備枝高密度化でナシ「幸水」高齢樹の生産性を維持
1.はじめに
ニホンナシ主要品種の「幸水」は他品種に比べ老木化が早く、25年を過ぎる頃から、老木化による生産性の低下が起こりやすくなります。そこで老木化した「幸水」の生産性の維持を目的として、予備枝密度を高める樹体管理技術を開発しました。
2.予備枝高密度化技術の方法と効果
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ニホンナシの枝は、骨格を成す主枝、亜主枝と、実際に果実をつける側枝、側枝となる準備段階である予備枝で構成されています。予備枝は右の写真で赤い矢印で示す枝ですが、通常は生産性の低下した古い側枝(写真で白い矢印)を更新するために1枝だけ確保します。
今回は老木「幸水」で、予備枝となりそうな芽を極力取り除かず、写真のように3枝を配置する予備枝高密度化の樹体管理を行いました。
その結果、慣行区に比べて、新梢数は多く(図1)、葉面積指数(単位土地面積当たりの葉面積の割合)はやや高く、葉が密に分布し、栄養生長が盛んになりました(図2)。
実面積10a当たり収量は慣行区に比べて5か年平均で32%増加し(図3)、平均果重は慣行区の15%増となりました(図4)。階級分布でみると、1階級程度慣行区を上回っています。
販売額で比較すると5か年平均で44%増となり、収益性の向上が認められました。このように、本方法により高齢樹でも生産性が回復することができました(図5)。
なお、糖度及び果肉硬度は慣行区とあまり差がなく、果実品質には影響がありませんでした。
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3.予備枝高密度化技術の利用上の留意点
樹勢の低下が認められ始めたら、芽かきの程度を軽くし予備枝育成枝も多く確保するなど、早めに予備枝を多く配置できるようにします。
また、生産性を向上させるためには、予備枝を増加させるだけでなく、有機物の補給、花芽整理や花芽摘除も併せて行うのが良いと思われます。