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更新日:平成30(2018)年4月24日

呼吸器外科-がん専門研修

研修概要

本プログラムは呼吸器外科領域におけるがん専門医を養成することを目的としたレジデントプログラムです。当施設は千葉県におけるがん専門病院として肺がんにおける中心的立場を担っています。

わが国における肺がんの死亡者数は近年急激な増加を続け1988年に胃がんを抜き、わが国におけるがん死亡原因の第一位となっています。その数は現在年間60,000名を超えており、2015年には100,000名に達すると予想されています。日本胸部外科学会がまとめた最新の呼吸器外科領域における年間手術件数は49,368件で、22,229件が肺がんで占められ、以下気胸、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍と続きます。気胸を除けばそのほとんどは腫瘍性病変に対する手術件数では千葉県内で最も多い手術件数を有しており、がん専門医をめざした有意義な研修が出来るものと思います。本プログラムでは研修開始時期や本人の目的によって研修期間を提示された短期、中期、長期の研修プログラムのいずれかから選択していただきます。短期は初期臨床研修、長期は専門的呼吸器外科領域の外科研修を想定しています。

呼吸器外科専門医合同委員会によれば呼吸器外科専門医修練カリキュラム一般目標として以下の点を挙げております。

国民の福祉に貢献するレベルの高い均質な呼吸器外科診療を実践できる専門医を養成するため、以下の4項目を到達目標として段階的に研修する。

  • 呼吸器外科専門医として適切な臨床判断能力と問題解決能力を習得する
  • 呼吸器外科手術を適切に実施できる能力を習得する
  • 医の倫理、医療安全に基づいた適切な態度と習慣を身につける
  • EBMに基づく生涯学習の方略を取得する

このような目標にできるだけ効率よく到達できるよう指導していきます。

研修体制

当施設は外科学会専門医制度修練施設および呼吸器外科専門医号づ委員会基幹施設です。呼吸器外科スタッフは現在5名で呼吸器外科指導医2名と呼吸器外科専門医1名、常時2名程度の呼吸器外科専門医を目指す医師が勤務してしています。手術は火、木、金曜日、気管支鏡検査は水曜日に行っています。手術を除き、肺がんの診療にあたっては抗がん剤ならびに放射線の知識は必須と考え呼吸器内科との合同診療を行っています。研修を行っている医師にはスタッフが分担で、肺がんを中心に呼吸器疾患の診療の基本を指導し、多くの術者を経験させています。また隔週英語論文の抄読会を行い、最新の呼吸器外科の診療や研究の方向性を確認しています。

呼吸器外科がん専門研修プログラム

一般目標

  1. 呼吸器腫瘍の一般の基本的な知識、診断、検査、さらに外科治療の対象となる呼吸器腫瘍(縦隔、胸壁疾患を含む)の治療法、および手術と術前・術後の合併治療についてその理論と実技を習得する。
  2. 呼吸器腫瘍に関連する検査、手術および術後の合併療法は患者の身体的負荷が大きく、全身的な視野で患者を捕らえここの呼吸器腫瘍に注目する基本姿勢を習得する。
  3. ほかの外科専門分野に進む医師にとっても必要な呼吸器腫瘍に知する基本的知識を習得する。

行動目標

全般的な目標と疾患部位別目標を設ける。目標はA;必須目標、B;努力目標に分け、各目標に対しての評価(研修医および指導医)はa=十分できる、b=できる、c=要努力、d=評価不能、で行う。研修終了時に総括的評価を行う。

目標の設定は研修期間の長さで行う。短期(1~6ヶ月;初期研修、後期レジの一部が該当)、中期(6ヶ月~1年;後期レジの一部、医員が該当)、長期(1年以上;後期レジの一部、がん修練医が該当)

項目

設定目標

短期

中期

長期

A基本診療技能

 

 

 

1)患者と良好な人間関係を確立することができる。

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2)呼吸器外科医療チームの構成員としての役割を理解し、チーム医療を実践できる。

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3)診療録,退院サマリーをPOS(ProblemOrientedSystem)にしたがって記載し、管理できる。

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4)処方箋、指示箋を作成し、管理できる。

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5)診断書、死亡診断書、その他の証明書を作成し、管理できる。

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6)紹介状と紹介状への返信を作成でき、それを管理できる。

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7)患者情報を要約し、回診、検討会などにおいて提示することができる。

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8)術前術後管理計画を立案できる。

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9)緩和医療開始の適応を判断できる。

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10)緩和医療と終末期ケアに習熟する。

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11)クリティカルパスとそのバリアンスを理解し、活用できる。

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B術前診断と管理

 

 

 

1)胸部単純写真の読影と異常陰影を指摘できる。

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2)胸部CTの読影と異常陰影を指摘できる。

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3)気管支鏡検査の適応を理解し、実施できる。

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4)遠隔転移検査(骨スキャン、頭部MRI、腹部CT、PET-CTなど)の適応を理解し、読影ができる。

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5)術前化学療法の適応を理解し、管理できる。

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6)CTガイド下生検の適応を理解し、実施できる。

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7)術前合併症を把握し、術中術後管理を行うことができる。

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8)術前呼吸訓練法を理解し、実施できる。

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C病理診断

 

 

 

1)摘出標本の整理ができる。

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2)術中迅速組織診断の適応を理解している。

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3)術中迅速細胞診断の適応を理解している。

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4)病理診断結果を理解し、病期を決定できる。

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D一般的手術、処置手技

 

 

 

1)外科基本手技(結紮、運針、剥離など)を確実に行うことができる。

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2)胸腔ドレナージの適応を理解し、実施できる。

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3)胸腔鏡検査の適応を理解し、実施できる。

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4)縦隔鏡検査の適応を理解し、実施できる。

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5)超音波気管支鏡検査の適応を理解し、実施できる。

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6)気管切開術など気道管理ができる。

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7)第1助手の役割を理解し、肺葉切除の第一助手を務めることができる。

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E手術

 

 

 

1)肺葉切除

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2)肺部分切除

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3)肺区域切除

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4)肺全摘

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5)完全胸腔鏡下肺切除術

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6)胸膜肺全摘

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7)胸腺摘除術

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8)気管支形成術

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9)気管形成術

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10)気管分岐部形成術

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11)肺動脈形成術

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12)大静脈、腕頭静脈形成術

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F術後管理

 

 

 

1)胸部外科術後の特性を理解し、術後管理を実践できる。

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2)術後胸部X線写真の読影ができる。

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3)胸腔ドレーンの管理ができる。

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4)術後疼痛管理ができる。

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5)術後合併症を理解し、適切に対応できる。

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6)人工呼吸管理の適応を理解し、実施できる。

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7)気管支ファイバーによる気道内吸引洗浄を理解し、実施できる。

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G学会、論文発表

 

 

 

1)呼吸器腫瘍に関する症例報告を行うことができる。

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2)呼吸器腫瘍に関する症例をまとめ論文執筆ができる。

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H呼吸器がんの基礎知識

 

 

 

1)肺癌の疫学を説明できる。

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2)肺癌取り扱い規約を理解している。

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3)肺癌の病期、占拠部位ごとの治療法選択と予後を理解している。

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4)肺癌治療ガイドラインを理解している。

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5)肺癌の化学療法の適応を理解している。

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6)肺癌の放射線療法の適応を理解している。

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7)肺癌の術前ならびに術後化学療法の適応を理解している。

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8)肺癌に対する手術手技の手順の理解している。

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9)転移性肺腫瘍の手術適応を理解している。

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10)胸腺腫の疫学および特性を説明できる。

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11)胸腺腫の手術適応を理解している。

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12)胸膜中皮腫の疫学および特性を説明できる。

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13)胸膜中皮腫の手術適応を理解している。

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14)縦隔腫瘍の分類と手術適応を理解している。

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15)肺炎症性(結核を含む)疾患の疫学ならびに治療法を理解している。

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