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更新日:平成29(2017)年6月6日

呼吸器内科-がん専門研修

研修概要

千葉県がんセンターでは、呼吸器内科、呼吸器外科を合わせて年間約200人以上の新規肺がん患者がいる。そのうち約80例に対して、抗がん剤治療が行われている。呼吸器内科にとって肺がんはもっとも遭遇する疾患であり、そのマネージメントを学ぶことは重要である。当センターの特徴は、各科の腫瘍専門医がいるので、放射線科、脳神経外科、整形外科、緩和医療科、訪問診療などと連携をとりながら、全身に広がりうる肺がんの診療ができる点である。

更に、当センターでは外来化学療法件数が多く、外来化学療法にも力を入れている。がん化学療法専門看護師をはじめとした専門スタッフが充実し、院内プロトコール統一化、電子カルテの化学療法プログラムによって整備されたシステムによって医療の効率化、安全化を図っている。そして、当センターの呼吸器科は内科と外科で常に共に行動し、カンファレンスおよび気管支鏡を含めた検査は一緒に行っている。

呼吸器外科では従来から縦隔鏡を用いて縦隔リンパ節転移の診断を積極的に行ってきた。最近はstaging目的でも超音波気管支鏡を導入し、縦隔リンパ節転移の診断を内視鏡的にも行っている。それに伴い超音波気管支鏡の件数は増加し、超音波気管支鏡だけでも年間200例程度施行している。当センターのもう一つの特徴として研究部が存在することである。超音波内視鏡での検体などを利用して、遺伝子の解析など共同研究も行っている。当センターではこのような環境の中で肺がんの診療が行うことができる。

研修体制

呼吸器内科は常勤2名、呼吸器外科常勤4名であり、日本呼吸器学会指導医、専門医、日本内科学会総合内科専門医、認定医、日本呼吸器内視鏡学会指導医、専門医を有している。月から金まで毎日、呼吸器外科と共同でカンファレンスを行っている。

呼吸器内科がん専門研修プログラム

一般目標

呼吸器がんの診療に求められる基盤的知識、診断および病期の把握能力、外科治療の選択および遂行能力,集学的治療の知識およびその選択能力などを修得する。

行動目標

全般的な目標と疾患部位別目標を設ける。目標はA;必須目標、B;努力目標に分け、各目標に対しての評価(研修医および指導医)はa=十分できる、b=できる、c=要努力、d=評価不能、で行う。研修終了時に総括的評価を行う。

目標の設定は研修期間の長さで行う。短期(1~6ヶ月;初期研修、後期レジの一部が該当)、中期(6ヶ月~1年;後期レジの一部、医員が該当)、長期(1年以上;後期レジの一部、がん修練医が該当)

項目

設定目標

短期

中期

長期

I.基本的診療技能

 

 

 

1.医療面接の基本

 

 

 

a常に患者・家族の身になって考え、医療チームの一員として適切に振舞うことができる。

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b患者・家族の話に耳を傾け、理解しようと努めることができる。

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c患者・家族が理解できる分かりやすい言葉で話し、理解したことを確認できる。

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d患者・家族の心身の負担を考慮しながら対話をすることができる。

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e対話により医療に必要な情報を得ることができる。

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fいかなる質問に対しても、親切に優しく適切に答えることができる。

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g患者・家族と心を通わせ、慰めと希望を与えることができる。

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h医療に関連した患者・家族の経済的・社会的負担に配慮できる。

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iがん診療医のあるべき姿を模索し、優れた医師のあり方を見習うことができる。

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2.がん患者の診療

 

 

 

aがん患者の訴える症状およびその他の医療情報に基づき、蓋然性の高い診断に到達するための論理的な病歴作成ができる。

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b病歴を基に、診断と診療方針を設定するために必要な身体診察を行うことができる。

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c病歴と身体診察に基づき、迅速な診断と診療方針の決定に必要な臨床検査を列挙することができる。

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d臨床検査の結果を勘案して、患者の病態を説明できる。

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e診断と病態に基づいた診療方針を説明できる。

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f患者の判断に必要な情報を提供できる。

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3.チーム医療

 

 

 

aがん医療チームを構成するメンバーの役割を正しく理解し、効果的なチーム医療のあり方を説明できる。

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b複数の専門家が連携して行う集学的治療の意義について説明できる。

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c他の医療機関と緊密な連携をすることの重要性を説明できる。

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4.診療記録

 

 

 

a診療記録の中で、がん診療に重要な記載項目を指摘できる。

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b診察および検査に基づいて治療効果・副作用を評価し、SOAP形式で経時的に記載できる。

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II.医療倫理、インフォームド・コンセント

 

 

 

1.医療に関する倫理原則

 

 

 

a医の倫理四原則(個人の尊重・無危害・善行・公正)を理解し、説明できる。

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2.インフォームド・コンセント

 

 

 

aインフォームド・コンセントの基本概念を説明できる。

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b病名・病状・予後など患者にとって悪い情報の伝え方を説明できる。

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c患者が診療方針を判断するために必要な情報を抽出できる。

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3.セカンドオピニオン

 

 

 

aセカンドオピニオンの基本的概念・意義を説明できる。

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4.個人情報

 

 

 

aプライバシーに配慮した行動ができる。

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b診療情報管理の原則を説明できる。

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III.主要症候と身体所見

 

 

 

1.せき(咳)に対するアセスメントができる。

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2.痰に対するアセスメントができる。

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3.血痰、喀血に対するアセスメントができる。

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4.呼吸困難に対するアセスメントができる。

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5.喘鳴に対するアセスメントができる。

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6.胸痛に対するアセスメントができる。

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7.嗄声に対するアセスメントができる。

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8.チアノーゼに対するアセスメントができる。

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9.バチ指に対するアセスメントができる。

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10.腫瘍随伴症候群を理解し、診断できる。

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11.異常呼吸に対するアセスメントができる。

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12.胸部身体所見:視診、触診、打診、聴診ができる。

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IV.検査

 

 

 

1.血液一般検査および生化学検査のアセスメントができる

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3.腫瘍マーカーのアセスメントができる

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4.感染症の診断法

 

 

 

a.痰検査(鼻咽頭ぬぐい液を含む)を理解し、実施できる。

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b.ウイルス検査(迅速診断を含む)を理解し、実施できる。

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c.血液検査(真菌、結核を含む)を理解し、実施できる。

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d.尿中抗原による診断法を理解し、実施できる。

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e.遺伝子診断法を理解し、実施できる。

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5.痰採取法(誘発痰を含む)と細胞診(細胞分画を含む)を理解し、実施できる。

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7.胸部X線診断法

 

 

 

a.透視検査を評価できる。

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b.単純撮影検査を評価できる。

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c.肺血管造影検査を評価できる。

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d.胸部CT検査を評価できる。

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e.胸部MRI検査を評価できる。

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8.核医学的診断法

 

 

 

a.肺血流シンチグラフィ検査を評価できる。

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b.肺換気スキャン検査を評価できる。

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c.骨シンチグラフィー検査を評価できる。

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e.陽電子放出断層撮影(PET)検査を評価できる。

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9.内視鏡検査および生検法

 

 

 

a.気管支鏡検査

 

 

 

1)観察ができる。

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2)直視下生検・擦過ができる。

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3)気管支洗浄ができる。

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5)経気管支肺生検ができる。

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6)気管支肺胞洗浄ができる。

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b.超音波気管支鏡検査

 

 

 

1)観察ができる。

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2)生検ができる。

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10.その他の生検法等

 

 

 

a.前斜角筋リンパ節などの生検ができる。

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b.経皮的生検・吸引細胞診ができる。

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c.開胸肺生検ができる。

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d.経皮的胸膜生検ができる。

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11.胸腔穿刺術ができる。

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12.肺音の分析ができる。

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13.心電図ができる。

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14.胸部超音波検査法ができる。

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15.呼吸機能検査

 

 

 

a.換気力学検査

 

 

 

1)スパイログラフィーのアセスメントができる。

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4)気道抵抗のアセスメントができる。

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5)フロー・ボリューム曲線のアセスメントができる。

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6)クロージングボリューム

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c.気道過敏性・可逆性試験を理解できる。

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d.動脈血ガス分析ができる。

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e.経皮的酸素飽和度モニターのアセスメントができる。

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f.右心カテーテル法を理解できる。

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i.睡眠呼吸モニターを理解できる。

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V.治療

 

 

 

1.薬物療法(吸入療法を含む)

 

 

 

a.気管支拡張薬を理解し、使用できる。

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b.鎮咳薬、去痰薬を理解し、使用できる。

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c.抗菌薬を理解し、使用できる。

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d.副腎皮質ステロイド薬・免疫抑制薬を理解し、使用できる。

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e.抗アレルギー薬を理解し、使用できる。

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g.抗癌剤を理解し、使用できる。

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h.抗癌剤の副作用緩和治療を理解し、使用できる。

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A

i.疼痛緩和治療を理解し、使用できる。

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2.酸素療法を理解し、使用できる。

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9.輸液療法を理解し、実施できる。

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11.胸腔ドレナージを実施できる。

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12.内視鏡的気道吸引を実施できる。

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14.内視鏡的治療を理解できる。

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15.放射線療法を理解できる。

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16.気管支動脈塞栓術を理解できる。

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A

18.呼吸リハビリテーションを理解できる。

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19.体位ドレナージ法を理解できる。

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20.在宅呼吸療法

 

 

 

a.在宅酸素療法を実施できる。

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21.外科療法を理解できる。

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各論

 

 

 

I.気道・肺疾患

 

 

 

1.感染症および炎症性疾患

 

 

 

a.急性上気道感染症を診断し、治療ができる。

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b.急性気管支炎を診断し、治療ができる。

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d.細菌性肺炎を診断し、治療ができる。

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e.肺化膿症を診断し、治療ができる。

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f.嚥下性肺炎を診断し、治療ができる。

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m.肺結核症を診断できる。

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n.非結核性抗酸菌症を診断できる。

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p.ニューモチスチス肺炎(ニューモシスティス肺炎)を診断し、治療ができる。

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2.慢性閉塞性肺疾患(COPD)を診断し、治療ができる。

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4.アレルギー性疾患

 

 

 

a.気管支喘息を診断し、治療ができる。

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b.咳喘息を診断し、治療ができる。

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5.特発性間質性肺炎(IIPs)

 

 

 

a.特発性肺線維症(IPF/UIP)を診断し、治療ができる。

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6.急性呼吸窮迫症候群・急性肺損傷を診断し、治療ができる。

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7.薬剤、化学物質、放射線による肺障害

 

 

 

a.薬剤誘起性肺疾患を診断し、治療ができる。

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f.放射線肺炎を診断し、治療ができる。

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11.呼吸器新生物

 

 

 

a.小細胞癌を診断し、治療計画が立てられる。

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b.腺癌を診断し、治療治療計画が立てられる。

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c.細気管支肺胞上皮癌を診断し、治療計画が立てられる。

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d.扁平上皮癌を診断し、治療計画が立てられる。

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e.大細胞癌を診断し、治療計画が立てられる。

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f.前浸潤性病変(異形成、異型腺腫様過形成)を診断できる。

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g.カルチノイドを診断できる。

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h.腺様嚢胞癌を診断できる。

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i.良性腫瘍を診断できる。

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II.呼吸不全

 

 

 

1.急性呼吸不全のアセスメントができる。

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2.慢性呼吸不全のアセスメントができる。

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III.胸膜疾患

 

 

 

1.気胸を診断し、治療ができる。

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2.胸膜炎を診断し、治療ができる。

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3.膿胸を診断し、治療ができる。

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4.血胸を診断できる。

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5.乳び胸を診断できる。

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6.胸膜肥厚斑、胸膜斑を診断できる。

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7.胸膜中皮腫を診断し、治療計画が立てられる。

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V.縦隔疾患

 

 

 

1.縦隔気腫を診断できる。

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2.縦隔腫瘍を診断し、治療計画が立てられる。

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3.縦隔炎を診断し、治療計画が立てられる。

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