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更新日:平成28(2016)年2月17日

(平成28年2月)千葉県がんセンター検体取り違え事例の検討結果の報告について

このたびの当センターにおける病理検体取り違え事故発生につきましては、患者の皆様並びにご家族の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしました。心からお詫び申し上げます。

本件につきましては、外部専門家を含む院内事故調査委員会を設置して検証を行っておりましたが、このたび報告書が発表されましたことをお知らせさせていただきます。

当センターでは、患者の皆様に安心して医療を受けられるように、本報告を真摯に受け止め、再発防止に取り組んで行きます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

報告書の概要

  1. 本例においては乳がんが疑われた二人の患者の生検検体が入れ替わり、誤った診断結果に基づいて一名に過剰な手術が行われた。(一方は浸潤性乳管癌(invasive ductal carcinoma)の診断であり、もう一方は乳管腺腫(ductal adenoma)ないしは乳管内乳頭腫(intraductal papilloma)の診断であった。乳管腺腫の場合、通常は経過観察となる)
  2. 検体の入れ替わりから診断・意思決定のプロセスまでを含めて、明らかに病院として責任を有する事例であると委員会では考えている。
  3. 本例の検証にあたり関与した医師、看護師、検査技師の職歴や業務内容の確認とともにヒアリングを行っているが、全員標準以上の知識と技能を有しており個別の職員に原因があるとは考えられない。
  4. 取り違えの過程を客観的に証明できる事象で検証した結果、検体の取り違えは採取後から病理組織を作成するために検体をカセットに挿入するまでの間に発生していた。
  5. 欧米の文献によると、mislabelingと称される病理検体の取り違え事例は1000件に1件発生するが、多くの場合その後のプロセスで発見され修正される。そのプロセスをすり抜けて病理診断に影響を与えるところまでいくのは、そのうちの1%程度とされている。つまり10万件に1件が臨床に影響を与えるということになる。
  6. 臨床においては医師は治療方針を決定するにあたり病理診断だけではなく、病歴、身体所見、画像所見等を勘案して治療方針を決める。がんセンターにおいては複数の医師によるカンファレンスが開催され治療方針が決定されていた。臨床所見や画像診断と病理診断に食い違いが生じるような病理検体の取り違えはこういったカンファレンスで発見され修正されるべきであるが、本例では残念ながらそのプロセスもすり抜けて治療方針が決定されてしまった。
  7. 今回の事例発生には多数の因子が関係しており、単一因子による因果関係では説明できない。最近の事故に対する考え方では多くの因子が共鳴してこういった事例が発生すると考えられている。
  8. 調査委員会では今回の事例発生の背景要因として複数の因子を指摘したが、これは千葉県がんセンター固有の問題ではなく、多くの医療機関において共通の問題であると考えている。
  9. 千葉県がんセンターは今回の経験を無駄にせず検体採取から標本作成及び診断のプロセスを見直し業務及び労務の改善を図るとともに、臨床医と病理部門との連絡と情報共有を円滑にして治療方針決定の段階においても検体取り違えに対処できる体制整備を進めていただきたい。
  10. 連絡と情報共有のプロセスにおいて、検体取り違えが発生していたとしてもそれを発見し治療方針を適正に修正できるという能力は、医療の安全を考える上で非常に重要であるということをあえて指摘しておきたい。この問題はすべての医療機関において検討する必要がある。
  11. 病理検体取り違え事例は、欧米でも日本でも少なからず発生している。こういった事例の発生による患者への被害を予防するためには、今後、今回のケースを踏まえた千葉県がんセンターにおける改善に加えて、県病院局としての体制の改善、病理関係の学会や検査技師会による情報収集と改善の提案、さらに厚生労働省による政策的な支援が必要であると当委員会では考えている。

報告書本編

病理検体取り違え院内事故調査委員会報告書(PDF:839KB)

 

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