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更新日:令和2(2020)年3月11日
ページ番号:311179
平成29年2月22日
千葉県議会議長宇野裕様
総合企画水道常任委員会委員長林幹人
本委員会が所管事務調査のため、県内調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:平成29年2月21日(火曜日)15時15分~15時45分
(2)調査項目:山倉ダムフロート式メガソーラー設置運営事業について
(3)経過
初めに、千葉県の工業用水道事業及び山倉ダムフロート式メガソーラー設置運営事業(以下「設置運営事業」という)の経緯について県の担当者から説明があり、続いて、事業主である京セラTCLソーラー合同会社の担当者から、設置運営事業の概要について説明があった。
その後、県の担当者の説明を受けながら、山倉水上メガソーラー発電所完成予定地を車内から視察した。
(4)概要説明
(事業の経緯)
2011年3月の東日本大震災を契機に、県ではエネルギーの分散確保、環境負荷の低減、地域経済の活性化を目的として、「新エネルギー活用推進プロジェクトチーム」を立ち上げ、新エネルギー活用の提案募集を行った。
企業庁(現水道局)工業用水部は、袖ケ浦浄水場の未利用敷地及び法面にメガソーラーを設置運営する「袖ケ浦浄水場メガソーラー設置運営事業」と、長柄ダムから取水する際の水圧と水量のエネルギーを利用し、管路内に発電機を設置して小水力発電設備を設置運営する「古都辺取水場小水力発電設置運営事業」の2件を提案し、事業化を行った。
その後、2014年に、水面を利用するフロート架台の技術の進歩に着目し、同部が管理する工業用水道専用山倉ダムの水面において、環境負荷の低減への取組と水質改善を図るため、「山倉ダムフロート式メガソーラー設置運営事業」を計画、設置運営事業者を募集したところ、京セラTCLソーラー合同会社に決定し、工事が着工。2017年度内の発電を目標として工事が進められている。
(事業の特徴)
この事業の主な特徴は、
○山倉ダム水面部の約3分の1にあたる18.0haと陸上部の約1.5haを使用し、50,904枚の太陽光パネルにより、想定最大出力約13.7MW、想定年間発電量約1,617万kWh(一般家庭約4,970世帯分の年間電力消費量に相当)を発電する、国内最大の水上メガソーラー発電施設である。
○太陽光パネルは通常アルミ製の架台に載せて設置するが、ここでは水上での設置となるため、フランス企業から提供を受けたフロートの上に設置している。
○パネルからの電力を3カ所ある中間変電所で集約し、さらにこれらを第1中間変電所で1つに集約し、変換用のトランスを介して東京電力の送電線に接続する。
○工業用水道事業への配慮として、
・フロートは紫外線や腐食に強い材質の耐久性の高いものを、パネルは水溶性でない水質に影響を及ぼさない材質のものを使用している。
・強風や波に耐える強度設計や連結、固定技術を採用し、パネルの飛散対策を講じている。
○見学者用の環境学習施設を設置し、地元から要望のあったダム敷地内のトイレの設置に貢献している。
等が挙げられる。
(水上設置のメリット・デメリット及び今後の課題)
メリット
(1)水面はもともと平面であるため、発電所敷地内の大規模造成工事が不要
(2)パネルの温度が低いほど太陽光発電は効率がいいため、水面に設置することでパネルの温度上昇が抑えられることにより発電量がアップ
(3)水面の有効利用
(4)パネル設置によってできる日陰により水中温度の上昇が抑えられ、アオコの発生を抑制
デメリット
(1)水上作業経験者の確保及び育成
(2)工事用資材置き場の確保が困難
今後の課題
(1)フロート上での施工性改善及び作業工法の確立
(2)ケーブルが長いほど電力ロスにつながるため、ケーブルロスを無くす設計手法
(3)工事に適したダムやため池の選定
が挙げられる。
(5)主な質疑応答
問:陸上設置の場合と比べてメンテナンスが大変だと思うがどうか。
答:事業にあたっては、発電設備を作るコストとメンテナンスのコストを踏まえた上で検討するが、水上設置の場合は、水面のパネルに行くまでのボートを用意する必要がある等、陸上設置よりもメンテナンスコストは多少高くなる。しかし、設置場所にもよるのでケースバイケースである。
問:太陽光パネルの設置においては、光の反射による周囲への影響が出ているところもあると聞くがどうか。
答:業者によってはコスト面から、設計をせずにパネルを置くだけというところもあり、周囲に影響が出ているということを耳にすることがあるが、ここはダムという土地柄、周囲に建物が少ないけれども、光の反射角度を調べるなどして影響がないように設計をしている。
問:発電効率が維持できているか等、点検規模が大きくなるとドローンを利用すると聞いたこともあるが、今後利用の計画はあるか。
答:現時点で具体的な計画はないが、ドローンを利用したほうが人を使うよりもコスト的に安くなると思っており、今後検討していきたいと考えている。
現在、発電量の計測を遠隔操作で行っている。発電量が落ちたり、天気がいいのに発電しない等の状況が随時わかるようにモニタリングをしていて、異常時にはメンテナンス会社に連絡して船を使って確認してもらっているが、これをドローンで確認することができれば人を動かさずにすむことになるので検討していきたい。
問:ダムの水面を見ると、まだパネルを設置できる余裕がありそうだが、いかがか。
答:パネルの設置枚数については計画段階で検討したが、ある学術によると、全体の3分の1以内のスペースであれば水質に影響を与えない範囲で設置できるということで、山倉ダムの面積約60haに対して現在の設置枚数としている。
問:日本製ではなく、フランス製のフロートを使用しているのはなぜか。
答:水上メガソーラー建設の歴史はまだ浅く、設計当時は国産のフロートが出始めた頃で、傾斜角度も30度ぐらいあり、いかにも工業製品を浮かべているという形状のものしかなかった。それに比べてフランス製のフロートは、傾斜角度12度と低い角度で設計されており、環境にも見た目にも調和するものであったことから採用した。なお、このフロートはフランスで設計されたものだが生産は日本で行っている。
職名 |
氏名 |
会派 |
---|---|---|
委員長 |
林幹人 |
自民党 |
副委員長 |
五十嵐博文 |
自民党 |
委員 |
本清秀雄 |
自民党 |
委員 | 矢崎堅太郎 | 民進党 |
委員 | 大﨑雄介 | 民進党 |
委員 | 赤間正明 | 公明党 |
所属・職名 |
氏名 |
備考 |
---|---|---|
水道局長 |
田谷徹郎 |
|
工業用水部長 |
滝浪善裕 |
|
工業用水部施設設備課長 | 今関芳明 |
|
総合企画部政策企画課副課長 |
石黒真平 |
議事課主幹(併任) |
水道局管理部総務企画課副課長 | 太田信春 |
議事課主幹(併任) |
議会事務局議事課主査 | 荻原裕一 |
|
議会事務局総務課主査 | 鈴木由香 |
月日 |
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|---|
2月21日 | 県議会 | 14時40分 | ||
山倉水上メガソーラー発電所 |
15時15分 |
15時45分 | 調査 |
|
県議会 | 16時15分 |
お問い合わせ
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