。それらが旧耐震基準の時期に建てられた建物であった場合、大規模地震があったときには一定範囲内の多数の住宅や大きなマンションが一斉に倒壊してしまう可能性もあり、また、建物が複数同時に倒壊すると、近隣への被害に加え、道路沿いの場合は道路が閉塞されるなど、被害が拡大するおそれもあります。さらに、一時的に避難した多くの住民が自宅に戻れない可能性もあり、地震に備えた住まいの確保について、民間の建物であっても県として関与が必要ではないかと考えております。

 例えば浦安市の場合ですが、分譲集合住宅実態調査を5年に1度行っており、その対象となる建物は201か所ある中で、昭和56年の5月31日以前に適用されていた旧耐震基準の建物は28か所あります。

 そこで伺います。県内のマンションや戸建て住宅の耐震化率はどうか。また、耐震性の不十分な戸数はどの程度あるのか。

 次に、令和7年度より、災害時の応急活動等において重要な緊急輸送道路の沿道建築物の一部について、補強設計や耐震改修等を補助対象に加えるなど、耐震化を一層促進させる住宅、建築物の耐震化サポート事業も行っており、緊急輸送道路沿道建物の耐震化にも力を入れていると思います。大規模地震に備えて住まいの確保を進めるためには、まず、耐震化の促進が重要です。行政は、強制的に改修させることは難しいですが、制度を整え後押しすることはでき、それは、住民の安心と地域の防災力向上にもつながると考えております。

 そこで伺います。大規模地震に備えた住まいの確保のため、県はどのように関与していくのか。

 続きまして、北方領土問題についてです。

 戦後80年となり、戦争を経験した世代はお亡くなりになる方もいらっしゃり、超高齢となられました。令和6年3月末時点での元島民の平均年齢は88.5歳で5,135人となり、終戦当時の人口1万7,000人から3割程度に減少をしております。私は現在、北方領土返還要求運動を促進する推進委員を中村実県議より引き継ぎ、担わせていただいております。他県の推進委員の方との意見交換や会議等に出席し、返還運動を行う中では、生きている間に返還されることが難しいのではないかという、ふるさとを思う元島民の皆さんの悲痛な声を聞くたびに悔しさが込み上げてまいります。北方領土問題の解決のためには、より多くの県民がこの問題に対する理解と関心を深め、世論を盛り上げ、国の交渉を後押しすることが重要であると考えます。

 平成20年から内閣府が実施しております北方領土問題に関する世論調査の令和5年調査結果では、北方領土問題について聞いたことがある、知っているは、約90%を超えているものの、返還運動に参加したい、参加してもよいは35%程度、参加したくない理由の約半数が、自分が参加しても北方領土が返還されるとは思えないからというような回答結果が出ております。また、北方領土という言葉について聞いたことがあるが、現状までは知らないは、30代以下では約半数を占めており、内閣府は若者の利用が多いSNSなどを活用して情報発信をし、周知を強化したいとのことです。特に若年層は、北方領土問題に対して知ってはいるが、関心が薄い、自分事として捉えにくいといった傾向が見られますが、これは、北方領土の日本人墓地への墓参やビザなし交流が中止されてしまい、自分事として捉えるチャンスがなくなったということもあるのかもしれません。

 それは、ロシアによるウクライナ侵攻以降、日ロ関係が急速に悪化したことが直接的な要因であり、国際情勢の大きな変化も関係している中、令和4年2月定例会では、ロシアによるウクライナ軍事侵攻に対する決議を全会一致で可決し、千葉県議会としても国際社会の平和と安全について向き合ってきたと認識をしております。若年層が北方領土問題を遠い話、歴史の教科書の中のこととして捉えてしまうと、世代を超えた関心の継承が途絶えてしまうのではないかと危惧をしております。

 そこで伺います。北方領土問題に対する若年層の理解と関心を高めるために、県はどのような取組を行っているのか。

 次に、原爆被爆者の実態調査についてです。

 平和を継承していくために私も何かできることをと、今年より浦安被爆者つくしの会に入会し、平和活動を続けるメンバーとともに活動をしております。私は入会したばかりですので、まだまだ戦力にはなりませんが、会としての主な活動として、市内の小中学校での被爆体験講話や、非核平和を訴える朗読劇を披露したり等々、浦安市が行う平和活動に積極的に協力をしており、毎年8月には県庁ロビーでも、千葉県原爆被爆者友愛会が主催の千葉県平和祈念原爆展が開催されていると思います。

 被爆者団体で活動する方は、被爆者当事者や2世の方だけでなく、戦争の悲惨さを後世に伝え、二度とあのようなことが起こらないようにと平和に対しての強い使命感を持った方々ばかりであり、これは県内だけでなく全国組織となっております。新たな団体に入りますと、そこにはまた新たな課題があるもので、今回は、原子爆弾被爆者実態調査について伺ってまいります。

 この調査は、被爆者の生活、健康状態を把握し、援護施策の基礎資料とするために厚生労働省が昭和40年から10年ごとに実施してきた重要な統計調査です。国が実施する唯一の被爆者調査で、被爆体験を後世に残すことも目的とされてきたものですが、被爆者の高齢化などを理由に昨年末に打切りが決定され、都道府県に伝達がされたとのことです。

 そこで伺います。国による原子爆弾被爆者実態調査の終了に関して、県に対してどのような連絡があり、県はどのように対応をしたのか。

 原子爆弾被爆者実態調査の結果として、被爆者の方は、寝たきりや生活の困窮ぶりが際立っていたことが判明し、就職、結婚時の差別や、被爆2世、3世に当たる子や孫の健康を心配する状況なども明らかになり、実態に応じた被爆者援護に役立てられてきたと認識をしております。また、平成7年からは被爆体験などを自由に記述できる項目があり、特に、様々な支援につながっていたと伺いました。調査終了によって、被爆体験の継承や政策形成の根拠が弱まるのではないかと懸念をしております。

 そこで伺います。県では、援護施策に必要なデータをどのように把握し、国に報告をしているのか。

 最後の項目、浦安市の諸課題についてです。

 保健所機能の一部設置についてです。

 浦安市は、県内でも有数の観光地として、国内だけでなく海外からも多くの来訪者を集めていることから、市民を含めた滞在者の健康に関する危機に対して迅速かつ適切に対応する必要があります。市民や滞在者の生命、身体上の安全を確保するため、より身近な場所で公衆衛生に関わる施策や手続等が進められるよう、保健所の分室もしくは浦安市で必要な一部の機能を設置するよう浦安市より要望が上がっております。昨年6月定例会では、保健所の業務改善に向けた取組状況について質問し、改善効果が高いと見込まれる10の業務について、令和5年度に業務量調査や業務分析等を行い、その結果を基に、現在業務プロセスの見直しや手続のオンライン化などに取り組んでいくとの御答弁がありました。

 そこで伺います。保健所の業務改善事業の進捗はどうか。また、保健所機能の一部設置に向けた浦安市との意見交換について、その状況はどうか。

 以上で1回目の質問とさせていただきます。どうぞ御答弁をよろしくお願いいたします。

○議長(武田正光君) 宮坂奈緒君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の宮坂奈緒議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、宿泊税導入に向けた取組についての御質問にお答えをいたします。

 県では、昨年10月に宿泊税の方向性を示した後、市町村に対しては説明会や意見交換会を開催するとともに、個別に訪問するなどして意見を伺ってきました。現在、独自課税を検討している8市町と意見交換を行いながら、宿泊者や徴収を行う宿泊事業者にとって、できる限り分かりやすい制度となるよう検討、調整を行っているところです。また、宿泊事業者に対しては、県内各地で説明会を開催したほか、アンケートやワークショップを実施するとともに、個別に訪問するなどして意見を伺ってきたところです。さらに、宿泊税を活用した施策について検討を深めるため、今月初めに宿泊事業者と2回目のワークショップを行ったところであり、市町村や宿泊事業者に理解いただけるよう、引き続き丁寧に制度設計を進めてまいります。

 次に、大規模地震に備えた住まいの確保についての御質問にお答えをいたします。

 高度成長期の大規模開発により、マンションや戸建て住宅が集積している地域において、大規模地震で住宅が倒壊した場合には被害が拡大するおそれがあることから、住宅の耐震化が重要であり、特に昭和56年以前の旧耐震基準の住宅については早急な対応が必要です。県では、専門家による助言を受けられる耐震相談会の開催や、市町村の耐震化助成に補助を行うほか、旧耐震の住宅が集積をしている地域を有する市町村に対しては、当該地域での出前講座や戸別訪問の実施など、他自治体の事例も踏まえた取組を促しているところです。引き続き、市町村と連携し、地域の実情に合わせて所有者へ耐震化の必要性を周知するとともに、補助制度の活用を促すなど、住宅の耐震化を進めてまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○議長(武田正光君) 保健医療担当部長山口敏弘君。

 (説明者山口敏弘君登壇)

○説明者(山口敏弘君) 私からは女性に対するAEDの使用についてお答えいたします。

 まず、AEDの使用率に関する御質問ですが、総務省消防庁の調査の本県のデータから、心原性心肺機能停止の時点が目撃された傷病者のうち、心肺蘇生が実施され、なおかつAEDが実施された傷病者の割合は、令和5年は5.3%であり、男性は6.8%、女性は2.8%と、男女のAED使用率に差が生じています。AEDの使用率に性差が生じている理由について、県として明確な調査分析は行っていませんが、救助者が女性の衣服を脱がせる行為をためらっていることなどが想定され、専門家においても同様の言及例がありました。

 次に、AEDの使用に関する普及啓発に関する御質問ですが、県では、千葉県AEDの使用及び心肺蘇生法の実施の促進に関する条例を制定し、誰もが自発的かつ積極的にAEDを用いた心肺蘇生法を実施できる環境づくりを進めているところです。条例制定の趣旨も踏まえ、女性に対してもちゅうちょなくAEDを使用できるよう、普及啓発動画の使用手順の中で、パッドを貼りつけた後で洋服やタオル等で肌を隠してもAEDの機能に影響がないことなど、プライバシーに配慮した説明をしているところです。今後は、啓発用リーフレットに、救命のためにはAEDの迅速な使用が重要であることに留意しつつ、肌の露出を抑えた形での使用方法を掲載することを検討するほか、傷病者の肌を隠すための三角巾等をAEDに設置することなど、効果的な手法を研究してまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 教育長杉野可愛君

 (説明者杉野可愛君登壇)

○説明者(杉野可愛君) まず、文化財の保存継承についての御質問ですが、県では、地域における伝統的な技術や芸能を県民の財産として後世に伝えることは重要と認識しており、文化財の指定や登録を着実に進めるとともに、県民が文化財に触れる機会を増やすなど、様々な取組を行っています。具体的には、指定文化財保持団体等が行う用具の修理等にかかる費用の一部を補助するとともに、民間団体が行っている地域の伝統芸能への助成事業についても、市町村を通じて周知し、活用を促しています。加えて、毎年開催しているイベントである房総の郷土芸能や、県立房総のむらにおいて、おはやしや神楽、獅子舞などの継承団体による伝統的な芸能や技術を披露する場を設け、広く県民へ魅力を発信することにより、文化財の保存、継承に努めているところです。

 次に、記録映像の作成と公開についての御質問ですが、県教育委員会では、児童生徒が伝統的な技術や芸能に関心を持てるよう、それらの記録映像を作成、編集し、県ホームページ「ちばの文化財紹介動画」へ掲載するとともに、県内の小中学校に向け広報しているところです。また、県立中央博物館では、大漁を祝う藍染めの祝い着、万祝の制作過程等を映像で記録し、動画を県のホームページで公開するなど、本県独自の風土と歴史の中で育まれてきた伝統的な技術などを県民に分かりやすく伝える取組を実施しています。今後も、伝統的な技術や芸能が保存、継承されるよう、関係部署と連携し、次代を担う若い世代に対する情報発信に努めてまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 県土整備部長四童子隆君。

 (説明者四童子隆君登壇)

○説明者(四童子隆君) 国道357号東京湾岸道路の整備状況についての御質問ですが、国道357号は、湾岸地域の交通を担う重要な幹線道路であり、このうち浦安・市川市域においては慢性的な交通渋滞が発生していることから、国において、浦安市舞浜から市川市塩浜までの約5キロメートル区間について、複数の交差点を立体化する事業に取り組んでいるところです。令和2年6月には、舞浜立体約0.9キロメートル区間が完成し、交差点を通過する交通が立体部へ転換したことから、交差点の渋滞が大幅に緩和され、安全性の向上などの効果が表れているところです。続く塩浜交差点を含む約0.6キロメートル区間におきまして、これまでに橋梁下部工が完成し、現在、橋梁上部工が順次進められております。県といたしましても、東京湾岸道路の浦安・市川市域の立体交差化が早期に整備されるよう、積極的に国に働きかけてまいります。

 次に、新湾岸道路以西の取組状況についての御質問ですが、新湾岸道路につきましては、本年5月の有識者委員会において、高谷ジャンクション周辺から蘇我インターチェンジ周辺並びに市原インターチェンジ周辺までの区間の概略ルート、構造の案が示され、現在、地域住民等への情報発信や意見聴取を行う双方向のコミュニケーション活動が行われているところです。高谷ジャンクション以西の浦安市域を含む都県間につきましては、国への重点要望や県及び沿線市で構成される期成同盟会により、計画の具体化について国等へ要望しています。引き続き、沿線6市と連携し、新湾岸道路と併せ、続く都県間の道路計画についても具体化が図られるよう国に働きかけてまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 都市整備局長横土俊之君。

 (説明者横土俊之君登壇)

○説明者(横土俊之君) 県内のマンション等の耐震化率などについての御質問ですが、国が5年ごとに実施している住宅・土地統計調査の抽出調査において、令和5年時点のマンションなどの県内の共同住宅等の耐震化率は約98%、戸建て住宅の耐震化率は約89%と推計されています。また、同調査における耐震性の不十分な戸数の推計値については、共同住宅等は約2万戸、戸建て住宅は約16万戸となっています。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 総合企画部長三神彰君。

 (説明者三神 彰君登壇)

○説明者(三神 彰君) 北方領土問題に関する若年層に向けた県の取組についての御質問ですが、北方領土問題については、より多くの県民が理解と関心を深めることが必要であり、とりわけ現状に対する認知度が相対的に低い若年層に返還要求運動の裾野を拡大し、世論を盛り上げていくことが重要であると認識しています。このため県では、北方領土返還要求運動千葉県民会議と連携し、県内大学への啓発物資の配布、中学校におけるパネル展示や北方領土を題材にした漫画の配布のほか、中学生を対象に、2年に1度、近接する根室や羅臼への現地視察を行うなど、若年層の啓発にも積極的に取り組んでいるところです。このような取組の結果、生徒からは、北方領土問題を詳しく知るよい機会になったなどといった声も聞いており、今後もこうした取組を着実に推進し、若年層を含め、広く県民の北方領土問題に対する理解と関心を深めてまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

 (説明者岡田慎太郎君登壇)

○説明者(岡田慎太郎君) 国による原子爆弾被爆者実態調査の終了に関する御質問ですが、国から令和6年12月に、これまで10年ごとに実施していた原子爆弾被爆者実態調査に関して、高齢となった被爆者の負担を考慮し終了する旨の連絡がありました。あわせて、実態調査の自由記載欄に寄せられていた被爆者の方々の言葉については、被爆の実相を次世代に継承する重要な資料であるため、別途体験記を募集することから、県からも被爆者に周知するよう依頼がありました。このため県では、県内の被爆者全員に国が作成した体験記募集パンフレットの配付を行ったところです。

 次に、援護施策に必要なデータの把握と国への報告についての御質問ですが、県では、原子爆弾の被爆者に対し被爆者健康手帳を交付するとともに、手帳の所持者に対する健康診断の実施や健康保険の自己負担分の給付、所持者の健康状況等に応じた各種手当の支給等の援護施策を実施しています。これらの施策について、毎年度被爆者健康手帳の所持者数や健康診断の診断種別ごとの受診者数、各種手当ごとの支給者数や支給額等を把握し、国に報告しているところです。

 最後に、保健所の業務改善などについての御質問ですが、県では、保健所が地域保健の要として、健康危機発生時の対応や地域保健サービスの提供といった機能を的確に発揮できるよう、これまで実施した業務量調査や分析の結果を踏まえ、保健所の業務改善を進めているところです。今年度は、業務量が特に多く専門性が求められない事務の割合が大きいとされた指定難病医療費助成業務と、小児慢性特定疾病医療費助成業務について集約して事務を処理する難病助成事務センターを新たに設置し、習志野保健所と印旛保健所の2保健所分から集約を開始しました。また、かねてより浦安市から要望のある保健所機能の一部設置については、事務の集約化の効果も踏まえながら、地域住民へのサービス向上の観点から、市と県の役割分担について浦安市と意見交換しているところです。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 宮坂奈緒君。

○宮坂奈緒君 御答弁いただきありがとうございました。続きまして、2回目の再質問と要望に移らせていただきます。

 まず初めに、女性に対するAEDの使用についてです。令和6年4月時点での県内AEDの設置台数は8,628台であり、うち県有施設のものは784台との認識でございます。啓発チラシや被覆布の設置はそんなに予算がかかるものではないと思われますので、まずは県有施設をはじめ、県が設置している箇所での取組をお願いいたします。

 普及啓発動画も作成しているということですので、さらなる活用と、AED設置場所での傷病者にかぶせる風呂敷等の被覆材の普及と併せて、服を全て脱がせる必要がなく、下着をつけたまま貼ることで使用可能だという救命講習での徹底、さらには、心肺蘇生やAED訓練の際に使われるマネキンに女性バージョンも導入するなど、よりシミュレーションを高め、救助する人が性別にかかわらずAEDを使用できる環境の整備に市町村と連携して尽力いただきたいと要望いたします。

 次に、失われつつある文化や技術の継承についてです。先ほども申し上げましたように、多くのものが昭和30年から60年頃に指定をされ、浦安細川流投網保存会が結成されたのですら平成7年であり、当時40代、50代の方は現在80歳を超える方々となっております。県が行っている補助やサポートの存在を知る環境にあるのかということを懸念しております。継承団体がデジタル技術を活用した情報発信の波にちゃんと乗ることができるような連携を行っていただきまして、文化や技術の継承を絶やすことがないように、要望とさせていただきます。

 続きまして、道路問題についてです。国道357号線の立体についてです。塩浜立体が整備されますと、浦安-市川区間では全線開通となり、信号のない区間の拡大ということになります。具体的な開通時期は公表されておりませんが、工事が着々と進んでいるということを確認させていただきました。渋滞緩和に向けて大きな期待をしておりますので、引き続き早期開通を要望といたします。

 また、新湾岸道路についてです。かつて三番瀬の埋立計画が白紙撤回されたことに伴い、第二東京湾岸道路の計画についての議論が進まなかった時期もありました。引き続き、三番瀬再生計画との整合性を図り、県民生活環境への配慮も視野に入れ、新湾岸道路と都県間の道路計画の具体化を進めていただくように要望といたします。

 次に、宿泊税導入に向けた取組についてです。浦安市からの要望は既に御存じだと思いますので全ては発言をいたしませんが、宿泊税の使途を明確にし、市町村間の公平性、自由度の高い使途となるような交付金制度、特に教育旅行などの課税免除を導入することは、ディズニーリゾートがある浦安市にとって切実な問題です。御答弁いただきましたように、丁寧に制度設計を進めていただくということに尽きると思いますので、どの時期を宿泊税元年と考えているのか、宿泊税自体に反対しているわけではないのですから、スケジュール感を持って引き続きよろしくお願いいたします。

 次に、大規模開発されたマンションや戸建て住宅での耐震等の対策です。耐震化についてですが、共同住宅等98%、戸建て89%という率で言うと高く感じられますが、戸数で言いますと2万戸、16万戸という戸数になっております。まだまだ耐震が十分であるとは言えず、引き続き住まいの耐震化を市町村と連携しながら進めていただきますよう、県民の安全を確保していただくことを要望といたします。

 北方領土問題についてです。理解と関心を高めるための取組を行っていただいているということが分かりましたが、例えば、県が主催のイベントでのブース出展、啓発活動で使用される着ぐるみ、北方領土エリカちゃんの活用、SNSでの発信等、他県の県民会議も参考にしながら、特に若年層が北方領土は日本固有の領土であるということを自分事として考えられるような、新たな取組を要望といたします。

 再質問です。被爆者の実態調査についてです。県内の被爆者全員に体験記募集のパンフレットの配付を行ったとのことですが、浦安つくしの会では、そのようなパンフレットがこの実態調査の代わりになるものだという認識をされている方はいらっしゃらなかったように感じております。令和6年度末で1,498名の被爆された方がいらっしゃり、高齢だからこそ、さらに不便なことも増えてくるのかと思います。国の調査が終わってしまった今、千葉県が責任を持って支援をしていただきたいと要望いたします。

 被爆者の体験と平和の願いを次世代に継承する取組は、今まさに岐路に立っております。被爆者の高齢化が進み、直接証言を聞ける機会が減る中で、若者が語り継ぐ側に回る動きも広がっております。

 そこで伺います。被爆体験や被爆者の思いを次世代に継承するため、県はどのような取組を行っているのでしょうか。

 以上、2回目といたします。

○議長(武田正光君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 被爆体験や被爆者の思いを継承するための県の取組についての御質問でございます。戦争を経験していない世代が大半を占める中で、原爆被害の実相や平和の尊さ、戦争の悲惨さを継承することは大変重要だと認識しております。このため県では、千葉県原爆被爆者友愛会による次世代を担う児童生徒等を対象とした証言活動や、原爆の悲惨さ、被爆者の苦しみを伝える平和祈念原爆展、そして原爆死没者を慰霊する行事等の実施に対する助成を行っております。今後とも、被爆者やその関係者と連携しながら、次世代へ被爆体験や被爆者の思いを継承するための取組を行ってまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 宮坂奈緒君。

○宮坂奈緒君 3回目、要望とさせていただきます。

 毎回のように時間が足りなくなってしまいました。もしかしたら、風呂敷のところで時間を取ってしまったのかもしれません。戦後80年が経過いたしまして、今回、3つの後継者が足りない、高齢者になってしまったというような話をさせていただきました。その様々、一つ一つ、社会の今の現状を取り入れた施策を要望とさせていただきます。

 終わります。

○議長(武田正光君) 暫時休憩します。

 午前11時34分休憩

 

 午後1時0分開議

○副議長(三沢 智君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により網中肇君。

 (網中 肇君登壇、拍手)

○網中 肇君 千葉市中央区選出の網中肇でございます。それでは、通告に従いまして、早速質問に入ります。

 まず、総務行政のうち、職員の採用についてお伺いします。

 職員の採用が困難になっている状況について、今議会の会派代表質問でも提起したところです。この件に関しては令和元年度から何度も提起させていただいておりますが、この間、早期枠試験の実施など、各種の改善をしていただいていることについて評価する次第です。また、人材不足等による民間部門における初任給基準の引上げなどを踏まえ、公務員の初任給基準の引上げもなされていますが、国、自治体を問わず、公務員の採用は大変厳しい状況であることは御案内のとおりです。

 そこでお伺いします。

 6月に実施された採用試験等において、採用予定数に対する最終合格者数について、技術職、資格免許職のそれぞれの状況はどうか。

 上級、中級、初級のそれぞれの採用区分で採用された職員の初任給について、ここ4年間の状況はどうか伺います。

 次に、勤務条件実態調査についてお伺いをいたします。

 人事委員会においては、労基法及び安衛法の規定により、職員の勤務条件の維持向上等を目的として、千葉県職員勤務条件実態調査を毎年実施しています。当該調査では、法令違反や、法令違反とは言えないまでも努力義務の履行が適切になされていない場合等に、人事委員会から改善を求めるものとなっています。

 そこでお伺いいたします。勤務条件実態調査について、それぞれ指摘事項、指導事項とはどのようなものか。

 ここ5年間の勤務条件実態調査について、指摘事項あり、指導事項のみ、指摘・指導事項なしの所属の状況はどうか。

 今後、どのように対応するのか。

 次に、地域手当についてお伺いいたします。

 令和6年の人事院勧告において国家公務員の地域手当の見直しがなされ、それを受けて地方公務員においても同様の見直しがなされています。具体的には、地域手当の支給地域が市町村単位から都道府県単位へ大くくり化することなどとされ、令和7年4月から段階的に実施されています。そうした中、自治体の地域手当が国の支給率を上回っても特別交付税の減額措置がなくなったことから、独自の引上げを行う自治体も増加しているようです。

 そこでお伺いします。令和6年の国による地域手当の見直しを踏まえ、県内市町村における地域手当の状況はどうか。また、それに対して県はどのように対応するのか。

 千葉県職員の地域手当の支給割合について、現状と今後の対応はどうか。

 次に、職員の再就職等についてお伺いします。

 県職員が公社等外郭団体の特定のポストに、前例に倣い漫然と再就職することが、プロパー職員のモチベーションの低下などを通して当該団体の活力低下につながることを大変懸念しております。こうした問題意識から、平成25年から繰り返し質問しています。

 平成25年度に、当時、県の退職者が過去10年間連続して就任していた公社等外郭団体の役職を調べていただいたところ、15団体18ポストありました。そのうち、その同一役職に県の退職者が連続して就任している状況についてお伺いをさせていただきます。

 県退職者が連続して公社等外郭団体役員へ就任している状況、期間や人数について、上位3団体の状況はどうか。

 県は、今後どのように対応するのか。

 次に、児童相談所の一時保護等についてお伺いします。

 一時保護時における判断の適正性を高め、手続の透明性を確保することなどを目的として、令和4年に児童福祉法が改正され、本年6月から、一時保護時の司法審査制度が実施されています。制度の実施からこれまで約4か月弱、運用されていることになります。

 そこでお伺いします。児童相談所の一時保護児の司法審査の状況はどうか。

 司法審査の導入による業務量増加の影響を踏まえた児童相談所の体制整備など、今後の課題はどうか。

 次に、カスタマーハラスメント対策についてお伺いします。

 いわゆるカスハラ対策については、これまでも民間事業者を対象としたもの、県職員を対象としたもの、ともに会派として各種の要望をしてきたところです。また、国においては、こうしたカスハラ対策等を推進するため、各種法令等の改正がなされています。そして、特に民間部門におけるカスハラ対策の推進のためには、社会全体、特に企業側、労働者側、そして行政が一丸となって取り組んでいく必要があり、カスハラ撲滅のための公労使そろっての意思表示が必要であると考えます。

 そこでお伺いします。

 カスタマーハラスメント対策の強化に向けた法令の改正状況はどうか。

 県におけるカスタマーハラスメント対策の実施状況と今後の取組はどうか。

 次に、鴨川市のメガソーラーについてお伺いをいたします。

 この件については、各種問題点等が既に報道等でも明らかになっています。まず、その面積ですが、約146ヘクタール、最も長い部分で縦に約3キロ、横に1キロ弱に及びます。千葉駅から県庁までの直線距離が1.2キロですので、縦方向では千葉駅から県庁までの約2.5倍、横方向で千葉駅から県庁までに少し足りない程度となります。大変大きな規模のものとなります。そして、その中で、およそ37万本の樹木を伐採し、60メートルの尾根を削り、80メートルの谷を埋め、その切土と盛土の量は1,300万立米、10トンダンプで200万台分にも相当し、それらを一定程度平たんに造成し、ソーラーパネル47万枚を敷設するとのことです。4年前に熱海で土砂災害が発生しましたが、移動する土の量は熱海の236倍に相当するとのことです。こうしたことから、大規模な自然破壊、環境破壊、土砂災害、水害、生態系や水産物を含む海洋資源への悪影響、埋蔵文化財への懸念等について、大きな問題となっています。

 また、事業者が鴨川市と締結した協定書を履行、遵守しないことから、鴨川市が事業者に対し調停を申し立てている状況となっています。そして、住民からも事業者による説明が不十分であるとして批判の声が上がっています。国においても、メガソーラーや大規模な盛土等に対する規制が強化されていますが、このメガソーラーは規制強化前の緩い基準が適用されるよう駆け込みでの申請等がなされている状況とのことです。

 そこでお伺いします。

 メガソーラー設置などの大型開発の適正化を図るため、盛土規制法や森林法などの各種法令の厳格化の状況はどうか。

 鴨川市のメガソーラー計画について、土砂災害や環境面を考慮し、林地開発許可後にこれまでどのような行政指導を何件行い、それに対する事業者の対応はどうだったのか。そして、鴨川市とはどのように連携を図っていくのか。

 次に、教育庁統一ダイヤルについてお伺いします。

 県教育庁においては、複数存在していた県の教育に関する問合せ窓口を一本化することで、県民の利便性向上を図り、学校現場の教職員や教育委員会事務局の業務効率化と負担軽減等を図るため、令和7年7月から教育庁統一ダイヤルの運用を開始しています。教職員の皆様の負担軽減については、かねてより繰り返し強く要望してきたところであります。

 そこでお伺いします。

 教育庁統一ダイヤルの運用状況はどうか。

 県内市町村教育委員会への事例紹介を含め、県教育委員会は今後どのように対応するのか。

 次に、定員内不合格の状況についてお伺いします。

 昨年6月の代表質問でも確認をしたところですが、令和5年現在、財政的にも比較的恵まれている人口の多い都道府県の上位8団体の中で定員内不合格を出しているのは、残念ながら本県のみとなっており、その数は56人と突出して多い状況となっていました。また、人口の多い都道府県を中心に、定員内不合格がゼロ人となっていることから、人口ベースで見ると、日本の人口のおよそ半分程度の地域で定員内不合格がゼロ人となっていました。当然のことながら、1都3県では本県のみが定員内不合格を出している状況でした。

 そこでお伺いします。千葉県公立高等学校入学者選抜における、ここ3年間の定員内不合格者数の状況はどうか。また、県教育委員会では、今後どのように対応するのか。

 また、今日の県立高等学校では、障害を有した生徒の高校入学も当然に考えられるところとなっています。ところが、入学後に適切な合理的配慮が提供されず、生徒が適切に学習することができない例も生じています。合理的配慮を適切に提供するには、学校現場だけでは対応に苦慮することも多く、県教育委員会が適切にバックアップする必要があります。昨年度、都立高校を受験し入学が決まった方のお話を伺ったところ、入学者選抜の段階から、入学後の学校生活に必要となる合理的配慮について、障害を有した生徒に対して寄り添った対応があったとのことでした。

 そこでお伺いいたします。

 学校現場を支援するため、より積極的な対策を講ずるべきと考えるが、どうか。

 入学者選抜実施時、高等学校入学後とシームレスな対応を実施すべきと考えるが、どうか。

 教育庁の職員、各学校の校長、副校長、教員等に対し、合理的配慮の正しい理解、運用について、県教育委員会はどのように対応していくのか。

 以上で1回目の質問とさせていただきます。明快な御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)

○副議長(三沢 智君) 網中肇君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 立憲民主党の網中肇議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、児童福祉についてお答えをいたします。

 司法審査の導入に伴う課題についての御質問ですが、一時保護時の司法審査の導入により、児童相談所では、親権者等の特定のための戸籍謄本等の収集、親権者等への説明、一時保護状請求に係る書類の作成、裁判所への提出、受け取りなどの業務が必要となっています。このため、児童相談所職員に対し制度理解のための研修などを実施していますが、現場からは、書類作成や管轄裁判所への出張等により業務量が増加している、裁判所への書類提出から一時保護状の受領まで時間を要する場合があり待機する必要があるなどの声があり、業務負担の増加が課題となっています。県では、こうした状況を踏まえ、児童相談所の現場の意見も聞きながら、効率的な業務の実施や効果的な体制の整備などについて検討してまいります。

 次に、カスタマーハラスメント対策についてお答えいたします。

 対策の実施状況と今後の取組についての御質問ですが、カスタマーハラスメントの防止には、事業主による取組だけではなく、労働者や顧客も含め、全ての方々がカスタマーハラスメントに対する理解を深め、社会全体で取組を行っていくことが重要と考えています。そこで県では、これまで労働相談センターでの相談受付のほか、中小企業向けのセミナーの開催やアドバイザーの派遣、「県民だより」などで取組の必要性の周知に努めてきたところです。さらに、今回の法改正を契機とし、対策の推進に向けた一層の機運醸成を目指し、労使団体や行政機関等により構成される公労使会議において、カスタマーハラスメントを許さない千葉県づくりを目指した「NO!カスハラ!ちば共同宣言」を行うことを予定しているところです。引き続き、労働者、事業主、行政機関など、様々な立場の方々と連携協力し、カスタマーハラスメントのない千葉県に向け、さらなる対策の推進を図ってまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○副議長(三沢 智君) 人事委員会委員長高梨國雄君。

 (説明者高梨國雄君登壇)

○説明者(高梨國雄君) 総務行政に関する御質問のうち、まず、6月の採用試験における技術職等の状況についてお答えをいたします。

 6月の採用試験において、技術職では、採用予定数228名に対し、受験者数は262名、最終合格者数は167名、合格倍率は1.6倍となり、また、資格免許職では、採用予定数72名に対し、受験者数は203名、最終合格者数は71名、合格倍率は2.9倍となりました。また、技術職の6職種、資格免許職の2職種では合格者数が採用予定数を下回っており、土木で38名、児童指導員で18名、機械で13名の不足となっています。技術職等の職員の確保に向けては、これまで教養試験の廃止や早期枠試験の実施、採用候補者名簿の有効期間の延長などの取組を進めてきたところであり、今後はさらに早期枠試験の拡充や、県職員として働くことの魅力のPR強化などの取組を進めてまいります。

 次に、勤務条件実態調査の指摘事項、指導事項についての御質問ですが、人事委員会では、職員の適切な勤務条件の維持向上や安全衛生の確保等を図るため、各所属に対しおおむね5年に1度、法令に基づき勤務条件実態調査を実施しており、調査の結果に応じ、指摘事項や指導事項として改善を求めています。指摘事項とは、調査の際に法令等の義務違反となる事項があった場合に文書により改善を求めるもので、例えば、産業医による職場巡視の回数不足などが多くなっています。また、指導事項は、明確な法令違反とまでは言えない事項や、法令等の努力義務に関する改善の指導であり、休憩設備の設置不備などが多い状況です。

 次に、近年の調査における指摘事項等の状況についての御質問ですが、ここ5年間で延べ369か所の調査を行い、このうち指摘事項があったものが283か所で全体の77%、指導事項のみが63か所で全体の17%、指摘事項も指導事項もなかったものが23か所で全体の6%となっています。指摘事項については、調査した所属に対し改善結果または改善計画の提出を求め、改善状況を確認するなど、適切な勤務条件の確保等に向けた指導を行っています。

 最後に、今後の対応についての御質問ですが、各所属に対しては改善状況の確認などを行うとともに、任命権者に対しても指摘内容を通知し、改善の徹底を要請しているところですが、人事異動等により計画どおりに改善が進まず、繰り返し指摘を受ける所属も多い状況です。勤務条件実態調査については、毎年調査項目や方法の見直しを行っているほか、長時間の時間外勤務の状況などを踏まえ、5年経過していなくても改めて実地調査を行うなどの対応を行っているところです。今後も、調査頻度も含め、より効果的な調査方法や指導方法について検討し、適切な勤務条件が持続的に遵守されるよう取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 総務部長前田敏也君。

 (説明者前田敏也君登壇)

○説明者(前田敏也君) 総務行政について、まず、職員の初任給の御質問にお答えいたします。

 初任給については、近年の民間企業における賃上げの状況等を反映した人事委員会勧告を踏まえ、令和4年度から3年連続で引き上げており、令和3年度と令和6年度の額を比較すると、上級は20万6,060円から24万6,355円と4万295円の引上げ、中級は18万4,438円から22万9,975円と4万5,537円の引上げ、初級は16万9,150円から21万2,394円と4万3,244円の引上げとなっております。

 次に、県内市町村における地域手当の状況についての御質問ですが、昨年の国の見直しにより、県内全ての市町村が地域手当の支給対象となったことなどから、令和7年度は29団体において実支給率が引き上げられました。一方で、24団体で国の基準が引き下げられたものの、その多くは、現行の実支給率を維持したことなどにより、結果として国の基準を超えて支給している市町村は、令和6年度の5団体から令和7年度の19団体に増加いたしました。県といたしましては、民間の給与水準を適切に反映する地域手当の趣旨を踏まえ、市町村の実態を丁寧に聞き取り、国の基準を超えて支給する場合はその理由を確認するなど、制度の適正な運用について助言してまいります。

 次に、職員の地域手当についての御質問ですが、地域手当については人事委員会勧告にのっとり改定を行ってきており、現在の支給割合は県内一律9.2%となっております。昨年の人事委員会勧告では直ちに見直すことは要しないものの、民間給与の動向、人材確保や人事管理面への影響などを踏まえて引き続き慎重に検討することとしており、今後予定されている勧告の内容を踏まえながら適切に対応してまいります。

 次に、職員の再就職の状況についての御質問ですが、県退職者が就任している公社等外郭団体役員のポストにおいて、県が把握している限りで連続就任の期間や人数の多い順では、千葉県信用保証協会の会長職が、昭和30年度から今年度までの70年間で20名、千葉県まちづくり公社の常務理事職が、昭和53年度から今年度までの47年間で20名、千葉県身体障害者福祉事業団の理事長職及び幕張メッセの常勤監査役職が、昭和61年度から今年度までの39年間で18名となっております。

 最後に、職員の再就職への対応についての御質問ですが、県退職者の再就職については、団体等から求人があった場合に適任者がいれば紹介を行っているところです。採用については、各団体において県退職者の経験や能力を踏まえ判断しているものと考えており、今後も適切に対応してまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

 (説明者岡田慎太郎君登壇)

○説明者(岡田慎太郎君) 一時保護時の司法審査の状況についての御質問ですが、令和4年の児童福祉法改正により、本年6月から一時保護開始の判断に関する司法審査が導入され、児童相談所が一時保護を行うときは、親権者等が同意した場合等を除き、一時保護の開始から7日以内に裁判所に一時保護状を請求しなければならないこととされました。県の児童相談所では、6月から8月までの間に一時保護を329件実施し、このうち裁判所に一時保護状の請求を行った72件については全て一時保護を認められ、一時保護状の交付を受けたところです。なお、一時保護状の請求は全て一時保護の後に行っており、事前に請求した事例はありませんでした。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 商工労働部長関雄二君。

 (説明者関 雄二君登壇)

○説明者(関 雄二君) カスタマーハラスメント対策強化に向けた法令の改正状況についての御質問ですが、カスタマーハラスメントは、これまで事業主に必要な対応等が法律で定められていなかったことから、国において法改正の議論が進められていたところであり、県では、その進捗を注視しつつ、条例制定も視野に検討を行ってきたところです。こうした中、本年6月、カスタマーハラスメントを防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務づけるとともに、国による指針の策定、国、事業主、労働者及び顧客等の責務を定める改正労働施策総合推進法が公布され、1年6か月以内に施行されることとなりました。改正法の内容は、条例を制定する場合に想定されるものを包含していると考えられることから、県としては、改正法に基づいて対策の強化を進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 農林水産部長高橋輝子君。

 (説明者高橋輝子君登壇)

○説明者(高橋輝子君) 私からはメガソーラーに関する質問についてお答えします。

 まず、各種法令の厳格化の状況についての御質問ですが、国においては、令和3年7月に静岡県熱海市で大雨に伴って盛土が崩落し、大規模な土石流災害が発生したことなどを踏まえ、宅地造成等規制法を抜本的に改正し、盛土等を行う土地の用途やその目的にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する宅地造成及び特定盛土等規制法が令和5年5月に施行されました。また、太陽光発電設備に係る森林法に基づく林地開発許可については、小規模な林地開発地での土石流出等が多発したことから、令和5年4月に許可対象面積がこれまでの1ヘクタールから0.5ヘクタールを超えるときに引き下げられました。さらに、太陽光発電設備は雨水が地中へ浸透しづらいため、林地開発行為の許可に当たり必要となる調整池の容量の基準を大きくし、より安全性を高めるなど、令和3年4月以降、数回にわたって審査基準を改正しています。

 次に、鴨川市のメガソーラー計画への指導状況についての御質問ですが、本計画については、地域住民から土砂災害などを懸念する声があることから、本件許可後に改正した審査基準にも適合する計画とするよう、これまでに事業者と県とで30回以上の打合せを重ねているところです。これを受けて、現在事業者において事業計画の見直し作業が進められているほか、事業者からは、水質検査の実施や具体的な作業手順を示した施工計画書や、定期的な進捗状況の提出がなされています。地元である鴨川市に対しては、情報共有を図るため、事業者と県との打合せに参加を依頼しており、引き続き県と市で連携して、開発行為が適正に行われるよう取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 教育長杉野可愛君。

 (説明者杉野可愛君登壇)

○説明者(杉野可愛君) まず、教育庁統一ダイヤルの運用状況についての御質問ですが、県教育委員会では、県立学校等への電話にワンストップで対応することで県民の利便性向上を図るとともに、教職員が業務に専念できる環境づくりを進めるため、本年7月に教育庁統一ダイヤルを開設しました。8月末までの着信件数は3,620件で、1日当たりでは約86件となっています。主な内容としては、就学支援金等の手続や学校見学に関すること、生徒の交通マナーや部活動の在り方に関することなど、様々な問合せや御意見をいただいているところです。

 次に、教育庁統一ダイヤルの市町村教育委員会への対応についての御質問ですが、県教育委員会では、統一ダイヤルの運用開始に伴い、事業の目的や内容、運用時間などを各市町村教育委員会に周知したところです。今後は、本事業の効果を検証し、その結果について情報提供を行うとともに、市町村教育委員会が導入を検討する際には、準備や運用に係るノウハウを共有するなどの支援を行いながら、県全体で働き方改革の取組を推進してまいります。

 次に、公立高等学校入学者選抜における定員内不合格についての御質問ですが、入学者選抜における定員内不合格者の延べ人数は、令和5年度が56名、令和6年度が29名、令和7年度が9名でした。県教育委員会では、引き続き定員の遵守に努めるよう、入学者選抜実施要項に記載するとともに、高校の校長に対し各種会議等を通じて指導してまいります。

 次に、障害のある生徒への対応に係る県立高校への支援についての御質問ですが、県教育委員会では、障害のある生徒が県立高校に入学する際は、学校生活全般にわたり必要な介助を行う特別支援教育支援員を配置するとともに、教員等に対する研修、学校設備の整備などを行っています。また、各学校では特別支援教育コーディネーターの教員を中心に、生徒と相談しながら、学校内や外部関係機関との連絡調整を行うことで、障害のある生徒の学習環境の充実を図っているところです。今後も、学校からの要望などを丁寧に聞き取り、助言や相談に応じるなど、障害のある生徒に必要な支援が提供できるよう努めてまいります。

 次に、入学者選抜時と高校入学後のシームレスな対応についての御質問ですが、入学者選抜においては、障害等により特別な配慮が必要な志願者から申請があった場合、高校の校長は当該志願者の在籍する中学校等と協議を行い、学力検査などの公正さが保たれ、かつ実施可能な範囲で適切な措置を講じています。また、入学許可候補者発表後は、中学校で作成された個別の教育支援計画や指導計画を活用するとともに、本人及び保護者と丁寧な協議を行い、高校入学後においても必要な支援が切れ目なく提供できるよう努めているところです。

 最後に、合理的配慮の正しい理解と運用についての御質問ですが、県教育委員会では、教育庁職員や学校管理職、特別支援教育コーディネーターなど、生徒の支援に携わる教職員を対象に、合理的配慮の理解促進に関する各種研修等を実施しています。また、学校における合理的配慮の取組をまとめた事例集を県ホームページに掲載して、情報の提供に努めています。さらに、本年7月には副校長、教頭や教職員を対象に、障害のある生徒への支援に関する連絡協議会を開催し、各高校における支援の現状等について情報交換を行ったほか、10月には合理的配慮をテーマとした講話も予定しているところです。引き続き、合理的配慮についての理解を深め、適切に運用されるよう努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 網中肇君。

○網中 肇君 知事及び各部長、そして教育長、そして人事委員会委員長、御答弁いただきましてありがとうございました。それでは、2回目の質問に入ります。

 職員採用の件です。6月に実施された技術職の採用試験では、倍率が1.6倍、採用予定数を満たせない職種が6職種とのことでした。早期枠での多数の合格者がどれだけ実際に採用に応じるかが重要になると考えます。ちなみに、就職氷河期とされる22年前の平成15年度の採用試験の倍率は、上級職で37.9倍、中級で92.2倍、初級で25.8倍であったとのことです。隔世の感を禁じ得ません。今は人材不足ですので、御答弁にあったように、民間や国家公務員に準拠して、人事委員会勧告を踏まえ、初任給もここ4年間で約4万円から4万6,000円程度上がったとのことです。また、先日発表された人事院勧告では、来年度採用される国家公務員の者に適用される初任給について、さらに1万2,000円程度上乗せされるとのことで、本県もこれと同程度とすると、初任給がここ5年間で6万円近く上昇する区分もあることとなります。20万円程度からの6万円の上乗せとなりますので、約30%近い初任給の上昇ということになります。こうした状況であっても、人材確保が大変厳しい状況です。引き続きさらなる処遇改善、働きやすい環境の整備等をスピーディーに行うよう強く要望いたします。

 蛇足となりますが、現在、就職氷河期を対象とした採用試験の応募期間中となっていますが、昨年度の状況を見ると、合格者数は6人で、合格倍率は30倍となっています。就職氷河期の年代の方々の厳しい状況は相変わらずのままとなっております。職員の年齢構成の平準化等のためにも、就職氷河期の方を対象とした試験区分の採用数の増加も併せて要望いたします。

 人事委員会の勤務条件実態調査の件です。ここ5年間で延べ369か所を調査し、法令等の違反があった場合に改善を求める指摘事項が283か所で全体の77%、法令違反等が77%であったということだと思います。指導事項のみが63か所で全体の17%、指摘事項も指導事項もなかった所属が僅か23か所で全体の6%にとどまっているとのことでした。また、人事委員会として、法令違反等により改善を要する所属に対し改善の徹底を要請していますが、改善が進まず繰り返し指摘を受けている所属も多いとのことでした。職員の採用に関して先ほども述べましたが、安全で働きやすい職場環境を整備するのは当然のことであり、行政機関たる千葉県庁の各事業場が各種の法令を遵守することも当然のことです。千葉県の各所属、事業場におかれましては、各種法令を遵守していただきますよう要望をいたします。

 また、人事委員会においては、法令違反等に対して改善を図らない各任命権者に対して、より一層強い措置を講ずるとともに、勤務条件実態調査の調査方法や指導の在り方を含めた見直しを図り、各任命権者において適切な勤務条件が持続的に遵守されるような対応を強く要望いたします。

 地域手当の件です。今年度は、54市町村のうち29団体で地域手当の引上げをして、国基準を上回って支給している団体は、昨年の5団体から増加して19団体になったとのことです。特別交付税減額のいわゆる締めつけがあった時代には考えられない状況となっています。また、本県は9.2%を維持しているとのことです。人材確保競争が激化している状況で、東京都と隣接している自治体を中心として、地域手当を地域の実情に合わせて設定した結果、国基準を上回るということは今後も十分にあり得ることと考えます。23区の地域手当の支給率は20%であり、仮に本県の基礎となる4%を適用すると、23区に勤務する場合と千葉県庁に勤務した場合で16%もの差が生じることとなります。県においては、国基準を上回って地域手当を支給する自治体への対応として、人材確保上必要な措置であることなど、住民の理解と納得が進むよう、適切に対応することを要望いたします。

 県職員の再就職の件です。信用保証協会の会長職は昭和30年から70年間20人連続、まちづくり公社常務理事の職は昭和53年から47年間20人連続となっています。また、平成25年当時、当時千葉県以外では実施されていた課長級以上を対象とした再就職状況の公表も本県ではなされておらず、また、民間企業等に再就職した者による現職職員への働きかけ規制等もなく、その改善を求めてまいりました。この間、時間を要しましたが、私の提案に沿って順次改善がなされてきました。しかし、同一団体の同一ポストへの再就職は続いています。これは一概に否定されるものではありませんが、県職員の特権的な再就職については県民の厳しい目が注がれている状況であり、再就職の意義や実情について県民に正しく理解される必要があり、これまで以上に再就職に関する情報の公開を徹底し、公平性や透明性を確保するよう改めて要望いたします。

 一時保護の司法審査の件です。6月から8月の間に一時保護を329件実施して、このうち保護者の理解が得られないなどの理由によって、裁判所に一時保護状の請求を行ったものが72件、その全てで一時保護状の発付がなされたとのことです。児童相談所においては、これまでどおり子供の最善の利益を実現するための保護を行うよう要望いたします。

 また、特に多数の一時保護をしている大規模児童相談所において、司法審査のための書類作成などの業務量の増加による多忙化等が大変懸念をされます。来年度の児相の新設に向けた対応も、多忙化に拍車をかけると思われます。健康福祉部においては、現場の声をよく聞き、児童相談所の体制整備を図るよう強く要望いたします。

 カスハラ対策の件です。県におかれましては、カスハラの防止のための各種の対策の強化をしていただいているとのことでした。特に、カスハラ防止のための社会的な機運醸成のため、今後、様々な立場の方々と連携協力していきたいとのことで、今後、公労使会議においてカスタマーハラスメントを許さない千葉県づくりを目指した共同宣言を行うことを予定しているとのことです。そう遠くないうち、近日中に公労使の共同宣言が発出されると思われますので、こうした県の取組を高く評価するとともに、県におかれましては、引き続きカスハラ防止対策の推進を図っていただくことを要望いたします。

 教育庁統一ダイヤルの件です。今年の7月から運用を開始し、8月末日までの僅か2か月間で、着信件数が3,620件、1日当たり約86件にもなっているとのことでした。応答率をお伺いしたところ、応答率も約90%と非常に良好な状態となっています。また、夏季休業が終わった9月に入っても同程度の件数が寄せられているとのことです。当初の教育委員会の想定では1日当たり20件程度を想定していたとのことですが、その想定を大きく超えて県民の皆様に利用されています。教職員の負担軽減のためにも、また、県民の利便性の向上のためにも、極めて有効な事業であると考えます。

 また、この統一ダイヤルの設置は他県の例をまねたのではなく、学校現場などの声を受けて、県教育委員会の担当課において独自に立案、具体化したものであり、そうした姿勢は高く評価されるものと考えます。千葉市などの大規模な自治体の教育委員会においても県教育委員会と同様の課題を抱えていると考えられることから、私は、この事業の市町村教育委員会への事例紹介を強く要望したところ、既に周知をしていただいたとのことで感謝を申し上げます。

 引き続き、本事業の効果を検証するとともに、運用、ノウハウ等を共有するなど、市町村教育委員会とも連携し、教職員の負担軽減、働き方改革の取組の推進、県民の利便性向上に努めるよう要望いたします。

 定員内不合格の件です。私が質問した時から、ここ3年間で、56人、29人、9人と減少し、1桁にまで減少していることが分かりました。およそ30年前は300人を超える定員内不合格があったことを考えれば前進はしています。しかし、受検生の15歳の春は1回しかありません。時間をかけて改善を図っていく類いの課題ではなく、あらゆる行政資源を投入して速やかに改善を図り、定員内不合格ゼロ人にしなくてはなりません。学ぶ意欲はあるものの、直近で定員内不合格となった9名の方、この方々が、実は最も教育を必要としている方々だと私は思います。

 定員内不合格ゼロ人は、どの自治体も成し遂げていない難しい課題ではなく、近県の東京、神奈川、埼玉では既にかなり以前から実現しているものです。また、県教育委員会としては、定員の遵守に努めるよう各高校の校長を指導していくとのことでしたが、その御答弁の「努めるよう」を外し、定員内不合格ゼロ人の県が採用している「定員を遵守すること」にしていただき、速やかに定員内不合格ゼロを実現することを強く要望いたします。

 ちなみに、三重県における定員内不合格者数は、令和4年度50人、令和5年度6人、令和6年度ゼロ人、同じく令和7年度ゼロ人と、定員内不合格ゼロを実現しています。御答弁にあったように、本県も最新の入学者選抜では9人となっています。定員内不合格ゼロ人を実現した年の三重県の前の年と同様の状況です。三重県教育委員会にお話を伺いましたが、三重県においては、定員を満たすことを遵守するよう求める例年の文科省通知を受けて、三重県における今後の公教育の在り方を内部で自発的に議論した結果、定員内不合格を出さないというように自ら決定し、それを実行しているとのことです。繰り返しますが、今年度実施される入学者選抜においては、定員内不合格ゼロ人を実現することを強く要望いたします。

 障害のある生徒への対応の件です。特別支援教育支援員の配置についてですが、教職員が適切な合理的配慮の理解の下、学校が必要とする支援員は全員教育委員会の責任で配置するよう要望いたします。社会全体で人材不足が問題化する中、支援員確保を学校現場に任せるのではなく、教育委員会が主導して、専門知識を有した適切な支援員を確保するよう要望いたします。

 また、特別支援教育コーディネーターが適切に合理的配慮を理解し、そのコーディネーターの下、教職員等が合理的配慮を正しく理解、実践し、障害を有した生徒、その保護者等が必要と考える合理的配慮を確実に受けられるよう、コーディネーターの資質向上を強く要望いたします。

 また、入学者選抜時、高校入学時、入学後のシームレスな対応ですが、本県のようにたとえ1桁であっても定員内不合格の方がいる前提に立ちますと、合理的配慮への対応が入学決定後からとなり、時間的余裕がなく、専門性を有した支援員を配置することができない、予算措置が間に合わない、施設改修が間に合わないなど、入学直後からの合理的配慮のために必要な支援が提供できない蓋然性が高くなります。県教育委員会においては、定員内不合格ゼロを決意し、実行していただき、その前提に立って、入学者選抜より以前の志望校として候補に挙げた段階から、生徒に寄り添った対応をしていただき、必要な合理的配慮が適切に提供されるよう強く要望いたします。

 また、学校現場や教育委員会の教職員に対する合理的配慮の正しい理解を促すため、障害のある生徒の支援に関する協議会では、合理的配慮をテーマとした講話を予定しているとのことです。こうした地道な取組も進め、必要な合理的配慮が適切に提供されるよう強く要望いたします。

 メガソーラーの件です。国においては、全国各地で発生した土砂災害等を踏まえ、盛土規制法、林地開発等の規制強化が行われているとのことでした。鴨川市のメガソーラーは、これらの規制強化の直前で駆け込み申請されているものもあり、強化された規制の適用を免れている状況で、新基準が適用されないことによる災害の発生、環境の破壊等が大変強く懸念をされます。

 そこで、先ほどの質問では、県が事業者に対しどのような行政指導をどの程度実施しているのか伺ったところでございますが、御答弁はございませんでした。事業者との打合せ回数の答弁がありましたが、これは質問していない事項になりますので。私が質問していない事項について執行部が答弁をするという、議会を尊重していただいて丁寧な御対応をしていただいたと存じますけれども、そのことについては少し残念な気持ちにはなります。ただ、答弁漏れになりますので、再度同じ質問をさせていただきます。

 鴨川市のメガソーラー計画について、土砂災害や環境面を考慮し、林地開発許可後に、これまでどのような行政指導を何件行い、それに対する事業者の対応はどうだったのか。

 以上で2回目の質問とします。

○副議長(三沢 智君) 農林水産部長高橋輝子君。

○説明者(高橋輝子君) 鴨川市のメガソーラー計画についての林地開発に関する行政指導の件数と事業者の対応についての御質問でございますが、事業者と県との間で34回の打合せの中で、調整池をはじめとする計画の見直しや具体的な施工手順の提出など42件の指導を行うとともに、現地において、仮設防災施設の設置や、現地のくいの設置状況の確認などの16件の指導を行っています。これを受けて、現在事業者において事業計画の見直し作業が進められているほか、土砂流出防止柵の設置や、現地ぐいの復元などが行われているところでございます。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 網中肇君。

○網中 肇君 まず冒頭申し上げておきますが、1回目と先ほど2回目、私は同じ質問をしておりますが、執行部において1回目の質問では聞かれていないことを答弁し、2回目の質問に至って答弁するということは本来あってはいけないことでありまして、こうした執行部の対応は大変残念であります。今後、こうしたことがないよう強く対応を求めます。

 メガソーラーの件ですが、事業者への行政指導の回数は、打合せで42件、現地で16件、合計で58件とのことでした。これは資料補正等に対する助言などの一般的な、ちょっと語弊を恐れず言えば、軽度な指導は除いた数字であり、林地開発に当たって相当程度重要な指導が58件であるというふうに理解をしております。先ほど資料をいただきましたので内容を見ますと、58件の行政指導のうち、口頭での指導が52件、文書指導が6件となっております。林地開発上、重要な指導であるにもかかわらず、口頭での指導が9割となっています。県民の生命、財産に関わる重要な指導は文書での指導で行うよう要望いたします。

 大変恐縮ですが、これまでの経緯をお話ししますと、この間、担当課との打合せでは、事業者への行政指導について、口頭での行政指導も多く、件数が多過ぎて数えられない、何回出したか分からないという発言がありました。その後、関係資料を精査して、行政指導の件数を数えて集計していただいてこの議場で発表していただいたこと、大変お忙しい中で対応していただいたことは率直に感謝を申し上げます。

 しかし、こうした経緯を踏まえますと、私が資料の提供を要望するまでは、県として当該事業者に対する行政指導の件数は把握しておらず、当然、その内容、業者側の対応状況、進捗状況も把握できていない状況であったことが強く推認をされます。県におかれましては、行政指導の発出に当たっては、口頭、文書にかかわらず、発出した日時、内容等を詳細に文書に残し、相手側の対応状況等も正確に把握し、行政指導による改善の状況を常に分かるようにしておくことを強く要望いたします。そして、行政指導に従わない場合は今後どのような対応を取るべきなのか、そこに至った判断等も文書で残しておくことを強く要望いたします。

 この林地開発に係る県の不適切な行政指導の対応としてにわかに思いついたのが、平成30年11月6日、市原市の通称うぐいすラインで起きた太陽光発電施設等の設置に係る林地開発許可地から大量の再生土が流出した災害です。流出した再生土の量は、うぐいすラインに沿って幅61メートル、奥行き47メートル、高さは5メートルにも及ぶ大規模なものでした。当該の林地開発の申請は平成28年8月になされ、県は同年12月に許可を出しました。平成29年6月に、県が調節池等の防災施設の確認を行ったところ、施工計画書に反して調節池が設置されていないことが判明したため、調節池を早急に設置することを事業者に対し口頭で指摘をしました、当時ですね。林地開発、とりわけ盛土において調節池の設置というのは極めて重要でありまして、これが施工計画書に反して設置されていないにもかかわらず、口頭での指導にとどめました。それのみならず、こうした災害防止のために極めて重要な指摘をしておきながら、担当課においては出水期の防災パトロールをせず、土砂崩れが発生するまで1回も現地の調査をしていなかったことと、つまり、口頭での行政指導をしておきながら1年以上放置していたことが、これは私の調査で明らかになりました。こうした前歴を有する担当課でございます。今回の林地開発に対しては厳しい態度で臨むことを要望いたします。

 メガソーラーをめぐっては、全国各地で、特に最近では釧路市、北海道鶴居村、仙台市、奈良県五條市などにおいて、土砂災害リスク、環境破壊、生態系への悪影響、景観の著しい悪化など、地域とのトラブルとなっています。読売新聞、産経新聞等によれば、釧路市では道が工事の一部中止を勧告、その結果、一昨日の17日に工事の中断が事業者から発表され、仙台市では知事と市長が反対する考えを示し、五條市では知事が断念する表明をしているとのことです。改正盛土法と併せて改正された盛土等防災マニュアルでは、渓流等における盛土は慎重な計画が必要であり、極力避ける必要があるとされていますが、今回の鴨川メガソーラーには適用されないこととなります。土砂災害等が強く懸念をされます。

 再エネの導入を進める上で、地域との共存は非常に重要な課題です。単に発電施設を建設するだけでなく、地域社会の持続可能性を高める取組が必要です。具体的には、地域経済の活性化、災害に強い地域づくり、環境への配慮、住民とのコミュニケーション、地域課題への貢献等々が求められております。担当課においては、こうした点にも十分に着目をして、法の定める技術基準を守って地域が壊れるといった本末転倒な状況にならないよう、大局的な観点からの対応を要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。

○副議長(三沢 智君) 次に、小野崎正喜君。

 (小野崎正喜君登壇)

○小野崎正喜君 自由民主党、山武市・山武郡選出の小野崎であります。登壇に当たり、御配慮いただきました先輩・同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。

 本日は、山武市議会より石川議長、萩原議員をはじめ、誠和会の皆さんに傍聴に来ていただきました。心より感謝を申し上げさせていただきます。昨日の質問に負けないように、この場では質問を一生懸命させていただきたいと思いますので、御答弁のほど、よろしくお願いいたします。

 早速ですが、現在、さらなる機能強化が急ピッチで進められている成田空港についてお伺いいたします。

 国際空港評議会(ACI)、耳慣れない名前だとは思いますが、これは1991年に設立された空港管理者の団体であり、170近い国や地域にある2,000を超える空港を管理運営する800近い団体が加盟している組織で、日本では、成田国際空港を含む幾つかの空港運営会社、空港ターミナル会社が加盟しており、空港に関する安全で効率的な空港運営や、騒音など環境問題の改善について取り組むとともに、関係機関や各国政府に働きかけをしている団体であります。そのACIでは、今から17年後の2042年の航空旅客数は2024年の2倍に達し、長期的に世界の航空業界は継続的な成長を遂げるとされております。その成長を牽引するのは、特にアジア太平洋地域とされており、アジア太平洋地域の存在感は大きく増していくことが考えられます。現在、アジアの主要な空港では、成田空港を含め大規模な拡張施設整備計画が進められております。既に路線獲得競争の激化も始まってきております。

 そこで、我が国の首都圏空港に目を向けると、羽田空港の年間発着枠は約49万回で、2024年度はほぼ上限に近い48.5万回の発着回数と既に限界を迎えていることから、羽田空港では今後の増大されていく航空需要への対応、受け止めは困難とされております。一方、成田空港では、2024年度の発着回数は約24.5万回となっており、本年1月に開催された4者協議会において、年間発着容量30万回から34万回への拡大が関係者間で確認されたところで、今後、さらなる機能強化にて第3滑走路が供用開始することになれば、年間発着回数50万回が可能になることから、これからの首都圏の航空需要増の受け止めは成田空港が一手に担うことになってまいります。

 そのような中、機能強化を進めている成田空港を起点とした様々な取組も進められており、本年6月に開催された4者協議会での合意を経て、滑走路整備などのさらなる機能強化と、空港ターミナルのワンターミナル化など、新しい成田空港構想の2つのビッグプロジェクトの総称、愛称が、成田空港第2の開港プロジェクトとして、空港を核とした産業拠点の形成と、それらを支えるまちづくりを目指すエアポートシティ構想が策定されました。その取組の1つであるエアポートシティ構想についてですが、実現に向けた取組を強力に推進していくことを目的として、本年4月に県とNAAにてNRT(ナリタ)エリアデザインセンターを設立し、そこで関係者と連携の上、構想を推進していくとのことであります。

 そこで、エアポートシティ構想の実現に向けては長期にわたる取組が必要ですが、県は今後どのように取組を進めていくのかお伺いいたします。

 また、デザインセンターの運営体制についてですが、適宜センター長、知事、これは熊谷知事を指しておりますが、NAA社長による3者会議等を開催して方向性を確認し、国や民間事業者、周辺自治体をはじめとする関係者と連携の上、進めていくとのことでありました。

 そこで、エアポートシティ構想の実現に向けて、空港周辺9市町の意見をどのように反映させていくのかお伺いいたします。

 さらに、エアポートシティ構想の実現に向けた取組の1つと目される「エアポートシティ」ブランディング事業についてお伺いいたします。今定例会に上程されている9月補正予算に計上された「エアポートシティ」ブランディング事業の狙いは何か、お伺いいたします。

 次に、空港周辺の騒音対策についてお伺いいたします。

 内陸空港である成田空港において、忘れてはならない問題の1つに航空機騒音があります。騒音問題については常に考えていかなければならず、私自身が行政に携わらせていただいてから今日まで、様々な場において細部にわたって現状、状況、対策の進捗などを伺ってまいりました。その成田空港では、成田空港第2の開港プロジェクト、さらなる機能強化により、現在4,000メートルのA滑走路と2,500メートルのB滑走路2本の運用から、B滑走路を3,500メートルに延伸、C滑走路3,500メートルを新設する拡張事業が2029年の3月共用開始に向け進められており、8割を超える用地が確保できたとのことから、本年5月25日に着工式典を開催して、いよいよ本格工事に着工いたしました。

 用地にかかった方や、騒音により移転の対象になった方々の移転も始まっていると伺っております。この場をお借りして、改めて地権者をはじめとする関係者の皆様の御理解と御協力に心から感謝を申し上げさせていただきます。

 また、成田空港では拡張事業の1つとして、2019年10月の冬ダイヤから、A滑走路の運用時間を23時から0時までと1時間延長し、深夜の静音時間を7時間から暫定的に6時間に変更されているところで、直近3年間の23時台の1日当たりの離着陸の平均実績を見ると、令和4年度は4.9機、令和5年度は5.2機、昨年度は7.3機と増加しているところであり、今後、滑走路の新設、延伸がなされると、スライド運用により滑走路ごとの静音時間7時間は確保されるものの、運用時間は現在よりも延びることとなっております。そのため、拡張事業の実施に当たっては、騒音対策、防音工事を実施することが地域と約束されており、空港会社が行う防音工事と共生財団が行う内窓設置工事では、それぞれ約6,000戸が対象となっておりますが、住民からは、申請してもなかなか工事が受けられないとの声を聞くことから、幾度となく質問させていただいているところであり、空港会社では、進捗を図るため対策を講じていると伺っております。

 そこで、成田空港のさらなる機能強化、空港の拡張事業に伴う空港周辺地域における防音工事の進捗状況はどうか、改めてお伺いさせていただきます。

 次に、森林の保全、整備についてお伺いいたします。

 忘れることのできない令和元年に発生した台風・豪雨災害では、県内各地に甚大な被害を出しました。私の地元、山武地域でも甚大な被害が発生したわけでありますが、その被害をさらに拡大し、復旧作業に大きな影響を及ぼしたのが倒木による被害でした。倒木により多くの場所で断線し、停電となった地域が拡大されたばかりでなく、県道、市道、町道など至るところで倒木により通行ができなくなったことから、ライフラインの復旧に時間を要することとなり、長期間にわたり断水、停電が続くなど、地域住民の生活にも甚大な被害を与えました。

 風倒木が多かった直接の原因は記録的な強風ではありますが、そこには長期的な林業の低迷や、所有者の世代交代などにより適切な森林管理が行われなくなってきていることが要因の1つであることから、県では、造林・保育事業、サンブスギ林総合対策事業等を利用して森林整備の促進を図っております。そもそも森林は適切に管理されていれば土砂災害防止や防風林としての公益的機能を有しており、災害防止や土壌保全、水源涵養や環境保全など、一定の仮定の範囲においてではありますが、一部の紙幣評価できるものだけで考えても年間70兆円もの評価があると言われており、様々な観点から、森林の保全、整備の重要性を強く求めるものであります。

 そこで県では、現在森林の保全、整備に向け様々な取組を行っている、または支援推進をしていただいているところでありますが、さらなる適正な管理が求められていることから、何点かお伺いいたします。

 最初に、森林の有する多面的機能を発揮させるため、県はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

 また、冒頭で申し上げたように、林業の低迷による担い手不足や、所有者不明の森林の増加により適切な森林整備が困難になっている状況を改善し、森林の有する多面的機能を十分に発揮させることを目的とした森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が平成31年4月に施行されました。このことで目標達成に必要な地方財源を安定的に確保できるようになったわけでありますが、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による客観的な基準で案分され譲与されることから、必要な地域に必要な財源と支援が求められているところであります。

 そこで、県として森林環境譲与税を活用した市町村の森林整備への支援はどのように行っているのかお伺いいたします。

 次に、過疎対策についてですが、過疎地域については昭和45年以来、国において5次にわたり議員立法として制定された過疎対策立法の下、国、県、市町村が一体となって、様々な施策が講じられてきました。本県における過疎地域は、現在、私の地元山武市旧松尾町や九十九里町を含む13市町が指定されており、他地域と比べ著しく人口減少、少子高齢化が進展するとともに、厳しい財政状況に置かれている市町が過疎地域として指定をされております。

 ただ、本県の過疎地域は豊かな自然環境を生かし、農林水産業や観光といった県民生活を支えるためのリソースを提供する重要な地域であり、そのためにも、まずはしっかりと行政機能が維持されることが必要であり、その上で地域のさらなる活性化に努め、最終的に過疎地域からの卒業も視野に入れた取組を進めていただきたいところであります。

 そこで、まずは過疎地域として指定された自治体がいかに過疎対策の取組を進めていくかが重要であり、県においても広域的に過疎対策への取組が必要だと考えられることから、過疎地域に対する県の取組はどうか、お伺いいたします。

 次に、道路問題についてお伺いいたします。

 最初に、気分を害される方がおりましたらおわび申し上げ、問題を提起させていただきます。多かれ少なかれ、道路上で動物の死骸を見たことがある方は大勢おられると思います。道路上では、そのほとんどは交通事故が原因であると考えられております。飼い主不明の犬や猫、野生の動物がすみやすい環境に近い道路上では、タヌキやイタチ、ウサギやハクビシン、アライグマなど、野生の動物の死骸が多く見られます。私の地元のような郡部では、特に野生の小動物が多く見られ、私自身も自動車の運転中にタヌキなどの小動物が急に道路上に飛び出してきて、回避のために危険な思いをしたことは数えられません。その動物の死骸の処理には、厳密に言うと廃棄物処理法が主に適用されるとのことですが、その扱い方は種類や状況で異なるとのことであります。

 道路上で発見された野生動物等の死骸は原則として一般廃棄物に該当し、管理者が処理をする責任を負うことになり、発見した場所の管理者、つまり県管理道路であれば県に、市町村道であれば当該市町村に連絡することで回収、処理が行われます。動物の死骸の処理は、衛生的、環境的な観点からも重要であり、感染症のリスクもあることから適切な対応が必要とされており、直接触らずに道路管理者に連絡することが推奨されているとのことであります。

 そこで、県管理道路上において発見された野生動物等の死骸は、管理者である県が処理をする責任を負うこととなるが、県管理道路上における動物死骸の対応について、県はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

 最後に、県の広報についてお伺いいたします。

 県では、重要施策や各種計画、イベントなどの県政情報について、「県民だより」をはじめとする各種媒体を通じて発信しておりますが、これらは県民一人一人にしっかりと届かなければ、十分な施策効果が発揮されたとは言えません。昨年度、県が実施した県政に関する世論調査では、県政情報を得る手段のトップは、「ちば県民だより」が5割台半ばと圧倒的ですが、年代別に目を向けると50代以上が占める割合が高く、30代未満では3割に満たないという結果が出ております。「県民だより」は新聞折り込みが中心となっていることから、新聞離れが進む若年層に対し県政情報をどのように届けていくのかはこれからの課題となっております。

 一方、昨今では既存のマスメディアなどを介さず、直接個人同士でコミュニケーションを取り合える、いわゆるSNSが浸透しつつあり、例えば、ユーチューブで配信する著名なユーチューバーの発言が社会的な影響力を持ったり、さきに行われた参議院選挙でもそうでしたが、国政や地方の首長、議員選挙の際に、SNSを駆使して自らの主張を分かりやすく伝えることで選挙結果に大きく影響を与えたりするなど、SNSは身近な情報ツールの1つとして私たちの生活に大きく関わっております。また、SNSの特徴として、とりわけ若い世代に浸透していること、瞬時に情報が伝わること、そして情報が拡散されることであり、今後は若年層を含む県民に対しSNSの特性を生かした広報を行っていく必要があると考えますが、そこで、県のSNSによる広報について、現在の取組状況はどうか、お伺いいたします。

 また、県政情報を効果的、効率的に届けるため、今後SNSによる広報をどのように展開していくのかお伺いいたします。

 以上で1回目の質問とさせていただきます。執行部の皆さんには明快な御答弁をお願い申し上げます。(拍手)

○副議長(三沢 智君) 小野崎正喜君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の小野崎正喜議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、成田空港についてお答えをいたします。

 エアポートシティ構想の取組方針についての御質問ですが、今年6月に策定をした成田空港エアポートシティ構想で掲げた空港や地域が目指すべきビジョンの実現には、空港の特徴、強みを生かした産業の誘致や、それを支えるまちづくり、さらには効率的な地域公共交通の構築など、複数の取組を中長期にわたって進めていくことが必要です。このため構想では、ビジョンとともに、構想実現までの中長期的な道のりとして、空港本体の新滑走路供用開始など、第2の開港プロジェクトの進捗も踏まえてロードマップを定めたところです。今後も、このロードマップを前提に、構想が目指す国際的な産業拠点の形成や、それを支える地域の発展に向け、民間企業をはじめとする多様な主体による取組を引き出しながら、スピード感を持って様々な施策を推進してまいります。

 次に、森林の多面的機能を発揮させる取組についての御質問にお答えをいたします。

 森林は、木材の生産機能だけでなく、二酸化炭素吸収や水源涵養、土砂災害の防止等の県民の生活に欠かすことのできない様々な機能を有しており、こうした機能を将来にわたって発揮させていくためには、森林を適切に保全、整備していくことが必要となります。このため県では、森林法に基づく保安林制度や林地開発許可制度を適正に運用するとともに、森林法の開発許可の対象に満たない小規模開発についても林地開発条例により規制をするなど、森林の適正な保全を図っているところです。また、整備については、森林組合等の林業事業体が作成する森林経営計画に基づく計画的な森林整備を支援するとともに、間伐に対する補助率のかさ上げやサンブスギ溝腐病等のために伐採した木材の搬出、運搬への補助等を行っております。さらに、市町村の森林整備についても森林環境譲与税を活用して支援をしており、引き続き、森林の適切な整備にも努めてまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○副議長(三沢 智君) 総合企画部長三神彰君。

 (説明者三神 彰君登壇)

○説明者(三神 彰君) まず、成田空港についてお答えいたします。

 構想実現に向け、市町の意見をどう反映させていくのかとの御質問ですが、産業拠点形成をはじめとする構想の実現には、市町の枠組みを超えた広域的な検討を進めていくことが重要であり、構想のゾーニングにおいて、空港周辺9市町全域を対象に土地利用の方向性を示したところです。その一方で、構想の実現に必要となる産業用地の確保や開発計画の決定など具体的な取組においては、地元の合意形成をはじめ、様々な場面で各市町の主体的な取組が不可欠です。このため、現在NRT(ナリタ)エリアデザインセンターを中心に、市町の都市マスタープランなども踏まえて丁寧に議論を重ねているところであり、今後も県と市町の施策を連携させながら、構想の実現に向けて取組を進めてまいります。

 次に、「エアポートシティ」ブランディング事業についての御質問ですが、構想の実現に当たっては、空港周辺地域の方々の理解を促しつつ、新たに進出や定住を検討する企業や高度人材に対して、魅力的な地域づくりが進んでいることをしっかりと伝えていくことが重要です。そのためには、民間事業者の専門的知見やノウハウを活用して、構想の理念や目指す未来像を広く発信していくことが必要であることから、9月補正予算案に地域ブランディング推進に係る事業費を計上したところです。本事業を通じて、エアポートシティに係る2か年にわたるブランディング戦略を策定するとともに、エアポートシティのイメージを分かりやすく発信するブランド資産を構築することで、効果的な発信に努めてまいります。

 次に、成田空港周辺地域の防音工事についての御質問ですが、成田空港の拡張事業に伴う騒音対策区域の拡大により、防音工事の助成申請が増加し、設計が滞り、交付決定に至らないケースが生じました。このため、関係者間で取組を加速化していくこととし、空港会社では設計会社の新規参入を促すとともに、設計図面等の簡素化や、設計管理費の引上げ等の対策を講じたところです。この結果、空港会社における交付決定件数は、対策を講じる前の令和5年度と比べ、月当たり約1.4倍の48件となるなど大きく伸びています。本年7月末時点の累計は、空港会社が行う防音工事では申請約3,500件に対し交付決定が約1,800件、共生財団の内窓設置工事では、申請約2,200件に対し、交付決定が約1,000件となっています。県としては、申請された方が速やかに防音工事を受けられるよう、空港会社に対し、さらなる加速化の取組を求めてまいります。

 次に、県の広報についてお答えいたします。

 県のSNS広報の取組についての御質問ですが、令和3年に開設した県公式X及びLINEの登録者数は、本年8月末時点でそれぞれ3万8,000人、18万5,000人となっており、県民の暮らしや福祉、教育、観光などの県政情報や、県主催のイベント情報等を定期的に発信しているところです。また、SNSには最新情報や緊急性の高い内容を迅速に配信し、かつ短時間で拡散できる特徴があるため、これまでも災害時において早い段階からの警戒情報や、被災された方への支援情報などの発信手段として活用してまいりました。今後は、魅力発信の分野においても、SNSが持つ発信力をさらに生かして若者への訴求を高めるなど利用者の拡大を図るとともに、引き続き、県民に対して有益な情報の発信に努めてまいります。

 最後に、今後のSNSによる広報についての御質問ですが、県政情報を効果的かつ効率的に伝えるためには、県民がどのような情報を必要としているかを把握した上で、適切なタイミングや媒体により分かりやすく発信することが重要です。そのため県では、公式LINEにおいて、10月から、子育て、教育、観光など県民一人一人が関心のある情報を選んで受け取れるセグメント配信機能を導入いたします。また、県民に災害時の緊急情報を即座にお届けするため、災害情報共有システムLアラートからの情報配信機能を追加いたします。こうした取組により、県民にとって必要かつ重要な情報を適時適切にお届けできるよう努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 農林水産部長高橋輝子君。

 (説明者高橋輝子君登壇)

○説明者(高橋輝子君) 森林環境譲与税による市町村の森林整備への支援に関する御質問ですが、県では、市町村職員の森林・林業施策の専門知識や経験を補うために、森林環境譲与税を活用して千葉県森林組合連合会に相談窓口を設置するとともに、市町村に対する森林整備の積算や検査等に関する研修会の開催のほか、森林整備計画の作成支援等を行ってきました。また、都市部と森林地域の市町村が協定を締結し、連携した森林整備等を進めるモデルの構築などに取り組んでおり、令和6年度には、松戸市と鴨川市の協定締結が行われるなど、これまでに県内の4組の市町の協定が締結されたところです。今後も関係機関と連携しながら、地域ごとの実情に応じたモデルを市町村に展開するなど、引き続き森林環境譲与税を活用した森林整備への支援を進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 総務部長前田敏也君。

 (説明者前田敏也君登壇)

○説明者(前田敏也君) 過疎地域に対する県の取組についての御質問でございますが、本県の過疎地域は、豊かな自然環境や伝統文化等を有する大切な地域であることから、次世代へ引き継いでいくためにも、その振興を図っていくことは重要なことだと認識しております。このため県では、過疎地域の持続的発展を図るための方針と計画を策定し、産業振興をはじめ、交通手段や子育て環境、医療の確保、生活環境の整備など、広域的な対策が必要となる取組を進めているところです。また、過疎対策の取組が円滑に実施されるよう、補助金や過疎対策事業債などの各種支援措置の強化等について国に対し要望しているところであり、引き続き課題解決に向けた取組の充実強化に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 県土整備部長四童子隆君。

 (説明者四童子隆君登壇)

○説明者(四童子隆君) 県管理道路上における動物死骸への対応についての御質問ですが、県では、道路パトロールや通行者からの通報等により動物死骸が確認された場合、各土木事務所で契約している委託業者等が速やかに対応を行っており、その処分先は、市町村や組合が運営する処理施設や、県内外の民間処理施設となっております。令和6年度の県管理道路上における動物死骸の処分数は約5,500件で、1日当たり約15件となっております。引き続き、県管理道路上の動物死骸の対応について、より一層効果的、効率的に実施できるよう努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 小野崎正喜君。

○小野崎正喜君 それでは、再度質問と要望を何点かさせていただきたいと思います。

 まず最初にエアポートシティ構想についてなんですけれども、成田空港エアポートシティ構想については、要望と質問、両方させていただきたいと思います。このエアポートシティ構想には、多くの企業が関心を持っていると現在聞いております。国際的な産業拠点が形成されていくに当たり、新たな産業や、伴って新たなビジネスチャンスを見いだし、参入を希望する企業も考えられることから、先日の我が党の小路議員の代表質問の御答弁にもありましたが、航空関連企業に限定することなく、様々な分野の企業にアプローチをかけていただきたいというふうに考えております。これは要望とさせていただきます。

 また、エアポートシティ構想の実現に当たり、多くの産業等の集積が予想されますが、現在でも、空港周辺においては時間帯によって渋滞したり混雑している場所も多く、今後産業等を集積していくに当たり、携わる方々の労働環境、通勤環境等を踏まえると、周辺地域にインフラの整備や交通ネットワークの構築が必要となってくることが考えられます。

 そこで、エアポートシティ構想の実現には、周辺の地域公共交通ネットワークの構築が必要となってきますが、県として今後どう取り組んでいくのかお伺いいたします。

 次に、空港周辺の騒音対策については登壇のたびに伺っておりますが、空港会社が行う防音工事の申請約3,500件に対し、交付決定が約1,800件、共生財団による内窓設置工事も申請約2,200件に対し交付決定が約1,000件ということで、令和5年の12月に伺った時から比べ大分進捗が図られてきたように思いますが、騒音対策、防音工事の実施は地域との約束でありますから、引き続きしっかりと取り組んでいただきますように要望させていただきます。

 次に、森林の保全整備については、現在の取組と、森林環境譲与税を活用した支援策を伺いましたが、実際の森林の保全整備に当たっているのは、長期的な林業の低迷などから森林組合などの林業事業体が中心となり、補助等を活用して請け負っていることが多く、長期にわたっての保全整備が危ぶまれております。そこで、森林組合等の林業事業体による適正な森林整備を促進するためには、計画的かつ効率的な森林施業や適切な森林保護を目的とした森林経営計画の作成が重要となってまいります。

 そこで、森林経営計画について、森林組合等に対し、どのように支援をしているのか再質問させていただきます。

 次に、過疎対策についてですが、過疎地域の持続的発展を図るための方針と、方針に基づく計画に従い取組を進めているとのことでありましたが、本年度で期限が終わると聞いております。今後も人口減少が進むと見込まれている中、過疎対策には終わりがなく、次年度以降も切れ目なく県及び過疎団体の取組が進められる必要があります。県の方針や計画は、県だけではなく過疎団体に指定された市町村にとっても指針となることになりますから、県においては新しい総合計画を踏まえながら、県の方針、計画を適切に更新していただきますよう要望させていただきます。

 また、今年度は5年に1度の国勢調査が行われる年となっております。前回は令和2年度に行われ、それ以前には7市町であった過疎地域は、国勢調査の結果も踏まえ13市町に増加しております。今後、過疎地域の指定の条件がどのようになるのかは分かりませんが、今回の国勢調査の結果次第では、さらに過疎地域の指定が増えることが考えられます。御答弁にもあったように、過疎地域の指定を受けることで、過疎対策の取組のため様々な支援措置が用意されておりますが、中でも、過疎対策事業債については特に有利な財源措置として過疎地域に指定された市町村が活用を希望するものと聞いております。先ほども申し上げましたが、国勢調査の結果次第で過疎地域が増える可能性がある中、過疎対策を進めるための財源措置が併せて用意されなければ県民の生活にも影響が出るのではと危惧しているところであり、そこで、令和2年度の国勢調査の結果により過疎地域の指定を受けた市町村の現状を確認させていただきたく、質問させていただきます。

 現行の過疎法が施行される前の令和2年度と比較して、令和6年度の過疎対策事業債の地方債計画の措置状況と、本県における活用状況はどうか、お伺いいたします。それは、数字も分かればお答えください。

 次に、道路問題については要望とさせていただきます。道路上における動物の死骸についてですが、昨年度、県だけでも約5,500件処分されたとのことで、その処理費を想像してみてください。市町村や、中には個人で処分されているケースもあると思われることから、道路上における動物の死骸の処理数は全体でどのぐらいになるのか見当もつきません。県では、委託業者が速やかに対応しているとのことですが、委託業者にあっては、その労力は大変なものだと想像いたします。御答弁では、県の委託業者の処分先は市町村や組合が運営する処理施設、これは主に市町村で運営するごみ焼却場のことを指していると思いますが、または県内外の民間処理施設ということでありました。これは、処分させてもらえない地域では、当然処分させてもらえる地域まで運んでいるということであり、その要因の1つとして、市町村や組合の運営する処理施設に搬入する場合、一般廃棄物の収集運搬の許可が必要などといった受入れ団体によって見解が異なるためと聞いております。当然、近場で処分することは処分費を節約することにつながります。また、委託に関して、委託費は道路の除草などと同じ道路維持修繕費から出ており、委託費を抑えることができれば、その分道路環境を整えることに結びつくことから、動物の死骸の対応については、より一層の効率化を図っていただきますようお願いいたします。

 次に、県の広報についてですが、現在多くの人がSNSを利用して情報を収集していることから、より効果的な情報発信に努めていただきますようお願いいたします。

 また、SNSを活用した情報発信は、自治体にとって非常に重要な、そして有効なマーケティングツールにもなっております。SNSを利用して、観光客の誘致や特産品の販売促進、企業の誘致などの経済の活性化や地域の魅力を発信して地域ブランドを高めるなど、今後さらにSNSを活用し、幅広い情報発信を進めていただきますよう要望して、2回目とさせていただきます。

○副議長(三沢 智君) 総合企画部長三神彰君。

○説明者(三神 彰君) 成田空港周辺の公共交通に関する御質問ですが、県では、公共交通の利用実態などから、そのニーズを把握するとともに、空港周辺企業の通勤実態や送迎バスの運行状況等につきまして、調査や関係者からのヒアリングを行っているところでございます。こうした取組を通じまして、まちづくりと一体となった地域公共交通ネットワークの検討を進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 農林水産部長高橋輝子君。

○説明者(高橋輝子君) 森林経営計画の支援についての御質問ですが、県では、森林組合等の林業事業体による森林経営計画の作成について、計画対象地域の樹種や林齢、面積等の森林情報データを提供するとともに、林業事務所の普及指導員が計画作成を支援しています。また、現地調査や森林所有者等の合意形成のための説明会開催等に必要な経費を支援するなど、引き続き森林経営計画の作成を促進してまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 総務部長前田敏也君。

○説明者(前田敏也君) 過疎対策事業債の活用状況について、数字も分かればという御質問でございます。国の地方債計画における過疎対策事業債の計上額は、令和2年度の4,700億円から、令和6年度の5,730億円に増加しております。また、過疎市町へ配分された額についてですが、令和2年度の25億4,760万円から、令和6年度は46億1,510万円となっておりまして、これは議員御指摘のあったとおり、対象が6市町増えて13市町になったということも要因だと思っております。配分を受けた市町においては、市町村道や産業振興施設、図書館の整備など、過疎地域の持続的発展に向けた事業に活用しているところでございます。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 小野崎正喜君。

○小野崎正喜君 3回目の質問とさせていただきます。

 地域公共交通ネットワークの構築について伺いましたが、運行状況の調査やヒアリングを行っているとのことでしたが、その結果を今後お示しいただきながらニーズに沿った検討を進めていただきますよう、これは要望とさせていただきます。お願いいたします。

 また、産業拠点形成に向けた用地整備やインフラ整備への取組は、これは当然難易度のかなり高い取組であることから、ぜひ県から市町に手を差し伸べていただき、市町が主体的かつスムーズに事業に取り組めるための支援を要望させていただきます。

 次に、森林の保全、整備についてですが、現在、様々な要因から林業が衰退しております。森林の価値が低くなったことにより放置林が増え、林業従事者も高齢化が進み、新規就業者も不足していることから、森林整備も難しくなってきております。森林の有する多面的機能は私たちの生活を支える重要な役割を担っているにもかかわらず、森林の適正な維持管理が進みません。以前、森林は大きな財産としての価値を持っており、伐採と植樹を繰り返しながら生計を立て、森林は代々引き継がれてきておりました。それが木材の需要、経済的な価値が低くなったことからそのバランスが崩れ、現在の状況となっております。

 現在開催されている大阪・関西万博では、サステナビリティ、日本の林業の活性化、仮設性、再利用性の考えから、大屋根リングをはじめとする木造建築が重視されております。引き続き森林の保全整備に力を入れながら、一方では、森林の価値、木材の価値を高める施策を図っていただきますよう要望させていただきます。

 最後に過疎対策についてですが、過疎地域に指定されている地域は、風光明媚な地域が多く、豊かな自然環境が水や食料、エネルギーを供給するとともに、多様な文化が継承され、魅力のある重要な地域です。そのような地域を守るためにも、過疎地域に指定された市町村がしっかりと持続可能な社会を維持できるように、過疎対策事業債をはじめとする各種の支援措置が継続され、かつ強化されるよう、国に対し強く要望していただきますようお願いいたします。

 また、過疎対策事業債についてですが、インフラの維持や整備など、自治体にとって大変有利、有効な財源ではありますが、あくまで起債であることに変わりはなく、交付税措置があるとはいえ、少なからず将来への負担があるものと考えられることから、県においては、過疎地域として指定された自治体が過疎対策事業債を活用するに当たっては、過度に地方債に依存した財政運営にならないよう引き続き助言を行っていただきますよう要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

 請願の件

○副議長(三沢 智君) 日程第2、請願を議題とします。

 お手元に配付の請願文書表記載のとおり、請願4件をそれぞれ所管の常任委員会及び議会運営委員会に付託します。

 以上をもって本日の日程は終了しました。

 9月22日は定刻より会議を開きます。

 これにて散会します。

 午後2時36分散会

 

お問い合わせ

所属課室:議会事務局政務調査課議会広報班

電話番号:043-223-2523

ファックス番号:043-222-4073

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