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更新日:平成30(2018)年12月19日
ページ番号:311190
平成30年11月1日
千葉県議会議長吉本充様
総合企画水道常任委員長小池正昭
本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:平成30年10月29日(月曜日)14時35分~15時10分
(2)調査項目:情報通信技術(ICT)を活用した移動利便性の向上について
(3)経過
初めに、小池委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、肝付町議会副議長から歓迎のあいさつがあった。
次に、企画調整課の職員から肝付町乗合タクシー実証運行について説明があり、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
肝付町は、平成17年7月に旧高山町と旧内之浦町が合併して誕生した。総面積は約308.10平方キロメートルで鹿児島県東部の大隅半島南東部に位置し、美しい海岸線や豊富な森林に恵まれている。人口は昭和30年の34,372人をピークに平成27年には15,664人となり、過疎化に歯止めがかからない状況になっている。特に、65歳以上の高齢化の比率が、平成27年には39.1%と超高齢社会になっている。
肝付町の公共交通機関は、バス事業者が8路線を廃止路線代替バスとして運行しているが、近年の急速な少子高齢化や人口減少、自動車の普及等により利用者の減少が続き、路線維持確保のために毎年多額の運行補助金を交付している。その中には、利用者が極端に少ない路線も抱えており、運行自体の必要性についても検討の時期に来ている。
少子高齢化が進む中、交通手段を維持しているが、町が負担する経費が年々増加している中で、利用率や費用対効果、住民サービス・利便性向上の面から、総合的かつ効率的な生活交通体系の構築が喫緊の課題となっている。
このような状況から、肝付町に最適な公共交通を探ることを目的として、乗合タクシーの実証運行を行った。肝付町地域公共交通会議が主体となり、平成30年7月1日から平成30年9月30日までの3カ月間、月曜日から土曜日の午前10時から午後3時(9月は利用時間拡大)の間運行した。利用者からの予約を元に走行途中で新たな乗客から呼出しを受けた時、最適なルートの決定をリアルタイムに人工知能が自動計算する、NTTドコモのAI運行バスシステムを活用し、需要に応じた最適な運行を目指した。利用者は、自分でタクシーに乗降できて事前に役場で利用登録を行った者とし、1回200円(小学生以下100円、未就学児は無料)の運賃負担とした。実施にあたっては、高山地区の中心エリア(人口約10,000人)を運行エリアとし、役場や学校など区域内の主要施設にのぼり旗を立ててバス停とし、路線バスのバス停を含めて16カ所の乗降ポイントを設定した。この他、登録された自宅から利用することもできることとした。利用者は利用したい時に電話もしくはスマートフォンで予約し、状況に応じてAI運行バスシステムが運行経路を自動判断する。結果として、利用登録者は271名で85%が65歳以上、電話予約が90%以上であった。
(5)主な質疑応答
問:乗合タクシーの事業費と採算についてはどうか。
答:利用量によるところもあるが、運行経費は概ね月20万円程度で、さらにタクシー会社のオペレーター費用とシステムの利用料がかかる。
問:以前から導入しているデマンドタクシーにも問題点があって実証実験に期待していたところもあるようだが、実験を終えて問題点は解決したのか。また、途中でアクセスがあった場合は運行時間が長くなり、各利用者の想定以上の時間がかかることになると思うが、その点は問題にならなかったか。
答:やり方やエリアが異なるので問題点の検証はまだできていないが、午前・午後ともに1往復で運行している現在の事前予約型タクシーも、時間の問題を除けば利便性が高まると考えている。また、AIタクシーの利用にあたっては必ずしも最短で到着するものではなく、途中での利用がありうることを事前に説明している。
問:現状のバス路線維持のための運行補助金はどのくらいか。
答:年間で300万円弱である。
問:実証実験を終えたところだが、導入の方向に向いているのか。
答:今後については、エリアを広げた場合の事業者との連携等検討を要する事項もあるので、現時点では不明である。
(1)日時:平成30年10月30日(火曜日)9時20分~10時30分
(2)調査項目:安全で安定した給水対策について
(3)経過
初めに、小池委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、鹿児島市水道局長から歓迎のあいさつがあった。
次に、水道整備課職員から河頭浄水場の事業概要及び覆蓋の概要について説明があり、河頭浄水場の覆蓋及び中央管理室を見学した。その後、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
鹿児島市の水道事業であるが、計画給水区域は282.90k平方メートルで行政区域面積の約半分となっている。現在の事業計画は、平成33年度で給水人口586,200人、一日最大給水量220,800立方メートルであり、これに対して平成29年度末の実績は、給水人口576,900人、普及率98.9%、一日最大給水量194,718立方メートル、有効率92.9%となっている。鹿児島市の水道施設について、河頭浄水場は、本市初の河川表流水を水源とする浄水場として昭和40年に通水を開始した。甲突川を水源とし、浄水方式は急速ろ過方式、施設能力は109,100立方メートル/日である。滝之神浄水場は、昭和50年に運転を開始し、浄水方式は急速ろ過方式、施設能力は39,700立方メートル/日である。取水から排水まで自然流下のため、エネルギー効率に優れた浄水場となっている。平川浄水場は、本市初の市域外から導水している浄水場であり、水源は南さつま市にある万之瀬川で取水場は南さつま市にあり、約21km導水している。浄水方式は急速ろ過方式で、施設能力は30,000立方メートル/日である。平川浄水場まで導水する万之瀬川導水施設は、県の工業用水道との共同施設で2本のトンネルと導水管で南さつま市から平川浄水場まで約21km導水する施設であり、施設能力75,000立方メートル/日のうち55,000立方メートルが本市水道事業分となっている。鹿児島市の水源地は109カ所あり、表流水4カ所、伏流水2カ所、湧水31カ所、地下水72カ所となっている。
浄水場の覆蓋整備であるが、河頭浄水場と滝之神浄水場は年1,000回近く爆発する桜島に近く、ろ過地等に火山灰が落ちるため、降灰量が多いときは状況により運転停止を余儀なくされていた。滝之神浄水場で平成22・23年度に年間19回の運転停止が、河頭浄水場では、1回の運転停止時間が約16時間に及んだこともあり、運転停止による市民生活に支障をきたす恐れが懸念されていた。このような状況のため、平成24年度に桜島に最も近く降灰の影響を受けやすい滝之神浄水場で、平成27~29年度に河頭浄水場で、沈殿池及びろ過地に覆蓋が設置された。滝之神浄水場の覆蓋はFRP製で、設置面積が741平方メートル、事業費は約4,400万円であり、整備後は降灰による運転停止がなくなった。また、河頭浄水場は、ろ過地等の面積が大きく整備に多額の費用を要することから国に財政支援を要望し、補助制度が創設された平成27年度から整備を開始した。5つの工区に分けて3年かけての整備となったが、覆蓋はアルミ製で設置面積が1,575平方メートル、事業費は、国費約6,233万円を含む約2億5,000万円であり、整備により降灰による運転停止を行うことなく安定給水に資することができると考えている。
(5)主な質疑応答
問:貴市の水道料金について伺いたい。
答:月に20立方メートル使用した場合2,538円で、九州の市レベルの中で2番目に安い。
問:河頭浄水場と滝之神浄水場の覆蓋の違いや特徴について伺いたい。
答:滝之神浄水場は、単独事業ということもあり費用面で安価なFRP製の固定式を採用したが、河頭浄水場は、滝之神浄水場の整備を踏まえて維持管理上不可欠であるためアルミ製の一部可動式にした。なおFRP製はスパンが長くなるため撓みができる。
問:送水管等の耐震化はどのくらい行っているか。
答:水道管路耐震化10カ年計画を策定して管路の耐震化を進めている。現在の基幹管路の耐震化率は44%である。
問:降灰はどのように処理しているのか。
答:降灰は各家庭で処理することになっており、全世帯に配付される降灰袋に灰を入れて集積所に集めている。集積所の灰は市が回収し、埋立処分場で埋立てをしている。
(1)日時:平成30年10月30日(火曜日)13時25分~14時35分
(2)調査項目:地域の特性を生かした地方創生の取組について
(3)経過
初めに、小池委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、鹿児島県議会事務局長から歓迎のあいさつがあった。
次に、観光課課長補佐、かごしまPR課明治維新150周年推進室長から明治維新150周年を契機とした取組について説明があり、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
(1)明治維新150周年記念事業について
平成30年に明治維新150周年の節目の年を迎えるに当たり、平成26年度から明治維新150周年記念事業の取組を始めた。まず、平成26年度から2カ年をかけて、明治維新とは何だったのかを見つめなおす機会とすべく「明治維新と郷土の人々」を発行した。平成29年4月には、官民一体となった取組を進めるため、明治維新150周年記念プロジェクト実行委員会を設置、これまで4回の総会を開催してきた。「かごしま明治維新博」と銘打ち平成29年4月から平成31年3月まで、「イベント・プロモーション」「魅力的なまちづくり」「機運醸成・情報発信」「教育・人材育成」を4つの柱として、県、市町村、各種企業・団体、個人等が主体となってオール鹿児島で様々な取組を展開している。県の主な取組としては、「明治150周年記念式典等の開催」をはじめ、魅力ある観光地や観光客受入体制の充実を図るための整備等を進める「魅力ある観光地づくり事業」や、地域社会をリードする人材を育成する「かごしま青年塾運営事業」、今後の鹿児島のあり方などを考えるための各種取組を実施する「明治維新150周年次世代継承推進事業」などがあり、市町村、団体・企業等では、鹿児島市の「薩摩維新ふるさと博」「明治維新コレクション」や旅行業協同組合の「明治維新150周年カウントダウン&西郷どん関連バスツアー」、九州電力株式会社の「明治維新150周年塩浸温泉龍馬公園クリーンアップ大作戦」など多数行われている。
(2)大河ドラマ「西郷どん」キャンペーンの取組について
大河ドラマ「西郷どん」が今年放送されているが、平成28年9月に制作発表が行われ、平成29年8月から平成30年3月までの間に3回、計43日間のロケが県内各地で行われた。オープニングの撮影も県内各地で行われたが、南大隅町の雄川の滝や大和村の宮古崎など多くの観光客が集まっている。
キャンペーンの取組として、パブリックビューイングやトークショーなどのイベント等の実施、ウェブサイト、フェイスブック、ツイッターなどによる情報発信、空港や駅におけるステップ広告等広告の展開など、県内外への情報発信を行った。また、受入体制の整備として、ガイドブックやフリーマガジン、ポスター、ステッカーなど広報宣伝素材の作成、県内のゆかりの地を巡るツアーの造成など旅行商品の造成、オーディションに対する補助やロケーションハンティングへの同行、許認可の補助や県有施設の貸し出しなどロケに対する支援を行った。
(5)主な質疑応答
問:大河ドラマの誘致活動について伺いたい。
答:平成20年に「篤姫」が大河ドラマで放送され、その後民間主導で大河ドラマの誘致に向けた活動が始まり、その後官民一体となって働きかけを行ってきた。明治維新150周年というタイミングは意識していたわけではなく結果としてそうなった。
問:プロジェクト実行委員会の運営主体は県か民間か。
答:実行委員会の主体は県だが、それぞれの取り組みは県、市町村、団体等が自発的・主体的に行うもので、県がどうこうというものではない。それぞれが活動できているのは機運醸成が図られているからだと思っている。
問:150周年記念事業にあった人材育成について伺いたい。
答:鹿児島のリーダー育成を目的として、平成29年度から「かごしま青年塾」を行っている。20~30代前半の学生・社会人など応募のあった60人くらいを対象として、著名人の話を聞いたり先進的な企業を訪問するなど、年10講座程度行っている。また、「かごしま地域塾」は以前から取り組んでいるもので、地域の中で年上が年下を教えていくという鹿児島の伝統的な互助教育で行われる年齢集団での教育、地域活動や研修などを通じて行われる異年齢教育である。
(1)日時:平成30年10月31日(水曜日)9時50分~11時
(2)調査項目:地域鉄道の再生・活性化の取組について
(3)経過
初めに、小池委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、肥薩おれんじ鉄道株式会社代表取締役社長から歓迎のあいさつがあった。
次に、肥薩おれんじ鉄道八代駅ホームにて、観光列車おれんじ食堂を見学し、総務部次長より概要説明を受けた。その後、専務取締役から肥薩おれんじ鉄道の概要説明があり、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
肥薩おれんじ鉄道は、九州新幹線開業の平成16年3月13日に開業。熊本県の八代駅から鹿児島県の川内駅までの116.9Kmを28の駅でつないでおり、駅間が長いという特徴がある。また、JR貨物も線路を利用しており、貨物列車の線路使用料が収入全体の3割強(旅客運輸収入の約2.2倍)と多くを占めている。
鉄道利用者の大半は通学定期利用者で、人口減少に伴い利用者は概ね減少傾向にあり、平成24年度と開業の平成16年度を比較すると、輸送人員、旅客運輸収入ともに3割弱の減少であったが、おれんじ食堂導入の平成25年度は輸送人員、旅客運輸収入ともに前年比増となった。その後は、外国人観光客の増により収入面で一時的な持ち直しが見られたが、熊本地震や他社の観光列車導入、人口減少などにより減少傾向は続いている。経営面では、直近3年度は黒字を計上しているが、地元自治体からの補助金交付によるもので、11億円余の累積赤字を抱え、今後も更なる経営改善が求められている。また、JRからは人的支援や共同企画切符の販売等の連携支援を受けている。
利用促進の取組については、まず、域外や海外からの誘客として、くまモンや鹿児島県のぐりぶーといったゆるキャラや、肥薩おれんじ鉄道が舞台となり間もなく公開を迎える映画かぞくいろのラッピング列車による話題づくり・情報発信を行っている。また、おれんじ食堂は、沿線地域の食材を使用し、主要駅では沿線の生産者との連携による駅マルシェの開催、大手旅行代理店等の旅行商品化、ネットによる予約受付などを行っており、年間12,000人前後であった利用者が、熊本地震のあった平成28年度に8,371人と大きく落ち込み、その後も減少が続いている。県内、地域内のお客様の利用促進策として、駅周辺の協力店で特典を受けられる友の会(おれんじ鉄道応援団)の設立、ワンデーフリーパスなどの企画切符の販売、JR九州とのタイアップによるスタンプラリーやビアトレインなどの企画列車の運行等様々なイベントを実施している。
課題としては、このままでは債務超過に陥ってしまうので、資金の確保、財務基盤の強化が必須であり、現在行っている営業促進、観光客誘致、沿線地域との連携の継続・強化、JRからの出向が30数名という現状も踏まえてプロパー社員の採用と養成、トンネルや橋梁など老朽化した施設の長寿命化等の対策も大きな課題である。
(5)主な質疑応答
問:平成29年度で約5億円の補助金収入があるが、沿線の5市2町も負担しているのか。
答:熊本、鹿児島両県と、沿線の7市町が、補助要綱に基づいて算出される額に対して、県85%、市町村15%で出資比率に応じて負担していただいている。
問:最大出資者は熊本県と鹿児島県だが、歴代の社長は県のOBか。
答:初代は熊本県出身、2、3代目は鹿児島県人選の民間人で、県OBは現社長が初。
問:SL列車の運行は集客効果が大きいと思うがどうか。
答:施設・設備の強度的には問題ないと思うが、車両整備や給水施設、転車台などの整備に莫大な経費がかかるので対応は難しい。
問:インバウンドについて、平成27年度に増加したがその後地震の影響もあって減少が続いているとの事であったが、今年度の状況はどうか。
答:平成27年度の増加は、鹿児島県と繋がりのある香港の旅行エージェントにキャンペーン的に取り組んでもらったという特別な要因がある。今年度は少しは上向くと思っているが、遅れているインバウンド対応が必須で、キャッシュレス決済の基盤整備などインフラ整備が必要と考えている。
職名 | 氏名 | 会派 |
---|---|---|
委員長 | 小池正昭 |
自民党 |
副委員長 |
石井一美 |
自民党 |
委員 |
本間進 |
自民党 |
委員 |
阿井伸也 |
自民党 |
委員 |
武田正光 |
自民党 |
委員 |
天野行雄 |
千葉民主の会 |
委員 | 塚定良治 | 公明党 |
委員 |
矢崎堅太郎 |
立憲民主党 |
所属・職名 | 氏名 | 備考 |
---|---|---|
水道局長 | 岡本和貴 |
|
総合企画部次長 | 永島克彦 |
|
総合企画部政策企画課副課長 | 鈴木正雄 | 議事課主幹(併任) |
水道局管理部総務企画課副課長 | 宇野亨 | 議事課主幹(併任) |
議会事務局議事課副主幹 |
荻原裕一 | |
議会事務局政務調査課主事 |
山口裕久 |
月日 |
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|---|
10月29日 |
羽田空港 |
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ANA621便 |
鹿児島空港 |
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肝付町役場 |
14時35分 |
15時10分 |
調査 |
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宿舎 |
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10月30日 |
宿舎 |
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河頭浄水場 |
9時20分 |
10時30分 |
調査 |
|
鹿児島県庁 |
13時25分 |
14時35分 |
調査 |
|
宿舎 |
|
|
|
|
10月31日 |
宿舎 |
|
|
|
肥薩おれんじ鉄道株式会社 |
9時50分 |
11時00分 |
調査 |
|
熊本空港 |
|
|
JAL632便 |
|
羽田空港 |
|
|
|
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