ここから本文です。
更新日:令和7(2025)年11月21日
ページ番号:813841
令和7年9月17日(水曜日)
議事日程
議事日程(第5号)
令和7年9月17日(水曜日)午前10時開議
日程第1 議案第1号ないし議案第31号、諮問第1号、報告第1号ないし報告第15号及び決算認定に対する質疑並びに一般質問
午前10時0分開議
○議長(武田正光君) これより本日の会議を開きます。
質疑並びに一般質問
○議長(武田正光君) 日程第1、議案第1号ないし第31号、諮問第1号、報告第1号ないし第15号及び決算認定についてを一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。
(瀧田敏幸君登壇、拍手)
○瀧田敏幸君 皆さん、おはようございます。自由民主党、印西市・印旛郡栄町選出、瀧田敏幸です。本定例会において登壇の機会を与えていただきました自民党同志の皆様に心から感謝申し上げます。
それでは、通告に従い一般質問を行いますけれども、本日は地元から大勢の皆様が傍聴に来ていただきました。本当にありがとうございます。
それでは、初めに、私の地元印西市、北総鉄道千葉ニュータウン中央駅前にデータセンターが建設されようとしている件について伺います。
千葉ニュータウンは、昭和44年に新住宅市街地開発事業の認可を受け、県と現在のUR、都市再生機構が共同でまちづくりを進めてきたものであります。平成26年に開発事業は完了し、現在、千葉ニュータウンは豊かな自然環境の下、住宅や企業、商業施設などが整い、10万人を超える人々が暮らす町として発展しております。こうした中、令和7年4月に突如、千葉ニュータウン中央駅前の一等地に巨大なデータセンターが建設される計画が明らかになりました。隣接するマンション住民や市民にとっては、まさに青天のへきれき、寝耳に水というべき事態でありました。印西市は地盤が堅牢であり、電力供給と通信インフラが安定しているなど、立地条件に恵まれているため、日本有数のデータセンターの集積地となっております。グーグルやアマゾンをはじめとする数多くのデータセンターが建設され、その結果、固定資産税等が増加し、市民サービスの充実が図られるなど、これまでは市と市民、データセンター事業者は共存してきました。しかしながら、今回の件がこれまでと異なるのは、建設予定地が中心市街地、町の顔ともいうべき千葉ニュータウン中央駅の目の前だということであります。
私が調査したところ、この土地は、造成当時は県とURの共有のものだったのですが、ニュータウン事業が進捗していく中で民間企業に売却されましたが、その後も長く、主にタウンセンター地区の商業施設等の駐車場として活用されていたものであります。今回の件では、事業者はこの土地を所有するのではなく、信託受益権を取得し、データセンターを建設しようと計画しております。民間企業同士の取引であり、法律的に規制を受ける取引でもなく、また、データセンターは都市計画法上も規制できる用途ではありません。しかしながら、建設予定地は駅前の一等地であり、既に周囲は商業施設が進出し、隣地には高層マンションが林立し、タウンセンターとしての機能が概成されており、さらなるにぎわいの向上を目指していたさなかでの突然の本事業の発表は、地域としては到底納得できるものではありません。
過去に千葉ニュータウンと同様の大規模開発である多摩ニュータウン、千里ニュータウン等々のタウンセンター地区を調査したこともありますが、どこのニュータウンでも、地元自治体やURにより、住民参加のまちづくり、多機能複合的なまちづくり、にぎわいの創出などの基本理念の下、公共施設や商業施設、民間事業所などが計画的に整然と配置されております。町の顔となる駅前のタウンセンター地区に今回のようなデータセンターが建設されることは、にぎわいの創出や交流促進の面で超巨大なデッドスペースが生じるため、他に類例を見ない異形のまちづくりと言わざるを得ません。県が手がけた千葉ニュータウン事業というまちづくりが、結果として、地元自治体や住民の意思と大きく乖離してしまうのではないか、さらに、このデータセンター問題がまちづくりの歴史的な汚点となってしまうのではないかと心から危惧するものであります。
現在、地元では建設予定地周辺のマンション住民を中心に、タウンセンター地区の活用について考える会が結成され、事業の中止や建設場所の変更を求めて運動を展開しております。印西市長宛ての反対署名運動も行われ、去る8月29日には、中間報告として8,400筆を超える署名が市長に手渡されたところであります。一昨日確認したところでは、もう1万1,000に及ぶ反対の署名が集まっているということでございます。もう人口の10分の1以上を超える住民が反対の意思表示の署名を行っているということでございます。そして、この考える会から、市から事業者に対して住民説明会を実施するよう指導することが強く要望されたところであります。さらに、隣接するマンションの管理組合からも印西市に対し、市の主導、関与による住民説明会の開催を求める文書が提出され、その中で騒音や排熱、日照や風害、景観、外観デザイン、工事車両による児童の安全や交通への影響など、事業者に対応、説明を求める項目が具体的かつ詳細に示されております。なお、この文書は事業者に対しても送付されていると聞いております。また、印西市議会では、こうした住民の声を受け、同日、データセンターと地域の共生を図るため、市民が納得できる都市計画の下、各種法令に従いデータセンターは建設されるべきであるとして、今回の場所も含みますけれども、タウンセンター地区等の駅周辺の地区を除いた場所に整備することを求める決議、駅周辺は駄目ですよ、中心市街地の外で整備してくださいという決議が行われたところでございます。
私は、データセンターに限らず、企業の進出に当たっては、事業者と近隣住民等の間で、事業による影響やその対応等について話合いが行われ、双方の合意の下で事業が進められることが重要であると考えております。先ほど申し上げましたとおり、住民の側から対応、説明を求める項目を明確に示したわけですから、事業者は真摯にこれを受け止め、丁寧な説明を行ってもらいたいと思いますし、今後、話合いが円滑に進まないような場合には、住民に最も身近な自治体である印西市が両者の間に立ち、冷静に対話できる環境をしっかりと整えてもらいたいと考えております。
さらに、私が申し上げたいのは、この土地を最終的にデータセンター事業者に譲渡したのは、地域のまちづくりを長年にわたって担ってきた元地主が、県とURが設立した第三セクターの企業であるということでございます。この土地取引が、いわゆる民民であり、タウンセンター地区へのデータセンターの建設が一般的な法律論としては合法であることは認めますが、地元行政や住民を巻き込み、これだけの大問題となっている以上、当該企業、この第三セクターは、住民と事業者の対話が進むよう、売主として最大限の努力をすべきと考えております。
今回の件については、このまま住民と事業者の間で信頼関係が構築されず、相互理解が進まないままに建設工事が開始されるようなことになれば、地域の混乱は増す一方であり、そうした事態は何としても避けなければなりません。県が今回の件に直接関与していないことは重々承知しておりますが、そうした思いから質問させていただきます。
千葉ニュータウンのまちづくりを担ってきた県として、千葉ニュータウン中央駅前にデータセンターが建設されることについて、どう考えるか。
次に、県道千葉ニュータウン北環状線についてであります。
県道千葉ニュータウン北環状線は、印西市草深と白井市根を結ぶ千葉ニュータウンの主要幹線道路でありますが、過去に白井市の清戸地区の道路予定地に大量の産業廃棄物が不法投棄されたため、URが廃棄物撤去工事を行っていたところ、平成27年に隣接事業者から騒音、振動に関する苦情があり、工事を中断して、約10年にわたって工事がストップしております。私はこの問題を何度も県議会の場で取り上げてまいりました。そして、昨年10月には自民党白井市支部の皆さんと、そして本年6月には公明党の横山幹事長とともに、新宿のURの東日本都市再生本部を訪問し、早期に工事を再開するよう直接強く申入れ、働きかけを行ってきたところであります。
北環状線は国道16号や国道464号北千葉道路との道路ネットワークを形成し、住民生活や産業活動などを支える重要インフラであり、今後、成田空港のさらなる機能強化をはじめ、北千葉道路の全面開通や千葉北西連絡道路の早期具体化に向けた取組が進められる中で、その役割はますます大きくなっております。これまで県やURには北環状線の問題に真剣に取り組んでいただいたと思いますが、長年にわたって膠着してしまったこの状態を解消し、問題の解消を図っていくためには、関係者全員の既存の枠組みや計画にとらわれないことが重要と考えます。
私が自民党の政調会長を務めていた3年前には、自民党の白井市支部さんから、移動政調会において、ネックになっている当該の廃棄物の上に道路を通す高架方式の提案を、当時の白井の副市長さんも含め御提案をいただきましたが、まさにこうした新たな視点から、解決策、対応策を検討するとともに、勇気を持ってそれを実行していくことが必要ではないでしょうか。
そこで伺います。県道千葉ニュータウン北環状線の廃棄物処理について、現在の状況はどうか。また、今後どのように進めていくのか。
また、白井市清戸から神々廻間の約1キロメートルが未開通となっているため、暫定的な措置として、並行する市道を迂回路とし、市道との交差点改良が現在進められておりますが、一日も早い完成が期待されます。
そこで伺います。県道千葉ニュータウン北環状線と白井市道との交差点改良の進捗状況はどうか。
次に、成田空港の鉄道アクセスについてであります。
現在、我が国の空の表玄関である成田空港では第2の開港プロジェクトが進められており、第3滑走路の新設により、年間の発着枠容量が30万回から50万回となることで、空港利用者の大幅な増加等が期待されております。このポテンシャルを最大限に生かすためには、空港と都心を結ぶ鉄道アクセスの強化を一体的に進めていくことが必要不可欠であり、県の自民党成田空港議連としても、国に対しアクセス強化を働きかけてまいりました。空港の鉄道アクセスに関しましては、空港周辺の単線区間の複線化や、押上駅から東京駅付近を結ぶ新線である都心直結線の整備という長年の課題があります。第3滑走路の新設や現在の滑走路の延伸が2028年度末に迫っており、こうした課題を解決するために残されている時間は、それほど多くはありません。また、成田とともに首都圏空港を構成する羽田空港では、JRにより羽田空港アクセス線の整備が進められており、2031年度に東山手ルートの開業が目指されているなど、取組が着実に進んでおります。そのため、本県として、成田空港の鉄道アクセスの強化に向けて、これまで以上に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで伺います。都心直結線など、成田空港と都心を結ぶ鉄道アクセスの強化に向けて、県としてどのように取り組んでいくのか。
次に、千葉北西連絡道路についてであります。
私の地元印西市の道路交通の軸として、東西方向として首都圏と成田空港を結ぶ北千葉道路でありますが、南北方向については国道16号に頼っている状況であります。国道16号は、千葉市から東葛地域にかけての唯一の広域的な道路であり、慢性的な交通渋滞が発生しております。印西市から最寄りの高速道路にアクセスするには、国道16号を経由し、常磐道の柏インターチェンジか東関東自動車道の千葉北インターチェンジまで行く必要があり、道路がすいていても30分から40分、混雑時には何分かかるか分からない状況であります。また、令和元年の東日本台風の際には、田中調節池内の柏市道が通行止めとなり、並行する国道16号に交通が集中したため、交通機能が麻痺した教訓があり、道路の多重性、代替性の確保が重要であることを改めて認識したところであります。
このため、県北西部における南北軸となる千葉北西連絡道路の早期の計画の具体化が非常に重要です。これまでに、この道路の基本方針が令和4年に策定され、昨年2月には地元検討会―沿線市含みます―が設立されるなど、道路計画の具体化に向け大きな一歩が踏み出されました。
そこで伺います。千葉北西連絡道路の取組状況はどうか。
次に、児童相談所について伺います。
初めに、印旛児童相談所の開設に向けた職員の確保、定着についてであります。
さきの我が党の代表質問に対する答弁にもありましたとおり、令和8年4月頃に印旛郡市7市2町を管轄とする印旛児童相談所が千葉ニュータウンに開設される予定となっております。印旛郡市の住民、市町村にとっては念願の県施設の開設であり、平成30年から新児童相談所の誘致活動を行ってきた私としましても、感慨ひとしおでございます。これもひとえに自民党PTの座長をしていただいた今の議長の武田さんはじめ、同志の皆さんの御協力にも深く感謝するところでございます。
一方で、約72万人の県民が住む印旛の広域的な地域を管轄する児童相談所となりますので、職員をしっかり確保しないと、仏作って魂を入れずとなってしまいます。児童相談所の専門職員については、全国自治体で採用を増やしており、人員の確保に苦労していると聞いております。
そこで伺います。印旛児童相談所の開設に当たり、職員はどの程度必要なのか。また、職員の確保、定着に向けてどのように取り組んでいくのか。
次に、児童相談所専門職員の人材育成についてであります。
児童相談所の専門職員は、近年の大量採用により、若手職員の比率が非常に高く、本県でも5年目以下の職員が全体の5割以上となるなど、いびつな年齢構成になっていると伺っています。こども家庭庁では、全国的にこのような課題があることを認識し、外部有識者による部会の議題として、職員の計画的な育成や研修の充実について議論が交わされております。今後、児童相談所の新設に向けて、さらなる増員が行われると、ますますその傾向は強まることから、高度な専門的知識が求められる児童相談所の業務を安定的に運営していくためにも、人材育成は急務であると考えます。
そこで伺います。児童福祉専門職員の育成について、どのように取り組んでいるのか。
次に、交通事故対策についてです。
県警では、悲惨な交通事故を1件でも減らすべく、日々対策に取り組んでいただいておりますが、昨年の交通事故死者数は131人と3年連続で増加したほか、飲酒運転による交通事故も、一昨年より16件多い132件であるなど、極めて厳しい状況であります。また、本年は第11次千葉県交通安全計画の最終年であり、年間死者数110人以下という目標達成に向けて、県民総ぐるみで対策に取り組んでいかなければなりません。日没時間が早まるこれからの時期、例年、死亡事故が増える傾向にあると伺っていますし、年末にかけて飲酒運転による交通事故の発生も懸念されます。まさに、これから交通事故防止対策の正念場ですので、ぜひ総力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。そして、取組をより効果的なものにするためには、交通事故の特徴や傾向をしっかりと分析し、対策を推進していく必要があると考えます。
そこで伺います。上半期における県内の交通事故の発生状況と対策はどうか。
以上で私の1回目の質問を終わりといたします。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(武田正光君) 瀧田敏幸君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 自民党の瀧田敏幸議員の御質問にお答えいたします。
まず、成田空港の鉄道アクセスについての御質問にお答えいたします。成田空港の第3滑走路の供用開始等に伴い、空港利用者の大幅な増加が見込まれる中、空港の鉄道アクセスの強化が喫緊の課題となっていることから、県では、国に対し、関係者が協議する場を早期に設置するよう求めてまいりました。その結果、昨年9月には、国により空港会社や鉄道事業者、自治体などで構成する検討会が立ち上げられ、本年6月に公表された中間とりまとめでは、空港周辺の単線区間の解消や都心とのアクセス向上などの課題について、さらに検討を進めていくこととされております。県としては、成田空港がグローバルハブ空港としての役割を一層発揮するためにも、都心直結線を含む空港と都心を結ぶ鉄道アクセスの強化は、国策として早期に実現されるべきものと考えており、検討会の場や国への要望など、様々な機会を捉えて強く求めてまいります。
次に、児童相談所についてお答えいたします。
児童福祉専門職員の育成についての御質問ですが、県では、児童相談所等で勤務する児童福祉専門職員の育成を計画的に進めるため、令和5年11月に人材育成基本方針を策定し、高い専門性と幅広い視野を持つ人材の育成に向け様々な取組を行っています。具体的には、経験年数に応じ全職種合同で受講する新任者研修や階層別研修、職種別に受講するスキルアップ研修など多彩な研修メニューを用意し、専門能力の向上を図っているほか、市町村や学校現場等との人事交流により、多様な業務経験の促進を図っているところです。今後も職員や組織のニーズを踏まえた研修内容の見直しや、人事交流先の拡大などを図りながら、子供の安全や権利を守るという社会的使命の高い職務に当たる児童福祉専門職員の育成に努めてまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。
○議長(武田正光君) 企業局長野村宗作君。
(説明者野村宗作君登壇)
○説明者(野村宗作君) 千葉ニュータウン中央駅前のデータセンターに関してお答えいたします。
データセンターの建設が予定されている千葉ニュータウン中央駅前の土地については、民間事業者から当該データセンター事業者に信託受益権が譲渡されたものであり、この土地にデータセンターを建設することについても、法的な問題はないところです。一方で、まちづくりは地域の理解と協力を得て進めていくことが重要であり、企業の立地は地元市や地域住民との信頼関係の下で進められることが大切と考えております。県としましては、データセンター事業者に対し、この土地の活用方法について意見を申し上げられる立場にはございませんが、印西市や地域住民と事業者が対話を進めて問題の解決を目指していくことについては、できる限りの協力をしていきたいと考えております。
次に、県道千葉ニュータウン北環状線の廃棄物処理についての御質問ですが、県道千葉ニュータウン北環状線の工事予定地に不法投棄された廃棄物については、企業局から独立行政法人都市再生機構に委託し、撤去処理を進めてきたところです。しかしながら、廃棄物撤去のための鋼管矢板打設工事に伴う騒音、振動等について隣接事業者から苦情があったことから、平成27年12月に工事が中断いたしました。その後、都市再生機構による補償交渉が難航し、工事が再開できない状況が続いております。企業局としては、都市再生機構と補償交渉や工事の進め方等について協議を続けているところであり、引き続き様々な角度や視点から議論を深め、一日も早く工事が再開できるよう、粘り強く取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 県土整備部長四童子隆君。
(説明者四童子隆君登壇)
○説明者(四童子隆君) 県道千葉ニュータウン北環状線の交差点改良についての御質問ですが、市道と接続する白井市神々廻地先と清戸地先の交差点については、円滑な交通を確保するため、主たる交通が直進となる交差形状へ改良する事業を行っているところです。これまでに神々廻地先の交差点改良を完了しており、清戸地先については、交差点改良に先立ち排水路の整備を行うとともに、占用物の移設に向けて協議を進めているところです。引き続き関係機関と連携し、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、早期完成を目指して事業を推進してまいります。
続いて、千葉北西連絡道路についての御質問ですが、千葉北西連絡道路は国道16号などの交通円滑化や県内外の交流、連携を強化し、企業の集積、産業の活性化を図るとともに、災害時における多重性、代替性を確保する重要な道路です。本年7月までに国や沿線市と連携し、地域住民や企業などへの情報発信や意見聴取などのコミュニケーション活動を実施し、約1,800件の意見をいただいたところです。現在、国において意見の取りまとめを行っており、先行して自由記述の一覧が公表され、その中では、県北西部における幹線道路の不足による国道16号への交通集中や、災害時における代替ルートの不足などへの早急な課題の解決を求める意見が多く出されているところです。引き続き沿線市と連携し、計画の早期具体化に向け、国に積極的に働きかけるとともに、人口が集中し渋滞が深刻化している県北西部の道路整備を加速してまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
(説明者岡田慎太郎君登壇)
○説明者(岡田慎太郎君) 印旛児童相談所の職員数と職員の確保、定着についての御質問ですが、令和8年4月頃に開所見込みの印旛児童相談所は、現在の中央児童相談所の管轄区域を分割して所管する施設として、職員総数で120名程度を予定しており、一時保護所を新たに設けることなどから、職員を増員する必要があります。県では、今年度、児童指導員について新たに早期枠試験を実施したほか、保育士についても、従来の9月に加え6月にも試験を実施するなど、採用者数の確保を図っています。また、職員の定着に向け、入庁3年目までの職員が先輩職員にマンツーマンで気軽に相談できるブラザーシスター制度の運用や、専門職の仕事上の悩みなどに応じる相談窓口を本年7月から設置することなどにより、安心して働ける職場環境づくりに努めています。こうした取組により、新設する印旛児童相談所が業務を円滑に実施できる体制を整備してまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 警察本部長青山彩子君。
(説明者青山彩子君登壇)
○説明者(青山彩子君) 私からは上半期における県内の交通事故発生状況と対策についてお答えいたします。
本年6月末現在の県内の交通事故死者数は57人で、前年同期と比較して15人減少し、発生件数及び負傷者数はいずれも僅かに減少したほか、飲酒運転による交通事故は約半減しております。一方で、自転車乗用中死者や夜間の人対車両事故の割合が増加しているほか、例年、年末にかけて飲酒運転による交通事故や高齢歩行者の死亡・重傷事故等が増加する傾向にあります。県警ではこれらの特徴を踏まえ、9月21日から始まる秋の全国交通安全運動や、これに引き続く年末3か月対策として、飲酒検問や覆面パトカーを活用した飲酒運転の取締り、自転車指導啓発重点地区・路線等における自転車の指導取締りや広報啓発、横断歩行者等妨害等違反の指導取締りや反射材の普及促進等の取組を推進してまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 瀧田敏幸君。
○瀧田敏幸君 御答弁ありがとうございました。それでは、何点か再質問と要望をいたします。
まず、千葉ニュータウン中央駅前のデータセンター建設についてでありますが、先ほどの答弁において、県は、印西市や地域住民と事業者が対話を進めて、問題の解決を目指していくことにはできる限りの協力をしていきたいとのことでありました。そういった状況とタイミングになったときは、よろしくお願いしたいと思います。
再質問ではアングルを変えて、今回のような駅周辺への立地などについて、実態に見合った実効的な法規制が必要との立場でお尋ねいたします。8月29日、印西市議会において、今後、データセンター建設については、タウンセンター地区や印西牧の原駅センター地区等の駅周辺を除いた場所に整備されることを求めるとの決議がなされ、それを受け、印西市は、駅周辺の地区計画の見直しの検討を開始したというふうに聞いております。
そこで伺います。地域の実情に応じたまちづくりを進めていくため、地区計画を活用することについての県の見解、県はどう考えているのか。
次に、県道千葉ニュータウン北環状線についての要望、お願いであります。廃棄物の撤去工事は、URが県から委託を受けて進めていることは承知しておりますが、工事が中断して10年が経過しているということで、白井市だけでなく、印西市の住民及びその周辺の自治体の皆さんからも、なぜ工事が止まっているんだといった声が私のところにもたくさん寄せられております。廃棄物処理を含めた問題解決のためには、まずは未開通区間が解消した、北環状線が開通したという事実をつくり出すことが重要であります。どうか現在の枠組みや計画にとらわれず、URとともに柔軟な思考で様々な観点から取組を協議、検討し、先ほど申し上げたような高架方式ということも立派な考えであるというふうに今思います。廃棄物処理を含めた道路整備を着実に実施していただくことを強く要望いたします。
また、県道千葉ニュータウン北環状線と白井市道との交差点改良についてですが、これも公明党の横山さんのほうから6月の議会でも出ましたけれども、清戸地先の交差点は、通勤時間帯には県道の交通が滞るだけでなく、交通量の増加に伴い、大きな事故が発生する懸念、リスクもあります。一日も早い完成に向けて事業を推進していただくよう要望いたします。
次に、成田空港の鉄道アクセスについてであります。成田空港のさらなる機能強化が間近に迫る中で、まずは単線区間の複線化などについて検討を進めていくことは、確かに重要であります。しかしながら、単線区間の解消により、成田空港側で列車を増発できるようにしたとしても、都心側で既に過密なダイヤとなっているため、増発した列車を受け入れることは難しい状況にあると思われます。こうした課題を解消するためには、やはり都心直結線の整備は不可欠であると考えます。かつて成田新幹線の整備構想があったように、国は成田空港と都心とのアクセス強化が極めて重要なものであるとしております。国としても新幹線構想を含めて、鉄道アクセス最重要という位置づけでありました。この構想を引き継ぐ都心直結線についても、同様に重要であることは言うまでもありません。国交省の調査を経て、平成28年の交通政策審議会の答申において、都心直結線が首都圏で最も優先度が高いプロジェクトとして位置づけられたのは、その証拠ではないでしょうか。
一方で、都心直結線は非常に大規模な投資事業であり、整備区間となる東京都の協力も必要であります。こうしたことを踏まえると、県ではなく、国が音頭を取らなければ物事は進まないものと思います。都心直結線をはじめとする鉄道アクセスの強化が、県として最重要の課題であり、都心から遠いと言われ続けた成田空港の悲願でもあります。国策として早期に整備を進めるべきであるということを、熊谷知事からも国に対し、裂帛の気合を持って強く申し入れていただくことをお願いいたします。
次に、千葉北西連絡道路についてでありますが、国や沿線市と連携し、早期に計画の具体化が図られるよう取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、児童相談所について再質問いたします。新設される印旛児童相談所では120名程度の職員体制を予定しており、児童福祉専門職員の採用、人材確保、育成に積極的に取り組んでいることが分かりました。児童福祉専門職員は、平成30年度、7年前には375名でしたが、今年度は760名となり、約2倍に増加し、今後もどんどん増えてまいります。知事部局全体の職員数に占める割合も約1割となりました。専門職員が将来にわたってやりがいと意欲を持って働けるようにするには、退職するまで必ずしもずっと同じ現場の同じ業務に従事するというのではなく、能力や適性に応じてキャリアアップしていく仕組みや、その道筋を示すこと、職員構成に応じた適切なポスト創設が必要と考えます。特に若手職員が今後長く勤務して貴重な戦力となっていくためにも、こうした取組が必要ではないかと考えます。
そこで伺います、児童福祉専門職員のキャリアパスについて、新たなポストの設置を含め、どのように考えているのか。
次に、交通事故対策についてであります。上半期は交通事故死者数や飲酒事故が大きく減少したということですので、各種取組の効果が現れたものと考えます。安全で安心して暮らせる交通安全県ちばは県民全員の願いでありますので、引き続き全力で交通事故防止に取り組んでいただくよう要望いたします。
以上で2回目の質問といたします。
○議長(武田正光君) 都市整備局長横土俊之君。
○説明者(横土俊之君) 地区計画の活用についての御質問ですが、地区計画は街区単位できめ細やかな市街地像を実現していくための制度で、地域の実情に応じたまちづくりに有効な手段と考えており、国も同様の見解であると聞いております。
以上です。
○議長(武田正光君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
○説明者(岡田慎太郎君) 児童福祉専門職員のキャリアパスについての御質問でございます。積極的な採用により児童福祉専門職員の増員が図られている現状を踏まえ、ポストを含めたキャリアパスを示していくことが必要と認識しております。現在、県では人材育成基本方針において、職員の目的意識の醸成等を図るため、将来目指すべき姿や活躍が期待される職域などを示したキャリアパスイメージを掲載しているところでございます。また、必要に応じてポストの新設を行っているところでございますので、今後も職員の意欲的な成長を促すキャリアパスについて検討してまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 瀧田敏幸君。
○瀧田敏幸君 ありがとうございます。3回目、それでは、要望させていただきます。
まず、データセンター問題ですけれども、地区計画は、今の局長の答弁で、地域の実情に応じたまちづくりを進めていくために有効な手段であるということが確認できましたし、国も同様の見解を持っているということでございました。ただ、私はこの問題を、単なるデータセンターと近隣住民のトラブルの次元では考えておりません。ましてや一般的な法律論のレベルだけではなく、ニュータウンにおけるまちづくり、すなわち都市計画に係るゾーニングの趣旨に沿っていないことが問題だと考えております。繰り返しになりますが、千葉ニュータウン中央駅前のデータセンターの建設に関しては、私は、地域の混乱を避けることが重要であり、このままの状態で工事が着工されることだけは絶対に避けなければならないと考えております。印西市の主導、関与の下、住民と事業者が同じ協議のテーブルに着いて、現実的な協議が進められるよう、県としても最大限の御協力をしていただくよう強く要望いたします。
さらに、地元では、今回の土地の売主である事業者、先ほど申し上げましたURと県によって設立された第三セクター―第三セクターというのは公益的な目的を持った会社でありますけれども、その第三セクター、事業者が、タウンセンター地区の駅前に、まだ同様の駅前の土地、別の土地1.5ヘクタールをデータセンター事業者にまた売却しようとしているのではないかという危機感が高まっております。私も本当にこの土地を第三セクターが持っているということを聞いたときに驚きを持ちましたし、本当に危機感があります。地域の混乱している中で、こうした取引が進まないように、進んでは言語道断です。どうかこの点についても、当該事業者に対し、地元市と十分協議するよう県からもしっかり申し入れていただきたいと思います。
次に、児童福祉専門職員のキャリアパスですが、やりがいを持って業務に従事し、責任あるポストに就いて能力を高めていくことが大変重要です。先々のことも見据え、専門職員のキャリアパスの確立に努めていただくよう要望いたします。
以上をもって私の一般質問を終わりとします。御清聴ありがとうございました。
(田中幸太郎君登壇、拍手)
○田中幸太郎君 市川市選出、田中幸太郎です。本日、登壇の機会をいただきました会派先輩・同僚の皆さん方に改めて感謝を申し上げます。
また、本日は流山市より武田議長の雄姿を応援に駆けつけいただきました皆様、今日は御来場ありがとうございます。議長に代わりましてお礼を申し上げます。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
1点目、地球温暖化に対する適応策についてであります。
今年の夏も記録的な暑さとなり、県内においても熱中症による救急搬送が相次ぎました。さらに、日本各地では線状降水帯の発生に伴う豪雨災害が頻発し、地域の暮らしや経済に深刻な影響を及ぼしております。こうした極端な気象状況は、もはや例外ではなく日常的に起こり得る現実となっており、私たちはその要因である地球温暖化の進行を、肌で感じざるを得ない状況にあります。予想を上回るスピードで進む気候変動にいかに備えるかが、まさに現在の最重要課題の1つであると考えます。国際的にも、温室効果ガスの削減、いわゆる緩和策と並んで、避けられない影響にどう対応するかという適応策が、車の両輪で進められております。千葉県においても千葉県地球温暖化対策実行計画を掲げ、農業、水産業の生産活動や県民の健康、さらには水資源や自然災害への対応など、多方面にわたって適応への取組を進めているところと承知しております。
しかし、近年の事象を踏まえますと、果たして、現在の取組で十分に将来のリスクを軽減できるのか、県民の皆様からも不安を覚える声が寄せられています。例えば、東京都においては高齢者世帯を対象にエアコン設置費用を助成したり、水道料金の無償化に踏み切ったりと、先駆的な取組が実施されております。財政力の差はあるものの、こうした事例に学び、千葉県としても、より一層のスピード感を持って施策を拡充すべきではないかと考えます。気候変動への適応は、単に災害対策にとどまらず、県民の健康寿命の延伸や、安心して暮らせる地域社会の維持、さらには産業基盤の強化にも直結いたします。次世代に誇れる千葉を残すためにも、今ここでの判断と行動が極めて重要であります。
そこでお伺いいたします。
第1に、近年の大幅な気温上昇について、適応策を進める県としてどのように認識しているのか。
第2に、地球温暖化に対する適応策について、県はどのように進めているのか。
以上2点について質問いたします。
2項目め、被災地における犯罪とその予防についてです。
本年は阪神・淡路大震災から30年という大きな節目を迎えました。私も先日、自民党青年局の視察として神戸の人と防災未来センターを訪れ、震災の記録や復興の歩みを学んでまいりました。展示や語り部の方々の映像から、復旧・復興の過程をたどることができ、改めて震災の記憶を風化させないことの大切さを実感したところです。また、災害の被害は建物の倒壊やライフラインの途絶といった直接的なところにとどまらず、環境衛生の悪化に伴う健康被害、さらには治安の悪化といった2次的な被害にもつながります。今回はその中でも犯罪という側面に注目したいと思います。災害は直接的な1次被害だけではなく、混乱の中で新たな被害を生み出すことを改めて認識いたしました。特に、災害時には人々の自己統制力が低下することや、外部から犯罪を企てる者が入り込むことなどにより、強盗、窃盗、性被害といった犯罪が増える傾向があると指摘されています。1次被害を受けた被災者にとっては、さらにこうした被害に直面することは大変深刻であり、地域全体に大きな影響を及ぼします。過去の震災の経験を踏まえれば、今後の防災、減災の取組の中に犯罪予防という視点をしっかり組み込んでいくことが必要ではないかと考えます。
そこで伺います。県警では、被災地における犯罪への対策をどのように行っているのか。
また、避難所には不特定多数の避難者が避難を行い、一時的とはいえ、見ず知らずの方々とも同じ場所で集団生活を行うこととなり、プライバシーや安全面への対策が不十分になることも考えられます。
そこでお伺いいたします。避難所における防犯対策に、県としてどのように取り組んでいるのか。
3項目め、外資系企業の誘致についてお伺いいたします。
本県においては、令和5年度に台湾で企業誘致セミナーを開催し、知事が直接本県の立地優位性をPRするなど、台湾との経済交流や投資促進の取組を着実に進めてきたものと評価しています。そうした中、先日、台湾の有力企業で構成される経済団体の訪日団が本県を初めて訪れ、県内企業の視察や経済団体との業務協力に関する覚書の締結が行われるなど、企業間相互の一層の交流促進が図られました。今月9日に開催された交流会には、私も商工労働常任委員長として参加し、台湾の有力な企業の成長性や先進性を実感いたしました。今後もこうした成長力の高い外資系企業を本県へ誘致することについては、地域経済への将来的な波及効果が期待されることから、積極的な取組を行っていく必要があるものとお伺いします。
台湾からの企業訪問団の受入れを契機として、外資系企業の誘致に、県として今後どのように取り組んでいくのか。
次に、運転免許行政について伺います。
本件は前回2月議会に続いての継続質問であり、県民生活に直結する最重要課題として、改めて取り上げるものであります。
まず、県民約400万人が保有する運転免許は、交通安全を支える基盤であり、その適切な維持管理は警察行政の中核でもあります。一方で、運転免許センターでの免許更新の混雑緩和や利便性の向上に取り組んでまいりました。そのような中、3月24日から運転免許証とマイナンバーカードの一体化、いわゆるマイナ免許証の運用が開始されています。住所や氏名の変更がワンストップ化され、優良運転者や一般運転者についてはオンライン講習が可能となり、免許センターの混雑緩和につながることが期待されています。また、更新手続を行う際には免許更新に必要な講習を受講済みであれば、地域の警察署で即日更新が可能となり、県民にとっても大きな利便性となるはずです。こうしたメリットを県民に広く周知し、制度が実効性を持って機能するよう取組を進めていただきたいと考えます。
そこで伺います。第1に、運転免許センターの混雑にどのように対応しているのか。また、警察署におけるマイナ免許証を活用した運転免許更新の状況はどうか。
次に、外国免許切替え、いわゆる外免切替えの課題について申し上げます。
近年、外国人労働者の受入れ拡大により、バスやトラック、タクシーなどの運転手として外国人を雇用する動きが広がり、本県においても申請者が急増しております。こうした状況の中で、国会においても外免切替え制度に関する懸念が相次いで指摘されています。具体的には、知識確認試験の問題が簡単過ぎて日本の交通ルールを十分に理解できていないのではないかという懸念。もう1点は、住民票がない観光客などが、ホテルなどの一時滞在先を居住地として申告できる状況について、事故を起こした際の責任追及や取締りに支障が出るのではないかという問題提起です。
こうした課題がある一方で、これからの日本においては外国人の労働力に期待せざるを得ない現実があります。人材不足が深刻な運送業をはじめ、社会のあらゆる分野で外国人労働者が必要不可欠な存在となっており、その活躍を支える制度設計は避けて通れません。だからこそ、交通安全を第一に据えた適切な制度運用と、安心して就労できる環境の両立が極めて重要であると考えます。これらの課題を受け、警察庁においては、現在、海外制度の調査を進めるとともに、知識確認問題の見直しや住所確認の厳格化など、制度改正を検討していると承知しております。本県としても、外国免許切替え希望者の急増により、予約の長期化や技能確認試験の受験機会不足など、現場での課題が顕在化しています。さらに、外国人運転者による事故件数も増加しており、交通安全を最優先とする立場から、制度運用の厳格化と同時に、交通マナーやルール遵守の徹底指導が欠かせません。
そこで伺います。外国免許切替え手続の現状の課題と県警の取組はどうか。
次に、人口減少社会への対策について伺います。
我が国の総人口は2008年をピークに減少へ転じ、今後は千葉県においても急速な人口減少が避けられない状況です。出生数と死亡数の差による自然減、さらには転出入による社会減が重なり、地域によっては社会インフラや行政サービスの維持そのものが危ぶまれる時代に入ってまいります。こうした現実にどう向き合うのかは、まさに県政の課題の1つであります。新たに策定された千葉県総合計画においても、人口減少社会への対応が明確に課題として位置づけられております。持続可能なまちづくりの実現には、地域の魅力を高める施策と並行して、限られた社会基盤をいかに維持していくのかという現実的な議論を進めることが不可欠であります。この点につきましては、前回2月議会でも取り上げさせていただきました。知事からは、人口減少の進行を緩やかにしていくとともに、地域の活力を維持向上させるため、地方創生総合戦略を推進するとの答弁をいただき、また、総務部長からは、行政サービスの確保は大変重要であり、DXの活用や広域連携による事務の共同処理を含め、市町村と連携しながら議論を深めていくとの答弁をいただいたところです。
そこで伺います。新総合計画では、人口減少対策について、市町村とどのように連携して取り組んでいくのか。
次に、EBPMの推進とオープンデータの活用についてお伺いいたします。
県では、行政の様々なデータを県民や事業者の皆さんに御利用いただけるよう、オープンデータを整備し公開しています。ただ、現状では実際に使われる場面が限られており、県民生活や産業の振興に十分に生かし切れていないように感じます。せっかくの仕組みをもっと役立てていくためには、データ形式の分かりやすさや検索のしやすさ、見せ方の工夫、さらに学校や企業、研究者の皆さんとの連携による活用事例の広がりが大切だと思います。
そこで伺います。オープンデータをより身近に、積極的に使っていただくための工夫や取組はどうか、お聞かせください。
次に、EBPM、エビデンスに基づく政策づくりについてです。
総合計画や行財政改革の場面でEBPMという言葉はよく出てきますが、現状では各部局ごとの取組にとどまり、県庁全体をリードする体制はまだ十分に整っていないように思います。データを根拠にした政策づくりを県全体で進めていくためには、庁内を横断して調整できる仕組みや体制づくりが欠かせません。
そこで伺います。新たな総合計画や行財政改革計画の推進に当たり、どのようにEBPMに取り組んでいくのか。
次、市川の諸課題について伺います。
1項目めはカワウの対策についてです。
この件はこれまでも繰り返し質問している項目であり、行徳湿地の環境保全と周辺市民の生活環境に直結する課題であります。県では、これまで生息数抑制のため市道側外周の樹木を500本以上伐採し、さらに営巣場所を湿地内部へ誘導するためのやぐらを増設するなど、被害軽減の取組を進めていただきました。その対応については一定の評価をしております。しかしながら、毎年12月に行われている調査によれば、平成30年度には約7,200羽であった生息数が、令和4年度には約1万5,400羽、5年度は9,600羽、そして直近の令和6年度には再び1万3,800羽と増加している状況であります。市民からは、依然としてふん害や悪臭に関する被害が寄せられ、湿地内部の樹木も枯死が進行しています。市民にとっても行徳湿地は誇りであり、憩いの場でもあります。だからこそ、カワウの生息数をかつて被害が少なかった水準まで抑制していくことが求められております。
そこで伺います。行徳湿地におけるカワウ対策について、今年度はどのように取り組んでいくのか。
2番目、旧江戸川の護岸整備の進捗状況についてです。
近年、首都直下型地震をはじめとする大規模地震のおそれ、地球温暖化による台風の大型化や局地的な豪雨などの自然災害リスクが増大しており、住宅が多く密集する行徳地域の市民の生命と財産を守るためには、旧江戸川護岸の耐震性を確保していくことが喫緊の課題となっております。
こうした中、市川市事業区間の約5キロメートルで耐震対策が進められておりますが、依然として未整備区間が4キロメートル残されており、現状の事業進捗ペースを踏まえると、完了までに数十年を要するのではないかと危惧しているところです。そのため、私は令和6年2月の定例県議会においても、少しでも早く完了するよう、複数の拠点から護岸工事を進められるようにすべきと要望したところです。(仮称)押切・湊橋の事業が進められていることもありますので、橋梁工事に先駆けて護岸工事を行うことで、そこを足がかりとしながら拠点化をすることで、より多くの箇所から護岸工事を進めていくべきではないかと考えます。
そこで伺います。旧江戸川の護岸整備の進捗状況はどうか。
3番目、最後に真間川下流の不法係留船や放置車両の解消に向けた進捗について伺います。
本年2月議会でも取り上げましたが、真間川下流原木橋から河口までの区間では、係留が認められていないにもかかわらず、多数の船舶が放置され、沈没したままの船舶や放置車両が散見されます。こうした状況は長年にわたり改善されず、テレビ等の報道でも幾度となく管理不全として取り上げられており、県民からも、県は何を対応しているのかとの声を直接いただくところであります。県民の安心・安全を守る立場としても、粛々と対応すべきと考えます。
そこで伺います。真間川下流の不法係留船や放置車両の解消に向けた進捗状況はどうか。
以上、1回目の質問とさせていただきます。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
○議長(武田正光君) 田中幸太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 自民党の田中幸太郎議員の御質問にお答えいたします。
まず、外資系企業の誘致についての御質問にお答えいたします。
県外から新たな活力を呼び込み、地域経済の活性化を図るため、高い成長力と経済効果が期待をされる外資系企業の誘致にも積極的に取り組む必要があると考えています。そのため、県では、立地企業補助金において外資系企業の進出形態に合わせた要件の緩和や、ちば投資サポートセンターによるワンストップ相談窓口での進出支援などを行っています。特に継続的な経済交流を通じて関係性を深めてきた台湾については、個別企業への訪問やビジネスマッチングなどにも積極的に取り組んでいるところです。今後も台湾など成長が見込まれる産業が集積する国や地域をターゲットとし、地域と融和し、広域的な経済発展に資する投資を戦略的に呼び込んでまいります。
次に、EBPMの推進についての御質問にお答えいたします。
データなど根拠に基づき政策を立案するEBPMの考え方は、県の施策の有効性を高め、県民に信頼される行政を目指す上で重要であると認識をしています。このため、これまでも計画に掲げた具体的な数値目標や各種施策の実施状況等について客観的に分析、検証し、必要な改善に取り組んできたところであり、新たな総合計画においても、基本目標の実現に向け、EBPMの手法を踏まえて施策を展開してまいります。また、改訂作業を進めている行財政改革計画においても、定量的な指標を設定し、適切な進捗管理と効果の検証を行うこととしております。引き続き様々なデータ等も活用しながら、効率的、効果的に計画を推進してまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。
○議長(武田正光君) 環境生活部長井上容子君。
(説明者井上容子君登壇)
○説明者(井上容子君) 地球温暖化対策に対する適応策について、初めに気温上昇についての県の認識に関する御質問ですが、日本の年平均気温は令和5年、6年と2年連続で過去最高を更新しており、長期的には100年当たり1.4度の割合で上昇しているとされています。また、平均気温の上昇、大雨の頻度の増加などによる農作物の品質低下、災害の増加、熱中症リスクの増加など、気候変動及びその影響が本県においても現れており、今後の豪雨災害等のさらなる頻発化、激甚化等、将来世代にわたる影響が強く懸念されています。このため、県としては、温室効果ガスの排出削減等を行う緩和策を進めるとともに、気候変動の影響による被害を回避、軽減する適応策を進めていくことが重要であると考えています。
次に、県の適応策に関する御質問ですが、県では、令和5年3月に改定した千葉県地球温暖化対策実行計画において適応策についても定めており、気候変動適応法に基づく地域気候変動適応計画として位置づけています。具体的な適応策としては、農林水産業における温暖化に適応した新品種の育成や栽培技術の開発、普及、また、洪水など自然災害に対する計画的な河川整備、流域治水の推進に取り組むとともに、熱中症対策として、予防対処法の普及啓発や暑さを避けるための涼みどころの設置促進等に取り組んでいます。引き続き農林水産業、自然災害、健康等の様々な分野において、気候変動影響を踏まえた施策に積極的に取り組んでまいります。
最後に、行徳湿地のカワウ対策についてお答えします。
行徳湿地においては、カワウの増加により周辺地域でのふん害や悪臭などの生活被害等が発生していることから、県では、昨年度、営巣が多くふん害が大きい市道側樹木の大規模な伐採や、営巣場所を湿地内部に誘導するやぐらの設置などにより、被害の軽減を図ったところです。今年度は、引き続き樹木の伐採等を行うほか、国や本県を含む関係自治体で構成する関東カワウ広域協議会において、新たに繁殖抑制を目的としたドライアイスによる卵のふ化防止試験を実施する予定です。これらの取組を通じて、引き続き生活被害の防止や生息数の抑制を図りながら、行徳湿地が良好な自然環境を有する近郊緑地として、県民の方々が親しめる湿地となるよう努めてまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 警察本部長青山彩子君。
(説明者青山彩子君登壇)
○説明者(青山彩子君) 私からは、まず、被災地における犯罪対策に関する御質問にお答えいたします。
大規模な災害により混乱した被災地では、無人化した住宅街、商店街等における窃盗などのほか、避難所等において女性や子供等に対する性暴力等の犯罪が発生しやすいものと認識しております。県警では、これら犯罪の対策として、被災地及びその周辺におけるパトロールを強化するとともに、避難所等に対する定期的な訪問や防犯指導を行うなど、発生が予想されるこれら犯罪の徹底した取締りと抑止活動を行うこととしております。また、インターネット上では、災害に関連した偽情報の拡散もあることから、広く情報収集を行い、被災者等に対する適切な情報提供を行うなど、社会的混乱の抑制に努めることとしております。
次に、運転免許行政についてお答えいたします。
運転免許センターの混雑対応と警察署におけるマイナ免許証の更新状況に関する御質問ですが、県警では、運転免許センターにおける運転免許証更新申請者の混雑を解消するため、令和5年12月に運転免許証更新手続の事前予約システムや申請自動受付機を導入したことによって、申請者数の平準化や手続の利便性向上が図られ、更新申請者の混雑が緩和したところであり、引き続き混雑解消に努めてまいります。
また、令和7年7月末現在における本県のマイナ免許証保有者は7万6,687人であり、うち421人の方が警察署においてマイナ免許証を活用した即日更新を行っております。
最後に、外国免許切替え手続の課題と取組に関する御質問ですが、近年、在留外国人のほか短期滞在外国人からの外国免許切替え手続の申請が増加傾向にあり、知識確認、技能確認の待ち日数が長期化しているところです。県警では、待ち日数対策として、本年6月から知識確認の予約制を導入したほか、技能試験官の増員による体制強化を図っております。また、国から、10月1日からは原則として国籍を問わず、住民票の写しの提出を求めるなど、申請者の住所確認を厳格化するほか、知識確認についても問題数の増加及び合格基準の引上げを行う等の方針が示されたことから、当該方針も踏まえ、適正かつ円滑な外国免許切替え手続を推進してまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 防災危機管理部長青柳徹君。
(説明者青柳 徹君登壇)
○説明者(青柳 徹君) 避難所における防犯対策についての御質問ですが、多くの方が共同で生活する避難所は、被災の混乱に乗じて窃盗や性暴力などが誘発、助長されてしまう懸念もあることから、避難所の設置主体である市町村をはじめ、被災者及びボランティアなどの支援者全体で高い防犯意識を持って対策を進めることが重要です。このため、県では、災害時における避難所運営等の手引きにおいて、避難所における私物管理の周知徹底に加え、仮設トイレ及びその周辺への照明の設置やパトロールの実施、防犯ブザーの配布などの防犯対策を市町村に求めているところです。また、防災啓発サイト「じぶん防災」や防災研修センターで行う避難所をテーマとした研修においても、窃盗や詐欺の被害に遭わないための対策や、性暴力防止に関するポスターの掲示などを県民等に周知、啓発しているところであり、今後とも避難所における防犯対策の強化に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 総合企画部長三神彰君。
(説明者三神 彰君登壇)
○説明者(三神 彰君) 新総合計画における市町村と連携した人口減少対策についての御質問ですが、新たな総合計画では、県として取り組むべき課題の1つとして、本格的な人口減少社会への対応を掲げ、少子化対策や地域の特色を生かした産業振興、移住、2地域居住の促進、都市機能を集約したコンパクトなまちづくり等について、市町村と連携して取り組むこととしております。また、今後さらなる人口減少による市町村職員の不足も見込まれることから、DXの推進等による業務の効率化や、市町村間の広域連携を促すとともに、県による業務の補完、支援など、市町村との連携強化について検討を進めてまいります。さらに、これらの取組の実施に当たっては、県と市町村の間で地域の課題に対する共通認識を持つことが重要であることから、年度内を目途に、各地域の様々なデータや実情を踏まえて市町村と議論を深め、人口減少対策について、ともに取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) デジタル改革推進局長牧野好二君。
(説明者牧野好二君登壇)
○説明者(牧野好二君) オープンデータの活用の取組についてお答えいたします。
県では、地域課題の解決などに幅広く活用されるよう、県のホームページ内で保有するデータの公開を進めてきましたが、今年度は新たに専用のサイトを構築し、県民や事業者の方々が、よりオープンデータを活用しやすいよう機能を強化することとしています。具体的には、データの内容をグラフや地図で分かりやすく表示するダッシュボード機能や、複数のデータを一括でダウンロードできる機能を追加するなど、利用者の利便性向上を図ります。また、地域課題の解決策をデータを活用して企画、立案するアイデアソン等のイベントを県内の大学生等を対象に開催することで、オープンデータ活用の機運醸成や人材育成に取り組んでいるところであり、今後とも活用が広がるよう工夫してまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 県土整備部長四童子隆君。
(説明者四童子隆君登壇)
○説明者(四童子隆君) 旧江戸川についての御質問ですが、旧江戸川については河口から9.3キロメートルまでの区間で、既設護岸の耐震対策として地盤改良等の護岸整備を実施しており、これまでに4.7キロメートルの整備が完了しております。このうち市川市内の5キロメートル区間については、0.9キロメートルの整備が完了しており、現在、島尻地区と広尾地区において護岸工事を進めております。また、(仮称)押切・湊橋の架橋予定地である押切地区と湊地区等において、現在、工事着手に向けた護岸詳細設計を実施しており、引き続き地元の協力をいただきながら事業の推進に努めてまいります。
次に、真間川下流の不法係留対策等についての御質問ですが、真間川下流においては、昨年10月時点で不法係留船65隻、放置車両12台を確認しておりましたが、所有者への撤去指導などに努め、本年7月時点では、それぞれ50隻及び6台に減少したところです。今年度からは、これまでの取組に加え、船舶や車両としての機能を喪失している所有者不明のものについて、順次、廃棄物として処理を進めていくこととしております。引き続き撤去指導などを行うとともに、所有者が撤去に応じない場合や不明な場合は、法令に基づく撤去を検討するなど、対策の着実な推進を図ってまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 田中幸太郎君。
○田中幸太郎君 それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。順次、要望、再質問をさせていただきたいと思います。
まずは気候変動の対策についてです。産業革命以降、世界の平均気温が1.4度上昇したというお話なんですけど、しかし、実際には、この気候変動は想定以上のスピードで進んでいるように実感をしております。県民が健康に、そして安全に生活していくためには、これまで以上に幅広い分野で適応策の強化が求められているのではないでしょうか。例えば農業の現場では、市川の梨農家が、高温により大玉品種の新高が育たず、やむなく伐採したと語っていただくなど、地場産業にも深刻な影響が出ております。また、教育現場においては、昨日、渡辺議員も熱中症対策についての質問でもあったように、連日の熱中症警戒アラートの下で授業や部活動が制限され、子供たちの学びや成長にも影響が及んでおります。さらに、屋外で働く方々からは、日中は暑過ぎて仕事が進まず、工期が予定より延びてしまうといった悲痛な声も寄せられており、建築やインフラ整備といった社会基盤にも影響が及び始めています。このように、気候変動は健康や1次産業のみならず、産業経済や災害対応、さらには教育や労働環境に至るまで県民生活の基盤全体を揺るがす課題となっております。
そこで、再質問いたします。県民生活を守るために、今後さらに適応策を強化すべきではないでしょうか。再質問です。
被災地における犯罪とその予防についてであります。県警、また防災担当として、被災地では社会インフラが機能不全に陥り、犯罪、性暴力や窃盗などが発生しやすいということも認識いたしました。災害時での混乱の中、警察の犯罪認知件数よりも多くの事案、被害が発生していると推測されます。私は、予防に向け、より必要な視点は自助、共助の視点で、県としても、手引きには記載されてあると啓発をされているとのことでありますけれども、地元の防災訓練などでは、あまり防犯意識というものが浸透されていないように感じております。
そこで再質問します。防災訓練において避難所における防犯対策の視点も取り入れていくべきと考えるが、どうか。
外資系企業誘致についてであります。先ほどの知事答弁でも、これまでも外資系企業誘致には意欲的に取り組まれているということが改めて分かりました。現在、アメリカの関税問題などもあり、企業を取り巻く投資環境は不透明感が増していると感じています。一方で、外資系企業など県外からの投資ニーズも取り込み、本県経済への活力とするチャンスと捉えることもできると思いますので、今後も地域に受け入れられ、成長力やブランド力を兼ね備えた外資系企業の誘致に戦略的に取り組むよう要望いたします。
運転免許行政についてであります。今年3月24日にマイナ免許証の運用が開始されて、警察署でマイナ免許証を活用した即日更新は421人ということ。マイナ免許証の保有状況推移を見守るところですが、個人的にはあまり選ばれていないのかなという感想です。
そこで再質問いたします。今後、マイナ免許証の周知や従来型の運転免許証の更新を含め、北総地域をはじめとした県民の利便性向上にどのように進めていくのか。
また、外免切替えです。交通安全を守るための厳格な審査は必要ですが、適正に免許を取得したい外国人が円滑に手続できる環境整備も重要です。技能試験の機会確保や待ち日数の短縮など、改善に取り組んでいるとのことですが、10月1日から施行される厳格化と併せて適正に対応していただきますよう要望いたします。
人口減少社会への対策です。人口減少社会への対応については、市町村ごとの個別事情に配慮することが不可欠です。そのため、同じような属性や課題を持つ地域ごとに議論を深める場を設けることを期待いたします。また、単に行政サービスの効率化やダウンサイジングにとどまらず、地方の魅力や活力を高める視点からの活性化策についても、積極的に議論を進めていただきたいと思います。さらに、県として基礎自治体が自ら取り組むことが難しい課題についてはしっかりと支援していただき、持続可能な地域づくりにつなげていただくことを要望いたします。
EBPMの推進とオープンデータの活用についてです。私は、EBPMという本質は成果につなげる道筋表にあると考えています。いわゆるロジックモデルというものです。政策の目的や手段、成果指標を道筋立てて示し、検証できる形にすることで、施策の効果をきちんと評価できるようになります。これは県民の皆さんへの説明責任を果たす上でも大切で、施策評価や次の計画を改善していくためにも欠かせない考えだと思います。
そこで再質問いたします。行政の活動と最終的な成果の因果関係を分かりやすく示すロジックモデルを作成すべきと考えるが、どうか。
以上、再質問、要望です。お願いいたします。
○議長(武田正光君) 環境生活部長井上容子君。
○説明者(井上容子君) 適応策の強化に関する御質問ですが、将来の気候変動及びその影響の予測評価には不確実性が伴うため、適応策については常に最新の科学的知見を踏まえることが重要です。このため、県としては、最新の知見に応じて各分野における適応の取組を進めていくとともに、県民や事業者が気候変動適応の重要性に対する関心と理解を深め、自ら適応行動を行えるよう、普及啓発に取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 防災危機管理部長青柳徹君。
○説明者(青柳 徹君) 防災訓練にも防犯の視点を取り入れていくべきとの御質問でございますけども、地域の防災訓練においては、主に避難行動や初期消火、応急手当などの訓練が実施されているというところでございますけれども、犯罪予防の視点を踏まえた避難所レイアウトの作成ですとか避難所パトロールなどについても、訓練要素として積極的に取り入れるように市町村、自主防災組織等に対し、研修会など様々な機会を通じて周知啓発を図ってまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 警察本部長青山彩子君。
○説明者(青山彩子君) 県民の利便性向上に関する御質問ですが、県警では、引き続きマイナ免許証のメリットについて、各種広報媒体を活用した周知を図ることにより、制度を正しく理解した上で、個人のニーズに沿った選択をすることができるよう努めてまいります。また、マイナ免許証の普及状況等を踏まえ、木更津警察署で実施している一定条件を満たした方を対象とした従来免許証即日交付の対象拡大に向けた検討を進めるほか、北総地域についても利便性向上に向けた検討を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 総合企画部長三神彰君。
○説明者(三神 彰君) ロジックモデルを作成すべきではないかとの御質問ですけれども、施策の有効性を分析することは重要であると考えておりまして、新たな総合計画では、施策を効果的、効率的に推進できるようロジックモデルを作成するとともに、各取組と目標の関係を県民に分かりやすく示すことも含め、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(武田正光君) 田中幸太郎君。
○田中幸太郎君 各再質問、ありがとうございました。答弁いただきました。
気候変動の対策についてです。確かに気候変動の対応には不確実性が伴うというのは理解をしております。しかし、だからこそ温暖化のスピードに遅れを取らないよう、先を見越した対策を積極的に進めていただきたいと思っています。また、普及啓発の取組も大切ではありますが、実際に県民生活を守るためには、適応のための具体的な対策にしっかりと予算を振り向けていくことが何より重要です。今議会において農業の高温対策に対する補正予算が計上されたことは高く評価するところであります。こうした取組を一層広げていただきたいと思っています。例えば、教育環境や災害対策の視点からは体育館への空調設備の早めの整備、また、働く方々の健康を守るためには屋外労働環境の改善など、現場で求められている施策は数多くあると思います。県民の安心と安全を守り、将来にわたって誇れる千葉を築くためにも、ぜひともこうした適応策への予算措置を一層強化していただきますよう要望いたします。
被災地における犯罪とその予防についてです。初期消火、応急手当などの訓練に加え、犯罪予防の視点を踏まえた避難所レイアウト作成ですとか避難所パトロールなどにも積極的に取り組んでいかれるという御理解、ありがとうございます。警察と連携しながら、被災地における犯罪とその予防について啓発していただき、各地域での防災訓練にも防犯の視点を体系的に組み込んでいただけるよう要望いたします。
運転免許行政についてでございます。個人の判断もあるかと思いますが、これからもマイナ免許証のメリットを含めた周知を図っていただきたいと思っています。また、木更津署の拡大と併せて北総地域にも拠点を検討されるとのことであります。先日も運転免許センターで即日更新に来られた友人から、混雑がひどいと、また、空調も効いていないと改善要望をいただいたところでございます。運転免許センターに時間をかけて来られなくても、千葉県南部の方々は木更津署で、東部の方々は北総地域の拠点で対応できるよう、環境整備を前向きに検討していただきますよう要望いたします。
最後、EBPMの推進とオープンデータの活用についてでございます。執行部からは、EBPMや政策評価に基づく施策展開、そしてロジックモデルの総合計画への盛り込みについて前向きな答弁をいただいたところであります。しかし、計画に記載するだけでは不十分であり、実際に活用してこそ真価を発揮するものと考えます。EBPMの本質は論理的思考にあり、データの活用はそのための手法にすぎません。導入に当たり一定の手間が生じることは承知しておりますが、持続可能な行政運営と県民への質の高い行政サービスのためには欠かせない考えです。ぜひ総合計画にとどまらず、幅広い事業で積極的に取り入れていただきたいと要望し、私からの一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(武田正光君) 暫時休憩します。
午前11時31分休憩
午後1時0分開議
○副議長(三沢 智君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により赤間正明君。
○赤間正明君 市川市選出、公明党の赤間正明でございます。順次、通告に従い質問させていただきます。
まず、中小企業支援について。
最低賃金引上げについて。
今年8月、最低賃金の国の目安が平均で過去最大の63円引き上げられ、初めて全国平均が1,100円台の1,118円となりました。国は今後、最低賃金1,500円の目標時期を前倒しし、持続的な賃上げを目指しています。最低賃金の引上げは、法律で定められた厳しいルールであり、違反した企業には罰則が科せられます。これにより約700万人の労働者の賃金が底上げされ、正社員と非正規社員の賃金格差を縮める効果も期待されます。一方で、最低賃金の上昇は中小企業にとって大きな負担となります。生産性の低い中小・零細企業が多数存在する日本では、この影響は無視できません。しかし、近年の研究では、適切な引上げは企業の競争意欲を高め、経済全体を押し上げることが実証されています。特に先進国では、雇用への悪影響は小さいという見方が主流です。例えば、米国の経済学者が2019年に発表した研究では、最低賃金を10%引き上げても、雇用は平均で1から3%の減少にとどまり、長期的な経済成長にはプラスに作用すると結論づけています。こうした状況だからこそ、中小企業が生産性を高め、コスト増を価格に転嫁できるような支援が不可欠です。デジタル技術の導入は、そのための重要な手段であり、県による強力なサポートが必要だと考えます。
そこで伺います。最低賃金の引上げが今後も続く中で、県として、中小企業の生産性向上につながるデジタル実装支援を強化すべきと思うが、どうか。
次に、奨学金返還支援事業についてです。
千葉県が新たに始める中小企業の人材確保に向けた奨学金返還支援事業が、いよいよ9月から始まります。この事業は、従業員の奨学金返還を支援する県内中小企業に対して、県が費用の一部を補助するものです。これにより若者の経済的負担が軽くなり、企業側も優秀な人材を確保しやすくなります。また、企業が直接返還を代行する代理返還分は、企業の経費として計上でき、税金の負担を減らせる場合もあります。既にこの事業は「県民だより」や県のホームページで紹介され、支援制度を導入している企業も掲載されています。しかし、他都県との人材獲得競争に勝つためには、2025年9月に実施されるこの事業を、さらに多くの企業に広める必要があります。
そこで伺います。中小企業の人材確保に向けた奨学金返還支援事業について、さらなる導入企業の拡大と若者への周知が必要だと考えるが、県の認識はどうか。
次に、インフレ経済下における基金の扱いについてです。
現在、消費者物価指数は38か月連続で2%を上回り、2025年6月には3.3%の上昇を記録しました。東京23区の賃料が1年間で9.4%上昇するなど、物価上昇は月単位で加速しています。このようなインフレに伴う金利上昇は、債券価格の下落を招き、債券保有に大きなリスクをもたらしています。最近、生命保険会社の巨額の含み損が報じられましたが、自治体も例外ではありません。日本経済新聞の報道によれば、2025年1月末時点の基金の含み損益について、回答した6府県全てで10億円以上の含み損が生じたとのことです。ある県は146億円の巨額な含み損でした。しかし、千葉県の債券含み損益の現状をお聞きしましたが、県からは、満期償還を原則としており、含み損の計算はしないとの回答でした。これは、債券価格が下落していても、満期まで保有すれば元本が戻るため、一時的な評価損は問題視しないという考え方に基づいています。本来ならアセットアロケーションの見直しが必要なのです。しかし、地方自治体だけは、そのようなことは法律上できない。信じ難いことですが、今の時代でも、自治体の基金運用は絶対に元本を割り込んではいけないのです。だからこそ、債券を買い続けるしかないのです。
そこで伺います。インフレに伴う金利上昇は、債券価格の下落を招き、基金運用に大きなリスクをもたらすが、株式のような元本割れのリスクのある商品での運用は地方自治法の規定に抵触するとの理解で間違いないか。また、県は基金について、どのような考え方で運用しているのか。
次に、上下水道の課題について。
最初に下水道の事故防止対策についてです。
下水道管が損傷すると、道路が陥没し、交通や人々の生活に大きな影響を与えます。特に大規模な事故に備えるには迅速な対応が必要です。そのために、応急処置として一時的に水を流すための仮設バイパス管の必要性について、県の認識を伺います。
事故発生時の緊急措置として、仮設のバイパス管の必要性について、県の認識はどうか。
次に、下水道大口径管の多重化に関する計画についてお伺いいたします。
国土交通省は2026年度、下水道事故への対策を強化するため、市民生活に大きな影響を与える大型管の更新や多重化事業に対し補助制度を設けるとの方針を示しました。この補助制度は、直径2メートル以上の大口径管や緊急輸送道路に敷設された幹線管路を対象としています。本県も多重化の対象となる下水道大口径管を有しています。
そこで伺います。千葉県は多重化の対象となる下水道大口径管を有しているが、多重化に関する計画にどのように対応していくのか。
次に、上水道の災害対策。
最初に大口径水道管バルブについてお伺いいたします。
企業局水道事業震災対策基本計画によれば、資機材の備蓄について、「発災直後は、メーカー等からの材料調達が困難となることから、一週間分程度を目安として配管材料を備蓄する」とあります。特に震災対策として、今年度、大口径水道管の備蓄予算を確保し、対策を講じました。従来の調達から備蓄に向けた取組であると評価いたします。今後の課題は大口径水道管バルブの確保です。千葉県に備蓄はありませんが、バルブは水道管内の水の流れを止めたり、再開したりする最も基本的な役割を果たします。水道システムの円滑な運用と、災害時における水の安定供給に不可欠な存在なのです。特に大口径水道管バルブは、高価であることから、メーカーは受注生産となっており、災害が発生した場合は、長期間、調達は不可能となります。製造に数か月かかることも珍しくありません。このため、大規模災害発生時には、水の供給停止が長期化するリスクがあります。県民の生命線である水を守るためにも、このリスクを事前に解消しておくことは急務です。
そこで伺います。千葉県企業局において、災害時に調達が難しい大口径水道管に対応したバルブを備蓄すべきと思うが、現在の検討状況はどうか。
次に、迅速な対応戦略についてお伺いいたします。
また、備蓄した資機材を災害時に迅速に活用するためには、京葉道路などの国道インター近くのアクセスが便利な複数の置場に漏水対策に必要な砂や土のう等を確保するとともに、事故現場から生じる土砂を搬入できる空きスペースを確保することが重要と考えます。大規模な漏水事故が発生した場合、現場には大量の土砂が発生し、その処分に手間取ると復旧作業が遅延します。また、復旧作業に必要な資材を遠方から運ぶことは、時間とコストを大幅に増大させます。そこで、国道インター付近のアクセスが良好な場所に資材の備蓄と土砂の搬入スペースを確保することで、復旧作業を円滑に進めることができます。県として、関係団体や民間と協働し、大規模漏水事故などへの迅速な対応を推進すべきと思います。
そこで伺います。漏水などの災害、事故に迅速に対応するため、民間と協働し、国道のインター付近に、事故対応に必要な砂等を備蓄し、作業後生じた土砂を搬入できるスペースを確保すべきと思うが、どうか。
次に、企業局のICT化推進についてお伺いいたします。
水道管路の情報管理について、千葉県は民間企業との随意契約でシステムを運用しています。このシステムは、水道管路の更新情報が紙の図面で送られ、システムに反映されるまでに1か月以上もかかると聞いて驚きました。これは、災害時の迅速な情報共有を妨げるだけでなく、日々の業務も非効率にしています。さらに、この単純なデータ更新作業に年間4億7,000万円もの予算が使われていることに疑問を感じます。水道管路情報は県民の安全に関わる重要な情報であり、リアルタイムで更新、共有できる独自のシステムを検討すべきです。この随意契約については見直しが必要ではないでしょうか。例えばGIS、地理情報システムと連携したデータベースを構築すれば、現場からの情報が即時にシステムに反映され、より正確で迅速な意思決定が可能となります。このようなシステムは、初期費用がかかるものの、長期的に見ればコスト削減と業務効率化に大きく貢献します。年間4億7,000万円もの費用を投じながら、1か月もかかる非効率的なシステムを維持することは、県民の税金の観点からも見直すべきと考えます。
そこで伺います。企業局は水道管路情報の管理のため、民間企業との随意契約を結び、更新作業に1か月以上もかかるシステムに毎年4億7,000万円を支払っているが、契約の見直しが必要と思うが、どうか。
次に、県水お客様センター事業についてです。
県水お客様センターへの相談の約84%は料金に関するものです。これらの問合せは、SNSや自動音声ガイダンスでも対応が可能です。企業局からは、来年1月からAIチャットボットや通話内容を自動で要約するシステムの導入が予定されているとのことです。これにより人件費の削減やサービス品質の向上も期待できます。
そこで伺います。県水お客様センターにおいて、ICTを活用することで、具体的にどのような効果が期待されるのか。
次に、解体工事の重要性についてお伺いいたします。
解体工事業における安全と品質確保の強化についてです。
老朽化したインフラの更新や都市の再生に伴い、解体工事の需要が高まっています。これに対応するため、平成28年には解体工事業が建設業法上の新しい業種として設けられ、専門技術者の配置が義務化されました。しかし、いまだに無資格業者による工事や、安全基準を無視した低コスト受注が横行し、品質低下や事故リスクが増大しています。特に埼玉県川口市では、法令を無視した解体業者により、安価な競争が市場を乱しているとの報道もあり、問題が深刻化しています。こうした状況は、平時だけではなく、災害時の迅速な復旧を妨げる重大な課題となります。健全な解体業者を育てることは喫緊の課題です。
私は先日、先進的な取組を進める長野県を視察しました。長野県では、公共工事の入札条件に解体工事施工技士の資格者配置を必須とし、その結果、入札参加企業の9割以上が専門知識を習得しています。さらに、自社雇用の技術者を評価することで、下請に丸投げすることを防ぎ、自社保有の専門重機で施工する事業者も評価しています。この長野県の取組は、価格だけではなく業界全体の水準を向上させ、健全な競争環境をつくる上で非常に有効です。千葉県においても、同様の取組を導入することで、技術力のある事業者が正当に評価され、業界全体の底上げを図るべきです。
そこで伺います。解体工事施工技士のような専門資格を有する事業者を評価するなど、育成支援していくべきと考えるが、どうか。
次に、再生砕石の利用拡大についてです。
建物の解体で出る廃コンクリートを砕いて作る再生砕石は、道路の路盤材などに使われますが、インフラ整備が進んで需要が伸び悩んでいます。その結果、再生砕石が滞留し、新規の廃コンクリートの受入れが難しくなるという問題が起きています。東京都などからの搬入もあり、県内の多くの事業者が厳しい状況にあります。今後、耐用年数を超える建物はさらに増えていくため、この問題を放置すれば、建物の解体自体が遅れることにもなりかねません。早急な対策が必要です。公共工事において、千葉県産の再生砕石を積極的に活用することは、この問題の解決につながるとともに、地域経済の活性化にも貢献します。
そこで伺います。公共工事において、千葉県産の再生砕石の利用拡大が必要と考えるが、どうか。
次に、80平方メートル未満のアスベスト解体工事についてです。
現在、建物の解体工事におけるアスベスト対策は、国の建設リサイクル法に基づき、延べ床面積80平方メートル以上の建物が主な対象となっています。しかし、法律の対象外である80平方メートル未満の小規模な建物にもアスベスト含有建材が使用されている可能性は十分にあります。こうした現状は、住民や解体作業者の健康を脅かすリスクをはらんでおり、看過できません。既に長野県や横浜市では、独自の実施要綱を定めることで、法対象外の小規模解体工事においても、アスベストの適正な撤去、処分を指導しています。これらの先進事例を参考に、県としても独自の対策を講じていただきたい。
そこで伺います。千葉県として、建設リサイクル法の届出対象外である80平方メートル未満の解体工事におけるアスベスト対策を講ずるべきと思うが、どうか。
次に、エッセンシャルワーカーの働き方改革についてお伺いいたします。
ごみ収集は、私たちの生活を支える不可欠な仕事です。しかし、物価やエネルギー価格が高騰する中で、自治体からの委託料が据え置かれていることが多く、ごみ収集に携わる方々の賃上げや人材確保を難しくしています。この状況を受け、環境省は、労務費やエネルギーコストなどを適正に委託料に転嫁するよう、自治体に通知を出しました。しかし、国が調査したところ、廃棄物処理業の価格転嫁率は全業種と比べて低い水準にとどまっています。このため、千葉県は公明党の提案を受けて、市町村のごみ収集契約の実態を把握するためのアンケート調査を実施してくださいました。ありがとうございました。既にその結果は市町村にフィードバックされています。引き続き県としても、このアンケート結果がエッセンシャルワーカーの皆様の働き方改革につながるよう、市町村と連携し取り組んでいただきたいと思います。
そこで伺います。
一般廃棄物処理に関する市町村アンケートの結果からどのようなことが判明したのか。
国の通知を踏まえ、一般廃棄物収集業者における働き方改革の推進について、県としてどのように取り組むのか。
次に、千葉県優秀技術者表彰制度についてお伺いいたします。
歴史のある優良建設工事表彰制度に加え、昨年から始まった千葉県の優秀技術者表彰制度は、公共工事における技術者の功績をたたえ、技術力向上と建設業界のモチベーション向上につながる極めて重要な意義を持つものです。しかし、その運用実態と評価基準には、多くの疑問の声が上がっています。まず、評価項目に施工上の課題となる条件、作業環境や気象状況及び地質などへの対応を図っているなど、客観的な数値ではかることが難しく、評価者の主観に左右されやすいものが多く見られます。これでは、受賞者がなぜ選ばれたのか、あるいは選ばれなかったのかが不明瞭であり、制度の公平性が担保されているとは言えません。その不均衡さは、受賞者数にも顕著に表れています。優良建設工事表彰の受賞企業数が、令和6年度には86社、令和7年度には80社と安定している一方で、例えば、企業局所管の優秀技術者表彰の受賞者数は、令和6年度の7名から、翌年度には僅か1名と激減しているのです。優良な工事の背景には必ず優秀な技術者の存在があるはずです。令和7年度の優良な工事を手がけた企業80社のうち、技術者として表彰に値する人物は、企業局所管においては僅か1名のみという。この現状は、極めて不自然かつ制度の運用に根本的な課題があることを示唆しているのではないでしょうか。企業局は名簿を出し忘れたのではないかとの声が寄せられたほどです。この表彰制度は、単なる名誉にとどまらず、将来的に技術者のキャリアや入札にも影響を及ぼす可能性があります。県民の信頼を得るためにも、誰もが納得できる透明性の高い制度にすることが不可欠です。
そこで伺います。優秀技術者表彰制度について、選定基準を客観的なものにするなど、分かりやすく誰もが納得できるものにすべきと思うが、どうか。
最後に、胃がん対策についてお伺いいたします。
9月はがん制圧月間。日本人の2人に1人はがんにかかるとされていますが、胃がんについては、2013年、胃がんの原因となるピロリ菌に感染した胃炎について、胃カメラを実施した上で除菌治療を保険適用にしたことで、死亡報告数は直線的に減少し、この12年で何と23%減となりました。実は厚生労働省は長らく、がん対策は生活習慣病対策室が担当していて、感染症が原因であるがんに対する認識が不足していました。しかし、現在、胃がん予防のためのピロリ菌除菌の保険適用の中で、公明党による申入れの結果、がん対策・健康増進課という部署が新設されたのです。そのような中、千葉県はピロリ菌が胃がんのリスクであることは認めるが、除菌による予防効果はまだ明らかでないと回答していますが、既に現在、国立がん研究センターなどの研究機関は、ピロリ菌の除菌が胃がんのリスクを確実に低下させると結論づけています。千葉市、市川市のように、県民誰もが胃がんリスク検査を受けられる体制を構築し、がん制圧に総力を挙げるべきではないでしょうか。
そこで伺います。現在の日本の医学界では、ピロリ菌除菌が胃がん発症予防に有効であるという認識が確立されているが、県として、県内市町村へのヒアリング等を通じた、本県での取組の必要性についてどう考えているのか。
以上で1回目の質問を終わらせていただきます。前向きな御答弁を、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○副議長(三沢 智君) 赤間正明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 公明党の赤間正明議員の御質問にお答えいたします。
まず、中小企業支援についてお答えいたします。
デジタル実装支援についての御質問ですが、最低賃金の引上げが続く中、中小企業が賃上げの原資を確保し持続的に事業を展開していくためには、デジタル技術の導入などを通じて生産性の向上を図ることが重要であると認識をしています。県では、デジタル支援体制の強化を図るため、プッシュ型企業訪問や専門人材による伴走支援を実施しているところであり、現在、県内企業から多くの相談が寄せられております。このような状況を踏まえ、今議会において伴走支援を行う専門人材の増員に係る補正予算案を計上したところであり、支援体制のさらなる充実を図ることで、県内中小企業の賃上げの原資の確保につながる生産性の向上等にしっかりと取り組んでまいります。
次に、県水お客様センターについての御質問にお答えいたします。
現在、県水お客様センターで行っている電話相談については、令和8年1月から相談内容を自動で記録、要約する機能を追加し、効率化を図ることとしています。また、定型的な手続や問合せなどについては、ウェブ上にお客様専用ページを開設し、転居や支払い方法の変更などの手続や、チャットボットによる相談、回答などが24時間可能となります。この新たなシステムに移行することにより、現行の受付業務の委託費用については、今後の3年間で1億円程度削減できるものと見込んでおります。また、お客様にとっては、専用ページによりスマートフォンなどから水道料金等の確認などもできるようになり、利便性の向上につながるものと考えております。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。
○副議長(三沢 智君) 商工労働部長関雄二君。
(説明者関 雄二君登壇)
○説明者(関 雄二君) 奨学金返還支援事業についての御質問ですが、中小企業への奨学金返還支援事業は、人材確保や入社後の定着につながるものと認識しており、より多くの若者に県内企業へ就職してもらうため、積極的に本事業を活用していただきたいと考えています。このため、県では、本事業について各種広報媒体での情報発信や、中小企業が集まる会議での説明を行うほか、企業が奨学金の代理返還を行うことによる税制上のメリット等も県ホームページでお知らせし、奨学金の返還支援を導入する企業の拡大を一層図ってまいります。また、若者に対しては、企業選びの参考になるよう、奨学金の返還支援に取り組む企業について、県ホームページにその支援内容を掲載するとともに、大学、ジョブカフェちば等の関係機関と協力して周知を図るなど、企業の情報がしっかり届くよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 会計管理者木村文和君。
(説明者木村文和君登壇)
○説明者(木村文和君) 基金の運用に関する御質問にお答えいたします。
地方自治法では、基金は元本の安全性を最優先とした上で、確実かつ効率的に運用しなければならないとされていることから、元本保証のない株券を取得、保有することによる運用は、地方自治法の趣旨に抵触するものと認識しています。そのため、本県では、基金の運用については安全性を最優先に、預金や債券により効率的な運用を行うこととし、債券においては、満期まで保有することで額面金額及び利子の収入を確保しているところです。今後も金融市場の動向などの情報収集に努め、引き続き安全かつ効率的な運用に努めてまいります。
以上です。
○副議長(三沢 智君) 都市整備局長横土俊之君。
(説明者横土俊之君登壇)
○説明者(横土俊之君) 仮設バイパス管の必要性についての御質問ですが、下水道管路の破損により道路陥没事故が発生した際には、下水道機能を維持しながら、速やかに道路や下水道を復旧することが重要です。緊急的に下水道機能を維持する方法として、小口径の管路が破損した場合は、バキューム車による汚水の移送などで対応が可能と考えています。一方、埼玉県八潮市の事故のように大口径の管路が破損した場合には、下水の流れを一時的に迂回させるための仮設バイパス管の設置は必要であると認識しており、現場条件に応じ様々な対応を検討することになると考えています。
次に、下水道管路の多重化についての御質問ですが、大口径かつ下水道管の水量が多い箇所においては、改築工事や災害・事故時の迅速な対応が困難なことから、国において、下水道管路を事前に多重化することに関し課題等を検討しているところです。国の検討資料等によれば、本県が多重化に関する計画の策定対象となることは承知しており、多重化の推進に国が新たな事業を創設して重点的に支援するとの方針を示していることから、国の動向を注視してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 企業局長野村宗作君。
(説明者野村宗作君登壇)
○説明者(野村宗作君) 県営水道に関する御質問のうち、まず大口径水道管に対応したバルブの災害備蓄についてでございますが、大口径バルブは水道管内の水の流量の調整や、流れを止める際に使用するもので、管路の適切な維持管理上、必要な設備です。しかしながら、大口径バルブの交換は工事そのものに長時間を要することから、災害時において大口径バルブが損傷した場合には、応急措置として、バルブを介さず直接管路をつなぐ手法で一刻も早く給水を再開し、その後の本格復旧工事においてバルブを設置することとしております。このため、現時点では大口径バルブの備蓄は行っておりませんが、災害に備え、どのような資材をどれだけ備蓄しておくべきかにつきましては、引き続き様々な視点から不断の検討を行ってまいります。
次に、災害・事故時の工事に必要な土砂等への対応に関する御質問でございますが、災害時の管路の応急復旧工事等に必要となる埋め戻し用の土砂については、原則企業局や復旧工事を行う事業者において調達することとしておりますが、どうしても調達が困難な事態になった場合には、道路管理者等と協議の上、発生土をそのまま埋め戻しに使用することで対応することとしております。また、復旧工事により発生し、処理が必要な土砂について、処理施設が被災するなどにより搬出が困難な状況となった場合には、仮置場が必要になりますが、企業局や災害協定を締結している関係団体の所有地を利用することなどにより、確保することとしております。災害時に必要な土砂の備蓄や仮置場については、県営水道に限らない問題であることから、今後も知事部局や他水道事業体とも協調し、改善できる点がないかなどについて検討を深めてまいります。
次に、水道管路の管理情報システムに関する契約についての御質問です。
管路情報管理システムは約9,300キロメートルもの水道管の管種、口径、埋設位置などの情報を地図上に登録しているシステムですが、単なるデータベースではなく、これらの情報を基に様々なシミュレーションを行う高度な機能を付加したものです。例えば、漏水事故時には水道管内の水の流れや量、水圧などの変化を推計し、断水や濁り水の影響範囲などを即時に表示するなど、迅速な対応を行うために必要不可欠なものとなっております。このシステムは長年にわたり、事故時の対応等も含め、様々な知見を上書きしながら改良を重ねてきたものであるため、適切な維持管理を行うことができるのは、システムの著作権を有し、仕様を熟知している開発者以外にないことから、随意契約としているところです。なお、こうしたシステムは近隣の大規模水道事業体も同様の契約となっております。今後については、技術革新が進むことにより、様々な事業者の優れたシステムで再構築できる可能性もあることから、業界動向などを注視して対応を検討してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 県土整備部長四童子隆君。
(説明者四童子隆君登壇)
○説明者(四童子隆君) 解体事業者の育成支援についての御質問ですが、解体事業者などを含む地域の建設業者は、インフラの整備や維持管理だけでなく、災害時における安全・安心の確保を担う地域の守り手として重要な役割を果たしており、県としてその育成に取り組んでいく必要があります。そのため、総合評価落札方式では、工事品質の確保や向上に資する項目に加え、若手技術者の配置などの中長期的な技術力の確保に取り組む企業を評価することで、地域の建設業者の育成を支援しているところです。解体工事施工技士などの工事に有用な資格を有する企業の評価については、国や他県の事例を参考にするとともに、学識経験者や各種団体の意見を伺いながら、総合評価落札方式における評価に反映できるかなどについて検討してまいります。
次に、再生砕石の利用拡大についての御質問ですが、県の公共工事に使用している砕石については、工事目的物に要求される品質を考慮した上で、原則として再生材を利用することとしています。また、受注者に対し、調達する工事材料は千葉県産とするよう工事の契約書に記載するなど、利用拡大に努めているところです。引き続き県内の公共工事の発注機関に対し、研修など各種機会を捉え、改めて周知徹底を図るなど、再生砕石の利用拡大に努めてまいります。
次に、解体工事のアスベスト対策についての御質問ですが、建設リサイクル法では、一定規模を超えるなど法の対象となる解体工事を行う民間事業者などに対し、吹きつけアスベストなどの付着物の有無を届け出させるとともに、アスベストが付着している場合は、適正に解体するための措置を講じるよう義務づけております。また、工事の規模にかかわらず、適正に解体するためのパンフレット等を民間事業者等へ配布し周知するとともに、国と合同で建設リサイクル法に関するパトロールを実施しており、解体工事等の現場で違反があった場合は、適正に解体するよう指導しています。なお、届出対象とならない80平方メートル未満の解体工事の取扱いにつきましては、他自治体の事例や解体業に取り組む団体等の意見などを参考にしながら、適正な措置が講じられるよう努めてまいります。
最後に、優秀技術者表彰制度についての御質問ですが、県では、良質な社会資本整備の推進と建設技術の向上を図るため、建設工事及び当該工事に従事した優秀な技術者を表彰する制度を設けております。優秀な技術者として表彰されるには、担当する工事が特に優良と認められ、かつ工事成績を評定する項目のうち技術者を評価する項目を全て満たす必要があり、評価項目につきましては県のホームページで公表しているところです。今後とも関係する団体との意見交換の場などを通じて、技術者が評価される項目や選定基準等を丁寧に説明し、本制度の理解が深まるよう周知を図ってまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 環境生活部長井上容子君。
(説明者井上容子君登壇)
○説明者(井上容子君) エッセンシャルワーカーの働き方改革について、市町村等への調査結果に関する御質問ですが、一般廃棄物処理業務では、生活環境の保全上支障が生じないよう、業務の確実な履行が重視されており、このためには適切な価格による契約等が必要とされています。そのため、国の通知では過度な低価格競争が生じないよう、適切な業者選定方法や実勢価格を踏まえた予定価格の作成、条例に規定する収集運搬料金等にかかる手数料の見直し、契約後の状況変化に応じた契約変更の実施等、適切な対策を講じることが求められています。これらの必要な対策の対応状況について、市町村等に調査を行った結果、国の通知を受けて競争入札から随意契約への変更など選定方法の見直しを検討している団体が約3割、労務費等のコストが適切に転嫁されるよう条例で定める手数料の見直しを実施、または検討中の団体が約7割、契約、財政等関係部署と適切な価格転嫁に係る調整を行った、または検討中の団体が約6割、契約金額の変更条項を規定している、または対応予定の団体が8割となっていました。
次に、一般廃棄物収集業者の働き方改革推進についての御質問ですが、県としては、一般廃棄物処理業務委託の労務費等については、経済の実態を反映した水準であることが適切と認識しています。このため、市町村等に対し、今回の調査結果から、特に発注者に対応が必要とされる適切な契約手続のための留意事項を6月下旬に改めて通知するとともに、7月に実施した市町村職員向けの会議などにおいても、再度この通知に基づく対応を依頼したところです。今後も市町村等に対し、研修会や会議など様々な機会を通じて説明を行い、適正な委託費での契約等を促すことにより、一般廃棄物収集業者の賃金の上昇等による労働環境の改善を図ってまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 保健医療担当部長山口敏弘君。
(説明者山口敏弘君登壇)
○説明者(山口敏弘君) 胃がん対策に係る当県の取組についての御質問ですが、国立がん研究センターが令和3年9月に公表した研究結果では、「ピロリ菌除菌による胃がん罹患リスク低下についての科学的根拠は「確実」である」との記載があることは承知しています。一方で、令和5年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画においては、「健康で無症状な集団に対する、ピロリ菌の除菌による胃がん発症の予防効果について十分な科学的根拠は示されていない」との記載があり、引き続き国内外の知見を収集し、科学的根拠に基づく除菌の必要性の有無及びその対象者について検討する等としています。県としては、こうした国の動向を注視するとともに、引き続き他県や県内市町村の取組状況について情報収集を行い、対応を研究してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 赤間正明君。
○赤間正明君 御答弁ありがとうございました。それでは、2回目の再質問、要望をさせていただきます。
まず、インフレ経済下における基金の扱いについての質問です。御答弁で、元本保証のない株式による運用は、地方自治法の趣旨に抵触すると確認できました。しかし、時代は大きく変化しています。金融庁は、貯蓄から投資への流れを促すため、国民にNISA制度の利用を推奨していますし、年金を扱うGPIF、年金積立金管理運用独立行政法人は、株式投資を積極的に行い、高い運用実績を上げています。さらに、国においては、財源をつくるため、政府系ファンド、ソブリン・ウェルス・ファンドの導入の議論が始まっております。県は、保有債券は満期まで保有すれば元本は戻るとの考えですが、このままインフレが続けば、20年後、満期で償還されても現金の価値は大幅に下落し、実質的な目減りは避けられません。そのようなリスクに対して、県民の貴重な財産である基金をどのように守っていくとお考えなのでしょうか。
そこで伺います。千葉県の基金運用総額及び現金と債券の比率はどうか。また、今後、インフレが加速し、金利が上昇、債券の下落が予想されるとしても、千葉県は長期・高クーポンの債券投資を続けるのか、お伺いいたします。
次に、上下水道の課題について。最初に下水道の事故防止対策について要望いたします。仮設バイパス管による迂回路の設置は必要との、とても前向きな御回答をいただきました。ありがとうございます。下水は流れを止めることができず、事故が起きれば復旧にかなりの時間がかかります。
そこで要望いたします。仮設バイパス管について、事故発生時には速やかに設置が可能となるように万全の準備を要望いたします。
次に、企業局のICT化推進についての質問であります。企業局の県水お客様センターでは、来年1月からのチャットボット導入により、今後3年間で約1億円の予算削減が見込まれているとのことです。本当にすばらしいと思います。反面、同じく技術の進展が著しい水道管路情報システムは予算削減ができないのでしょうか。御答弁では、システムの著作権はシステム開発者が所有しており、適切に維持管理できるのは当該開発者のみと、あたかも他社には変更できないと断言しているようですけれども、本当にそうでしょうか。技術革新の進展により、他社でも同等以上のシステムを開発、提供できる可能性は十分にあります。その可能性を排除し、競争原理を導入しないのは、県民の利益を損なうことになりかねません。
そこで伺います。毎年、更新作業に約4億7,000万円と1か月以上の時間が必要な企業局の水道管路情報システムについて、他社とのコンペを行うべきであると思うが、どうか。
次に、解体工事の重要性について。解体工事業における安全と品質確保の強化について要望いたします。御答弁では、解体工事施工技士の資格を有する企業の評価について、総合評価落札方式における評価に反映できるかなどについて検討していくとの本当に大変前向きな御回答をいただきました。ありがとうございました。しかし、千葉県内では、解体工事を受注した建設会社が、資格や解体用重機を有していない登録業者などに解体業務を丸投げすることがあると聞いております。これは事故のリスクを高めるだけでなく、業界全体の信頼を損なう行為です。
そこで、今後の取組として2点要望いたします。
1点目、解体工事業における安全と品質確保の強化を促進していくため、県発注の解体工事について、入札参加資格で解体工事施工技士の配置を求めるとともに、総合評価落札方式において、労働安全衛生法に基づく講習を修了した技能者の恒常的雇用や解体用重機の自社保有の評価項目への追加も検討していただくよう要望いたします。
2点目、80平方メートル未満のアスベスト解体工事についての要望です。御答弁では、他自治体の事例や業界団体の意見などを参考にしながら、適正な措置が講じられていくよう努めていくとのことです。ありがとうございます。ぜひ先進的な取組を行っている長野県の事例を参考にし、関係団体の皆様の御意見に耳を傾けていただき、県独自の対策を講じていただきたいと思います。
そこで要望いたします。建設リサイクル法では、床面積が80平方メートル以上の解体工事を届出対象としているが、80平方メートル未満についても同様の措置を講ずるよう要望いたします。
次に、エッセンシャルワーカーの働き方改革について質問いたします。東京都では、一般廃棄物収集運搬の委託業務契約に係る仕様書・原価計算書作成マニュアルを作成し、自治体が適切かつ公平な契約を結べるよう支援しています。御答弁では、今回のアンケート結果を市町村に通知し、説明会も実施したとのことですが、それだけでは十分な効果が得られるか疑問が残ります。東京都のように、具体的なマニュアルを提供することで、市町村の担当者が、より正確に適正な価格設定を行えるようになります。この東京都の取組を参考に、県においても同様のマニュアルを作成し、県内の各市町村を支援していただきたい。
そこで伺います。一般廃棄物収集運搬の委託業務契約に係る仕様書・原価計算書作成マニュアルの千葉県版を作成し、自治体が適切かつ公平な契約を結べるよう支援すべきと思うが、どうか。
最後に、千葉県優秀技術者表彰制度について要望いたします。御答弁では、評価項目を丁寧に説明し、制度の理解を深めるよう周知していくとのことでした。しかし、制度の信頼性そのものが揺らいでいる現状に、単なる周知だけでは不十分です。
そこで要望いたします。優れた公共工事の背景には、必ず優秀な技術者の存在があります。人の評価をすることは大変難しいことから、対象者を切り捨てることより、可能な限り優良な工事と優秀な技術者はセットで評価していただくことを要望いたします。
以上で2回目といたします。
○副議長(三沢 智君) 会計管理者木村文和君。
○説明者(木村文和君) 基金の状況及び運用に関する御質問でございますが、令和6年度の基金の運用総額は約1兆2,000億円で、預金と債券の比率は、預金が約40%、債券が約60%でございます。基金の運用につきましては、繰り返しになりますが、安全性を最優先に、預金や債券により効率的な運用を行うこととしております。
以上です。
○副議長(三沢 智君) 企業局長野村宗作君。
○説明者(野村宗作君) 管路情報システムに関する御質問でございますけれども、まず、多くの大規模水道事業体において同様のシステムを構築しておりますけれども、運用に関する金額ですとか、あるいは作業の効率性などについて、県営水道のシステムが他団体に比べて何か劣っているような状況ではないということは、まず御理解をいただきたいというふうに思います。ただ、一方で、競争原理を導入し経費の節減を図るという点では課題があることも事実と思っておりまして、技術が進んでまいりましたことにより、他事業者においても同等のシステムを開発できる可能性はあると考えております。ただ、しかしながら、あまりにも長い時間をかけて、その団体独自の事情に合わせたものとしてつくり上げてきておりますので、単純にコンペを導入しても、うまく競争原理を働かせることができないという難しさがございまして、コンペの際の仕様の在り方などについていろいろ工夫していく必要があるかと思っております。このため、業界の技術革新の動向なども十分注視しながら、望ましい業者選定の在り方について研究してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 環境生活部長井上容子君。
○説明者(井上容子君) 市町村等への支援に関する御質問ですが、市町村等の一般廃棄物収集運搬業務委託における対象経費の考え方や積算方法には、団体により様々な違いがあることから、他自治体のマニュアルも参考に、県内市町村等の具体的な対応事例について意見交換を行うことなどによりまして、本県の現状を踏まえた適切な予定価格の算出方法等の論点を整理する予定でございます。また、この内容を会議などにおいて事例を示しながら説明するとともに、それぞれの実情に応じた助言を行うことにより、市町村等において労務費が適切に転嫁された委託費となるよう促してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 赤間正明君。
○赤間正明君 御答弁ありがとうございます。最後に、インフレ経済下における基金の扱いについて要望させていただきます。令和6年度の千葉県の基金運用総額は約1兆2,000億円と巨額です。しかも、債券投資比率は実に60%です。御答弁では、安全性を最優先に預金や債券で運用し、満期まで保有することで額面金額と利息の収入を確保しているとのことでした。しかし、本日の読売新聞に、福岡県内などの各市、債券投資失敗、市に巨額の含み損との見出しで、低金利で公金を投資につぎ込んだ各地の自治体が、巨額の含み損で苦しんでいる、舞台となったのは、安全資産の代表格とされる国債を中心とした債券投資だとの記事が掲載されました。今後さらに金利は上昇し、損が拡大する可能性は大きいと思われます。デフレ経済下では有効であった債券中心の運用は、インフレ経済下では実質的な資産の目減りを招きます。また、長期債券保有は、その間、資金が固定されてしまいます。そして、何より貯蓄から投資へという国の流れにも逆行しております。ドルコスト平均法は、経済成長とインフレの合計値が平均的に株価に反映していきますので、東証株価指数、TOPIXという市場全体の株を持っている限りにおいては、少なくともなかなかマイナスになることはありません。複利の運用で可能であり、高い収益が期待されます。何より必要なときに即現金化が可能です。インフレ経済下における基金の扱いは、デフレ経済下とは異なる選択肢が必要なのではないでしょうか。ぜひ元本割れリスクが少なく収益が見込めるドルコスト平均法を検討していただきたい。
そこで要望いたします。インフレ経済に対応するため、自治体の基金運用においてTOPIX、東証株価指数のようなインデックス指数のドルコスト平均法での運用が選択可能となるように、他の自治体とも連携し、国に働きかけていただきますよう要望し、質問を終わらせていただきます。
以上です。
(関根ジロー君登壇、拍手)
○関根ジロー君 立憲民主党の松戸市選出の関根ジローです。通告に従い質問いたします。
1、航空宇宙産業について。
国際的に航空宇宙産業の需要が増加する中、政府もこの分野を戦略的産業として積極的に支援しています。経済産業省が令和7年3月に策定した宇宙産業における今後の取組の方向性についてでは、成長する宇宙市場の獲得の機会を逃さず、持続的に成長するためには、産業構造の変革が必要であり、「強靱な宇宙サプライチェーンを有する産業構造を目指す」と掲げられ、また、令和6年4月に策定した航空機産業戦略では、「航空機産業の成長に向けた戦略的な取組を迅速かつ着実に実行するためには、官民が共通認識を持ち、総力を結集して取組を進めることが極めて重要」としています。本県においても、我が国最大の国際空港である成田空港や港湾といった物流拠点、東京湾岸の優れたインフラや高速道路網、さらには多くの労働力人口を抱えるなど、航空宇宙関連産業にとって魅力的な立地条件が整っています。こうした国の方針や本県の強みを踏まえ、本県としての今後の方針を伺います。
今後、航空宇宙産業の誘致にどのように取り組んでいくのか。
続いて、若者に宇宙を身近に感じてもらう取組についてです。
今年7月30日、チバテレにて「目指せ宇宙! 宇宙に気球打ち上げ生配信」という特集ニュースが放送されました。この企画は、松戸市在住の19歳、七條皇紀さんをリーダーとするグループPAXAによるもので、高度30キロの成層圏を目指して気球を打ち上げ、その模様を搭載したスマートフォンで世界に向けて生配信する計画です。七條さんは、将来、航空宇宙産業に従事することを夢見ており、その第一歩として挑戦されています。なお、本日、七條さんは傍聴にお越しになっています。今回の気球には、松戸市の農家から託されたスイカの種も搭載されており、帰還後にはそれを宇宙スイカとして栽培し、地域活性化のきっかけとする構想もあります。ぜひ熊谷知事をはじめ、県議会の皆様にも若者たちの挑戦に御注目いただき、温かい御支援をお願い申し上げます。
さて、七條さんたちからは、プラネタリウムがある現代産業科学館において、本県ゆかりの宇宙飛行士である山崎直子さん及び金井宣茂さんの功績を顕彰するコーナーを設けてほしいとの要望が寄せられております。航空宇宙産業に対する関心や憧れを育むためには、子供たちが身近に宇宙を感じられる環境づくりが大切です。とりわけ宇宙飛行士という夢を実現された地元出身の方々を顕彰することは、次世代の若者にとって大きな励みとなり、将来この分野への就職を志す人材を育てる土壌にもつながります。
航空宇宙産業に就職を希望する若者を増やすためにも、現代産業科学館で千葉県ゆかりの宇宙飛行士を紹介するなど、若者に宇宙を身近に感じてもらう取組を進めるべきと思うが、どうか。
2、補助犬ユーザーに対する環境整備について。
平成14年に公布された身体障害者補助犬法は、身体障害者補助犬を使用する方の自立及び社会参加を促進することを目的としております。この法律を契機に、全国の空港では補助犬専用トイレの設置が進みました。しかし、設置や維持には費用や一定のスペースが必要であることから、空港や一部自治体を除き普及は十分とは言えません。補助犬専用トイレが設置されていない場合、ペットシーツやワンツーベルトを使用して排せつが可能な補助犬は、多機能トイレを利用しています。しかし、補助犬ユーザーの中には、多機能トイレに入ろうとした際に、ほかの利用者や施設管理者から、補助犬は入れないでほしいと制止されたり、補助犬は時間がかかるので使わないでほしいと注意されるなど、不当な対応を受けた事例が多く報告されております。このような状況から、多機能トイレの利用に心理的負担を感じる補助犬ユーザーも少なくありません。
こうした背景を踏まえ、千葉県で活動する盲導犬を普及させる会では、厚生労働省が作成した補助犬ステッカーを多機能トイレに掲示し、補助犬ユーザーが安心して利用できる環境整備を進めています。なお、本日は、盲導犬を普及させる会の皆様にも傍聴にお越しいただいております。
以上の経緯を踏まえ、補助犬ユーザーが安心して公共施設などを利用できるようにするため、県はどのように取り組んでいくのか。
また、成田空港の多機能トイレへの補助犬ステッカー掲示について、盲導犬を普及させる会から千葉県及び成田空港宛てに、今年9月1日付で要望書が提出されています。あわせて、議場配付資料として、関西国際空港では多機能トイレに補助犬ステッカーが掲示されている一方、成田空港には掲示がない現状を示す資料を配付しております。
国内外から利用者が多い成田空港における多機能トイレへの補助犬ステッカーの掲示について、県としても働きかけるべきと考えるが、どうか。
続いて、3、学校トイレについて。
私は前職のNTT勤務時代、東北赴任の経験があり、その御縁で東日本大震災直後から被災地各地でボランティア活動を行ってまいりました。仙台市内の避難所となった学校体育館で活動した際、運営担当者から、トイレで困ったという予想外の声を伺いました。避難所となった学校トイレの多くが、当時和式であり、高齢者や障害のある方に大きな負担を強いたとのことです。帰郷後、松戸市内の避難所となる学校トイレの状況を調査したところ、平成24年時点で洋式化率はわずか23%という実態が判明しました。以来、学校トイレの洋式化は私のライフワークとなっています。
学校トイレの洋式化は、災害時の避難所機能強化に加え、平常時における児童生徒の学習環境の改善にも直結いたします。加えて、近年、障害のある児童生徒が地域の学校に通学を希望するケースが増えており、和式トイレがその障壁とならぬよう、洋式化とウォシュレット付多目的トイレの整備を一層推進すべきと考えます。さらに、洋式化は財政面にも寄与いたします。老朽化した和式トイレは、1回の洗浄で約15リットルの水を使用しますが、洋式トイレでは約5リットルに削減可能であり、節水による環境負荷軽減と水道料金削減を通じ、県民負担の軽減にもつながります。
以上を踏まえ伺います。
県は令和11年までに県立高校トイレの100%洋式化を目標としていますが、洋式化と配管等の設備改修をどのように進めていくのか。
また、県立学校における多目的トイレ等の設置状況はどうか。また、避難所に指定されている県立高校の体育館に、多目的トイレ等の設置を進めていくべきと思うが、どうか。
4、学校における吃音理解の促進について。
今年6月、毎日新聞が次のような報道をいたしました。埼玉県桶川市の中学校に在学していた生徒が、吃音を理由とする教員や生徒のいじめに遭い、不登校となった。特に当時の国語教諭が生徒の吃音をまねて笑ったことが、いじめの一因と第三者委員会の報告書で指摘された。この事例は、教員による吃音への理解不足が重大な問題を引き起こしたことを示しています。これを受けて、NPO法人全国言友会連絡協議会は今年6月12日、文部科学省に教員への周知徹底を求める要望書を提出いたしました。また、厚生労働省のホームページなどでも紹介されている国立障害者リハビリテーションセンター総長らの研究チームによる幼児吃音臨床ガイドラインには、吃音対応に当たる教員や言語聴覚士に対し、最新の知見を得て研さんを積むべきと記されております。
こうした背景を踏まえ、教員の吃音への理解促進のために、どのように取り組んでいくのか。
また、特別支援教育基礎コンテンツにおける吃音に関する内容は、本日傍聴にお越しになっている当時県議会議員だった安藤じゅん子衆議院議員の要望を受け、昨年7月頃に一部修正がなされたと伺っています。
総合教育センターの特別支援教育基礎コンテンツにおける吃音について、どのように修正し、周知したのか。
5、教職員の不祥事根絶について。
昨年10月、松戸市の小学校において、女性教諭が特別支援学級の男子児童をごみ箱の中に立たせて蹴り、転倒した児童が前歯を折るけがを負うという事案が発生しました。教諭は校長に対して状況を偽って説明していたことも判明し、この件はNHKをはじめ多くのメディアで報道されました。こうした不祥事を根絶することを目的として、県教育委員会は管理職、教職員向けにそれぞれ不祥事の未然防止に係る自己分析シートを作成し、市町村教育委員会に対し、その活用を促しています。松戸市の事例について、私は市教育委員会から、密室で発生したとの説明を受けています。自己分析シートには、「児童生徒への指導の際は、密室で一人で行うことなく、複数の教職員により組織的に対応」するという項目がありますが、これが徹底されていれば、本件は未然に防げた可能性があります。
以上を踏まえ、全教職員が不祥事の未然防止に係る自己分析シートを実施したかどうか確認する仕組みを構築すべきと考えるが、どうか。
続いて、本年、教員らのグループが女児の盗撮画像をアプリで共有したとされる事案が報道され、盗撮防止対策について社会的関心が高まっています。
次回、不祥事の未然防止に係る自己分析シートを改訂する際には、盗撮防止対策に関する項目を充実させるべきと考えるが、どうか。
6、学校給食について。
食物アレルギーとは、特定の食べ物に含まれるアレルゲンに対し免疫機能が過剰に反応し、かゆみ、鼻づまり、息苦しさ、炎症などの症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもある疾患です。松戸市の学校給食における食物アレルギー対応は、松戸市食物アレルギー対応マニュアルに基づき実施されております。近年では、給食で初めて食物アレルギーを発症する事例が増加しており、そのリスク軽減のため、松戸市では特定原材料表示義務のある落花生、クルミ、ソバ、生卵、イクラを学校給食で提供しない食材として位置づけています。この取組は、重篤な症状の予防だけでなく、アレルギーがある児童生徒がお弁当を持参せずにみんなと同じ給食を食べられる環境を実現するメリットがあります。また、調理現場においてもメニュー作成や調理の煩雑さが改善され、負担軽減にもつながっております。
以上の背景を踏まえ、県立学校における学校給食で提供されない食材の現状と、今後の取組方針はどうか。
また、県内市町村立学校における学校給食で提供されない食材の状況を把握し、情報を見える化することは、各市町村における検討や議論の促進につながると考えるが、どうか。
続いて、千葉県では、多子世帯の経済的負担を軽減するため、市町村と連携し、第3子以降の義務教育期間における学校給食費の無償化を令和5年1月から開始しております。さらに、食物アレルギー等の理由により弁当を持参している家庭への補助も含まれており、評価すべき取組と考えます。この県の補助制度を活用し、県内各市町村では、独自に無償化の対象を広げるなどの取組を進めています。松戸市においては、本年度、第3子以降に限らず、市立小中学校に在籍する児童生徒全員を対象に、給食費の無償化及び弁当等持参者への支援を実施しています。加えて、私立学校等に通う児童生徒や、長期欠席している児童生徒がいる世帯に対しても、第3子以降に限らず支援金を給付しています。
ここで質問いたします。私立小中学校に通う児童生徒がいる世帯に対する昼食費の支援金についても、補助対象とするべきと考えるが、どうか。
7、3歳児健康診査における吃音について。
前述の幼児吃音臨床ガイドラインでは、次のように記載されています。「ほとんどの自治体で実施している幼児健康診査では、保護者が特に質問するか、自治体が独自に対応を追加しない限り、吃音が十分に発見され、対応される可能性は低い」、「吃音に関する問診を使用してスクリーニングする必要があると考えられる」。これを踏まえ、松戸市の3歳児健康診査票を確認したところ、話し言葉について遅れている、発音がおかしいなど、気になることはありますかという設問はあるものの、吃音についての明確な記載は見受けられませんでした。そこで、私が松戸市議会議員だった昨年6月の市議会において、3歳児健康診査票の問診票に、吃音に関する設問を明記すべきではないかと質問いたしました。松戸市からは、問診項目を見直し、吃音(話し始めの言葉を繰り返す、伸ばす、詰まる)など、話し方に気になることはありませんかといった設問に改善すること、吃音に関する正しい情報の理解を促進するため、パンフレットの配布やホームページでの情報発信を検討することという答弁をいただいております。
その後、松戸市以外の自治体で吃音が問診票に明記されているかを把握するため、当時県議だった安藤じゅん子衆議院議員をはじめ、全国の超党派の議員や当事者団体の協力の下、千葉県を含む10都県343自治体を調査いたしました。その結果、吃音に関する項目が明記されていた自治体は僅か4自治体にとどまりました。千葉県内では、54市町村のうち2自治体のみで、吃音の早期発見が十分に行われていないおそれがあります。さらには、公式な場では差別的な意味合いを持つとされ、使用が避けられている、どもりという表現を使用している自治体が県内24自治体に上ることも明らかになりました。本件について、吃音当事者でもある元TBSキャスターの杉尾秀哉参議院議員や超党派地方議員、当事者団体とともに記者発表を行ったところ、読売新聞、朝日新聞、千葉日報など多数のメディアに取り上げられました。こうした報道を契機に、全国の自治体や当事者団体の間で大きな反響を呼び、3歳児健康診査における問診票の吃音項目の見直しに向けた議論が全国的に加速をしています。
以上を踏まえ、次の2点について質問いたします。
県内の自治体に対し、問診票について差別的な意味合いを含むどもりの表現を見直すとともに、より一層吃音をスクリーニングできるような表現に改善するよう働きかけるべきと考えるが、どうか。
次に、問診票は社会状況や研究成果に応じて継続的な見直しが求められます。各自治体が作成した問診票や、県が望ましいと考える問診票の例を県ホームページに公開することで、専門家や保護者、当事者団体からの意見、要望を受けやすくなると考えます。
県として、県内自治体の問診票をホームページに掲載するように促す、または、県ホームページでの公開を進めるべきと考えるが、どうか。
前述の幼児吃音臨床ガイドラインでは、吃音が疑われた際に相談できる場所の周知や、早期助言が受けられる体制が重要であり、それにより保護者が安心して育児ができる環境が整うと記載されております。
これを踏まえ、次の2点について伺います。
保健師、医師、保護者向けに、吃音理解を目的としたリーフレットを、3歳児健診の場で必要に応じて配布するよう、県内自治体へ働きかけるべきと考えるが、どうか。
次に、早期に専門的な支援につなげられるよう、児童発達支援センターに言語聴覚士の配置を促すべきと考えるが、どうか。
以上、1回目の質問です。御答弁、よろしくお願いいたします。(拍手)
○副議長(三沢 智君) 関根ジロー君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 立憲民主党の関根ジロー議員の御質問にお答えいたします。
まず、航空宇宙産業の誘致についての御質問にお答えいたします。
県及び空港周辺9市町では、成田空港を核とした物流・産業拠点の形成に向け、地域未来投資促進法に基づく基本計画を策定し、成田空港の特徴や強みを生かし、空港周辺に集積を目指す産業として、航空宇宙関連など6つの産業を設定しているところです。県では今年度、まずは航空宇宙関連産業の集積に向けて調査、研究を進めているところですが、その中で、企業からは、成田空港周辺への進出に当たっての課題として、航空機整備人材の確保といった課題が示されています。こうした課題に対応していくため、県では成田空港活用協議会と連携して、体験型航空教室や県内高校での出張授業などの人材確保に向けた取組を進めているところであり、今後も企業へのアプローチを積極的に進めてまいります。
次に、補助犬ユーザーの公共施設などの利用についての御質問にお答えいたします。
補助犬ユーザーが安心して公共施設などを利用できるようにするためには、補助犬が障害のある人の社会参加に重要な役割を果たしていることについて、施設の管理者をはじめ、広く県民の理解を深めていくことが重要です。そこで、県では、補助犬の役割について県ホームページやSNSを活用して周知を行うほか、障害者条例に基づく広域専門指導員が店舗等を訪問してリーフレットを配布するなど、啓発活動を行っています。また、市町村と連携し、庁舎等の入り口や多機能トイレに補助犬ステッカーを掲示する取組を進め、補助犬の理解促進を図っております。引き続き市町村と協力し、様々な広報媒体を活用して補助犬に関する周知啓発に取り組むことで、障害のある人の社会参加の促進を図り、誰もが活躍できる社会の実現を目指してまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。
○副議長(三沢 智君) スポーツ・文化局長板倉由妃子君。
(説明者板倉由妃子君登壇)
○説明者(板倉由妃子君) 現代産業科学館における宇宙に関する取組についてお答えいたします。
現代産業科学館では、これまで宇宙関連の科学技術を紹介するため、常設の宇宙情報コーナーを設置し、宇宙開発の歴史や日本人宇宙飛行士の活動、国際宇宙ステーション等を紹介するとともに、小惑星探査機はやぶさや宇宙食などに関する企画展を開催してきました。また、毎年、夏休み期間中には世界的に有名なクリエーターの大平貴之氏による臨場感あふれる星空を体感できるプラネタリウム上映会を実施しています。本県ゆかりの宇宙飛行士に係る取組としては、金井宣茂氏が宇宙船ソユーズに搭乗した際に、パブリックビューイングや元JAXAの職員による講演会等を開催したほか、今年度からは新たに常設展示において、金井宣茂氏や山崎直子氏の功績を紹介する予定です。引き続き展示やプラネタリウムの活用により、若者に宇宙への興味、関心を持ってもらえるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 総合企画部長三神彰君。
(説明者三神 彰君登壇)
○説明者(三神 彰君) 成田空港の多機能トイレへの補助犬ステッカー掲示についての御質問ですが、県では、補助犬ユーザーが公共施設などを安心して利用できる環境を整えることが重要だと考えております。現在、成田空港では各ターミナルの入り口などにステッカーを掲示し、補助犬ユーザーが空港施設を利用することに関して理解促進を図るとともに、補助犬ユーザーが多機能トイレを利用する際には不便なく利用できるよう、空港スタッフが補助するなどの対応をしていると聞いております。空港内のそれぞれの多機能トイレへのステッカーの掲示につきましては、空港会社において、利用者の多様な意見や他施設の状況などを踏まえて検討しているところであり、県といたしましては、補助犬ユーザーが多機能トイレを安心して利用できるよう、さらなる理解促進に向けた協力を求めてまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 教育長杉野可愛君。
(説明者杉野可愛君登壇)
○説明者(杉野可愛君) 最初に、学校のトイレについてお答えいたします。
まず、県立高校のトイレについての御質問ですが、県立高校のトイレの洋式化率は、本年4月1日現在48.6%であり、校舎全体の大規模改修事業のほか、トイレを先行的に改修する事業や便器を交換する事業により整備を進めているところです。また、配管等の設備改修については、大規模改修や先行改修において実施するほか、老朽化の状況を確認し、必要に応じて更新しています。今後とも、生徒が安心、快適に学校生活を過ごせるよう、令和11年度のトイレの洋式化完了に向けて着実に取り組んでまいります。
次に、多目的トイレ等の設置についての御質問ですが、多目的トイレは大規模改修時や障害のある生徒の状況等に応じて設置しており、本年4月1日現在、高校で15校、特別支援学校で11校に整備しています。また、通常のトイレより広いスペースで洋式便座と手すりを備えた車椅子使用者用トイレは、学校施設のバリアフリー化を推進する観点から、高校は92校に、特別支援学校は全校に整備しています。多目的トイレなどは十分なスペースを確保する必要があることや、生徒等の利便性を考慮し、多くは校舎内に設置しているところですが、今後は体育館も設置場所の候補の1つとして、学校と相談しながら対応してまいります。
次に、学校における吃音理解の促進についてお答えいたします。
まず、教員の吃音への理解促進についての御質問ですが、吃音のある児童生徒に応じた指導、支援に当たっては、まずは教員が吃音について正しく理解し、他の児童生徒に対する働きかけなども含めた適切な環境づくりを行うことが重要と考えます。そこで、県教育委員会では、小中学校の言語障害特別支援学級や通級指導教室の教員を対象とした吃音に関する研修を実施しているほか、高校等の特別支援教育コーディネーターに対し、吃音のある子供へ接する際の配慮事項等について周知しているところです。また、教員に向けた特別支援教育指導資料で、吃音のある子供のための具体的な指導内容を例示し、活用を促しており、引き続き研修の実施や情報の提供など、教員の吃音への理解促進を図ってまいります。
次に、特別支援教育基礎コンテンツについての御質問ですが、障害のある子供の支援を初めて担当する教員等に向けた研修資料として作成している特別支援教育基礎コンテンツは、随時必要な見直しを行っているところです。このうち言語障害の分野については、令和6年8月に国の資料を参考に、言語聴覚士にも確認した上で、子供が話しやすい雰囲気づくりや子供自身が吃音の理解を深めるための指導をすることなどの加筆修正を行いました。修正後は県内の教職員が閲覧できるホームページに掲載するとともに、総合教育センターが実施している研修会の際に資料を配付するなど、周知に努めているところです。
次に、教職員の不祥事根絶についてお答えいたします。
まず、教職員の自己分析シートについての御質問ですが、県教育委員会では、不祥事の根絶に向けて、教職員に自らの行動や考え方が不祥事につながらないかを分析させるとともに、管理職がその分析結果を踏まえ、学校運営の見直しができるよう、教職員及び管理職向けの2種類の自己分析シートを作成し、意識改革に取り組んでいるところです。また、市町村教育委員会や各学校に対し、時期に応じて繰り返し活用するよう指導するとともに、校長が自らの管理状況を評価した管理職用の自己分析シートの提出を求めており、教職員一人一人の回答は校長が把握し、適切に指導しているものと認識しています。今後も不祥事の根絶に向けて指導の徹底を図るとともに、実施状況の確認も含めた自己分析シートのより効果的な活用方法について検討してまいります。
次に、盗撮防止対策についての御質問ですが、県教育委員会では、教育庁各課で構成する不祥事防止対策チームにおいて、具体的な不祥事の内容を調査分析した上で必要な対策を講じており、自己分析シートの点検項目についても見直しを図ってきたところです。盗撮防止対策については、管理職用のシートに外部の視点を活用し、トイレ等に不審物が設置されていないか、校内に死角となる場所はないかなどを確認する点検項目を設けているほか、教職員用のシートには、私物のスマートフォンなどで児童生徒の撮影をしないことを確認する点検項目を設けています。今後も自己分析シートの効果や必要項目を検証の上、盗撮防止の観点も含め、適宜見直しを行うなど、不祥事の根絶に努めてまいります。
最後に、学校給食についてお答えいたします。まず、県立学校における学校給食で提供されない食材についての御質問ですが、県立学校については、県教育委員会が令和6年3月に策定した学校給食における食物アレルギー対応の手引きを基に各学校が対応マニュアルを作成し、安全な給食の提供に努めています。食物アレルギーの児童生徒については、各学校が個々の状況に応じて対応しており、一律に特定の食材を除外することは、現在行っていません。学校給食は、旬の食材や地域の食材を活用することで、食の大切さや食事の楽しさを理解するための役割も担っていることから、県教育委員会では、引き続き児童生徒への丁寧な対応を行っていくとともに、特定の食材を使用しないことも含めて、食物アレルギーの対応方法について研究してまいります。
次に、市町村立学校における学校給食についての御質問ですが、県内市町村立学校の学校給食の提供については、その設置者である各市町村が実施することとなっており、食物アレルギー対応については、各市町村で対応マニュアルを作成し、安全な給食の提供に努めているものと認識しています。一方で、食物アレルギー対応は重要な課題であることから、今後、各市町村の取組について、学校給食の関係者が参加する会議等を通じて情報共有してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 総務部長前田敏也君。
(説明者前田敏也君登壇)
○説明者(前田敏也君) 私立の小中学校に通う児童生徒がいる世帯への昼食費の支援についての御質問でございますが、県では、私立の小中学校に通う児童生徒が質の高い充実した教育環境の中で学ぶことができるよう、経常費への補助を通じて保護者の経済的な負担軽減や、学校経営の健全化などを図っているところです。昼食費への補助につきましては、現時点では、国の動向や保護者負担の実態など、慎重に見極める必要があるというふうに考えておりますが、県といたしましては、各学校の建学の精神に基づく教育方針を尊重しながら、私立学校が県民の多様な教育ニーズに応えることができるよう、私学教育の一層の発展に向けて支援してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
(説明者岡田慎太郎君登壇)
○説明者(岡田慎太郎君) 3歳児健康診査の問診票の項目における吃音に関する御質問ですが、3歳児は言葉の発達が進み、保護者が子供の発語や発音等を意識する時期であり、市町村においては、3歳児健康診査の中で保護者が記入する問診票や、医師、保健師等の評価を基に、吃音を含めた言語機能の確認を行っています。また、健康診査の問診票は、国が定める様式を参考に、市町村が内容等を定めていますが、問診票の項目等の文言を受診者等に分かりやすい適切な表現とすることは、吃音の早期かつ的確な発見にもつながることから、県としては、まずは市町村における問診票の項目や各項目の記載事項としてどのような表現が使用されているかについて、実態把握を行ってまいります。
次に、問診票のホームページへの掲載についての御質問ですが、3歳児健康診査の問診票のホームページへの掲載は、健康診査の実施主体である市町村が判断すべきものであり、県としては、問診票が健康診査において適切に活用されるよう、研修等を通じて市町村と連携を図ってまいります。
次に、吃音理解を目的としたリーフレットの配布についての御質問ですが、3歳児健康診査では、実施主体の市町村が、必要に応じて国が公開しているリーフレットを活用するなどして、保護者に吃音理解について周知啓発しているものと承知しています。県としては、吃音の理解促進に向けたリーフレットのさらなる活用の可能性について、市町村とも問題意識を共有し、研究してまいります。
最後に、児童発達支援センターへの言語聴覚士の配置に関する御質問ですが、児童発達支援センターは、高度な専門性に基づく障害児の発達支援や家族への支援を行うなど、地域の中核的な支援機関としての役割を担っています。本年8月現在、県内に所在する48センターのうち31センターで言語聴覚士を配置し、吃音への相談支援などを実施しているところです。県では、健診を担当する市町村の保健師や児童発達支援センター等の職員を対象に開催する研修会において、早期に吃音を発見し、専門的な支援を受けることの重要性などを紹介することで、地域の支援体制の構築の促進に市町村と連携して取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 関根ジロー君。
○関根ジロー君 御答弁ありがとうございました。再質問と要望などを申し上げます。
まず、1の航空宇宙産業についてです。現代産業科学館に今年度から新たに山崎直子さん及び金井宣茂さんの功績を紹介する常設展示を行う予定とのこと、ありがとうございました。
続いて、2の補助犬に対する環境整備についてです。成田空港の多機能トイレへの補助犬ステッカー掲示について、補助犬ユーザーが安心して利用できるよう協力を求めていく旨の御答弁をいただき、ありがとうございました。先日、私は盲導犬を普及させる会の皆さんと千葉県内のとある市役所の食堂を訪れました。ところが、補助犬ユーザーが入り口で、「補助犬を入れてよいか確認しますので少々お待ちください」と食堂のスタッフなどに言われ、しばらく待機を求められてしまいました。その場には市庁舎を所管する職員もいましたが、即座の判断ができず、対応が保留されました。数分後には入店は認められたものの、「ほかのお客様もいらっしゃいますので、隅にお座りください」と案内されました。私はこの対応を目の当たりにし、職員や食堂スタッフの補助犬に対する理解不足、そして食堂の入り口に補助犬ステッカーが掲示されていなかったことなどが、今回の望ましくない対応の要因ではないかと感じました。後日、盲導犬ユーザーからは、次のようなお声をいただきました。こうした対応はこれまで何度も経験しています。非常に残念です。多機能トイレでも同様なことがあります。建物の入り口に補助犬ステッカーが貼ってあっても、施設ごとの理解が不十分なのが現状です。だからこそ施設ごとに補助犬ステッカーを掲示してほしいと思います。今回の問題は、犬が入れるかどうかという話ではなく、補助犬ユーザーの移動の自由や社会参加の機会といった基本的な権利に関わる大きな問題です。こうした視点に立った対応が求められております。成田空港における補助犬ステッカー掲示に県として御協力いただけることは、当事者団体にとっても大きな励みとなるものであり、大変に感謝申し上げます。
続いて、3番、学校トイレについては再質問いたします。多目的トイレ等への改修には、車椅子使用者など多様な利用者に配慮した設計が求められるため、一定のスペースを確保する必要があります。このため、既存のトイレを多目的化する際には、一般のトイレ2室を1室に集約するなどの対応が求められる場合もあります。こうした状況の中で、県が掲げる県立高校トイレの100%洋式化の目標において、体育館の多目的トイレ化を原則としない場合、和式トイレを単に洋式へ改修する場合もあり得ることになります。しかし、将来的に災害時の避難所機能の観点から、体育館にも多目的トイレが必要ではないかといった議論が生じた際には、せっかく洋式化したトイレを再度撤去、改修する必要が生じるおそれがあります。その結果として、県民から公金の使い方に対する疑問や不信感が生じる可能性もあり、非常に懸念されます。したがって、避難所に指定されている県立高校の体育館は、洋式化にとどまらず、原則多目的トイレを設置するよう検討すべきと考えるが、どうか。
4、学校における吃音について。特別支援教育基礎コンテンツについては、5年ごとに改訂が行われていると伺っております。次回の言語障害に関する改訂は令和8年に予定されているとのことですが、その際には、吃音をはじめとする多様な言語障害について、当事者や専門家の意見を十分に反映しながら進めていただくとともに、改訂後は全ての教職員に対して、改訂したことについて周知徹底をしていただくようお願いいたします。また、現在、このコンテンツは教職員のみに閲覧が限定されていますが、県教育委員会のホームページ等で広く一般公開することで、専門家、保護者、当事者団体などの意見や要望を受けやすくなり、より時代に即した洗練された内容へと改善が進むものと考えます。さらに、県教育委員会による吃音等に関する基礎コンテンツの取組については、当事者の方々からも、改善すべき箇所はあるが、全体としてはいい資料との声が寄せられています。県内にとどまらず、県外にもこのような理解促進の取組が広がり、一人でも多くの子供たちが適切な支援を受けられるよう、コンテンツの公開についても前向きな御検討を重ねて要望いたします。
5、教職員の不祥事根絶について。先日、ある小学校の先生から心温まる話を伺いましたので、紹介いたします。8月中旬、大学3年生の教え子2人がちば夢チャレンジ特別選考に合格したことを、わざわざ先生に報告しに来てくれたそうです。当時、28人のクラスで2人が教職を志していたことに、先生は感慨深さを覚えたとのことです。そのうち1人は小学校教員を目指しており、私が先生になったら一緒に働けますかと語ったそうです。先生はその言葉に胸を打たれ、教職のすばらしさを改めて実感されたと話しておられました。近年、一部の不祥事が大きく報じられ、教職全体の印象が損なわれがちですが、多くの先生は、日々真剣に子供たちと向き合っています。憧れの先生と将来同じ職場で働ける、そんな夢がかなう教職は、やはり魅力がある仕事です。その魅力を守るためにも、自己分析シートの活用など、不祥事の未然防止策を全校で徹底していただきたいと思います。とりわけ現在、管理職が記入した自己分析シートについては、県教育委員会においてスキャンデータとして保管されていると伺っています。一方、教職員については同様の対応がなされていないのが実情です。不祥事の未然防止を徹底する観点から、管理職に限らず、全教職員の実施状況を把握できる体制を早急に構築していただきますよう、強く要望いたします。
盗撮防止対策についても前向きな御答弁をいただきました。引き続きよろしくお願いいたします。
6、学校給食について。県立学校における学校給食で提供されない食材の導入状況や、県内市町村立学校における実態の把握、その情報の見える化については、引き続き御検討くださるようお願い申し上げます。
また、小中学校の給食費の全国一律無償化については、2026年から小学校を対象に開始されるとの報道があります。国において、私立学校に通う児童生徒がいる世帯への昼食費支援の制度化が図られることを期待いたします。あわせて、仮に国が制度化しない場合には、県としての御対応を御検討いただきたく、要望いたします。
最後に、7番、3歳児健康診査における吃音について。3歳児健康診査における吃音に関し、県内自治体が作成している問診票の実態調査を御対応いただけるとのこと、ありがとうございます。吃音の早期発見につながるとともに、差別的な印象を与えないような設問内容となるよう、改善に向けた御検討をよろしくお願いいたします。
また、児童発達センターに関しては、県内48事業所のうち31事業所に言語聴覚士が配置されている一方、17事業所では未配置であることが明らかになりました。3歳児健診において吃音を的確に発見することと、発見されたお子さんや保護者が安心して相談できる体制の整備は、車の両輪のように不可欠な取組であると考えます。つきましては、言語聴覚士が未配置となっている児童発達センターに対し、県としても配置促進に向けた働きかけを行っていただきますよう要望いたします。
以上、再質問、要望です。
○副議長(三沢 智君) 教育長杉野可愛君。
○説明者(杉野可愛君) 多目的トイレに関する御質問ですが、体育館の機能を損なわず多目的トイレを設置するためには、スペースの確保が課題となる学校もあることから、設置の可能性について研究するとともに、災害時には校舎内にある多目的トイレ等を活用し、必要とする方が困らないよう、市町村と対応を検討してまいります。
以上でございます。
○副議長(三沢 智君) 関根ジロー君。
○関根ジロー君 再度の御答弁、ありがとうございました。私は松戸市議会議員に就任してから、明治大学の公共政策大学院に通学いたしました。そこで多くの同窓生に恵まれ、その中には党派を超えて活躍する議員も数多くおります。特に東日本大震災被災地選出の同窓生の議員とは、避難所に指定されている体育館のトイレの在り方について意見交換を行いました。その議員によれば、大震災直後、避難所となった学校のトイレの多くが和式であったことが、高齢者や障害のある方々にとって大きな負担となったというのは、被災地における共通の認識とのことです。こうした経験を踏まえ、現在では被災地において、体育館のトイレの洋式化にとどまらず、多目的トイレの設置が標準化されていると伺いました。この東日本大震災の教訓は、被災地だけにとどめるのではなく、全国の自治体においても積極的に生かされるべきであるというのが、被災地の議員としての強い思いであると感じております。つきましては、県におかれましても、避難所に指定されている県立高校の体育館について、多目的トイレを設置するか否かを各学校と個別に協議するのではなく、東日本大震災の教訓を踏まえ、原則として設置する方針を御検討いただきますよう強くお願い申し上げます。
以上をもちまして、私、関根ジローの一般質問を終わらせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。
○副議長(三沢 智君) 以上をもって本日の日程は終了しました。
明日18日は定刻より会議を開きます。
これにて散会します。
午後2時37分散会
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
最近閲覧したページ 機能の説明