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更新日:平成30(2018)年3月22日
ページ番号:311184
平成30年1月26日
千葉県議会議長小高伸太様
総合企画水道常任委員長五十嵐博文
本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:平成30年1月24日(水曜日)13時30分~14時20分
(2)調査項目:水道事業体の統合・広域化について
(3)経過
初めに、五十嵐委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、香川県議会事務局長から歓迎のあいさつがあった。
次に、政策部水資源対策課水道広域化推進室長から香川県における水道事業の広域化について説明があり、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
香川県は面積が約1,876平方キロメートルと全国で最も小さい県で、ここに約97万人が暮らしており、人口密度が高い。水道分野は比較的早い段階から整備されてきたこともあり、基幹管路の耐震化率は全国平均を下回り、また、耐用年数を経過した経年化率も全国平均よりも少し低く、管路の対応が大きな課題になっている。本県の特徴的なところは年間降水量が極めて少ないことで、年間無降雨日数が280日くらいあって渇水県と言われている。
香川県では、8市9町のうち岡山県玉野市から給水を受けている直島町を除く8市8町で上水道事業を行っており、県水道局は末端事業を行っていない。この8市8町と県で水道事業の広域化を進めている。水道事業の広域化を全県規模で行う最大の要因は、吉野川から水源を引いて県の東西に延びる香川用水であり、県の給水量の約半分を占め、島しょ部を除いて県内1流域となっていることが垂直水平統合しやすい状況となっている。
県内水道事業は、(1)人口減少による給水収益の減少、(2)施設の老朽化による更新需要の拡大、(3)従事職員の高齢化による退職者増、(4)全国平均を下回る施設耐震化、(5)施設設備水準や水道料金の格差、(6)香川用水の取水制限の頻発化等の課題があり、水道事業の広域化によって、運営基盤の強化や住民サービス水準の向上を図ることが期待されている。
広域化の検討に当たっては千葉県をモデルケースとして進めてきたところもあるが、総論賛成・各論反対で議論がなかなか進まなかった。一時、2市が離脱するなどあったが、その後の検討状況や知事の働きかけ等により平成28年度に全体が揃い、昨年8月に知事及び8市8町が基本計画に合意、9月から10月にかけて県議会と関係市町議会の同意を得て、11月に企業団を設立した。明日、首長による第1回の運営協議会を、来週、企業団議会をそれぞれ開催し、4月から企業団による水道事業を開始する。
企業団の組織体制は、事業開始後2年間は経過措置として現在の市町水道部局課を「事務所」として存続させ、平成32年4月に県内5ブロックに「ブロック統括センター」を設置し、事務所業務を集約する。
水道料金は平成40年に統一料金を導入することとしたが、先送りした最大の要因は財政格差と施設整備水準の格差である。この不公平感をいかになくしていくかということで、各事業体が、財政面では、平成39年度末に内部留保資金と企業債残高を基準に適合するよう財政運営を行い、施設整備の面では、更新基準を作り計画的に実施していくことを決めた。
広域化によるシミュレーションをこの10年で4回やり直してきたが、広域化しても料金は上がるものの、一定の抑制は図られることが表れている。
(5)主な質疑応答
問:2市が議論から抜けてまた戻ってくるなど紆余曲折があったようだが、まとめられた一番の要因は何だったのか。
答:一つに、知事の本気度がずいぶん上がってきたことがあると思う。直接、市町議会の場に知事が出て説明するということは、よほどの案件でなければないと思うが、知事の取組姿勢もあり、議論がストップする時には、知事が説明して理解を得るようにしてきた。
本県は渇水県であり、県民ニーズとしても、水資源対策、渇水対策の政策的な順位が高いことから、その辺りを踏まえ、各首長や議会から御理解をいただいた。
問:首長による協議会の前段として、事務レベルの協議にはどれ位の時間や労力をかけたのか。
答:担当レベルの議論は、年間6回を2年間実施した。検討会は、課長会、幹事会、協議会とあるが、主たる課長会は従前年3、4回だったが法定協議会立ち上げの翌年からは、毎月1、2回開催している。課長会に至らない担当レベルの作業班もあり、そこは臨機応変に10年間やっている。
(1)日時:平成30年1月24日(水曜日)15時10分~16時
(2)調査項目:水の適正な管理について
(3)経過
初めに、五十嵐委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、県営水道事務所長から歓迎のあいさつがあった。
次に、県営水道事務所職員から香川県水道局の事業概要等について説明があり、質疑応答が行われた。その後、バスに乗車し、綾川浄水場を見学した。
(4)概要説明
香川県は、中国山地と四国山地に挟まれ、瀬戸内海の温暖な気候であるが、大きな河川がない上に降雨量が少なく渇水に悩まされてきた。昭和49年に吉野川上流の早明浦ダムに貯水された水を、徳島県の池田ダム上流から讃岐山脈を貫く導水トンネルにより香川県三豊市に導き、ここから東西に延びる幹線水路により県内各地に導水する香川用水が完成し、香川県の水事情が画期的に改善された。
香川県水道局は、この香川用水により導水された水を浄水し、市町の水道事業等に給水しており、主な事業として「水道用水供給事業」「工業用水道事業」「五色台水道事業」がある。
水道用水供給事業は、香川用水の水を県内4カ所の浄水場で浄水し、8市5町1簡水へ水道水を供給するもので、現在、県内で使用される水道水の約50%を占めている。現在の水道料金は、基本料金と使用料金を合わせて1立方メートルあたり68円で、水道用水供給事業の経営状況は、平成27年度の総収支比率が110.9と黒字で推移している。
工業用水道事業は、香川用水の水を中部浄水場から、工業用水の水源である府中湖の水を綾川浄水場から、それぞれ中讃地域の臨海工業地帯の38事業所に給水するもので、日量150,000立方メートルの給水が可能となっている。
五色台水道事業は、五色台の観光開発の一環として計画された簡易水道事業で、五色台山上の根香池を水源としていたが、より安定した給水を確保するため、水道用水供給事業からポンプでくみ上げて給水している。
香川県では、将来にわたり安全で良質な水を安定的に供給し、災害に強い香川県営水道を目指して、「香川県営水道ビジョン」を策定しているが、災害対策等の充実として、南海地震など大規模災害や異常渇水時においても水道用水への影響を最小限にとどめ、水供給の安定性を向上させるため、水管橋や送水管などの水道施設の耐震化を進めるとともに、三豊市に貯水池として宝山湖を整備した。有効貯水量は3,050,000立方メートルで香川用水の水道用水の約2週間分を賄うことができる。また、平成7年の阪神・淡路大震災を教訓に水道関係施設の被害を想定し、応急給水、情報伝達、導水復旧などの震災対策訓練を11月に実施している。
また、渇水で苦しんできた本県にとって、貴重な水や香川用水の大切さを「水源巡りの旅」や浄水場の施設見学などを通じて、小中学生などに学んでもらっている。
(5)主な質疑応答
問:管路の耐震化について、改修時期と耐震化率の目標数値はどうか。
答:改修時期は平成32年度、耐震化率は約24%を目標としている。耐震適合管を含めると70%程度である。
※耐震適合管:レベル2地震動(構造物の耐震設計に用いる入力地震動。レベル1・2の2段階)において、地盤によっては管路の破損や継手の離脱等の被害が軽微な管。
問:水道事業広域化について、浄水場の今後のあり方はどうか。
答:平成40年度の統一料金の導入時を一つの目標として、老朽化する施設の統廃合を進め、現在約70ある浄水場を40弱まで減らす方針である。
(1)日時:平成30年1月25日(木曜日)10時~11時40分
(2)調査項目:情報通信技術を活用した地方創生の取組について
(3)経過
初めに、五十嵐委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、NPO法人グリーンバレー事務局長から歓迎のあいさつ及びグリーンバレーの事業概要等について説明があり、質疑応答が行われた。その後、施設見学を行った。
(4)概要説明
NPO法人グリーンバレーは2004年に法人登記したが、実際の活動期間は四半世紀以上にわたる。もともとは、昭和初期にアメリカから送られた人形を里帰りさせるプロジェクトの立ち上げで、推進委員会を組織したことに始まり、当時は小中学校のALTの研修事業やホームステイなどの国際交流活動を行っていた。その後「とくしま国際文化村プロジェクト」という県の長期計画に事業提案を行い、役場や教育委員会、学校を巻き込んだ国際文化村委員会を組織した。そこでは、海外のアーティストを招聘して、神山町に滞在しながら作品を作ってもらうという事業を行った。アーティストに自由に活動してもらい、またその活動を手伝うなどして滞在者をもてなすことで、神山町を好きになってもらい、帰国時に神山町の良さを発信してもらった。これらを継続することで、リピーターや移住者まで現れた。
神山町のPRとして、このような活動をプレスリリースやアーティストコミュニティへのメール等で発信していたが、2005年には県全体に光ファイバー網が整備されたため、ウェブサイトも作成した。ここでアーティスト向けの空き物件情報を掲載したところ、アーティストでない方からも大きな反響があった。観光資源のない特徴のない町だが、移住需要が顕在化したことで、アーティストに限らず、仕事を持つフリーランスやこれから仕事を創り出すような人ならば、移住・定住してくれるのではないかと考えた。
移住申込者には、ここでの暮らしのイメージや生計等について考えを伺い、長く居てもらえそうな人を選んで、物件とのマッチングなどをすることで、町のデザインができた。移住窓口はだいたい役場にあるため、このようなことはできないが、神山町ではグリーンバレーに業務委託されていたため可能であった。物件には傷みが激しく改修が必要なものがあったが、単なる改修ではなく、こんな人に住んでほしいというイメージを持ち、お試し滞在できるオフィス兼住居に改修した。こうして生まれたサテライトオフィスには、名刺管理会社やテレビ番組をデータ保存する会社などが入居してきて、町内に若者の雇用が生まれ、県内外から人が集まるようになった。さらに、若者の増加によりフレンチのお店やパン屋などの周辺サービスを始める移住者が現れ、空き物件だらけだった商店街が徐々に埋まっていった。
また、2010年から、これから何かをやってみたいという人たち向けに町に滞在しながら職業訓練をする「神山塾」を行っている。卒塾生の半分が町に残り、サテライトオフィスに就職したり起業したりしている。基本的に若い人たちが一緒に半年くらい過ごすので自然とカップルができ、子供が生まれたりして、地道に人口増に貢献している。
(5)主な質疑応答
問:農家住宅の場合、所有権の問題で規制があると思うがどうか。
答:若者が多く、移住は骨をうずめるという重いイメージになってしまうので、基本的には賃貸で行っている。地元の人も知らない人に貸すというのはハードルが高いので、直接契約ではなくグリーンバレーが間に入ってグリーンバレーが借りてグリーンバレーが貸している。
問:トラブルは起こらないか。
答:人間関係でのトラブルはある。しかし、我々が物件を探している人とどんな仕事をするのかなど面接を行っていて、人を見て積極的に紹介するか否かコントロールしているので減ってきた。
問:グリーンバレーの職員はどれくらいいるのか。また、生計の面で問題はないのか。
答:理事のメンバーは12人。フルタイムで働く事務スタッフが6人いる。
グリーンバレーは、移住交流の窓口やサテライトオフィスの誘致などの業務委託と、町の公民館や体育館の指定管理を受けており、町に支えられて事業を行っているので金銭面で問題はない。
職名 | 氏名 | 会派 |
---|---|---|
委員長 |
五十嵐博文 |
自民党 |
副委員長 |
松下浩明 |
自民党 |
委員 |
本間進 |
自民党 |
委員 |
阿井伸也 |
自民党 |
委員 |
武田正光 |
自民党 |
委員 |
天野行雄 |
民進・立憲 |
委員 |
矢崎堅太郎 |
民進・立憲 |
委員 |
守屋貴子 |
民進・立憲 |
委員 |
塚定良治 |
公明党 |
所属・職名 |
氏名 |
備考 |
---|---|---|
総合企画部長 |
遠山誠一 |
|
水道局管理部長 |
吉野毅 |
|
総合企画部政策企画課副課長 |
小川康博 |
議事課主幹(併任) |
水道局管理部総務企画課副課長 |
鈴木正雄 |
議事課主幹(併任) |
議会事務局議事課副主幹 |
荻原裕一 |
|
議会事務局政務調査課副主査 |
熱田有美 |
|
月日 | 場所 | 着 | 発 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1月24日 | 羽田空港 | 9時20分 | JAL477 | |
高松空港 | 10時45分 | 11時15分 | ||
香川県庁 | 13時30分 | 14時20分 | 調査 | |
県営水道管理事務所、綾川浄水場 | 15時10分 | 16時 | 調査 | |
宿舎 | ||||
1月25日 | 宿舎 | |||
NPO法人グリーンバレー | 10時 | 11時40分 | 調査 | |
徳島空港 | 14時 | 15時25分 | JAL460 | |
羽田空港 | 16時35分 |
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