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更新日:令和7(2025)年11月21日

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令和7年9月定例県議会(9月11日) 会議録(速報版)

令和7年9月招集 千葉県定例県議会会議録(第2号)

令和7年9月11日(木曜日)

 議事日程

議事日程(第2号)

 令和7年9月11日(木曜日)午前10時開議

日程第1 議案第1号ないし議案第31号、諮問第1号、報告第1号ないし報告第15号及び決算認定に対する質疑並びに一般質問

       

 午前10時0分開議

○議長(武田正光君) これより本日の会議を開きます。

        

 議長の報告

○議長(武田正光君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 最初に、議長の出席要求に対する出席者について変更があり、本日、人事委員会委員長高梨國雄君が出席しますので、御了承願います。

 次に、議案第9号について、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を求めましたところ、適当と認めますとの回答がありましたので、御報告します。

       

 質疑並びに一般質問

○議長(武田正光君) 日程第1、議案第1号ないし第31号、諮問第1号、報告第1号ないし第15号及び決算認定についてを一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により小路正和君。

 (小路正和君登壇、拍手)

○小路正和君 皆さん、おはようございます。自由民主党、夷隅郡市選出、小路正和でございます。登壇の機会をいただきました先輩・同僚議員の皆さんに心から感謝申し上げます。

 本日も岩瀬俊隆後援会長、それから、久我司いすみ市議会議長、吉成おかみさん会会長、夷隅川土地改良区、丸理事長、港の朝市、出口会長をはじめ多くの皆さんに傍聴いただいております。私としても今回貴重な機会となります。今までお世話になった集大成をこの場で質問させていただき、千葉県内外、そして我が党の諸課題に対してしっかりと務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、項目が多いので早口になることをお許しください。

 まず、知事の政治姿勢について伺います。

 新たな総合計画についてです。

 熊谷知事は2期目の就任に際し、選挙公約である県政ビジョンを県の施策として具体化するため、早々に総合計画の策定に着手されました。5月に素案を示された後、県民や市町村、外部有識者など各方面から意見を聞かれた上で、具体的な事業や数値目標なども盛り込んだ計画案を今議会に議案として上程されました。我が党からも防災に関わる新しい概念であるフェーズフリーの考え方を総合計画に明記していただくことなど、様々な観点から意見や提言を行いましたが、これらについても適切に反映していただいたものと、計画案として練り上げられたものと承知しています。我が党としても、計画案で掲げられている県民を守り、支え、そして飛躍する千葉という基本理念の実現に向け、共に歩んでいきたいと思っていますが、一方で、計画の進捗状況について責任を持って確認し、県民の代表としてしっかりと意見を述べていかなければならないと考えています。このため、まずはこの4年間という計画期間の中で、特に何に力を入れて取り組んでいくのか確認をさせていただきたいと思います。

 そこで伺います。新総合計画では、どのような点に重点を置いて取り組んでいくのか。

 次に、本県の産業拠点形成についてです。

 東京圏国家戦略特別区域が千葉県全域に拡大するなど、本県に民間投資を呼び込む環境整備が進む中、今後高まる企業立地ニーズに対応するためには、産業用地の確保が喫緊の課題となっております。このことは、我が党が6月議会代表質問において指摘したところであります。そのような中、成田空港周辺地域では、今年6月、四者協議会での合意を経て、成田空港「エアポートシティ」構想が策定されました。この構想では、空港内外の一体的発展に向けて、空港周辺各地域の発展の方向性が整理され、成田空港の至近エリアについては、その立地のポテンシャルを最大限に生かし、航空産業をはじめ国際的な産業拠点の形成を目指すことなどが盛り込まれております。我が党としても、我が国の空の玄関口である成田空港の周辺地域は、空港本体の機能強化と相まって、産業拠点の形成が強く期待される地域と認識しております。こうした地域において、大規模な産業用地確保のための取組を進めていくことが重要と考えています。

 そこで伺います。成田空港の産業拠点形成の実現に向け、県はどのように取組を進めていくのか。

 次に、行財政運営についてです。

 まず、技術系職員の確保について伺います。

 近年、技術系職種の採用不足は顕著であり、本県の昨年度の採用試験では、採用予定数に対する採用者数の割合が、土木や児童指導員、保育士等の職種で5割に満たないなど、非常に厳しい状況となっております。また、先日合格発表のあった今年度の上級試験でも、多くの技術系職種で合格者数が採用予定数に満たない厳しい状況となっています。この状況が続けば、インフラの管理や児童相談所の運営等、行政サービスの維持が困難になることが懸念されます。県では、これまでも受験者の確保のため様々な取組を行っているものと思いますが、隣の東京都では、土木系職員として採用された方を対象に、奨学金返還を支援する事業を本年4月から新たに始めたとのことです。今後、人口の減少に伴い、ますます採用が厳しくなると見込まれる中、技術系人材の確保に向けては、千葉県庁を就職先として選んでもらえるよう、さらなる取組が必要と考えます。

 そこで伺います。近年、採用が困難となっている技術系職種の人材確保に向けて、どのように取り組んでいくのか。

 次に、今年度の収支見通しについてです。

 先月公表された令和6年度決算において、企業業績が堅調であったことを背景に、県税収入が過去最高を更新し、実質収支が83億円の黒字となるという明るい話題がありました。一方、令和7年度予算においては、財政調整基金を約600億円取り崩しており、9月補正予算案を踏まえた年度末残高は約470億円となっております。また、83億円の黒字についても、9月補正予算案において財政調整基金の積立てのほか、そのほとんどを財源として活用しており、来年度以降の財政運営に不安を感じます。

 そこで伺います。今年度の収支見通しはどうか。

 続いて、令和8年度の当初予算の編成方針についてです。

 さきの6月補正予算では、2期目の最初の予算として、産業の振興や道路ネットワークの整備、教育環境の充実、子供・若者支援など重点的に予算が配分されたところですが、令和8年度はこうした事業が本格化していくことに加え、公共施設等の老朽化対策や防災・減災対策も着実に推進していく必要があります。

 そこで伺います。令和8年度当初予算はどのような考え方に基づいて編成しようとしているのか。

 次に、行財政改革計画について伺います。

 新たな総合計画と併せて改訂を進めている行財政改革については、総合計画に掲げる施策を行財政の面で下支えする重要な役割があり、少子高齢化や人口減少が進む中、限られた経営資源を有効活用していくためには、これまで以上に効果的な取組を進めていくことが求められます。昨年12月の定例県議会での我が党の一般質問で、計画に掲げる取組の進捗、評価に当たっては、より精度の高い評価が実施されるよう、評価手法などの検討を要望したところであり、その後、執行部においてどのような検討がなされているか気になるところであります。

 そこで伺います。県は、行財政改革計画の取組の進捗管理や評価をどのように行っていくのか。

 次に、つくばエクスプレスについて伺います。

 平成28年4月に発表された国の交通政策審議会の答申において、国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクトの1つとして、つくばエクスプレスの秋葉原駅から東京駅への延伸が位置づけられました。これまで東京駅延伸について、一部の沿線市区による要望活動が実施されてきたところ、こうした取組をさらに強化するため、昨年12月には県内外の11市区で構成される期成同盟会が設立されました。さらに新たな動きとしては、本年7月につくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道では、延伸の効果を研究する意向が示されたところです。東京駅延伸が実現すれば、つくばエクスプレスの利便性がさらに向上し、県北西部の発展に貢献することが期待されます。千葉県としても、こうした動きに遅れることなく、積極的に取組を進めていく必要があると考えます。

 そこで伺います。つくばエクスプレスの東京駅延伸について、県はどのように取り組んでいくのか。

 次に、いすみ鉄道について伺います。

 いすみ鉄道については、昨年10月の脱線事故以来、全線運休が続き、復旧が見通せない状況が続いていましたが、この6月にいすみ鉄道から、大多喜駅から大原駅までの復旧費用と復旧時期の見通しが示されました。これに対してさきの6月議会において、知事から、関係4市町とともにしっかりと支援していくとの力強い御答弁をいただいたところであります。

 いすみ鉄道は、沿線住民の通勤や通学といった生活の足としても、また、中房総、南房総への誘客を促進する観光資源としても重要であり、まずは利用客が多い東側区間だけでも復旧に向けた道筋がついたことは大きな前進であると考えます。ただし、その一方で、現状では復旧の具体的な時期は令和9年秋頃と、相当の期間を要することもあり、現在の復旧工事の進捗状況や、早期復旧に向けた支援についてどのように行っていくのか、具体的に確認したいと思います。

 そこで伺います。いすみ鉄道の復旧工事の進捗はどうか。また、県として、早期復旧に向けどのように支援していくのか。

 次に、防災対策について伺います。

 近年、本県を含む全国各地では、大規模かつ広域的な災害が相次いで発生し、道路、鉄道の寸断やライフラインの長期停止、浸水被害や土砂災害などにより、住民生活や地域社会に深刻な影響をもたらしています。こうした災害の激甚化、頻発化に加え、高齢化の進展による避難支援の担い手不足、要配慮者への対応の困難化、さらには複合災害への備えといった防災上の課題が一層深刻化しています。特に能登半島地震では、道路や橋の損壊により、被災地への物資搬送や人員派遣が困難となり、停電や断水が長期化する中で、避難所の運営や医療・介護サービスの確保など、多岐にわたる課題が発生いたしました。

 こうした状況において、国、近隣自治体、企業、医療福祉専門職、NPO、ボランティアなど、立場や役割の異なる多くの関係者が、それぞれの専門性や資源を生かして連携、協力し、物資供給、被災者の健康管理、生活支援などに当たることの重要性が改めて浮き彫りとなりました。こうした教訓を踏まえ、国は災害対策基本法を改正し、防災基本計画を見直すことで複層的、重層的な支援体制の構築を進めています。この改正を受け、平常時からの備えと災害時の支援体制の実効性向上が自治体にも一層強く求められています。

 そこで伺います。災害対策基本法の改正を踏まえ、県は今後どのように取り組んでいくのか。

 次に、地震津波対策について伺います。

 7月30日にロシアのカムチャツカ半島で発生した巨大地震の影響で、日本の広い範囲で津波警報・注意報が出されました。これにより県全体では2,600人余りの方が避難をされたと聞いております。幸い本県に大きな被害はありませんでしたが、三方を海に囲まれ、長い海岸線や広い平野を持つ本県において、津波発生時の避難の重要性を改めて認識したところです。

 一方、県では、地震防災対策を効果的に推進するため、現在、地震被害想定調査を実施しています。今回、被害想定の対象とする地震として新たに設定する房総半島東方沖地震は、県内の複数か所で12メートルを超える津波高が予測されています。この地震による被害は、広範囲かつ甚大となることが見込まれることから、さらなる地震津波対策が必要だと考えます。

 そのような中、国において、自治体における事前防災力を強化するための支援事業として大規模災害対策支援補助金が新たに創設され、県もこの補助金を活用するとのことです。

 そこで伺います。本県の地域特性を踏まえ、今後、県は、地震津波対策にどのように取り組んでいくのか。

 次に、児童虐待防止対策について伺います。

 本年5月に松戸市で生後4か月の幼い赤ちゃんが亡くなり、母親が逮捕されるという大変痛ましい事件が起きたことは記憶に新しいと思います。本事案は、所管の柏児童相談所が母親から電話相談の一報を受け、ネグレクトとして対応を開始した矢先に発生したと聞いています。我が党では、これまでこのような痛ましい事案が二度と起きないような体制づくりを執行部に強く求めてきたところであり、本年6月の代表質問においても、本事案における検証や、児童相談所の体制強化などの必要性について指摘しました。検証委員会では、本事案について詳細に分析し、再発防止策等を検討すると聞いていますが、このような痛ましい事案が二度と起きないよう、真摯に向き合い、しっかりと検証を進めていただきたいと思います。

 そこで伺います。松戸市で発生した児童の死亡事案に対し、県はどのように検証を進めているのか。

 次に、児童相談所の整備について伺います。

 虐待による死亡事例はいまだになくならず、さらなる児童虐待防止対策の強化が必要です。また、本県の令和5年度の児童虐待相談対応件数は全国4位と、今なお高い水準で推移していると聞いており、一時保護所の定員超過や居室不足、職員増による執務室の狭隘化などの解消は待ったなしの課題であります。我が党では、これまでも代表質問などで県の施策の実施状況を確認するとともに、児童虐待防止対策プロジェクトチームが中心となって、ICTを活用した業務改善など、児童相談所の一層の機能強化が図られるよう様々な提言を行ってきました。提言を受けて、県では様々な施策を展開してきたと承知しており、新たな児童相談所についても開所に向けた準備が進んでいることと思います。

 そこで伺います。現在、整備を進めている児童相談所の開所に向けた準備状況はどうか。

 次に、医療機関の経営問題について伺います。

 医療機関の主な収入源である診療報酬は2年に1度改定されますが、令和6年度の改定は、昨今の物価高騰への対応ができておらず、経営が大変苦しいとの声が聞こえます。こうした声は様々な関係者から我が党にも届いており、医療提供体制への影響を危惧しているところです。去る3月には日本医師会、日本病院会、全国自治体病院協議会等が合同で診療報酬等について、賃金、物価の上昇に応じて適切に対応する新たな仕組みの導入を求める声明を公表しました。賃金上昇と物価高騰で経営状況は著しく逼迫しており、ある日突然、病院をはじめとした医療機関が地域からなくなってしまうと訴えています。千葉県においても、6月には千葉県民間病院協会から県に対し、財政支援の要望が出されています。物価が高騰し続けている現状において、予測不能な状態で医療崩壊を来す可能性があり、自由に価格設定ができない医療にあっては、地域ごとのきめの細かい医療支援こそが地域医療を守る上で、特に重要となってきているとのことであります。

 そこで伺います。医療機関の厳しい経営状況を踏まえ、県としてどのように対応するのか。

 次に、県立病院について伺います。

 令和6年度の病院事業会計の決算見込みは、純損失が約58億円となり、前年度に比べ赤字幅は約21億円拡大し、赤字の規模としては過去最大の決算という大変厳しい状況にあります。本業の医業収益は前年度並みの381億円を確保するも、昨今の人件費や物価の上昇により費用が増加し、運転資金の確保も困難となり、昨年度末には一般会計から27億円を借り入れ、何とか資金不足を回避しての決算となりました。全国的にも自治体が経営する病院の経営は苦しくなってきており、報道等によれば、令和6年度決算において、実に86%の病院で経常収支が赤字となっているとのことであります。県立病院は高度で専門的な医療を提供するなど、県民の命を守る重要な役割を担っていますが、これだけ赤字の規模が大きくなり、今後も賃金や物価の上昇が見込まれる中、経営環境は厳しさを増していくものと考えられます。

 そこで伺います。県立病院の経営が大変厳しい状況となっているが、運営資金の確保を含めた今後の見通しはどうか。

 次に、後期高齢者医療財政安定化基金について伺います。

 後期高齢者医療制度は75歳以上の方を対象に、後期高齢者の医療を国民全体で公平に支えることを目的として、平成20年度に始まりました。本制度における保険料は、保険者である千葉県後期高齢者医療広域連合において2年ごとに改定され、本年度は令和8、9年度の保険料を算定する年度に当たります。制度の開始以来、保険料は医療の高度化の影響などにより増加し続けていますが、次の保険料改定では、子ども・子育て支援金の創設や、現役世代の負担への配慮などから、これまで以上の保険料の上昇が見込まれています。

 このような状況の中、本年7月に国から通知があり、保険料の急激な上昇を抑制する観点から、県に設置されている後期高齢者医療財政安定化基金を活用する際の考え方が示されたと聞いています。全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築していく上で、一定の保険料の上昇はやむを得ないと認識していますが、一方で、昨今の社会情勢を踏まえると、可能な限り後期高齢者の負担を減らすための工夫も必要であると考えており、この基金の活用についてどのように考えているのか大変気になるところでございます。

 そこで伺います。後期高齢者医療財政安定化基金の活用について、県はどのように考えているのか。

 次に、保健医療大学の機能強化について伺います。

 保健医療大学は本県唯一の県立大学として、看護学科のほか、栄養学科、歯科衛生学科、リハビリテーション学科を擁し、健康づくりのプロフェッショナルを育成することで、県民の保健医療の向上に寄与することを目的としています。平成21年4月の開学以来、大変多くの優秀な人材を養成、輩出してきており、卒業生の多くは県内の医療機関等に就職し、活躍していると聞いています。一方で、大学の前身の短大や大学校時代の校舎をほぼ引き継いでいることから、築40年以上経過している施設があったり、設備も一部は大変古いものを使っていたりするなど、幾つかの課題を抱えているとのことです。

 我が党では、これまでも代表質問をはじめ様々な機会で保健医療大学の在り方について取り上げてきていますが、県においては、令和6年度に保健医療大学の機能強化に向けた調査検討事業を実施し、その報告書を本年5月に公表しています。報告書では、外部の有識者の意見を聞きながら、在学生や医療機関従事者へのアンケート調査、県外の公立大学へのヒアリング調査を実施するなどして、多岐にわたる項目を整理されたとのことです。また、今後の県の取組として、この秋を目途に、保険医療大学の学部等の構成や定員、立地など機能強化の基本的事項を決定するとしています。

 そこで2点伺います。

 1点目は、県は、機能強化の基本的事項を決定するとしているが、その内容はどうか。

 2点目としては、県は、保健医療大学の機能強化を今後どのように進めていくのか。

 次に、米国の関税措置について伺います。

 米国のトランプ政権による関税措置により、これまで我が国には一律10%の相互関税と、自動車には27.5%、鉄鋼・アルミニウムには50%という高い関税率が課されてきました。一時は相互関税を25%に引き上げる動きもありましたが、政府の粘り強い交渉により相互関税は15%に抑えられ、自動車の関税率も15%に引き下げられるなど、一定の効果があったと思います。しかし、やはり高い関税率であることには違いありません。報道によれば、上場企業の今年4月から6月期の決算は、前年同期と比べて多くの業種で悪化し、製造業では自動車や鉄鋼、石油、化学などが減益や赤字になったことが伝えられるなど、関税措置による様々な影響が出ており、今後の景気の下振れも懸念されているところであります。

 こうした中、本県は日本最大の貿易港である成田空港や素材・エネルギー産業が集積する京葉臨海コンビナートなどを有し、各地に多くの企業が立地していることなどから、県内経済への影響が大変気になるところでございます。

 そこで2点伺います。

 1点目として、米国の関税措置による県内経済への影響はどうか。

 2点目として、その影響を踏まえ、どのように対応していくのか。

 次に、洋上風力発電について伺います。

 銚子市沖洋上風力発電事業は、一般海域における大規模な事業としては、全国で最初の案件であり、令和3年12月に千葉銚子オフショアウィンド合同会社が国から発電事業者に選定されたところであります。その後、令和10年9月に予定されていた運転開始に向けて様々な準備が進められていましたが、今年2月に事業者から、世界的なインフレや円安などを理由に、事業の再評価を行うとの発表が突然なされました。私としても、これには大変驚きました。そして、8月27日には、再評価を行った結果、コスト、スケジュール、収入など、あらゆる面において様々な可能性を追求したが、実行可能な事業計画を立てられなかったとして、事業からの撤退が発表されました。確かに厳しい事業環境であることは理解します。しかしながら、事業者は国の入札で選ばれたものであり、そもそも事業の収支を精査した上で入札に応じたはずであります。それを途中で投げ出すことは、到底看過できるものではありません。

 その一方で、事業者が撤退してしまった以上、一刻も早く次の事業者を選定する必要があります。9月8日に開催された第6回法定協議会においては、国から早期再公募の方針が示されたところですが、県内には銚子市沖だけでなく、私の地元いすみ市沖や九十九里沖、旭市沖と4つの案件があり、現在の厳しい事業環境を踏まえると、県内への洋上風力発電事業の導入が着実に進むためには、将来を見据えた事業環境の整備も必要となると考えます。

 そこで伺います。銚子沖はもとより、県内の洋上風力発電事業が円滑に進められるようにするため、県はどのように対応していくのか。

 銚子市沖から撤退した事業者は、三菱商事、三菱商事洋上風力及び中部電力の子会社シーテックがコンソーシアムを組んだ事業体であり、事業者の計画では、総合商社である三菱商事のリソースを最大限に活用することで、発電事業のみならず、地域活性化につながる取組を実施していくことになっていました。そのため、地元の方々から非常に大きな期待が寄せられていたところであり、地域産品の販路拡大など、実際に地元と事業者が連携して進み始めていた取組もありました。また、県においても、風車等のメンテナンス港として活用するため、名洗港の整備を進めてきました。事業者の撤退によって、こうした取組や事業が中断してしまったり、立ち消えになってしまうとすれば、地元への影響が非常に大きいものと心配しています。

 地域振興の取組については、法定協議会において、事業者から、今後も続けていくとの方針が示されましたが、地元が安心できるような詳細な説明まではありませんでした。私は、事業者が発電事業から撤退するとしても、自ら実施すると約束していた地域振興の取組は、今後も責任を持って続けていくべきであり、県としても事業者に強く迫るべきだと考えます。

 そこで伺います。事業者の撤退によって地域に悪影響を及ぼさないようにするため、県はどのように取り組んでいくのでしょうか。

 次に、農林水産業の振興について伺います。

 まず、本県の米の生産についてです。

 国では、今般の米価高騰を受け、随意契約による政府備蓄米の売渡しにより早期に店頭販売を開始したほか、多様化する流通実態調査の見直しを行うなど、様々な対策を進めているところでございます。また、米の安定供給に向けて、6月5日に第1回の米の安定供給等実現関係閣僚会議が開催され、これまで3回の会議の中で、今般の米価高騰の要因と対応についての分析や、それを踏まえた今後の政策転換に向けた議論が進められているところです。

 本県は大消費地に位置しながら、全国上位の米の生産県として、米の供給を担う重要な産地でもあります。令和7年産の主食用米の生産は、昨年より増加する見込みと聞いておりますが、米に関する政策の見直し等、水田農業を取り巻く環境が大きく変化する中、引き続き米を安定供給していくためには、農業者が意欲を持って米づくりに取り組めるよう支援していく必要があると考えます。

 そこで伺います。国が米の政策の見直しを進める中、県ではどのように農家を支援していくのか。

 次に、高温対策について伺います。

 本県園芸農業は、農業産出額の約半分を占める重要な基幹部門であり、県では、これまで生産者の規模拡大や販売力の強化に向けて産地の出荷体制の整備などに取り組んできたところです。一方、令和5年及び6年は記録的な猛暑が続き、トマトや花卉などの多くの園芸品目で収量の減少や品質の低下が発生し、市場価格が高騰するなど、消費者への影響も生じています。生産者はハウスの換気やかん水などの対策を取っていますが、手間やコストがかかる上に、昨今の物価高騰も重なり、大変苦慮しているところでございます。

 県は、今年度新たにちばの園芸高温対策緊急支援事業を立ち上げ、高温対策に必要な機械、装置等の導入を支援しているところですが、夏季の高温が常態化する中、早期に対策を進めていくことが重要と考えます。

 そこで伺います。夏場の高温が常態化する中、県は園芸産地の強化にどのように取り組んでいくのか。

 次に、落花生の振興について伺います。

 落花生は本県が全国でのシェア8割以上を占めており、落花生といえば千葉県ということが全国的に知られる本県の代表的な特産物であります。一方で、担い手の高齢化や後継者不足などにより、栽培面積がこの10年間で約1割減少するなど、生産量の確保などで課題も生じています。

 こうした中、来年、令和8年は千葉県に落花生が導入されてから150年の節目を迎えることを皆さんは御存じでしょうか。私はこの機会を活用して、本県の落花生の歴史やおいしい食べ方などを全国に大々的に発信し、千葉の落花生はこんなにすごいんだぞということを大いに知らしめることで、本県の落花生のさらなる振興につなげていくべきだと思います。

 そこで伺います。県では、落花生の振興についてどのように取り組んでいくのか。

 次に、水産資源の管理について伺います。

 本県は三方を海に囲まれ、豊かな漁場に恵まれた全国屈指の水産県ですが、近年では、漁場環境の変化など水産業に大きな影響が出ています。例えば私の地元である夷隅地域では、マサバやスルメイカ等の漁獲が減少する一方で、トラフグは漁獲が増えており、地域の重要な水産資源になっているところであります。そのような中、本県水産業を発展させていくためには、取り過ぎを控え、限りある水産資源を適切に管理することにより持続可能な漁業の推進が重要と考えます。

 水産資源の管理については、国は魚種ごとに年間の漁獲可能な数量を定める、いわゆるTAC制度を基本としており、本県の漁業者も厳しいそのルールに基づいて日々の操業を行っています。一方で、他県においては違法に水揚げされたクロマグロが不正に流通した事案の報道を目にするなど、改善すべき点はあるように思います。本県水産業を発展させるためには、水産資源を適切に管理していくことが重要と考えます。

 そこで伺います。本県における水産資源の管理に係る取組状況はどうか。

 次に、建設工事の入札に関する秘匿情報の管理について伺います。

 昨年の9月定例会における我が党の代表質問において、令和5年度に発生した県土整備部における収賄事件について取り上げた際、建設工事の入札に係る調査基準価格などの秘匿情報が漏えいした事案に対し、実効性のある再発防止策を講じるよう強く求めたところでございます。その際、入札に係る秘匿を要する情報の漏えい防止の取組に関する答弁では、秘匿を要する情報が開札時まで分からない仕組みを導入するとのことでありました。県では、こうした方針の下、再発防止に向けた様々な対策の検討を進めてきたと思いますが、そのような中、企業局が発注した工事においても、入札に係る秘匿情報が漏えいした事案が判明いたしました。今後、二度とこのようなことが起きないようにするためにも、一日も早く根本的な対策を講じる必要があると考えます。

 そこで伺います。入札の実施に当たり、秘匿情報の漏えいを防止する対策について、検討状況はどうか。

 県内の広域道路ネットワークについて伺います。

 高速道路をはじめとする広域道路ネットワークは、人や地域を相互につなぐ人、物、情報の移動を支援する極めて重要な社会基盤であります。成田空港では第2の開港プロジェクトが進められており、第3滑走路の新設など、機能強化が予定されております。空港の機能強化の効果を広く波及させるためには、道路ネットワークの充実、強化が必要不可欠であると考えます。このことについては、昨年9月の我が党の代表質問でも取り上げておりますが、県においては、令和6年9月に首都圏空港道路ネットワーク検討分科会を設置し、これまで4回の議論を重ねていると聞いております。圏央道や北千葉道路、新湾岸道路など、県内道路ネットワーク整備の加速が必要と考えます。

 そこで伺います。成田空港第2の開港プロジェクトを踏まえた広域道路ネットワークの充実、強化に向けた取組はどうか。

 次に、圏央道の新たなインターチェンジについて伺います。

 圏央道は本県の産業や観光の振興に重要な役割を担っており、安全で円滑な交通の確保や地域の防災力向上をもたらす非常に重要な道路であります。現在、大栄ジャンクションから松尾横芝インターチェンジ間が令和8年度の開通に向けて鋭意工事が進められているところです。圏央道の全線開通により、成田、羽田空港間の連携強化や、さらなる企業立地の進展、観光振興が期待されており、隣接する成田空港の第2の開港プロジェクトにより、周辺地域で産業用地や住宅地の開発計画が進められるなど、さらなる交通需要の増大が見込まれているところでございます。そのため、空港周辺地域の活性化や物流の効率化、交通の円滑化を図るためにも、圏央道から成田空港につながるインターチェンジの設置が必要であると考えます。

 そこで伺います。成田空港及び周辺地域と圏央道を結ぶ新たなインターチェンジの取組状況はどうか。

 次に、都市計画について伺います。

 我が党では、令和5年12月議会において広域的な都市計画区域マスタープランの策定について質問したところですが、知事からは、県全体を6圏域に分けたマスタープランを策定することや、圏域ごとに協議会を設置し、地元市とも連携しながら取り組むとの答弁がありました。このような考え方に基づき、広域都市計画マスタープランの策定が進められていると思いますが、一方で、新たな総合計画や成田空港「エアポートシティ」構想の策定など、千葉県の都市計画に大きく影響を与える取組も進められている状況でございます。広域的な観点から、あるべき都市の将来像を展望し策定する広域都市計画マスタープランは、こうした取組と整合を図った上で、市町村との連携はもちろん、住民へ丁寧に説明していくことも大変重要であると考えられます。

 そこで伺います。広域都市計画マスタープラン策定に向けた進捗状況はどうか。

 次に、用水供給事業の統合についてです。

 九十九里地域、南房総地域の用水供給事業体と県営水道の統合については、令和7年1月の基本協定締結後、両企業団を構成する21市町村の6月議会での議決を経て、両企業団の解散協議が調ったと聞いております。地域の用水供給事業を県が引き継ぐため、この9月県議会には用水供給条例案など関連する条例案が提案され、県内水道事業の歴史の中でも大きな一歩を踏み出そうとしているところでございます。

 そもそも水道事業体の統合は、将来にわたる安定給水の維持を目指して行われるものであり、統合後の規模拡大により、組織体制はもちろん、財政基盤も強化することで、施設の老朽化対策や耐震化等の投資需要に適切に対応できるよう、財源を安定的に確保できる経営を目指すべきであると考えます。

 一方で、今回の統合では、新たな用水供給事業の運営を県が一元的に担うこととなりますが、条例案では、九十九里・南房総地域でそれぞれ別料金とされ、統合基本計画によると、地域別に区分された料金や収支を11年目を目途に統一すると聞いており、果たしてこれにより健全経営につながるのか気になるところでございます。

 そこで伺います。九十九里地域と南房総地域の用水供給料金の統一をどのように行い、健全経営につなげていくのでしょうか。

 九十九里地域、南房総地域の用水供給事業体と県営水道の統合については、長い年月を要しましたが、この統合協議で培った努力の結晶を次なる統合につなげていくことも大事です。近年、災害や老朽化による断水等が相次ぐ中、インフラの維持について県民の関心が高まっており、水道事業体の経営基盤を強化していくためにも、これまでの知見を生かして速やかにさらなる統合を進めていくべきと考えます。

 そこで伺います。統合協議の先行事例で得た知見を、今後の統合にどのように生かしていくのでしょうか。

 また、リーディングケースは平成19年2月の県内水道に係る提言を契機に、20年弱をかけてようやくまとまったものであり、企業局においては、今後の統合・広域連携も見据えて、地域の課題にしっかりと対応できる組織体制で水道用水供給事業を運営していくことが重要です。

 そこで伺います。統合後の組織体制はどうなるのでしょうか。

 次に、県営水道料金の改定についてです。

 今年1月に発生した埼玉県八潮市の下水道管の劣化に起因する道路の陥没事故については、いまだに本格復旧ができていない状況であります。また、その後も水道管の老朽化を原因とする漏水事故が京都市や鎌倉市で起こるなど、全国的に老朽化に起因する事故が相次いでいるところでございます。改めてインフラの老朽化対策の重要性が再認識されたところでございます。

 御承知のとおり、水道は欠かすことのできないライフラインであり、老朽化による漏水や自然災害による破損等により長期間の断水が発生した場合、住民の暮らしや地域経済に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。このような影響を最小限に抑え、将来にわたって安全な水を安定して供給していくためには、しっかりと水道施設の更新、耐震化を進めていくことが必要です。千葉県営水道では、そのための財政基盤の確保のため、料金の引上げを検討しているところであり、5月に開催された千葉県水道事業運営審議会で、知事から料金改定案について諮問が行われたところでございます。

 さきの6月議会で、我が党の代表質問に対し執行部から、水道事業運営審議会に諮問した料金改定案については、審議会の中に設置された学識経験者から成る部会において、専門的見地から、浄給水場や管路の更新、耐震化の考え方や具体的な料金体系などの議論を深めていくとの答弁がありました。水道施設の老朽化や首都直下型地震などの大規模な災害リスクに備え、施設や管路の更新、耐震化をどう進めていくのか、また、必要とされる料金の引上げ分を利用者間でどう負担していくのか、これらの課題について審議会でどのように議論され、どのような結論に至ったのか、私としても大変気になるところでございます。

 そこで伺います。県営水道の料金引上げについて、水道事業運営審議会における審議状況はどうか。

 次に、教育問題について伺います。

 まず、教員不足の解消についてです。

 全国的に教員不足が叫ばれる中、7月に実施した本県の教員採用選考の志願倍率は昨年度に引き続き低調であり、志願者数の減少に歯止めがかからない状況が続いています。そのような中でも、主に大学3年生を対象としたちば夢チャレンジ特別選考では、受験者が約100人増加するなど明るい兆しも見られました。これは教員採用プロモーションや奨学金返還緊急支援など、これまでの教員確保の取組に一定の効果が出ているものと評価できます。しかしながら、学校現場からは、引き続き教員が足りていないとの声が聞こえており、千葉の教育を支える優秀な人材を採用するためにも、志願者を増やす取組を今まで以上に強化していく必要があるのではないでしょうか。

 また、人材確保競争が激しくなる中で、千葉県で教員になる選択をしてもらうためには、仕事と生活を両立して働ける職場環境づくりが必要であり、そのためにも学校現場の働き方改革にしっかりと取り組んでいくことが必要です。

 そこで2点伺います。

 教員不足解消に向けた志願者増加のための取組について、現状と今後の対応はどうか。

 学校における働き方改革において、今後どのように取り組んでいくのか。

 次に、県立高校の空調設備の整備状況についてお伺いします。

 近年、地球温暖化の影響により、夏の気温がますます上昇し、健康に深刻な影響を及ぼすほどの猛暑が続いております。今年も関東の年間猛暑日日数が最多記録を更新し、暑さはより厳しく長期化する傾向にあります。そのような中、学校における空調設備の整備は、何より最優先で取り組むべき事項であり、県教育委員会でも計画的に整備を進めていることは承知していますが、授業で使用している教室や教員の執務室の中には、いまだに空調設備が設置されていない部屋もあると聞いています。千葉県においても40度に迫る地点が発生しており、生徒や教職員の健康や命を守り、安心して学校生活を送るためには、今や空調設備は必須であり、未整備となっている教室等には早急に整備を進めるべきと考えます。

 また、高校授業料無償化が進められていますが、私立高校が無償化される中、県立高校の魅力向上のためには、学びの環境の整備、とりわけ空調設備の整備をより一層加速化していかなくてはならないと考えます。

 そこで伺います。県立高校における空調設備の整備状況はどうか。また、今後どのように進めていくのか。

 次に、千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例についてです。

 金属類の市場流通価格の高騰等を背景にして、金属類の盗難の急増が全国的な問題となる中、本県では金属類取扱業者を規制する条例を制定し、本年1月1日に施行されました。本年に入り県内の金属類の盗難件数は減少傾向にはあるものの、依然として金属類の盗難が発生しており、今後さらなる被害防止のためにも、本条例の許可対象事業者に対する規定の遵守や適正営業を指導していく必要があると考えます。

 そこで伺います。千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例施行後の状況はどうか。また、今後の取組方針はどうか。

 次に、性犯罪・性暴力対策について伺います。

 全国的に子供や女性が被害に遭う性犯罪・性暴力事件が後を絶たない中、昨年6月に国会で、いわゆるこども性暴力防止法が可決成立し、同事件に対する取組の機運が高まっておるところです。昨今、報道等により、芸能人や検察官等による女性への性犯罪事件が発生して世間を騒がせたほか、性犯罪のうち主な罪種である不同意性交等罪と不同意わいせつ罪の本県の認知件数は、前年比で増加していると伺っています。被害撲滅のため、本県のみならず、全国的にも性犯罪・性暴力事件の根絶に向けた各種対策が急務となっていると考えます。

 そこで伺います。性犯罪・性暴力対策に、県警では、どのように取り組んでいるのか。

 以上で1回目の質問を終わります。答弁のほう、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございます。(拍手)

○議長(武田正光君) 小路正和君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の小路正和議員の代表質問にお答えいたします。

 まず、政治姿勢についてお答えいたします。

 新総合計画で重点を置く取組についての御質問ですが、総合計画に掲げた施策を着実に推進していくためには、その土台として、まずは県民の命と暮らしを守ることが重要であることから、頻発化、激甚化する大規模災害への対応や、防犯、交通安全対策などに引き続きしっかりと取り組んでまいります。加えて、今後の4年間は本県のさらなる飛躍に向けて大事な時期であり、成田空港では滑走路の新設や延伸などを行う成田空港第2の開港プロジェクトの進展や、鉄道、道路による空港へのアクセスの強化について関係者との議論が進むなど、大きく動き出しており、日本がアジアと戦っていくための国家プロジェクトとして、これらの取組を結実させていくことが重要です。

 さらに、圏央道については県内区間の全線開通が予定されているなど、本県の拠点性がより一層高まる絶好の機会であることから、これらの優位性を県内全ての地域の活性化につなげてまいります。

 また、我が国全体が直面する少子高齢化や人手不足などの課題については、多くの分野で人々の生活に大きな影響を及ぼすため、各分野における人材の確保、定着などにいち早く対応することで、より大きな成果に結びつけてまいります。今後も県政の各分野において、県議会の皆様の御理解をいただきながら、県民や民間事業者、市町村など様々な主体の力と英知を結集し、千葉県のさらなる発展に向け全力で取り組んでまいります。

 成田空港周辺の産業拠点形成についての御質問ですが、国は今年度、拡大する航空機の整備需要を国内に取り込むことを目指し、航空機エンジン用大型試運転施設の導入を支援する予算を計上しており、これを受け、現在、関係事業者において、成田空港内を候補地とした検討が進められていると認識をしています。こうした動きは航空機整備等を行うMRO産業の集積につながり、さらには航空宇宙産業以外の成田空港の特徴や強みを生かせる産業集積の呼び水となることも期待をされ、今後、空港周辺における産業用地に対する急速なニーズの高まりが見込まれます。県としては、こうした機会を逃がさず産業用地を確保していくことが重要であると考えており、空港周辺での産業集積に向けてスピード感を持って取り組むため、県が空港周辺での産業用地整備について直接取り組むことも選択肢に、事業主体や手法などに係る検討を進めてまいります。

 次に、行財政運営についてお答えいたします。

 当初予算編成についての御質問ですが、令和8年度当初予算は新たな総合計画の策定後、初めての本格的な予算編成となることから、計画案に掲げた施策、取組を着実に推進していくことが重要と考えています。このため、県民を守り、支え、そして飛躍する千葉の実現に向け、激甚化する災害への対応力強化、新たな犯罪にも対応する犯罪の起こりにくい社会づくり、成田空港拡張事業等による経済の活性化や社会資本の充実、商工業や農林水産業を担う人材の確保、育成、医療提供体制の充実と健康寿命の延伸、子供、若者への支援の充実など、県民サービスの向上、県の活性化や将来の発展のため必要な事業などに重点的に予算を配分したいと考えています。また、来年度は社会保障費や人件費などの義務的経費が引き続き増加することに加え、県有施設の老朽化にも適切に対応していく必要があることから、事務事業の見直しなどの行財政改革にもしっかりと取り組み、持続可能な財政構造の確立を目指してまいります。

 次に、交通問題についてお答えいたします。

 つくばエクスプレスの東京駅延伸についての御質問ですが、つくばエクスプレスの東京駅延伸は、都心へのアクセス利便性の向上や県北西部の発展につながる一方、都心部での大規模な投資事業になることが見込まれるため、鉄道事業者や沿線自治体などの関係者間で十分に検討する必要があると考えています。こうした中、沿線自治体で構成される期成同盟会において、東京駅延伸に向けた要望活動が実施をされたほか、つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道においても、延伸の効果を研究する調査を本年秋以降に開始することが発表されるなど、事業化に向けた機運が高まってきているところです。県としては、これらの状況を踏まえ、鉄道事業者や国、沿線自治体などの関係者と連携を図るため、期成同盟会に参加することとしたいと考えており、東京駅延伸に向けた取組として、要望活動や課題についての議論などを行ってまいります。

 いすみ鉄道の復旧についての御質問ですが、いすみ鉄道では、現在、東側区間のうち大多喜駅から国吉駅までについて鋭意工事を進めるとともに、できる限り工期を短縮して早期の運行再開を図るため、現場の施工会社を増やすことについて、関係者と調整しているところです。今回の補正予算案では、こうした取組により、今年度の復旧工事が最大限に進捗した場合を想定し、いすみ鉄道に対する補助金として1億5,000万円を増額したところであり、関係市町においても県と同額を予算措置することとしています。県としては、一日も早く安全・安心な鉄道として運行を再開できるよう復旧を進めるとともに、代行バスの運行が確保され、利用者にとって不便が生じないよう、関係市町としっかりと連携をしながら、いすみ鉄道を支援してまいります。

 次に、防災対策についてお答えいたします。

 災害対策基本法改正を踏まえた県の取組についての御質問ですが、このたびの法改正は能登半島地震の教訓等を踏まえ、被災者に対する福祉的支援の充実やボランティア団体との連携、広域避難の円滑化、防災DXの推進など、現場の実情に即した災害対策を強化するための重要な見直しと受け止めております。現在、県では被災者支援システムの全県導入や、市町村、社会福祉協議会、ボランティア団体などが相互に連携する支援体制の確立に取り組んでいるところであり、こうした取組と併せて、法改正の趣旨や近年の災害から得られた教訓などを地域防災計画に反映させる修正を進めているところです。今後とも国の動向を的確に捉えながら、国の総合防災情報システムとの連携による国、県、市町村間の情報共有の円滑化や、市町村と連携して広域避難におけるマニュアルの作成にも取り組み、災害に強い千葉県づくりを推進してまいります。

 次に、保健・医療政策についてお答えいたします。

 保健医療大学の機能強化の基本的事項についての御質問ですが、保健医療大学についてはデジタル社会の進展や国際化、医療の高度化、専門化、医療の提供の場の多様化にも対応できる人材を継続的に育成するため、機能強化を図っていく必要があります。そこで、県では保健医療大学の機能強化に向けた調査検討事業として有識者会議を設置し、養成すべき人材像や教育内容、運営主体、施設の立地等の検討を行い、報告書を公表したところです。この報告書を踏まえ、昨今の保健医療を取り巻く環境変化に対応し、時代を切り開く人材を育成するための学部構成や大学院の設置、公立大学法人化による機動的で柔軟な運営、将来にわたって学生獲得を含めた競争力を維持していくためのキャンパスの幕張統合などを案として基本的な事項を取りまとめているところであり、今後早期に決定をし、公表する予定です。

 次に、米国の関税措置についてお答えいたします。

 関税の影響を踏まえた県の対応についての御質問ですが、県では、これまで関係機関と連携をしながら、各種相談窓口を設置するとともに、利用可能な制度融資や補助金などをリスト化して県ホームページで掲載をしてきたところです。さらに、6月補正予算に計上した設備投資のための補助金の交付や適切な価格転嫁の推進に向けた専門家派遣による伴走支援の開始に向けて現在準備を進めています。加えて、今議会において中小企業等の生産性向上を支援するため、デジタル化を伴走支援するコーディネーターの増員に係る予算を計上しており、関税の影響が懸念される中小企業への支援体制の充実を図りたいと考えています。県内中小企業への影響を最小限に抑えるため、引き続き米国の動向や地域経済、県民生活等への影響を注視しながら、適時適切な支援策を講じてまいります。

 次に、洋上風力発電についてお答えいたします。

 事業の円滑な推進に向けた県の対応についての御質問ですが、本県の太平洋沿岸の沖合は風況に優れ、洋上風力発電のポテンシャルがあることから、県としては銚子市沖はもとより、県内の他の海域も含めて、引き続き洋上風力発電の導入を促進していきたいと考えています。その一方で、事業者が銚子市沖の事業から撤退するに至った背景として、洋上風力発電の事業期間が長期にわたる中、インフレによるコストの増加やサプライチェーンの逼迫などにより、事業採算性の確保が難しい状況であるとの指摘があることも認識をしています。このため、国に対しては、将来にわたって洋上風力発電事業を確実に完遂できるよう、公募制度の見直しなどにより事業環境を整備するとともに、事業者不在の期間をできるだけ短くするため、銚子市沖の事業者を早期に再公募するよう要望してまいります。

 事業者の撤退による地域への影響についての御質問ですが、県では、事業者の撤退に伴う影響を把握するための調査を実施するとともに、影響が懸念される県内中小企業者等を支援するため、9月3日に相談窓口を設置したところです。また、事業者に対しては、撤退が地元に多大な影響を及ぼすことを強く伝えるとともに、地域振興等の取組について可能な限り継続するよう、私から直接求めたところ、事業者から、責任を持って対応したいとの発言がありました。県としても、地元関係者と一緒になって地域経済の活性化に取り組んでいくため、先日開催された法定協議会において、銚子地域の未来創造会議の立ち上げを提案し、地元関係者からは賛同が得られ、事業者からも参加を前向きに検討する旨の発言を得ているところです。この会議を通じて、今後も銚子地域の未来づくりに向けて、関係者が一体となって取り組んでまいります。

 次に、農林水産業の振興についてお答えいたします。

 園芸産地の強化についての御質問ですが、本県はこれまで園芸産地の強化に向けて、生産者の規模拡大や産地の出荷体制の整備を進めてきたところですが、特に近年は夏季の気温の上昇により、様々な園芸作物に被害が出ていることから、高温対策を迅速に進めていくことが重要です。このため、県では、今年度から新たに施設内の温度を下げるための換気装置や自動かん水設備、遮光資材などの高温対策に必要な機械、設備の導入支援に取り組んでおり、多数の生産者から申請があったところです。次年度に向けても非常に多くの要望があることから、生産者が早期に対策を取れるよう予算を増額するとともに、関係機関と連携をしながら、効果的なかん水方法など栽培技術の改善なども進め、高温下でも安定的に農産物を供給できるよう、産地強化に取り組んでまいります。

 次に、広域道路ネットワークの充実、強化についての御質問にお答えいたします。

 県では、成田空港の第3滑走路新設などの第2の開港プロジェクトの効果を広域的に波及をさせるため、広域道路ネットワークの在り方について、国や高速道路会社などと議論を進めています。これまでの議論を踏まえ、成田空港に直達する北千葉道路の整備促進や、渋滞が顕著である京葉道路を補完する新湾岸道路の早期具体化、県北西部の抜本的な渋滞対策などについて、先月28日に私自身が沿線市長とともに高橋国土交通副大臣に対し要望を行ったところです。引き続き成田空港へのアクセスの高速化や多重化に取り組むとともに、県北西部の渋滞解消を進めるなど、広域道路ネットワークの充実、強化が図られるよう取り組んでまいります。

 次に、都市計画についての御質問にお答えいたします。

 広域都市計画マスタープランは、市町村の区域を越えた広域的な視点から都市の将来像を明確にする都市計画の基本となる計画であり、策定に当たっては関連施策との連携や、地域のまちづくりを担う市町村との調整が重要となります。これまで今議会に提案をしている新千葉県総合計画案や、本年6月に策定をされた成田空港「エアポートシティ」構想などの内容と整合を図るとともに、広域都市圏ごとに設置をした協議会において、市町村の意見を十分に聞きながら、マスタープランの案について検討を進めてきたところです。今後は地元説明会の開催などを通じて住民へ丁寧に周知を図った上で、都市計画法に基づく手続を進め、来年夏頃にマスタープランを決定する予定であり、引き続き市町村と連携を図りながら着実に取り組んでまいります。

 次に、水道用水供給事業の統合についてお答えいたします。

 統合協議で得た知見の活用についての御質問ですが、県内には経営基盤が弱い水道事業体が多く、事業体単独では諸課題に適切に対応していくことが困難であるため、今後も水道事業体の統合、広域連携を進めることが必要と認識をしています。これまでの統合協議においては、事業体ごとに運用が異なる業務フローを統一する手法や、国交付金を最大限活用する事業計画の立て方など、協議を円滑に進めるための知見が得られたところです。さらに、現在、県では今後の統合・広域連携に向け、現状の分析や統合パターンのシミュレーション等の調査を実施しています。県としては、将来にわたって県内水道の安定的な供給体制を構築できるよう、今回の統合協議で得られた知見や調査結果などを基にして関係市町等と意見交換を重ね、統合・広域連携の取組を促進してまいります。

 最後に、県営水道料金の改定についての御質問にお答えいたします。

 県営水道の料金引上げについては、5月末の審議会への諮問の後、専門家で構成された部会が3回開催をされ、今後の施設整備の進め方と具体的な料金体系に関する議論が行われました。部会では施設整備については、施設の目標使用年数を定め、計画的に更新を行いつつ、防災拠点などの最重要施設への管路などは目標使用年数にとらわれずに早期に耐震化を行うという県の考え方が了承され、こうした進め方を前提とした料金引上げ幅18.6%についても、おおむね妥当と判断をされました。また、料金体系については、現在、小口利用者への配慮の度合いが他団体と比べても高くなっていることから、その傾向を若干緩和することが望ましいとの意見が出されたところです。部会の意見は先月の審議会で了承され、今後は答申案に向け議論が行われる予定です。県としては、引き続き審議会や県議会などの御意見を伺いながら、望ましい料金の在り方について検討を深めてまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。

○議長(武田正光君) 副知事高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは、まず、行財政運営についてお答えいたします。

 技術系職員の人材確保についての御質問ですが、県では新たな受験者層を開拓するため、今年度の職員採用試験から、一般行政及び土木、電気、児童指導員の4職種において、従来よりも2か月ほど早い時期に試験を実施する早期枠試験を実施した結果、技術系の3職種では採用予定数の3倍を超える応募があったところです。しかしながら、今後、若者人口の減少により人材獲得競争が加速していくことが見込まれることから、特に近年、採用が困難な土木系技術職や児童福祉専門職等を対象に、奨学金の返還を支援する事業の導入に向け、現在検討を進めています。また、今年度、受験者の増加に効果のあった早期枠試験については、実施職種の拡大や実施時期のさらなる前倒しなども検討しており、引き続き試験制度を見直すとともに、県職員として働く魅力ややりがいのPRを行いながら、技術系職種の人材確保を図ってまいります。

 今年度の収支見通しについての御質問ですが、9月補正予算段階では、財政調整基金を609億円活用することにより収支を均衡させています。今後、歳入においては、景気が回復基調にあることや、個人所得の増加による県税収入等の増加が期待される一方で、歳出においては、昨年度に引き続き人事委員会勧告に基づく大幅な給与改定が見込まれ、さらなる財政調整基金の活用も想定されるところです。県としては、国に対して財源措置を要望するとともに、執行段階でのさらなる経費節減に取り組みながら、一層の財源確保に努めてまいります。

 行財政改革計画の取組の進捗管理と評価についての御質問ですが、行財政改革計画に掲げる取組の推進に当たっては、その実施状況や効果を客観的に分析、検証した上で、限られた資源を効率的、効果的に活用しながら、必要な改善に取り組むことが重要だと考えています。先月公表した改訂原案では、客観的な根拠に基づいて政策を立案、実行、評価するEBPMの手法を参考に、解決すべき課題を明確にした上で、取組と効果との因果関係を踏まえ、定量的な指標を設定し、進捗状況の確認と効果の検証を行うこととしています。また、計画に掲げる各取組については、進捗管理を行う中で有効性を検証しながら、必要に応じて取組内容を見直すことなどにより、適時適切に改善が図られるよう努めてまいります。

 次に、防災対策について、地震津波対策についての御質問にお答えいたします。

 本県は三方が海に面した半島であり、海岸から広く平野が分布している地域もあることから、こうした地理的特性を十分に踏まえた地震・津波対策を推進していくことは大変重要と考えています。現在、県が行っている地震被害想定調査において、被害量算出の基礎となる地震動や津波の最大予測が前回の調査結果を上回る見通しであり、それに伴い人的・物的被害の量も大きくなることが懸念されます。来るべき災害に備え、より実効性の高い被害軽減策の検討を進めていく必要があることから、国の新たな補助金を活用して、道路の損壊や渋滞などにより避難や物資輸送のボトルネックとなる箇所を可視化するための調査を行うこととしたところです。今後、これらの調査結果を踏まえて、地震防災戦略や津波避難計画策定指針の見直し等を進め、地域の特性に即した対策を図るなど、千葉県全体の防災・減災対策の強化に取り組んでまいります。

 次に、児童虐待防止対策についてお答えいたします。

 死亡事案の検証についての御質問ですが、県では、本年5月に松戸市で発生した児童の死亡事案について、学識経験者や弁護士等の専門家で構成する児童虐待死亡事例等検証委員会において、柏児童相談所の対応等について分析、検証することとしており、7月9日に開催した第1回検証委員会では、事案の概要を共有し、検証の進め方について協議を行ったところです。今後は委員の意見を踏まえながら、関係機関へのヒアリングの実施などにより幅広く情報の収集を行うとともに、課題等を抽出した上で必要な改善策の提言をいただく予定です。引き続きこの委員会の検証等を通じ、二度とこのような痛ましい事案が起こらないよう、児童虐待防止対策に全力で取り組んでまいります。

 児童相談所の開所に向けた準備状況についての御質問ですが、現在、県では新設2か所、建て替え2か所の児童相談所の建設を進めています。このうち新設する印西市に建設中の児童相談所については、令和8年4月頃の開所を見込み、名称を印旛児童相談所とする予定であり、松戸市に建設中の児童相談所については、令和8年秋頃の開所を見込み、名称を松戸児童相談所とする予定です。建て替えとなる柏児童相談所、銚子児童相談所については、令和9年度中の開所を見込んでおり、このうち柏児童相談所については、柏市が独自に児童相談所を設置する予定であることから、名称を東葛北部児童相談所と変更する予定です。これらの整備に当たっては、児童の生活環境の充実のため、居室の個室化や学習室の拡充を行うとともに、執務環境の改善のため、オフィス改革の視点を踏まえた多様なワークスペースの配置や、面接室の拡充に取り組んでいるところであり、引き続き児童相談所の相談・支援体制の強化に向け、環境整備を一層進めてまいります。

 次に、保健・医療政策についてお答えいたします。

 医療機関の経営についての御質問ですが、地域における医療提供体制を確保するためには、医療機関が安定した経営を続けていくことが重要ですが、近年の物価高騰などを受け、県内の医療機関の経営は大変厳しい状況に置かれているものと認識しています。このため、県では、医療機関に対し、令和4年度からエネルギーや食料品の価格高騰の影響を軽減するための支援を継続的に行うとともに、今年度新たに生産性の向上や職場環境の整備のための補助制度を創設し、現在、交付に向けた準備を進めているところです。一方で、医療機関の経営は、本来、診療報酬により賄われるものであることから、国に対して持続可能な医療体制の確保に向け、診療報酬の見直しを行うよう要望しているところであり、引き続き様々な機会を捉えて国へ働きかけてまいります。

 県立病院の運営資金の確保を含めた今後の見通しについての御質問ですが、県立病院の令和6年度の決算は、医業収益は前年度並みを確保したものの、給与改定に伴う給与費の増加、物価の高騰に伴う委託費等の増加により純損失が過去最大の約58億円となるなど、大変厳しい状況です。また、令和7年度は昨年度に引き続き収支の補てんのため、一般会計からの借入金25億円を予算計上しているところですが、さらなる経営状況の悪化に備え、公立病院の経営改善と資金繰り支援のため新たに創設された地方債の活用についても検討しているところです。県としては、本年3月に策定した県立病院経営強化プランに基づき、収益確保や経費節減に取り組むこととしており、今年度はコンサルタントを活用し、新規患者の獲得増を目指すなど、引き続き収支の改善に努めてまいります。

 後期高齢者医療財政安定化基金に関する御質問ですが、当該基金は医療給付費の増加や保険料の収納不足に備えることが本来の目的ですが、特例的に急激な保険料上昇の抑制のために、後期高齢者医療広域連合への交付金に充てることが法律上認められています。後期高齢者医療に係る保険料は、現役世代の負担軽減などの観点から、これまで以上に増加が見込まれていますが、このような中、本年7月の国の通知により、本来の目的に使用するために確保すべき金額の目安とともに、特例的な交付を行う場合には、基金残高のうち、この目安を超えた金額の範囲内で行うことを基本とするとの考え方が示されました。県としては、安定的に後期高齢者医療制度を運営していくため、今後、広域連合において算定される令和8年度以降の保険料の見通しや国からの通知等を踏まえ、基金の活用についても広域連合と協議してまいります。

 保健医療大学の機能強化の進め方についての御質問ですが、県では、今後決定する基本的事項を踏まえ、施設や設備の整備等に関する基本計画の策定や大学院の設置、公立大学法人の設立についての準備を進めることとしています。基本計画の策定に当たっては、デジタル社会の進展に対応するため、データサイエンス教育に必要な設備等の導入を軸とした検討を進めるとともに、在学中の学生、教員の学習、教育研究の継続に支障を来さないよう配慮した整備手法などを検討してまいります。また、大学院の設置及び公立大学法人の設立については、県として初めての取組となるため、先行する他県等の事例も参考に、運営主体の移行等に伴う組織的・財政的課題にもしっかり対応しながら、令和10年度の設置、設立に向けて取り組んでまいります。

 次に、入札に関する秘匿情報の漏えい防止策についての御質問にお答えいたします。

 県では、建設工事における入札において、調査基準価格など秘匿を要する情報の漏えいを防止するため、国や他団体の事例も参考に、様々な手法の検討を行ってきたところです。検討の結果、調査基準価格などの算定に必要な情報や予定価格が開札時まで表示されないよう、積算システムを改修することとしました。なお、積算システムが全国統一の仕様であるため、同様の改修が困難な場合などは、極めて限定した職員以外、秘匿情報を知り得ることができない運用体制を構築することとします。こうした取組を全庁で実施することにより、県全体での入札に関する情報管理の在り方を抜本的に改善し、公正な入札の執行と信頼の回復に努めてまいります。

 次に、県内の広域道路ネットワークについてお答えいたします。

 圏央道の新たなインターチェンジについての御質問ですが、県では、成田空港のアクセス強化や地域の活性化を図るため、空港及び周辺地域と圏央道を結ぶ新たなインターチェンジの整備が必要であると考えています。本年4月には、国の制度改正により、高速自動車国道にのみ認められていた地方自治体主体によるインターチェンジの整備が圏央道においても可能となったため、国や高速道路会社と協議を進めながら、連結許可申請の準備を進めているところです。今後は、当該整備の新規事業化に向けて、公共事業評価審議会に諮るとともに、空港会社や周辺市町と連携しながら、新たなインターチェンジの実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 最後に、水道用水供給事業の統合についてお答えいたします。

 統合後の組織体制についての御質問ですが、統合後においても迅速な災害対応や着実な施設整備を実施できるよう、企業局内に新たに部を設け、水道用水供給事業の総合調整、企画、経営管理等を担う課や大規模施設の更新や施設の維持、運転管理の総括等を担う課を設置する予定です。また、現地の浄水場の運転管理や水質検査、管路の維持管理等については、現場に近い組織体制が必要になることから、現在の両企業団の所在地に出先機関として現地事務所を設置する方針です。これら各課、出先機関の詳細な組織体制については、引き続き検討を深めてまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(武田正光君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、米国の関税措置による県内経済への影響についてお答えいたします。

 米国へ輸出する日本製品に対して高い関税率が課されることは、県内経済に対しても一定の影響が及ぶものと認識しており、企業の経営状況を把握し、適時適切に対応していくことが重要です。このため、8月に2回目の県内企業向けアンケート調査を実施した結果、多くの企業が売上げの減少を見込んでおり、今後の対策として、コスト削減や製品への価格転嫁などの取組が必要であると考えていることが確認できました。県としては、引き続きジェトロや産業振興センター等の関係機関と連携しながら、企業からの相談に丁寧に応じ、販路開拓等の伴走支援につなげるとともに、中小企業等の声を直接聞くため、地域勉強会を開催するなど、さらなる状況の把握に努めてまいります。

 次に、県の今後の米農家への支援についての御質問ですが、国では今後の米政策について、需給の変動にも柔軟に対応できるよう生産性の向上を図るとともに、耕作放棄地も活用しながら、米の増産にかじを切る方向で検討が進められております。このような中、県内の稲作農家が将来にわたって米を安定的に供給していくためには、農業経営の規模拡大や生産性の向上などをこれまで以上に推し進めていく必要があります。県としては、国の動向を注視しつつ、担い手への農地の集積、集約や遊休農地の活用などによる生産規模の拡大、コスト低減を図るためのスマート農業機械等の導入促進などにより、意欲ある農業者がしっかりと生産に取り組めるよう引き続き支援してまいります。

 次に、落花生の振興についての御質問ですが、落花生は本県を代表する特産品として全国的に認知されており、来年、令和8年には明治9年に旧山武郡南郷村で栽培が開始されてから150年の記念の年を迎えます。県では、これまでQなっつやおおまさりなど県オリジナル品種の育成や省力機械の導入支援、小学校等での栽培体験などにより、落花生の振興を図ってきたところですが、150周年を契機として、落花生の歴史を振り返り、今後の発展につなげるため、関係団体などと連携して記念イベント等を開催することとしております。さらに、民間企業等との連携を拡大し、ゆで落花生やピーナッツソフトクリームなどの産地ならではの食べ方や、様々な加工品等による落花生の新たなイメージを県内外に向けて発信するなど、落花生のさらなる振興を図ってまいります。

 次に、水産資源の管理の取組に関する御質問ですが、県では、魚種ごとの年間の漁獲可能な数量を定めるTAC制度により、マイワシなど8魚種の漁獲量管理を行っておりまして、現在、クロマグロについては回復基調にあります。また、TAC制度の対象となっていない魚種についても、漁具の制限や休漁期間の設定など、漁業者による自主的な資源管理を支援しており、その結果、キンメダイやイセエビなどでは資源水準が高いレベルで維持されております。なお、国内で違反があったクロマグロについては、法改正により、来年4月から取引記録の作成、保存の義務づけなど資源管理が厳格化されることから、県では、その適切な運用に向けて漁業関係者の指導を行ってまいります。今後も国や漁業関係者と連携して、水産資源を適切に管理することにより、本県水産業の発展を図ってまいります。

 最後に、水道用水供給事業の統合に関し用水供給料金についての御質問ですが、統合基本計画では、統合後10年間は経営安定化を図るため、県一般会計から年間約20億円の財政措置を講じることとしております。一方、両企業団の供給単価等に格差がある現状を踏まえまして、料金や収支については地域別に区分して運営することとしたところです。この間、南房総地域の創設事業に係る減価償却が進むことなどから、統合後11年目に両地域の総括原価が近づく見込みであり、これを機に料金や収支を統一することとしております。これによりスケールメリットを生かしたさらなる効率化を図ることができ、将来の大規模改修にも対応可能になると見込んでおり、県としても統合後の用水供給事業の経営健全化に向けてしっかり支えてまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(武田正光君) 教育長杉野可愛君。

 (説明者杉野可愛君登壇)

○説明者(杉野可愛君) 次に、教育問題についてお答えいたします。

 教員志願者増加のための取組についての御質問ですが、教育現場を支える優れた人材を確保し、学校教育の質の向上を図るためには、教職の持つ魅力ややりがいを的確に伝え、教員志願者を増やしていくことが重要です。県教育委員会では、千葉県で教員になることへの意欲を高めるため、高校、大学での出前講座や説明会を、昨年度は150校以上で実施するなどプロモーションを強化しており、県の教員採用情報発信サイトの登録者数も着実に増加しています。また、今年度から開始した奨学金返還緊急支援による代理返還の対象者は80人となったところです。今後は、千葉大学を対象に実施している教育活動体験を県内の私立大学にも拡大するとともに、学校現場への社会人経験者等の迎え入れを図るために新たに開設した特別免許状の活用に向けた登録サイトを周知するなど、引き続き教員志願者の増加に向けて取り組んでまいります。

 学校における働き方改革についての御質問ですが、県教育委員会では、教員の負担軽減を図るため、学校への発出文書の削減やデジタル技術による業務改善の支援、校務を補佐するスタッフなどの外部人材の配置を拡充しているところです。さらに、県立学校については、本年7月に学校への外線電話にワンストップで対応する統一ダイヤルを開設したほか、夏季休業中の時差出勤及び在宅勤務を試行するなど、新たな取組も進めています。今後はこれらの取組の効果検証を行うとともに、市町村教育委員会にも情報共有しながら、県全体で働き方改革をより一層推進し、教員が働きやすさと働きがいを両立できる職場環境づくりに取り組んでまいります。

 県立高校における空調整備についての御質問ですが、県教育委員会では、近年の夏の猛暑に対応するため、平成30年度から空調設備の整備に本格的に着手し、県立高校121校の普通教室2,327室は既に完了したほか、管理諸室や特別教室についても段階的に予算を拡充し、整備を進めてきました。その結果、職員室などの整備対象の管理諸室は1,482室、熱中症リスクの高い特別教室は1,117室まで整備を完了しています。さらに、今年度から体育館について新たに着手しましたが、一方で、まだ整備できていない管理諸室や特別教室が残っています。今後は熱中症リスクの高い特別教室や体育館について着実に整備を進めていくとともに、教育活動の実態や教室等の使用状況を確認しながら、引き続き生徒の学習環境や教職員の執務環境の向上に努めてまいります。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 警察本部長青山彩子君。

 (説明者青山彩子君登壇)

○説明者(青山彩子君) 私からは、まず、千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例施行後の状況及び今後の取組方針に関する御質問にお答えいたします。

 昨年制定された同条例は、本年1月1日に施行され、6月30日までが各種規制に係る経過措置期間とされておりました。同条例に基づく営業の許可申請は、7月末までに645件を受理し、601件について許可したところであります。今後、県警では、条例に基づく立入検査等により、許可を取得した特定金属類取扱業者が適正に営業を行っているか確認するとともに、違反を認知した場合には、行政処分や事件化等により特定金属類取扱業の適正化に向け、厳正に対処してまいります。今後も引き続き広報チラシの配布、県警ホームページやSNSを活用した広報を実施するなど、県や他の都道府県警察とも連携し、周知活動に取り組んでまいります。

 次に、性犯罪・性暴力対策に関する御質問ですが、県警では、県警本部職員で構成する広報啓発チームよくし隊「あおぼーし」を女性の多い企業や学校に派遣し、性被害に遭わないための防犯講話や、SNS等各種広報媒体を活用した被害防止のための情報発信に努めております。また、16歳未満の子供に対する不同意わいせつ等の暴力的性犯罪で服役した者については、法務省から出所情報の提供を受け、必要に応じ当該出所者の同意を得て面談を行うなど、再犯防止対策の強化を図っております。性犯罪被害に遭われた方に対しては、臨床心理士等で構成する千葉県警察犯罪被害カウンセラーチームアクトの運用により、被害者の精神的負担の回復、軽減を図っているほか、公費負担制度等により経済的負担の軽減等にも努めております。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 小路正和君。

○小路正和君 御答弁ありがとうございました。

 それでは、早速何点か再質問と要望をさせていただきます。

 まず、総合計画についてです。本県の将来を見据えると、まだまだ取り組んでいかなければならない課題が山積しています。この総合計画は、将来にわたって活力ある県づくりに向け、今後4年間における政策の基本的な方向を示す大変重要な計画でありますので、新計画の下、各分野の政策にしっかりと取り組み、本県が直面する諸課題の解決につなげていただきますよう要望いたします。

 次に、本県の産業拠点形成について、要望と再質問をさせていただきます。今回、知事から、県が成田空港周辺の産業用地整備について直接取り組むことも選択肢に検討を進めると一歩踏み込んだ答弁をいただきました。成田空港エリアを核とした県内経済の発展に向けて、しっかりと進めていただきたいと思います。また、県はまず航空整備産業の集積を目指すとのことですが、その実現に向け、県として具体的にどのように進めていくのか気になるところです。

 そこで再質問させていただきます。成田空港周辺への航空関連企業の集積に向けて、県はどのように取り組んでいくのか。

 次に、行財政運営についてです。採用が困難な技術系職種の確保に向けては、新規採用者の奨学金返還を支援する事業の導入に向け、検討を進めているとの答弁がありました。できる限り速やかに事業を実施するとともに、引き続き試験制度の見直し等、様々な工夫を検討し、県行政の運営に必要となる人材確保に取り組んでいただきますよう要望いたします。

 次に、交通問題について要望いたします。私の地元いすみ鉄道ですが、大多喜高校の生徒をはじめ、地域の様々な方々による募金活動が行われるなど、その早期復旧は地域にとって切なる願いでもあります。現在、いすみ鉄道では、追加の施工業者を探しているとの答弁でありましたが、少しでも工期を短縮するため、あらゆる方策を講じるよう強く要望いたします。いすみ鉄道については、補正予算等しっかりつけていただいたり、これは執行部に対してもそうですけども、県議会の皆様方にも私からも御礼と、これからの要望、お願いをさせていただく次第です。

 防災対策について再質問します。先ほどの御答弁では、地域防災計画の修正や広域避難マニュアルの作成などを進めていくとの御説明がありました。こうした平時からの備えとともに災害時の対応力を高めるためには、日常と非常時の垣根をなくすフェーズフリーの考え方が有効であり、私はこれまで議会の場を通じて繰り返しその重要性を訴えてまいりました。特に日常生活に無理なく防災機能を組み込むことができるこの考え方は、災害時の生活の質の維持や行動変容にも資するものであります。災害に強い千葉県づくりを進める上で、県民の意識と行動を変えるこの考え方の普及が不可欠と考えます。

 そこで伺います。フェーズフリーの考え方を、県は今後、どのように市町村や県民等に啓発していくのか。

 次に、保健・医療政策についてです。まず、病院経営について要望いたします。県においては物価高騰対策の補助制度を実施するほか、生産性向上などを目的とした補助制度も創設したとのことですが、対象となる医療機関へ迅速かつ確実に補助金を届ける必要があります。分かりやすい周知と円滑な手続により、早期に給付をされることを要望いたします。また、国に対しても、引き続きしっかりと働きかけていただきますよう要望します。

 県立病院についてですが、経営改善に向け、今年度はコンサルタントを活用するなど、取組を強化していくとのことですが、引き続き県立病院が担っている役割を十分認識し、各病院が一丸となって取り組んでいただけるものと期待しています。しかしながら、これまでも様々な経営改善に取り組んできたところですが、現在の取組だけで今後とも必要な医療が提供されるのか心配になるところでもあります。

 そこで再質問ですが、県立病院の経営が厳しい状況であるが、提供している医療を維持するため、どのような取組が必要であると考えているか。

 洋上風力発電についてです。洋上風力発電事業は、風車部材の製造やメンテナンスなどの関連産業を伴うとともに、漁業振興や地域振興にもつながるものであるため、地元では大きな期待を寄せています。次の事業者の選定が遅れれば遅れるほど、発電事業の開始も遅れてしまい、地元にとって大きな損失となります。県においては、できる限り早期の再公募について、国に強く働きかけていただきますよう要望いたします。あわせて、洋上風力発電事業が完遂できるような事業環境の整備についても、しっかりと国に求めていただくよう要望します。さらに、先ほど言ったとおり、風車等のメンテナンスを行うためには、銚子市沖に最も近く利用しやすい名洗港の整備が必要不可欠であると言えます。銚子市沖洋上風力発電事業がなくなったわけではないので、引き続き名洗港の整備についても続けていただきますよう要望いたします。

 次に、農林水産業の振興についてです。今年の夏も例年を上回る厳しい暑さが続き、全国各地で農作物の生育に深刻な影響が生じると伺っています。このような厳しい状況の中、県の支援が生産者にとって大きな力となり、高温対策への積極的な取組を後押ししていることは、非常に意義深いことです。今後も、県には現場の声や状況を丁寧に把握していただき、生産者が意欲を持って営農に励むことができるよう、引き続き支援を要望します。農林水産業については本県の基幹産業であると思います。農業者、漁業者、あるいは林業者の悲痛な叫びも日々私たちの下に届いておりますし、知事の下にも届いていると思います。土地改良事業の推進や土地改良施設の更新、あるいは漁業資源、原油の高騰などの対策、これからも農林水産業をしっかり支えていただきますよう強く要望をさせていただきます。

 次に、入札情報の漏えい防止について要望いたします。運用を徹底し、二度と情報漏えい事案を起こさないという強い決意を持って信頼回復に取り組んでいただきたいと思います。

 県営水道の料金改定についてです。県営水道の料金引上げは、利用者にとっては大変関心が高いことから、審議会や議会における議論の内容については、迅速かつ十分な情報提供を行うとともに、丁寧な説明により利用者の十分な理解が得られるよう努めていただきたいと思います。

 県立高校の空調設備の整備について要望します。空調設備の整備には多額の経費と時間を要しますが、県教育委員会において着実に整備を進めていただいていることがよく分かりました。しかしながら、まだ空調設備のない教室などもありますので、生徒や教職員が安心して学校生活を送れるよう、速やかに整備していただくことを強く要望します。県立高校については、私も何回も取り上げていますけども、郡部の高校もそうですが、最近、都市部の名門校を視察する機会もありました。その老朽化の状況に大変驚愕した次第です。これはやはり県全体をもって県立高校の施設整備については、ぜひ空調整備だけでなくて、トイレ、それからエレベーター、これも悲痛な声が各先生方、父兄から届いております。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 性犯罪・性暴力対策についてです。性犯罪、性暴力は被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、決して許されないものであります。我が党でも根絶に向けてワーキンググループを立ち上げ、議論を進めているところですが、県においても、引き続き性犯罪・性暴力対策にしっかりと取り組んでいただきますよう要望いたします。

 以上で2回目の質問と要望とさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

○議長(武田正光君) 知事熊谷俊人君。

○知事(熊谷俊人君) 成田空港に関する2回目の御質問にお答えいたします。

 航空機エンジンの整備に当たっては、航空機の稼働率向上の観点から、工期全体の短縮を図ることが重要とされております。成田空港内への航空機エンジン用大型試運転施設の設置に向けた動きはエンジン等の輸送時間の短縮につながるため、我が国の航空機整備産業の競争力の強化にも資するものと考えられます。県としては、こうした動きを空港周辺への航空機MRO産業の集積につなげていくため、関係企業にアプローチをするなど、企業集積の具体化に向けた取組を推進してまいります。

○議長(武田正光君) 副知事高梨みちえ君。

○説明者(高梨みちえ君) フェーズフリーの啓発についての御質問ですが、市町村に対しては、今後、地域防災計画やその他の関連計画へフェーズフリーの考え方の反映が図られるよう、県として丁寧に情報提供や助言を行ってまいります。また、県民、事業者等に対しては、広報紙やSNS、防災訓練の場など、あらゆる機会を通じて日常生活の中で実践できるフェーズフリーの取組について分かりやすく発信し、引き続き周知啓発や理解促進に努めてまいります。

 県立病院の医療の維持に向けた取組についての御質問ですが、県立病院では、県民に良質で安全・安心な医療を提供するため、これまでも早期の経営改善に向けた方策を講じてきたところですが、令和6年度まで11年連続の赤字決算となっております。このように経営環境の厳しさが増している中、県立病院として必要な医療提供体制を維持していくためには、病院経営に関する有識者などの意見をいただきながら、抜本的な経営改革について検討を進めていく必要があると考えております。

 以上でございます。

○議長(武田正光君) 小路正和君。

○小路正和君 ありがとうございました。それでは、最後、要望して終わりたいと思います。

 防災対策についてです。フェーズフリーの考え方を広く県民に周知啓発し、それを実践することで、日常の暮らしの中で防災の意識や行動が自然と身につくようにしていくことが重要だと思います。そうした積み重ねが災害に強い地域社会の形成につながっていきます。ぜひ行政、県民、事業者等が一丸となって県全体の防災力を高め、知事の提唱している防災立県千葉を実現していただくことを要望します。フェーズフリーの考え方は防災立県千葉に必ず寄与することと思いますので、ぜひともこれからも取り上げて推進していただくよう要望申し上げます。

 県立病院について要望します。県立病院は県民の健康保持に重要な役割を担っています。具体的な経営改革について検討を進めていく必要があるとの答弁がありました。今後とも良質で安全・安心、かつ患者満足度の高い医療を提供できるよう、しっかりと取り組むことを要望いたします。県立病院だけでなくて、自治体病院、民間病院も大変な状況にあるかと思います。県の積極的な支援で行き届かせていただきますよう、この場をお借りして要望をしておきます。

 以上で私の質問を終了させていただきますが、今回、本当に代表質問の場をいただきました。私もどういう立場になろうとも、県民の幸せ、そして千葉県の発展を願っております。千葉県の限りない発展と千葉県議会の限りない発展、県議会議員の皆様方の御活躍、ひいては県民の幸せを願い、質問とさせていただきます。ありがとうございました。

○議長(武田正光君) 暫時休憩します。

 午前11時43分休憩

       

 午後1時0分開議

○副議長(三沢 智君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により鈴木均君。

 (鈴木 均君登壇、拍手)

○鈴木 均君 皆様、こんにちは。習志野市選出の立憲民主党、鈴木均です。会派を代表して質問いたします。

 まず初めに、教職員の不祥事について触れておきます。

 今月3日、県教育委員会は20代の男性教諭を、勤務校の女子生徒4名に対する児童生徒性暴力等により懲戒免職とするなど、教職員3名の懲戒免職処分を公表しました。2023年度、我が県における教職員本人の懲戒処分件数が39件で過去最多となったことを受け、知事から県教育委員会に対し不祥事の根絶が要請されました。以後もこのような不祥事が連続しています。我が会派として、今回の不祥事に対する憤りを表明するとともに、県教育委員会に対して、教職員による不祥事の根絶に向けた具体的対策を強く要望いたします。

 それでは、早速ですが、通告に従い質問に入ります。

 まず、知事の政治姿勢について。

 1つ目は、千葉の魅力発信についてお尋ねします。

 本年、2025年は昭和100年に当たります。昭和元年、1926年の日本の人口は約6,000万人でしたが、昭和42年、1967年に1億人を突破、80年後の2008年には1億2,800万人余りに達し、昭和元年の2倍を超えました。今日、議場の皆さんはほとんど昭和生まれの方が多いかなと思いますが、昭和とは、劇的な人口増加の時代であり、また、物を作れば作るだけ売れるといった大量生産、大量消費が産業モデルであった時代と言えるでしょう。しかし、日本の人口は現在1億2,400万人と、既にピークから約3%減少し、さらに、今後、毎年数十万人単位での人口減少にさらされることとなります。これからは昭和型の大量生産・大量消費モデルのままでは産業は衰えてしまいます。現に2024年の我が国の名目GDPはドイツに抜かれて世界第4位、1人当たり名目GDPは世界第38位となっています。豊かな経済があり、充実した福祉があるという循環を考えれば、産業が衰退すること、すなわち国家が衰退の危機に瀕することは、火を見るより明らかです。熊谷知事におかれては、県内産業の振興を最重点政策の1つと位置づけ、特に先端企業の育成や千葉ブランドの確立による農林水産品の高付加価値化などに精力的に取り組んでこられたと承知しており、こういった政策の方向性には、我が会派も賛同するところです。

 それでは、個別の政策について伺ってまいります。

 発酵県ちばの魅力発信について。

 発酵は私たちの生活に身近な存在であり、医療やバイオテクノロジーの分野においても重要な役割を担っています。2024年12月には、日本の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、世界的に発酵文化への注目が高まる中、県では発酵をテーマとした千葉の魅力発信を続けており、我が会派としても取組を支援してきました。2017年には千葉県立現代産業科学館で千葉の発酵をテーマにした企画展が開催され、また、直近では、流山市に白みりんミュージアムが開設されるなど、県内での発酵文化活用の機運は徐々に高まってきました。

 今般、大阪・関西万博において発酵県ちばを発信する期間限定ブースを出展し、成功裏に終えたとお聞きしていますが、今後はさらにこれまでの個々の取組を広げ、また、深掘りしていくことが重要であると考え、伺います。

 大阪・関西万博に出展した効果をどう評価しているか。

 千葉の発酵の認知度をさらに高めるため、どのように取り組んでいくのか。

 次はガストロノミーツーリズムです。

 ガストロノミーツーリズムという言葉、御存じでしょうかね。

 (「知りません」と呼ぶ者あり)

○鈴木 均君(続) はい。ガストロノミーとは、フランス語で美食に関わる文化、ツーリズムは巡る旅、周回する旅だそうですので、美食文化を巡る旅が直訳でしょうかね。このガストロノミーツーリズムは、地域の食を切り口とし、文化や体験を通じた地域産品のファンをつくることで、観光誘客と、そして消費の促進に大きな効果があるとされています。今、議長のお許しを得て議場に資料が、1枚のペラですが、配付されています。それを御覧ください。ガストロノミーツーリズムの意味と、そして裏側に、これからお話しすることが書いてあります。

 観光庁の2024年の調査で、訪日外国人に訪日前に最も期待していたことは何かを尋ねた結果、「日本食を食べること」が1位、33%でした。そして、同じ調査で、これは日本に来た外国人の方、次に、次回の訪問時にしたいことでも、「日本食を食べること」が約65%で1位となっています。「日本の酒を飲むこと」も約25%で高い割合を示しているなど、観光コンテンツとしての食の重要性を裏づけています。御覧いただくと細かく書いてありますが、千葉県は豊富な農水産物、ジビエ、さきに触れた発酵食品である酒、みりん、しょうゆなど多様な食材を生産しており、農業生産額全国第4位、水産業海面漁獲高全国第7位という、まさに食材の宝庫です。その千葉県が観光客からどのように認識されているか、興味深い調査があるので御紹介します。

 ブランド総合研究所という機関―会社なんですけれども―が毎年行っている地域ブランド調査という全国の自治体についての調査があります。この中に、食事がおいしいと思う都道府県という項目があり、調査の意味は、おいしいものがありそうだなと、ほかの県の人たち、観光客が思っている都道府県ということですが、2024年度の同調査、千葉県は残念ながら47都道府県中第38位に甘んじています。食を切り口としたガストロノミーツーリズムは、我が県にとっても大変有望な観光コンテンツですが、課題も多いのではと考えています。

 そこで伺います。観光振興において、ガストロノミーツーリズムを推進する意義や今後の取組について、どのように考えているのか。

 次に、都市計画についてお尋ねします。

 本議会に上程された新たな県総合計画案には、千葉経済圏の確立など8つのビジョンの実現に向けた熊谷知事の構想が表されています。このうち千葉経済圏の確立及び成田空港を中心とした産業拠点の形成を進めるためには、東京外かく環状道路と成田空港を結ぶ北千葉道路沿線地域は重要な位置づけとなります。北千葉道路の(仮称)松戸市川西インターチェンジをはじめ4つの計画インターチェンジ予定地及び沿線地域の多くが市街化調整区域となっており、都市計画の策定などにおいては、広域的な視点と、将来を見据えた戦略的な取組が求められます。また、現在、県においては産業立地の可能性や経済波及効果について調査、検討を進め、誘致を目指す産業分野の絞り込みも行っているとお聞きしています。

 そこで伺います。北千葉道路沿線地域のまちづくりについて、県はどのように取り組んでいるのか。

 さて、市街化調整区域における土地の利活用については、市街化区域への編入や地区計画の導入などの手法が考えられますが、都市計画の策定の主体は沿線自治体にあることから、県と市町村との連携が重要となってきます。

 そこで伺います。北千葉道路沿線地域のまちづくりを広域的な視点で行うため、都市計画の観点から、県では今後どのように市町村との連携を図っていくのか。

 次に、知事の政治姿勢の3つ目です。多様性尊重について伺います。

 県は、昨年1月に男女共同参画も包含した多様性尊重条例を施行し、以降、県として多様性を尊重し、社会全体の活性化につなげる取組を進めていると認識しています。一方で、昨年12月に公表された県政に関する世論調査の結果では、多様性条例について、知らないとした方が約7割となっており、多様性尊重の理念が県民に浸透しているとは言い難いと思います。この条例が言葉だけの存在とならぬよう、広く多様性尊重の意識を醸成し、多様な人材の就労や社会参加により、誰もが安心して暮らせる社会づくりにつなげることは重要であると考えます。

 そこで伺います。多様性尊重に関する意識醸成を図るため、県はどのように取り組んでいるのか。

 次に、職員の採用について伺います。

 先ほど午前中、自民党の小路議員の代表質問にもありましたが、職員の確保の重要性については、かねてより我が会派の議員が繰り返し訴えてきたところですが、その状況について質問します。

 去る8月29日、本県の職員採用試験上級職の結果が発表されました。近年の状況と同様に、採用予定数を満たせない職種が多数あるとともに、実質的な倍率が著しく低下している状況となっています。具体的には、土木などの技術職等については、1次試験の受験者数262人に対し、合格者260人と2人しか不合格となっていません。また、2次試験の受験者数216人に対し、合格者167人と49人しか不合格となっていません。そして、採用予定者数は228人ですが、実際の合格者数は167人と大きく採用予定数を下回っています。こうした中、県は我が会派議員の提案に沿って各種の採用試験の改善を行っており、今年度からは職員採用試験早期枠を実施しています。これは、通常の上級試験の日程に先行して試験を実施したもので、受験者数、受験倍率、合格者数も好調ですが、重要なのは、国家公務員試験や他の自治体の試験を併願し、そして合格した受験者のうち、本県の合格者がどの程度採用に応じるのかであると考えます。

 そこでお伺いします。

 上級試験の実施状況はどうだったのか。

 早期枠試験の実施状況及び現時点での採用見込みの状況はどうか。

 2026年度には県立児童相談所の新設も予定されているが、児童相談所の専門職の採用状況はどうか。

 次に、県有建物の長寿命化計画について伺ってまいります。

 県では、行政庁舎などの県有建物について、2018年度から施設の統廃合や長寿命化などの対策を推進する千葉県県有建物長寿命化計画―以下、県有建物長寿命化計画といいます―に取り組んできました。県有建物の更新や大規模改修は喫緊の課題でしたが、県有建物の管理手法は、施設に老朽化や破損が生じてから修繕を行う事後保全から、計画的に改修を行う計画保全へと転換され、県有建物長寿命化計画は第II期の中間点に差しかかっています。

 ところで、県有建物長寿命化計画は、建物の計画的な維持管理や再整備を行う体制を整えることにより今後の財政負担の平準化を図り、同時に中長期的な財政見通しを明確にしていくことが目的の1つでした。足元では建設資材の高騰や人手不足などにより、民間、公共を問わず建設工事費が上昇しており、国土交通省が発表している建設工事デフレーターでは、2015年度を100とした建設総合工事費は、2024年度の暫定値では129となり、建設工事費がこの間約30%の上昇を示したことが分かります。今後、短期間で建設工事費の高騰が終息するめどはなく、また、県内の自治体でも公共施設の建設計画に狂いが生じている例を多数お聞きしており、今後の県有建物長寿命化計画に建設工事費の高騰が与える財政や事業進捗への影響が懸念されるところです。

 そこでお伺いします。

 県有建物長寿命化計画における整備計画第II期の進捗状況はどうか。

 資材価格の高騰は今後も続くと考えられるが、長寿命化対策をどのように進めていくのか。

 次に、ふるさと納税について伺います。

 ふるさと納税制度は、集中する税収を地方へ分配し、出身地や応援したい地域を自ら選んで寄附できる仕組みとして2008年に創設されました。この制度は、本来、地域の持続的発展や住民サービスの向上を目的とするものですが、現状では寄附に対する返礼品競争が過熱し、また、一部の自治体ではふるさと納税による住民税の減収が深刻であり、大きな議論を巻き起こしています。制度の是非は横に置くとして、県ではアクアラインマラソンのような県主催事業を活用した体験型返礼品や、農林水産物など地域資源を生かした製品づくりなど、庁内や県内市町村と連携し、千葉の魅力発信とふるさと納税の趣旨に沿った取組を推進することも1つの在り方かもしれません。これらを踏まえて、ふるさと納税に関する千葉県の現状と今後の対策についてお伺いします。

 昨年度のふるさと納税による県の減収額はどうか。

 ふるさと納税制度の趣旨の範囲内で、県の魅力を発信できる返礼品の開発を検討すべきと思うが、どうか。

 次に、在宅介護について伺います。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、高齢者が介護が必要になっても住み慣れた地域で最期まで暮らし続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が進められてきました。市町村や都道府県の特性に応じて本システムをつくり上げていく必要があるとされていますが、高齢者人口が急増する都市部や人口減少が著しい郡部など、高齢化の進展状況は県内でも様々です。

 そこでお伺いします。県内自治体における地域包括ケアシステムの現状や課題はどうか。また、県としてどのように支援しているのか。

 特に訪問介護は地域包括ケアシステムの土台として在宅ケアを支えていますが、その土台が徐々に崩れ始めています。今年7月に公表された東京商工リサーチの調査結果によると、今年上半期の訪問介護事業所の倒産件数は過去最多の45件で、今年は100件を超える可能性も高まっているとのことです。倒産理由の8割が2024年度介護報酬改定の基本報酬引下げや、利用者の減少による売上不振であり、マイナス改定やヘルパー不足で苦悩する事業者が少なくありません。このままでは訪問介護が後退し、地域包括ケアシステム全体をも揺るがす事態になりかねません。

 立憲民主党として、基本報酬引下げによる訪問介護への深刻な影響を重く受け止め、先月19日、福岡厚生労働大臣に対し、速やかな事業者への訪問介護事業支援金の支給や、2026年4月の期中改定での基本報酬引上げを要請しているところです。また、県としても速やかな対応が必要だと考えます。

 そこでお伺いします。県は、訪問介護事業所への支援をどのように行っていくのか。

 次に、県立保健医療大学の機能強化についてお伺いします。

 千葉県立保健医療大学は、県立衛生短期大学、県医療技術大学校を再編整備し、看護、栄養、歯科衛生、リハビリテーション学科から成る4年制の大学として2009年4月に開学し、16年が経過しました。私たち会派は、施設の老朽化や狭隘化が著しい幕張と仁戸名の両キャンパスを何度も視察し、学長や職員の方々と意見交換する中で、ワンキャンパス化による再整備の方向性を求めてきました。また、教育機能の面についても、医療の高度専門化や保健医療ニーズの多様化に対応するための教育プログラムの再編成、新たな技術の習得や学び直しの場として、また、県の保健医療政策のシンクタンク機能強化に向けた大学院設置の必要性を訴え、大学の将来の在り方検討に早急に着手すべきと繰り返し提言してきました。

 昨年度、保健医療大学の機能強化に向けた調査検討が行われ、神奈川県立保健福祉大学の中村丁次名誉学長を座長とする有識者調査検討会議が開かれたことは大きな前進です。その結果、報告書が今年5月に出され、これを受けて、県は大学の機能強化の基本的事項をこの秋頃に示す見通しと聞いています。

 そこでお伺いします。

 大学院の設置について、県の考え方と今後の進め方はどうか。

 公立大学法人化について、県の考え方と今後の進め方はどうか。

 次に、高齢者の口腔の健康と入れ歯難民について伺います。

 入れ歯難民とは、高齢化が進む中で、入れ歯を作りたいのに作れない、または満足のいく入れ歯を手に入れることができない方たちを指す言葉です。特に歯科医師や歯科技工士の不足、地域によっては歯科医院が少ない歯科医療過疎地の増加が原因で、問題は深刻化しています。高齢化が進めば歯周病や虫歯などにより歯を失ったり、歯科治療が必要になる人が増加します。適切な歯科診療を受けずに放置すると、認知症のリスクが高まるとも言われており、社会保障費の抑制のためにも、高齢者の口腔の健康づくりが重要です。

 そのような中、診療の補助や、虫歯や歯周病の予防処置を担う国家資格である歯科衛生士については、全国的に高い求人倍率にあることが報道されており、現場においても慢性的な人手不足であるという声を聞いています。また、高齢になれば、自ら歯科医院に通い続けることが難しくなることも想定され、在宅で歯科医療が受けられる体制の整備が必要ではないでしょうか。県では、県民の歯、口腔の健康維持のための施策を実現するため、千葉県歯・口腔保健計画を策定しており、取組について伺っていきます。

 高齢者の口腔の健康づくりについて、県ではどのように取り組んでいるのか。

 歯科衛生士の人材確保のため、県として支援するべきではないか。

 高齢化の進行に伴い、在宅歯科診療の推進に向け、県ではどのように取り組んでいくのか。

 次に、オンラインカジノ対策について伺います。

 国内でのオンラインカジノ利用の問題については、スポーツ選手やタレント等が利用していたことが発覚し、社会的な問題となっています。昨年度、警察庁が民間に委託して実施した日本国内のオンラインカジノの利用状況調査では、経験者は約337万人、年間の賭け金総額は約1兆2,423億円と推計されました。また、オンラインカジノの経験者のうち58.8%が20代、30代の若者であり、また、約60%が依存症の自覚があるとされており、我が国の資金の海外への流出やギャンブル依存症の拡大など影響は深刻です。本年9月25日には、ギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律が施行されますが、そこには違法オンラインギャンブル等ウェブサイトを提示する行為等の禁止が盛り込まれることとなります。当該規定を活用しつつ、今後はオンラインカジノへの対策を推進する必要があると考えます。

 そこで伺います。

 県警はオンラインカジノを利用した賭博事件をどのように認知するのか。また、このような事件の取締り状況についてはいかがか。

 改正ギャンブル等依存症対策基本法によりオンラインカジノに関わるアフィリエイター、リーチサイトでの誘導はその違法性を明確にされたが、どのような対策を行っていくのか。

 次に、第2次千葉県文化芸術推進基本計画について伺います。

 本年度から2031年度までの7年間を期間とした第2次千葉県文化芸術推進基本計画が始まりました。新型コロナの感染拡大、博物館法の改正や千葉県誕生150周年記念事業の開催などを経て、前計画期間中とは県内の文化芸術を取り巻く環境は大きく変わりました。計画策定に当たっては県議会でも議論が交わされ、特に体験機会の充実や障害者の文化芸術活動の推進が定められ、また、誰もが文化芸術に親しめる千葉を目指し、文化芸術の振興に取り組むことなども示されています。本計画を推進する上では、ちばの文化芸術を担う「人づくり」、ちばの文化芸術に親しむ「環境づくり」、ちばの文化芸術を生かした「地域づくり」の3つの視点などが示されていますが、これらを具体化するため、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

 第2次千葉県文化芸術推進基本計画では、「誰もが表現者として、生涯にわたり文化芸術を楽しむことのできる環境整備」を掲げているが、今後、どのように取り組んでいくのか。

 県内市町村博物館等と連携した取組を進めていくべきと考えるが、どうか。

 文化芸術の担い手やそれを支える人材の育成をどのように行っていくのか。

 次に、農林水産物の販売促進について伺います。

 コロナ禍やライフスタイルの変化から、ECサイト―電子取引ですね。ECサイトを経由するネットショッピングの利用が急増しており、その利便性から、農林水産物についても、店頭での購入のほか、ECサイト上で購入することが身近な選択肢の1つとなっています。中でも、いわゆる産直ECサイトは、生産者と消費者とが直接接点を持つことができることから、生産者が自らの産品のこだわりや新鮮さ、また産地の魅力などを、消費者の居住地域を問わず全国にアピールするチャンスができるといった利点があります。農林水産物の販売手段の1つとして産直販売が拡大し、民間の調査機関によれば、現在の市場規模は3兆円を超えるとされています。このように生産者の販路拡大などにも有効な産直ECサイトの利用について、県として支援する取組が必要と考えます。

 そこで伺います。生産者を支援するため、県でも産直ECサイトを活用した県産農林水産物の販売促進に取り組むべきと考えるが、どうか。

 次に、千葉県自転車活用推進計画について伺います。

 2017年施行の自転車活用推進法では、地方自治体での自転車活用推進計画の策定が努力義務とされ、千葉県でも2026年度までを実施期間とする第2次千葉県自転車活用推進計画を策定しています。期間の中間点を過ぎ、また、第3次計画の策定を控え、県内では自転車活用の機運が高まり、安全性の向上や観光振興、健康増進への効果が期待されているところです。

 それでは、現行計画の進捗状況について伺います。

 第2次千葉県自転車活用推進計画において記載のある広域サイクリングロードについて、どのように進めていくのか。

 全ての県内市町村が自転車ネットワーク計画を策定するよう、県はどのように取り組んでいくのか。

 次に、住宅政策について伺います。

 国では、住宅セーフティネット法において、低額所得者、高齢者、障害者等について、住宅確保が困難で配慮を要する住宅確保要配慮者と定めて支援の対象としています。生涯未婚率が男性で30%近くに達していることから、この先、20から30年後までには単身高齢世帯が急速に増加することが推定されています。そこで、本年10月に施行される改正住宅セーフティネット法では、住宅確保要配慮者の住宅の確保、特に大家さんが孤独死や死後の家財の処分などを懸念することから、民間賃貸住宅への入居が困難な単身高齢者の住宅の確保について、県の役割を明確化したと聞いています。

 そこで伺います。改正住宅セーフティネット法の施行が10月に迫っているが、今後県に課される役割と、施行に向けた取組はどのようなものか。

 そして、これまで住宅確保要配慮者のセーフティーネットであった公営住宅は、新築等による大幅な増加が見込めず、公営住宅の所在地と勤務地が遠いなどの理由で、公営住宅ではなく一定の要件を満たした民間賃貸住宅であるセーフティネット登録住宅への入居を希望する住宅確保要配慮者もいるとお聞きしています。一方、県内のセーフティネット登録住宅の空き戸数は、登録数約4万5,000戸に対して600戸程度しかないことから、住宅探しは困難となる場合が多いのではないでしょうか。県内には、民間賃貸住宅を活用した居住支援の一例として、借り上げ公営住宅制度を持つ自治体が複数あると聞いています。

 そこで伺います。住宅に困窮する者に対する居住支援について、今後は民間賃貸住宅の活用も不可欠と考えるが、県としてどのように対応するのか。

 次に、耐震化について伺います。

 7月末に有志の議員で石川県輪島市の視察に行く機会を得ました。昨年1月1日に発生した能登半島地震の爪痕が大きく残ったままで、生活再建などに大きな課題があることを実感して帰ってきました。この能登半島地震で輪島市の7階建て鉄筋コンクリート造建物が根こそぎ倒壊し、隣の建物を押しつぶした衝撃的な映像は、皆様も記憶に新しいところだと思います。この建物の倒壊で、隣家の住民お2人がお亡くなりになったことに、心よりお悔やみを申し上げます。この建物の倒壊原因は、国土交通省により調査中ですが、1972年築という、1981年の建築基準法改正での耐震基準を満たさない、いわゆる旧耐震基準の建物であったということは分かっています。旧耐震基準の建物は建築基準法で定めた最新の耐震性を有していない可能性が高く、大地震の際は倒壊のおそれもあるのです。こういった旧耐震基準の中高層建物は、大地震が起きた際に避難、救助、物資の供給のために重要な路線を指定した緊急輸送道路沿道にも多数存在しており、震災時にこれらの建物が倒壊し道路が閉塞され、避難救助等の活動の停滞を招く可能性があります。

 このような建物の倒壊を防ぐため、国では建築物の耐震改修の促進に関する法律を定め、都道府県に耐震化の促進を図る責務を明示しています。しかし、これらの耐震化を促進せねばならない建物の多くが民間の所有であることから、耐震性の把握すらできていないことが課題となっています。

 そこでお尋ねします。

 緊急輸送道路沿道建物の耐震性確保のため、県はどのように対応してきたのか。

 耐震化に係る市町村補助制度の創設状況はどうか。また、耐震性向上のために、県はどのような取組を行っていくのか。

 次に、管路の更新、耐震化対策について伺います。

 水道は生活や経済活動を支えるために不可欠なものであり、老朽化による漏水や災害時等においても、影響を抑え安定して供給し続けるためには、管路の更新を進めていくことが重要です。本年4月に京都市で発生した漏水事故では、強度が低い鋳鉄管が老朽化により破損し、幸いにも断水は発生しなかったものの、道路が冠水し、幹線道路で交通規制が実施され、付近の住宅では浸水被害も生じるなど、市民の暮らしに極めて大きな影響を与えました。また、国では、8月に同様の鋳鉄管について、老朽化の進行による漏水のリスクが高いため撤去する方針を決め、全国の事業体に対して更新計画の作成を求めたとの報道がありました。

 こうした中、県営水道では、今後、大量の管路の更新などに伴う大幅な事業費の増加などが要因となって、収支の赤字や資金不足が見込まれることから、水道料金の引上げが必要とのことであり、午前中の自民党の代表質問においても、料金引上げに係る水道事業運営審議会の審議状況について質問があったところです。引き続き安定給水を維持するには、一定程度の負担の増加もやむを得ないと考えますが、料金引上げの最大の要因である以上、水道管の更新、耐震化にどのように取り組んでいくのかが気になるところです。

 そこで伺います。県営水道料金改定の主な要因である水道管の更新、耐震化について、今後、どのように取り組んでいくのか。

 次に、教職員の定年の引上げについて伺います。

 2023年4月から国家公務員法等の一部を改正する法律が施行され、教職員も定年年齢を段階的に65歳へ引き上げられることとなりました。定年の引上げそのものについては、教職員不足の解消や年金制度の改正、あるいは少子高齢化といった社会情勢の変化に対応するものと理解できます。その一方で懸念されるのが、60歳以降の処遇です。人事院の方針では、当分の間、俸給月額は原則として60歳前の7割に引き下げ、そして、諸手当のうち俸給月額の水準と関係するものも60歳前の7割水準とするとしています。この方針では、教職員の等級は60歳前と変わらず、仕事の内容も変わらないのに、給料や諸手当が定年引上げ後に7割まで引き下げられることとなり、同一労働同一賃金の観点等から問題ではないでしょうか。実際に定年引上げをして働いている教職員からは、引上げ前と何一つ仕事は変わっていないのに、4月の給与明細を見て愕然とした、来年度も続けていこうか悩んでいるというような悲痛な声も届いています。

 学校の仕事は多岐にわたっており、ベテラン層教職員の力で教育現場を保っている中、仕事が変わらない、また、より職責が重くなるにもかかわらず、若手よりも給料が少なくなることでモチベーションが下がり、辞めてしまう教職員が少なくありません。学校現場の人手不足は危機水準を超えていて、定数すら埋まらない状況であり、この危機を解消するにはベテラン層の力は必要不可欠で、60歳以降も働き続けたいと思えると同時に、現役の教職員全ての方が将来を安心できる処遇でなければなりません。

 そこで伺います。

 定年引上げで働き続けている教職員の方々は、今の教育現場にとってどのような役割を果たしていると県教育委員会は捉えているのか。

 教職員の給料や諸手当を60歳前と同等にすべく、県独自の手当制度を設けるべきではないか。

 最後に、部活動の地域展開について伺います。

 2025年5月に地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議の最終とりまとめ―以下、最終とりまとめと言います―が公表され、急激な少子化が進む中でも生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保、充実させることを目的とした改革の方向性が示されました。最終とりまとめでは、学校単位で行われてきた部活動を地域全体で支える仕組みへの移行が提案されており、地方公共団体が中心となり、平日、休日を通じた活動の包括的な企画、調整が求められています。また、地域クラブ活動の普及に向けた運営体制の整備、指導者の質と量の確保など、具体的な課題への対応も重要視されています。これらの改革を円滑に進めるためには、地方公共団体のリーダーシップや広域連携が不可欠であり、家庭の経済格差などへの配慮も含めた検討が必要ではないでしょうか。

 そこで伺います。部活動の地域展開において、2026年度から改革実行期間がスタートするが、千葉県内における市町村の地域展開について、どのように支援していくのか。

 また、この最終とりまとめでは、指導者の質の保証と量の確保の具体策として、多様な人材の発掘やマッチング、配置を進めるための人材バンクの設置、運用や、大学生の活用促進、希望する教職員の兼職兼業の推進が提案されています。同時に、指導者の資質、能力を向上させるための研修会の開催、公認指導者資格の取得促進、指導の手引き作成、適切な処遇の確保など、多岐にわたる取組が求められています。

 そこで伺います。部活動地域展開に向けた人材の質の確保について、どのように取り組んでいるのか。

 以上で壇上からの1回目の質問を終わります。明確な御答弁をお願いいたします。(拍手)

○副議長(三沢 智君) 鈴木均君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 立憲民主党の鈴木均議員の代表質問にお答えいたします。

 まず、政治姿勢についてお答えいたします。

 大阪・関西万博に出展した効果に関する御質問ですが、今回の万博出展の初日には、私自身も千葉県ブースを視察し、県産品を使ったオリジナル発酵メニューや、県内の日本酒、地ビールなどを実際に試食、試飲するとともに、来場者の反応を直接見てまいりました。5日間で約7万8,000人の来場者があり、試食、試飲の提供時には多くの方の行列が見られたほか、アンケートでは、しょうゆの味比べは新鮮で千葉の発酵を楽しく学ぶことができた、白みりんのかき氷が絶品で新発見であったといった声が寄せられ、ふだん本県の発酵の魅力に触れる機会の少ない方たちに関心を持っていただけたことに大きな価値があったと考えております。このたびの万博出展を契機に、市町村や企業と連携をしながら、本県の発酵を千葉県のブランドとして確立できるよう取り組んでまいります。

 千葉の発酵の認知度向上に関する御質問ですが、これまで本県の発酵の魅力を紹介する動画やリーフレットを作成し、ホームページ等で発信するとともに、今年度は生産量全国1位であるしょうゆと県産食材を組み合わせてPRをするちばの醤油グルメフェア2025の開催や、千葉の発酵ロゴマークの作成など、様々な取組を進めているところです。大阪・関西万博では、しょうゆやみりんを本県の特産品と組み合わせたオリジナル発酵メニューが好評であったため、今後はレシピを併せてPRすることにより、おいしい食べ方を提案するなど、本県ならではの発酵の魅力を発信してまいります。本県が誇る発酵の魅力と県産品の販路拡大や県内誘客の促進、文化の振興など様々な分野と結びつけ、市町村や企業等の関係者と連携をしながら、全県を挙げて発酵県ちばの取組を進めてまいります。

 北千葉道路沿線地域のまちづくりについての御質問ですが、北千葉道路は成田空港と都心を最短で結び、首都圏の国際競争力の強化等に寄与する極めて重要な道路であり、成田空港の拡張事業の効果を広く波及させるため、沿線地域のまちづくりに向けて、将来を見据えた土地の利活用に取り組むことが必要と認識をしています。そのため、県では、地域における産業立地の実現可能性や中長期的な経済効果などを調査、分析しており、沿線地域との親和性が高く、波及効果が大きい成長産業の研究開発拠点やオフィスなどを誘致する方向で検討を進めているところです。引き続きサウンディング型の市場調査や拡充した立地企業補助金のPRなど、民間投資の促進に取り組むとともに、今後も総合計画や広域都市計画マスタープランなど、県の施策に幅広く反映をさせ、地元市と連携をしながら、新たな産業地域づくりを加速してまいります。

 多様性尊重に関する意識醸成についての御質問ですが、条例が目指す社会を実現するためには、県民一人一人が多様性を尊重することの意義や重要性を理解し、自分事として行動することが大切であると考えています。そのため、県では、多様性尊重の意義や身近にできる取組などを分かりやすく紹介する動画やリーフレットを作成して普及啓発を行うほか、経済団体等との各種会議や広報媒体を活用した理解促進などに取り組んでいるところです。加えて、新たに今年度からは、多様な人材の活躍推進に取り組む事業所を表彰することとし、優良事例を県内へ広く波及させるなど、企業等が行う主体的な取組を後押ししてまいります。今後とも様々な手法により、県民等の意識醸成に一層努めてまいります。

 次に、県有建物長寿命化計画についてお答えいたします。

 今後の長寿命化対策に関する御質問ですが、県有施設の整備に当たっては、建物の老朽化度や財政負担の平準化などに留意をした上で、計画的に建て替えや大規模改修などに取り組んでいるところですが、整備計画に位置づけた施設のうち、令和6年度までに整備が完了した施設の事業実績額と計画を策定した平成29年度における試算額を比較すると、事業費は約3割増加をしています。県では、長寿命化対策を着実に推進するため、財政状況を勘案しながら、今後必要となる事業費を県有施設長寿命化等推進基金に積み立てており、令和6年度に資材価格の上昇等を踏まえ、290億円を積み増しし、令和6年度末で1,468億円を確保しております。引き続き実情に即した適切な整備内容や手法等を検討しながら、長寿命化対策の着実な実施に向けて取り組んでまいります。

 次に、在宅介護についてお答えいたします。

 地域包括ケアシステムについての御質問ですが、地域包括ケアシステムの構築に当たっては、市町村において地域の実情に合わせた体制づくりが進められていますが、担い手や事業所といった社会資源の確保や関係機関との連携などにおいて、市町村間で差が生じていることが課題となっています。県では地域における社会資源を開拓し、連携を促す生活支援コーディネーターへの研修を実施するなど、人材の育成を図るほか、地域課題の洗い出しから解決策の提案まで伴走型で支援をするアドバイザーを要請に応じて派遣をするなど、市町村の取組を支援しています。今年度は新たに市町村の取組状況を調査、分析し、進捗を客観的に評価できる指標を作成するとともに、特に支援の必要な市町村にはアドバイザーをプッシュ型で派遣をするなど、市町村の実情に合わせた支援を一層充実させ、地域包括ケアシステムの推進を図ってまいります。

 訪問介護事業所への支援についての御質問ですが、訪問介護事業所は比較的小規模な事業所が多く、新規に雇用したホームヘルパーの育成や経営の見直しへの着手が困難な状況にあり、人材確保や経営の安定化が大きな課題であると認識をしています。県では国の補助事業を活用し、訪問介護事業所において、経験豊かなホームヘルパーが一定期間、経験の浅いホームヘルパーに同行して指導する経費に助成をするほか、人材不足などにより自ら経営改善に取り組むことが困難な事業所にコンサルタント等の専門家が巡回して支援をする事業を実施する予定です。また、事業所が安定して運営できるよう、全国知事会を通じて、介護報酬の臨時改定等の措置を速やかに講じることについて国に要望しているところであり、在宅介護が必要な高齢者が地域で安心してサービスを受けられるよう、訪問介護事業所を支援してまいります。

 次に、県立保健医療大学の機能強化についてお答えいたします。

 大学院設置についての御質問ですが、保健医療大学は保健医療に関する複数の職種の学科を設置し、多職種連携を学びやすいという強みを持つことから、高度専門人材の育成やシンクタンク機能等を備えた大学院を設置することにより、複雑な保健医療課題の解決に向けた実践的な研究や、現場経験者の学び直し、スキルアップ等の社会的ニーズに応えることができると考えています。具体的な大学院の構成としては、学部の学科を基礎とする看護、栄養、歯科衛生、リハビリテーションの4領域のほか、資格の有無を問わないヘルスサイエンス領域を修士課程に設置する検討を進めます。将来的にはヘルスサイエンス領域を発展的に改組し、公衆衛生学修士課程を設置するとともに、その他の分野も含め、大学教員の養成等を見据えた博士課程を設置することも計画をしているところです。

 次に、第2次千葉県文化芸術推進基本計画についてお答えいたします。

 文化芸術活動に係る人材育成についての御質問ですが、本県で育まれてきた文化芸術を次代に受け継ぎ発展をさせていくためには、文化芸術の担い手とそれを支える人材の育成が重要です。そのため、県では、担い手育成として本県ゆかりのアーティストが国内外で活躍できるよう、専門家の伴走支援により若手のキャリア形成を支援するほか、地域での文化活動を促進するため、若者が主体となって実施する町なかアートイベントなどの文化活動への助成等を行っております。また、支える人材の育成についても、博物館や市町村等の学芸員や文化担当職員への先進事例の共有や、博物館ボランティアへの展示解説に関する研修等により専門知識の向上やノウハウの習得を図るなど、今後も文化芸術に関わる人づくりに取り組み、文化芸術活動の活性化につなげてまいります。

 最後に、水道管の更新、耐震化の取組についての御質問にお答えいたします。

 最近、他団体で漏水事故が相次いだ古い鋳鉄管なども含め、高度経済成長期以降に集中的に整備をした管路が次々と更新時期を迎えていきますが、更新工事に際しては多くの課題があります。例えば、大口径管については断水などを生じさせないよう、既存の管路を使用しながら、別ルートに新たな管を布設していく必要がありますが、既存の管路を布設した当時と比べ都市化が進み、交通環境が複雑化していることや、他企業管の埋設位置が記録と違う場合があることなどから、ルートの選定や用地の確保等に時間を要しております。そのため、管路の更新に当たっては、試掘による調査や、早い段階から関係機関等と綿密な協議を行うことなどにより、従来よりもペースを加速させつつ着実に進捗が図られるよう努めてまいります。また、あわせて、漏水事故を未然に防止をするため、現在実施している漏水調査に人工衛星を活用した手法を試験的に導入するなど、管路の維持管理にもこれまで以上に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。

○副議長(三沢 智君) 副知事高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは、まず、都市計画について、北千葉道路沿線地域のまちづくりに関する市町村との連携についてお答えいたします。

 北千葉道路沿線地域では、今後、将来を見据えた土地の利活用に取り組んでいくことから、現在、圏域ごとに策定を進めている広域都市計画マスタープランの中に、沿線地域における新たな産業、地域づくりの考え方について盛り込むこととしています。また、北千葉道路をはじめとする広域幹線道路の沿線地域における土地利用などについて、広域的な視点での調整を図るため、個々の市町村との協議に加え、各圏域で県と市町村による協議会を設置し意見交換を行うなど、連携の強化を図っています。広域都市計画マスタープラン策定後は、これに沿って将来を見据えた北千葉道路沿線地域のまちづくりが進められるよう、引き続き協議会を活用するなど、地元市と十分に協議、連携してまいります。

 次に、職員の採用についてお答えします。

 早期枠試験の実施状況についての御質問ですが、近年の就職活動の早期化や民間企業との競合等に対応するため、今年度の職員採用試験から、一般行政職、児童指導員、土木、電気の4職種において、早期枠試験を4月から5月にかけて実施いたしました。この結果、4職種合計で採用予定数70名に対し881名が受験し、181名が最終合格したところであり、辞退の申出があった者を除き、9月1日時点で140名が採用見込みとなっています。近年、採用に苦慮している児童指導員や土木職においても採用予定数を上回る結果となっており、最終的に千葉県庁を選んでもらえるよう、合格者同士の交流の場を設けるとともに、入庁後の働き方がイメージできる情報を定期的に発信するなど、入庁意欲の向上に努めてまいります。

 児童相談所の専門職の採用状況についての御質問ですが、県立児童相談所の新設により一時保護所の入所定員が増加する予定であること等から、専門職の確保に一層努める必要があるものと認識しています。そこで、県では、今年度から児童指導員の早期枠試験を実施しているほか、保育士の試験を9月に加え6月にも実施するなど、受験しやすい環境の整備を進めているところです。既に実施した児童福祉司、心理、児童指導員、保育士の4職種の採用試験では、採用予定数160名に対し、9月1日時点の採用見込み数が148名となっており、これまでの試験で採用予定数に不足する人数については、9月以降に実施する試験の採用予定数に追加することとしています。なお、合格者に対しては、入庁意欲の向上を目的とする内定者の集いを開催するなどの取組を実施しているところであり、児童相談所の運営が円滑に行われるよう、引き続き職員の確保に努めてまいります。

 次に、県有建物長寿命化計画についてお答えいたします。

 県有建物の整備計画第II期の進捗状況に関する御質問ですが、県では県有建物の長寿命化対策を効率的かつ計画的に進めるため、具体的な整備対象施設を示した整備計画を作成しており、計画第II期である令和5年度から9年度までの5年間で整備着手を目指すものとして、62施設を位置づけています。このうち令和6年度までに17施設の建て替えや大規模改修に着手したところであり、令和7年度は君津合同庁舎など11施設に着手する予定です。引き続き計画第II期に掲げた対象施設について、建物の目的や用途に応じた規模、機能などを個々に精査しながら、着実に整備を進めてまいります。

 次に、ふるさと納税についてお答えいたします。

 昨年度のふるさと納税による県の減収額についての御質問ですが、ふるさと納税は自分の選んだ自治体に寄附を行った場合、寄附額のうち2,000円を超える部分について所得税と住民税から原則として全額が控除される仕組みとなっています。令和6年度に本県でふるさと納税として受け入れた寄附金額は約7,394万円であり、一方、本県の個人県民税から控除された額は約154億円となっています。この控除額のうち75%は地方交付税で補てんされるため、実質的な収支は約37億7,000万円の減収となっています。

 ふるさと納税の返礼品についての御質問ですが、返礼品については、地域の魅力を発信する役割がある一方、自治体間での返礼品競争につながる側面もあると認識しています。また、県としては、県内市町村の取組にも配慮しながら、制度の趣旨を尊重し、地域課題の解決といった政策目標の実現に資することが重要だと考えています。このようなことから、県では有害鳥獣対策の効果的な推進のため、県内で捕獲された有害鳥獣を活用した肉や革製品を返礼品として令和5年度から提供しているところであり、今後とも多くの方に支援をいただける事業の実施について検討してまいります。

 次に、県立保健医療大学の機能強化についてお答えいたします。

 保健医療大学の公立大学法人化についての御質問ですが、公立大学を法人化することにより、大学の自主的な判断に基づく弾力的な予算執行や人事管理が可能となり、効率的な大学運営や教育研究活動の活性化が図られること、プロパー職員の採用等による事務局の専門性が向上することなどが期待できます。一方、法人化することにより、大学の魅力アップや資金獲得のためのブランド価値の創造、広報等を強化することや、健全で適切な運営を自ら担保し、社会的信頼に応えるため、コンプライアンスの推進を図る体制を構築することなどが求められます。県としては、県立大学としての機能と魅力を維持するとともに、法人化による効果を最大限発揮できるよう、運営主体の移行に伴う組織的・財政的課題への対応を検討しながら、令和10年度に向けて保健医療大学の法人化に取り組んでまいります。

 次に、高齢者の口腔の健康に関する御質問にお答えします。

 高齢者の口腔の健康づくりについての御質問ですが、高齢者の歯科疾患を予防し口腔の健康を保つことは、歯の喪失の抑制を通じて、話す、かむといった口腔機能の維持につながり、全身の健康の保持増進の観点から大変重要です。このため、県では、リーフレット等により定期的な歯科健診の受診について周知啓発を行っているほか、高齢者が地域で集い交流する通いの場などへの歯科衛生士等の専門職の参画を促進するため、市町村職員や専門職等に対する研修を実施しているところです。今後とも関係機関等と連携しながら、高齢者が生涯にわたって口腔の健康を維持できるよう、口腔疾患に関する知識の普及や専門職の育成等に努めてまいります。

 歯科衛生士の人材確保についての御質問ですが、歯科衛生士は専門的な知識と技術を生かして歯科疾患の予防や歯科保健指導を行うなど、歯科口腔保健の充実において重要な役割を担っています。そのため、県では、歯科衛生士に対し在宅歯科診療を含めた最新の知識と技術を習得するための研修会を実施し、未就業の歯科衛生士の円滑な復職を支援するなど、歯科衛生士の資質向上や継続的な就労を図っています。こうした取組に加え、県民に対する歯科保健医療サービスの提供に支障が生じることのないよう、他自治体の事例も参考にしながら、関係機関と連携して施策の充実に取り組んでまいります。

 在宅歯科医療の推進についての御質問ですが、高齢化の進行により在宅の要介護高齢者等のさらなる増加が見込まれる中、在宅歯科医療の重要性はますます高まっていくものと考えています。このため、県では県歯科医師会に委託して地域包括ケア歯科医療連携室を設置し、在宅歯科医療を行う歯科医師の育成研修や、病院、介護施設等との連携、調整等を実施するほか、在宅歯科診療に必要な機器整備費用の助成を行っているところです。今後とも関係機関と連携しながら、在宅歯科医療の一層の充実に努めてまいります。

 次に、第2次千葉県文化芸術推進基本計画についてお答えいたします。

 本計画における誰もが表現者として、文化芸術を楽しむ環境整備についての御質問ですが、文化芸術は一人一人の個性を育み、生きる喜び、感動、安らぎをもたらすものであり、誇りやアイデンティティーを形成する心のよりどころとなるものです。また、伝統的なものだけでなく、旅行先における生活や文化の体験や、SNSでの発信を通じた表現など、身近な日常の中にも存在しています。このため、本年3月に策定した第2次計画では、県民が気軽に文化芸術に触れ、自信を持って表現できる環境整備を進めるとしており、地域の食文化、アート作品作りの体験ワークショップやちば文化資産の写真をSNSで投稿するキャンペーンなどを展開しています。今後も文化芸術活動に参加し、自己表現できる機会の提供や交流の場づくり等を通して、県民誰もが生涯にわたり文化芸術に親しみ、心豊かに暮らすことができるよう取り組んでまいります。

 県内市町村博物館等と連携した取組についての御質問ですが、県立博物館は県内博物館活動全般の拠点として県全域を俯瞰し、市町村博物館等と連携しながら、本県ゆかりの資料やアーティスト等を発掘し、その価値を高め、未来に継承していくこととしています。具体的には、これまで県立中央博物館において、旭市等と連携して県内各地に伝わる海などへみこし等を担いでいくお浜降り習俗について調査し、記録映像の制作などを行うとともに、現在、県立美術館で開催中の高島野十郎展では、柏市と連携して晩年の作品や暮らしぶりなどを調査し、展示に生かすなどの取組を進めています。今後も本県固有の歴史、文化や豊かな自然等の多様な資源を最大限に活用し、一層の博物館活動の活性化や地域振興を図ることができるよう、市町村をはじめ多様な主体との連携を深めてまいります。

 次に、千葉県自転車活用推進計画についてお答えいたします。

 自転車活用推進計画の広域サイクリングロードについての御質問ですが、県では、今後整備を検討する区間も含め、県内の骨格となるサイクリングロードを千葉県広域サイクリングロード計画として令和6年3月に取りまとめたところです。現在、計画に位置づけられた自転車道9路線について整備を進めており、総延長約310キロメートルのうち約200キロメートルが完了したところです。引き続き残る自転車道の整備を推進するとともに、整備状況を踏まえ、9路線以外の検討区間の早期具体化を図るなど、広域的な自転車通行空間の整備に積極的に取り組んでまいります。

 自転車ネットワーク計画についての御質問ですが、自転車活用推進法で策定が努力義務とされている自転車ネットワーク計画は、市町村が路線を選定し、自転車道や自転車専用通行帯などの整備形態等を示すものであり、令和7年8月末時点で県内の29市町が策定しています。県としては、安全で快適な自転車通行空間を確保するため、県内市町村全てでの自転車ネットワーク計画策定を推進計画の目標に掲げており、計画策定によって交付金の活用が可能となることなどから、引き続き未策定の市町村に対し、先行事例の紹介や相談対応など、策定に向けた支援を行ってまいります。

 次に、住宅政策についてお答えいたします。

 改正住宅セーフティネット法についての御質問ですが、今回の法改正は住宅の確保等に課題のある単身高齢者の増加を背景に行われたところであり、本県においても令和5年の単身高齢者の世帯数は、5年前から6万7,000世帯増の35万5,000世帯となっています。法改正では、入居相談などを行う居住支援法人の入居者死亡時残置物処理が新たに県の認可業務とされるとともに、居住者を適切な福祉サービスにつなぐ居住サポート住宅の認定を市と県が行うこととされています。県としては、改正法の施行に向けて、市町村や居住支援法人など関係者による勉強会を開催するほか、居住支援協議会において住宅と福祉の関係者間の連携を図っているところであり、引き続き単身高齢者などの住宅確保要配慮者への居住支援を推進してまいります。

 住宅に困窮する者に対する居住支援についての御質問ですが、低額所得者や高齢者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者は今後も増加し、さらに多様化していくことが見込まれ、それぞれの状況に応じた住宅支援が必要になると認識しています。そのため、県では、県営住宅について、地域の需要や世帯構成に応じた住戸を供給するとともに、民間賃貸住宅への円滑な入居に向け、高齢者などの入居を拒まないセーフティネット住宅の登録や、居住支援法人の指定の促進などに取り組んでいるところです。今後とも公営住宅と民間賃貸住宅による重層的な住まいのセーフティーネットの構築を図り、住宅確保要配慮者が円滑に入居できる環境整備に努めてまいります。

 次に、建物耐震化についてお答えいたします。

 緊急輸送道路沿道建物の耐震性確保についての御質問ですが、緊急輸送道路は震災発生時の救援活動や緊急物資の輸送活動を確保する上で大変重要であることから、県では沿道建築物の耐震化を進めています。その取組の1つとして、緊急輸送道路のうち広域的な連携を図る上で重要な高規格幹線道路等や国道の一部について、沿道建築物の所有者に耐震診断を義務づける路線として指定しています。また、市町村が緊急輸送道路の沿道建築物の耐震診断等に対する支援を行う場合、その経費の一部を県で補助しており、今年度から緊急輸送道路のうち、被害者の救援・救護活動や緊急物資の輸送に特に重要である1次路線の沿道建築物について、耐震改修等も補助対象となるよう拡充したところです。

 最後に、市町村補助制度の創設状況や県の取組についての御質問ですが、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に係る補助制度を創設している市町村は、耐震診断を補助対象としている団体が5団体、そのうち耐震改修も対象としている団体が2団体となっています。沿道建築物の耐震化に当たっては、費用負担の軽減が課題の1つであることから、県では、今年度行った補助制度の拡充について市町村へ周知するとともに、補助制度創設の検討を促しているところです。引き続き市町村と連携しながら、建築物の所有者へ耐震化の重要性を周知するとともに、必要な改修等を促し、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に努めてまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、ガストロノミーツーリズムについての御質問にお答えいたします。

 食は観光客が旅行先を選択する重要な要素であり、各地の多様な食文化や、そのストーリーの魅力に触れるガストロノミーツーリズムを推進することで、宿泊業の付加価値の向上や地域経済の活性化につながることが期待されます。そこで、県では、ホームページやパンフレット等でグルメ情報を発信するだけでなく、観光コンテンツ高付加価値化促進事業において、これまでにラム酒の蒸留所に隣接する古民家に宿泊し、原料となるサトウキビの収穫などを行いながら特製のラム酒を楽しめる体験、あるいは田園風景の中、日本料理の達人が土かまどで炊き上げた米で作る絶品のおにぎりを味わえる体験など、食文化を活用した観光プログラムの開発を支援してまいりました。今議会に提案した新総合計画案には、本県が誇る農林水産物や発酵食品等を活用したガストロノミーツーリズムの推進を盛り込んだところであり、今後、本県の食が持つ力を最大限活用して、観光地づくりや観光プロモーションに取り組んでまいります。

 次に、産直ECサイトを活用した県産農林水産物の販売促進についての御質問にお答えいたします。

 近年、時間や場所を問わず新鮮な農林水産物を直接生産者から購入できる産直ECサイトの利用者が増え、新たな販路の1つとなっております。このため、県では、今年度新たな取組として、大手産直サイトと連携し、県内生産者向けにECサイトの魅力や活用方法などについての説明会を開催したほか、効果的な販売に向けたアドバイスなどを実施することとしております。また、生産者のこだわりを紹介する特設ページの開設や、消費者の声を直接聞くことができる対面での販売イベントの開催なども予定しており、こうした取組を通じまして生産者と消費者のつながりを深め、産直ECサイトでの継続的な取引を促してまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 教育長杉野可愛君。

 (説明者杉野可愛君登壇)

○説明者(杉野可愛君) まず、教職員の定年引上げについてお答えいたします。

 60歳を超えた教職員の役割についての御質問ですが、教職員の確保が困難になる中、様々な教育課題へ的確に対応していくためには、能力と意欲のあるベテラン教職員を活用し、次の世代に、知識、技術、経験などを継承していくことが必要です。本県では、定年引上げや再任用により、60歳を超えた正規の教職員が全ての校種合計で2,900人を超え、これまで培ってきた教科指導や生徒指導等の技術や知見を生かして日々の教育活動に取り組んでおり、若手への指導や知識の継承など重要な役割を果たしているものと認識しています。

 次に、60歳を超える教職員の給与についての御質問ですが、職員の給与については、地方公務員法に定められた給与決定原則に基づき、人事委員会勧告にのっとった給料表や手当制度が適用されており、勧告を尊重して改定していくことが基本であると考えています。また、同法では、地方公務員の給与は国家公務員の取扱いに準じて必要な措置を講じることとされており、現状60歳を超える職員の給与については、国と同等で定年前の7割水準としているところです。

 次に、部活動の地域展開についてお答えいたします。

 部活動の地域展開に係る市町村支援についての御質問ですが、県教育委員会では、国の方針にのっとり、令和5年度から7年度までの段階的なスケジュールを示し、市町村の実情に応じた地域展開の取組を支援してきました。特に市町村の課題である指導者不足に対しては、人材バンクちばクラサポを運用しており、7月末現在で1,417名の登録があり、市町村の指導者募集において活用されているところです。引き続き各教育事務所等に配置した7人のコーディネーターを活用し、市町村に対して好事例を共有するほか、今年度は休日の部活動を全て地域展開するまでの計画を策定することとなっていることから、本計画の作成について助言するなど、市町村を支援してまいります。

 人材の質の確保についての御質問ですが、部活動の地域展開に当たっては、地域クラブ等における指導者の数を確保するとともに、生徒の安全・安心な活動のために、指導者の質を担保することが重要です。県教育委員会では、これまでトッププロチームや大学、指導者研修を専門とする企業等による講習会を県内各地で開催し、ちばクラサポの登録者等への受講を促してきたところです。さらに、今年度からは登録者が研修動画を視聴し、理解度を確認する機能を備えたeラーニングシステムを導入しました。このシステムでは、コンプライアンスの徹底や安全管理、心身の発達段階に応じた指導方法などについて理解を深められるようにしたところであり、引き続き指導者の質の向上に取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 警察本部長青山彩子君。

 (説明者青山彩子君登壇)

○説明者(青山彩子君) 私からはオンラインカジノ対策についてお答えいたします。

 オンラインカジノを利用した賭博事件に関する御質問ですが、オンラインカジノについては、アクセス数の大幅な増加及びこれに伴う依存症の問題が指摘されており、喫緊の課題であると認識しております。県警といたしましては、サイバーパトロールや県警へ寄せられるオンラインカジノに関する相談、警察庁及び全国警察からの情報提供により、オンラインカジノを利用した賭博事件を認知しております。オンラインカジノを利用した賭博事件の県内の取締り状況については、令和5年中が1件1人、令和6年中が4件25人、令和7年7月末現在では1件3人を検挙しており、オンラインカジノを利用して賭博を行った者のほか、オンラインカジノの情報を発信していた者、いわゆるアフィリエイター、賭博の賭け金の入出金を管理していた決済代行業者なども検挙し、オンラインカジノの実態解明に取り組んでおります。

 次に、アフィリエイター等の対策に関する御質問ですが、ギャンブル等依存症対策基本法の改正により、オンラインカジノサイトを開設、運営する行為や、広告や書き込み等、オンラインカジノサイトに誘導するための情報を発信する行為が違法化されることを受け、県警では、これらの周知のための広報を県警ホームページやSNS等を活用して推進していくとともに、オンラインカジノサイトに誘導する情報等の削除要請についても、警察庁の方針に基づき推進してまいります。引き続き日本国内でオンラインカジノに接続して賭博を行うことは違法であることについて周知を図るとともに、アフィリエイターの取締りや、日本語でオンラインカジノの情報を発信しているリーチサイトの運営者の取締りを推進してまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 人事委員会委員長高梨國雄君。

 (説明者高梨國雄君登壇)

○説明者(高梨國雄君) 職員の確保に関する質問のうち上級試験の実施状況についてお答えをいたします。

 今年度の職員採用上級試験は、従来の6月の試験と4月に早期枠試験を実施しており、6月の試験では採用予定数425名に対し受験者数は1,130名、最終合格者数は489名で、合格倍率は2.3倍となっています。このうち技術系職種については、合格倍率が2.0倍となっており、現時点で土木では38名、児童指導員では18名の採用不足が見込まれるなど、8職種で合格者数が採用予定数を下回っている状況です。これまで技術系職種の教養試験廃止など、受験者数確保のため、試験の見直しに取り組んできたところですが、今後はさらに大学訪問等によるPRの強化や、早期枠試験の拡充など、多様で有為な人材の確保に向けしっかりと取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 鈴木均君。

○鈴木 均君 それでは、御答弁いただいたことについて再質問、要望してまいります。

 まず、千葉の魅力発信についてです。知事、万博に行かれて大変な成功だということで、本当によかったなというように思っています。なかなか大阪で千葉県の産品は認知されていないんですよね。私も去年、アンテナショップを―今ちょうどやっていらっしゃいますかね。視察に参りましたが、このアンテナショップでも県産のおおまさりとかいろんなものは出ていたんですが、落花生ですら、千葉県でこんな落花生のおいしいのが作られているんですねというのを御存じないとか、梨はもうほとんど関西圏では認知されていなくて、鳥取じゃないんですかというようなお声をたくさんいただくというようなお話も伺いました。なので、こういった機会を通じてどんどん千葉県のものを広げていくというのは非常にいい試みだというように思っています。

 というのを前提にしてなんですが、県産品を通じた千葉の魅力発信ですが、例えばですけれども、日本酒だと商工労働部の所管なんですね。梨は農林水産部の所管なんです。今回、発酵は総合企画部が担当して、これは取りまとめをされたという感じなのかもしれませんが、組織が縦割りになっていて、実は事業の重複がないかなというように私は考えています。それと、責任の所在、これも誰がやるんだということが不明確ではないかなというのは1つの課題ではないかなと思います。千葉の魅力発信をより充実したものにするには、まず生産者側と、それから最終の消費者につながっている、例えばレストランであるとか観光事業者であるとか、ここがやはり連携して、そして商品、産品を提供していく、魅力を発信していくということは非常に重要だというように思います。ですから、やはり農林水産業、観光業、文化、歴史などを所管する県の各部局の連携は、これは必須じゃないかなというように思っています。

 そこでお伺いいたします。千葉の魅力発信には部局横断的な対応が必要と考えるが、どうか。

 次に、都市計画について、これは要望いたします。北千葉道路の沿線地域のまちづくりに関しては、将来的な産業拠点の形成や交通利便性の向上などに大きな期待が寄せられています。午前中の自民党さんの代表質問でも、成田空港のことがありましたが、県の北西部から成田空港をつなぐ非常に重要な路線です。この北千葉道路の完成には大きな期待が寄せられていますけれども、一方で、沿線の自然や住民の生活環境への影響についても十分な配慮が不可欠だと思います。都市部に残された貴重な自然があるという側面もあります。県におかれましては、都市計画の検討に当たっては、地元の住民や関係団体との情報交換を通じて、合意形成を大切にしていただくように、これは私たちの会派として強く要望いたします。

 次に、多様性の尊重についての再質問です。新たな企業等の表彰制度を創設すると。今まで男女共同参画の表彰制度があったということですが、新たな制度を創設するということですが、この男女共同参画への積極的な取組を行う事業所表彰は2006年度から行われていたわけですけれども、従来の表彰制度、2006年度からあるものと、そして新たな制度との関係性というのはどういうふうになっているのかというところは、私たちも関心があるところです。これについて、新たな制度と従来の表彰事業との関係性がどうなるのか、お伺いいたします。

 そして、男女共同参画推進・多様性社会推進に対する事業所表彰についてはどのように進めていくのか、お伺いいたします。

 そして要望です。県有建物長寿命化計画についてです。県有建物長寿命化計画において整備計画に位置づけた建物について、当初の事業費シミュレーションを実績額が30%上回ったということをお聞きしました。現在は税収も順調ですけれども、なので、基金の積み増しで対応しているということですが、この財政状況がずっと続くのかどうか、これから社会保障費が増えていくとか、大きな課題が次々とやってくるわけなので、こういった財政状況が続く保証はありませんから、施設の在り方についても適時適切に検討していくことが必要ではないかということを要望いたします。

 次に、ふるさと納税について要望します。ふるさと納税の現状は返礼品競争が過熱して、本来の趣旨から逸脱して、都市部の税収減や自治体間の過度な競争を招いていると思います。地域の未来を育てる寄附という本来の趣旨に沿った運用となることが非常に重要だと思います。制度の在り方の見直しについて、ぜひ県として国に働きかけをしていただくように要望いたします。

 次に、千葉県立保健医療大学について再質問をいたします。千葉県立保健医療大学は、全国の保健医療系の都道府県立の公立大学の中で唯一大学院を持っていません。青森、神奈川、静岡といった公立大学において、既に公衆衛生大学院が設置されています。そのような中、報告書によると、千葉県においても公衆衛生学専攻を設置するとのことですが、後発の千葉県として、それら競合大学との差別化や優位性を図っていくことが重要と考えます。

 そこでお伺いします。新たに大学院に設置する公衆衛生学専攻では、どのような特色や優位性を打ち出していくのか。

 次に、オンラインカジノ対策について要望いたします。オンラインカジノの運営会社は、ディーラーも含めて海外にあります。イギリスに多いんだとかいう情報ですが、それらのサイトへの接続をブロックしなければ本質的な解決にはなりません。このブロッキングは、国で総務省が検討しているとお聞きしていますが、取締りを行う県警としても、オンラインカジノサイト取締りの広報啓発と、そしてその実態の把握に努めていただくことを要望いたします。

 次に、農林水産物の販売促進について、これも要望いたします。私も「食べチョク」という産直ECサイトを使って県産のおおまさりを購入してみました。非常にきれいな梱包で、そして生産者の顔がネット上で見える安心感など、産直ECサイトのメリットというのはよく分かりました。しかし、一方、梱包とか発送という手間は、生産者が自分で直接やらなきゃいけないという、生産者にとって新たに一手間加わるということもあると思います。従来よりも、やっぱり付加価値をつけて販売しないと、これは生産者にとって割が合わないということにならないかなと感じました。他県の例なんですが、淡路島でタマネギをEC販売している生産者、特殊な保管庫で、非常に長期保存できる保管庫に保管して、そして梱包から出荷までをワンストップで行う事業者と提携しているそうです。そして大きく売上げを伸ばしているというふうにお聞きしました。このような取組にも支援を広げて、充実した事業になるように要望いたします。

 次に、自転車活用推進計画について要望です。第3次千葉県自転車活用推進計画の策定に当たっては、第2次計画では広域サイクリングロードの整備目標が明記されていなかったので、延長距離やルート数の数値目標を設定してほしいということ、それから、空港コースは未整備区間と位置づけて、2029年の第2の開港を見据えた整備を加速してほしいということ、ヘルメットの着用率向上に向けた具体策を盛り込んでほしいということ、最後に、市町村計画の策定済みは29市町にとどまっているので、100%策定に向けて未策定の自治体へ働きかけを強化すること、この4点を要望いたします。

 次に、住宅政策について要望です。新法が、改正住宅セーフティネット法ができましたので、県の責務がさらに明確になってきました。居住支援法人、それから居住支援協議会、こういったものの設置を、県として勉強会とかを通じて促してほしいなというように思っております。さらに、この新法とまた別の話なんですが、都市部において住宅価格が急激に上昇していますね。賃貸住宅の賃料も上昇が始まっています。こういった居住コストの上昇というのが生活に大きな影響を与えていて、例えば市川とか浦安みたいな土地の値段の高いところの都市部では、介護職などの相対的に所得が低い職種の方の住宅探しが非常に困難になっているということが想定されます。このような方を支援する意味でも、政策的に廉価でアクセスしやすい住宅を供給するアフォーダブル住宅という言葉があるそうですが―について、県として研究していくことを要望いたします。

 続いて、建物の耐震化ですね。これも要望です。緊急輸送道路沿道建物の耐震化については、私は9年前から継続して質問しているんですが、なかなか事業は思うように進捗しないんですね。今年度より、緊急輸送道路1次路線の沿道建物の耐震改修も県の補助事業に加わりました。先ほど御説明いただきましたが、しかし、これは県内で僅か2市しか耐震改修までの補助制度を持っている市がないということなんですね。今議会で避難時の道路のボトルネックとかを検証する大地震発生時における交通シミュレーションの事業が補正予算で上程されていますけれども、シミュレーションの際に沿道建物の耐震性が分からなかったら、現実と違うシミュレーションが出てしまうようなおそれもあるんではないかなと思います。さらなる耐震化事業の取組強化を要望いたします。

 次に、管路の更新についてですね。これも要望です。管路の更新については、従来よりもペースを加速させるとのことですが、現在の水道管は高度成長期に整備されたものが多く、耐用年数を経過したものも含めて、同時期に更新時期を迎えることとなります。不測の管路の破損などで安定した給水に影響を及ぼすことのないよう留意していただくことを要望します。

 次に、教職員の定年引上げについて再質問します。教職員の中には過重労働やストレスが原因で燃え尽き症候群になる例も少なくないと伺っています。ところで、市原市では、市職員の定年引上げ後の処遇改善策の1つとして、勤続40年でリフレッシュ休暇を取得できる制度というのを拡充したそうです。給与面だけではなくて、こういったいわゆる処遇改善も1つのアイデアではないかなと考えます。

 そこで伺います。教職員の定年引上げ後の処遇改善策として、県教育委員会において、リフレッシュ休暇等の拡充を図るべきだと考えるが、どうか。

 次に、部活動の地域展開について再質問します。教員や学習塾の指導者などによる子供への性暴力が絶えません。部活動地域展開をしていく上でも、指導者による性暴力が決して起こることがないように、十分に留意していかなければなりません。国では、子供に接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する日本版DBSのガイドライン策定が進められていますが、日本版DBSの運用が開始された場合、地域展開されたクラブ運営組織においても、情報の利用が想定されます。

 そこで伺います。日本版DBSの運用が開始された際には、ちばクラサポでどのように活用していくのか。

 以上です。

○副議長(三沢 智君) 総合企画部長三神彰君。

○説明者(三神 彰君) まず、千葉の魅力発信についての御質問ですが、魅力発信に当たりましては、その内容、ニーズ、それから発信の手法などが様々でありますことから、各部局が連携して取り組むことが重要であると考えております。例えば、発酵県ちばの取組では、庁内ワーキングチームにおきまして、企画段階から連携してプロモーションを実施しているところですけれども、今後ともテーマや内容に即しまして、部局横断的な体制で効果的な魅力発信に努めていきたいと考えております。

 次に、男女共同参画・多様性社会推進事業所表彰についての御質問ですが、県では、従来の男女共同参画の表彰に加えまして、新たに多様性社会推進部門ということで設けて、2部門で表彰を行うことといたしました。進め方といたしましては、現在、候補となる事業所を募集しておりまして、決定後、来年2月には表彰式を行うとともに、その取組の内容について、冊子や動画により県内に波及させてまいります。今後とも男女共同参画と多様性尊重の機運醸成に向けてしっかりと進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 保健医療担当部長山口敏弘君。

○説明者(山口敏弘君) 保健医療大学大学院の公衆衛生学専攻についての御質問ですが、公衆衛生学専攻では、公衆衛生分野における専門知識とスキルを持ち、保健医療の国際化に対応しつつ、研究成果を地域に還元できるリーダー人材を育成することを特色として打ち出していきたいと考えています。先行事例においては、分析力と実践力を磨き、公衆衛生の専門家として必要となる知識、技能とともに、多様な価値観や倫理観が行き交う現場で課題解決力を発揮するためのマネジメント力を身につけることができる教育プログラムが提供されています。保健医療大学においても、このような先行事例などを研究し、より優位性が高く、学生に選ばれる専攻課程となるよう取り組んでいきます。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 教育長杉野可愛君。

○説明者(杉野可愛君) 教職員のリフレッシュ休暇等の拡充に関する御質問ですが、県教育委員会では、これまでも教職員の働きやすい職場環境を整備するため、休暇制度等について適宜見直しを行っており、引き続き社会情勢の変化や教職員のニーズなども踏まえ、国や他の自治体の動きを研究してまいります。

 次に、日本版DBSとちばクラサポに関する御質問ですが、県教育委員会では、ちばクラサポに登録する際、犯罪歴がないことなどを申告する項目を設け確認を行っています。日本版DBSについては、国の動向を踏まえて適切に対応してまいります。

 以上でございます。

○副議長(三沢 智君) 鈴木均君。

○鈴木 均君 それでは、3回目なので要望していきます。

 まず、千葉の魅力発信についてです。先ほど配付した資料に出ていましたが、国では消費拡大の効果に注目し、地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業を2023年度から実施しています。観光庁では、ガストロノミーツーリズムの真価はプロモーションの域を超えて、その土地が持つ食文化や歴史の深掘り体験にあるとしています。そういった意味で、発酵はガストロノミーツーリズムのコンテンツとしての活用が本当に期待されるんですが、発酵に注目しているのは千葉県だけではありません。産品が生み出される地域の文化や歴史も含めて、やはり千葉ならではと認知されるレベルまでブランドとして磨き上げていくことも重要ではないかと考えます。例えばですけれども、日本酒やみりん、千葉の梨などを、毎回申し上げていますが、地理的表示制度GI認定、これは国が与えてくれるお墨つき、ブランドとしての証明です。こういったものの取得も含めて、揺るぎないブランドとして育て上げていくために、先ほどお話ししましたが、部局間でしっかりと連携していただいて、そしてこれは生産者、関係団体が一緒に動いてくれないと進みませんので、関係団体を巻き込んだ取組を行っていただくことを要望いたします。2023年度に県の地域課題解決プロジェクト事業の補助対象となった生産者とレストラン双方を表彰する制度であるちばガストロノミーAWARDというのがありましたが、これの第2回のエントリーが始まっているんですね。来年これを決めて表彰するということにしてありますが、こういった我が県を取り巻くガストロノミーに関する機運は高まっていますから、ぜひガストロノミー県千葉と認知されるように、庁内と、そして我々議員も含めて盛り上げていきたいと思います。

 次に、県立保健医療大学について要望いたします。高齢者人口の増加や保健医療に関わるニーズの多様化に対応するために、本県の現場を担うトップリーダーの育成は喫緊の課題です。保健医療大学における多職種連携の学びを大学院で発展させ、実践と研究にブリッジをかけて、シンクタンク機能を充実させていくことが期待されています。スピード感を持って大学との協議を深め、そして具体的スケジュールを早期に示していただくよう要望いたします。

 次に、教職員の定年引上げについて要望です。今後とも質の高い教育を維持、継続していくためには、教職員の労働環境と処遇を改善していくこと、これは極めて重要なことです。教職員が生き生きと働いている姿を子供たちに見せること、これは教育者を目指す魅力にもなりますし、子供が学校に魅力を感じてくれる、学びに魅力を感じてくれる大きな要素につながると思います。そういった意味でも、県はぜひ独自に処遇改善に向けて取り組んでいただくとともに、教職員の給料や諸手当を60歳前と同等にするべく、国に働きかけていただくように、これも要望いたします。

 最後に、部活動の地域展開について要望します。部活動の地域展開において、子供たちが安心して活動できる環境、これは絶対守らなきゃいけないと思います。子供に対する性暴力が非常に増えています。こういった環境を担保するために、日本版のDBSを活用していくというのは、これは非常に有効だと考えます。ちばクラサポに登録する際に、日本版DBSへの照会があることに登録する方が同意する環境を整備していただくこと、そういうシステムをつくっていただくことを要望いたします。

 以上をもちまして立憲民主党を代表しての私の代表質問を終わります。御清聴いただきました皆さん、ありがとうございました。

○副議長(三沢 智君) 以上をもって本日の日程は終了しました。

 明日12日は定刻より会議を開きます。

 これにて散会します。

 午後2時43分散会

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電話番号:043-223-2523

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