試験研究成果普及情報

部門

病害虫

対象

 研究 

課題名:深層地中加温と太陽熱併用による施設土壌消毒法

[要約]施設土壌の新しい消毒技術である深層地中加温と太陽熱併用による土壌消毒法は、地表から深さ60cmまで50℃以上の地温が確保でき、土壌病害、線虫類および雑草種子に対する防除効果が高い。消毒期間は、夏期好天時で1〜2週間程度である。

キーワード(専門区分)作物病害・虫害  (研究対象)野菜類、切花類1・2

(フリーキーワード)土壌消毒、深層地中加温、太陽熱、臭化メチル代替

実施機関名(主 査) 農業総合研究センター北総園芸研究所砂地野菜研究室

  (協力機関)生産環境部病理研究室・応用昆虫研究室、(株)ラジアント

  (実施期間) 1999 年度 〜 2001 年度

[目的及び背景]土壌消毒剤の臭化メチルは2005年に使用禁止となり、代替技術の開発が望まれている。一方、土壌消毒剤を使わず、簡便に土壌消毒できる太陽熱消毒法は、ある程度の土壌消毒効果は期待できるものの、問題点もある。当研究室では、民間会社が開発した深層地中加温と太陽熱併用による土壌消毒法について検討し、様々な条件での効果を確認するとともに、土壌消毒剤代替技術として、効果の高い消毒技術を開発する。

[成果内容]

1.外径13mmの放熱パイプを深さ60cmの位置に、60cm間隔で埋設し土壌消毒したところ、6月〜8月期の処理では、深さ0cmから60cmまでの地温を50℃以上に確保することができた。

2.埋設試験により、この消毒法による、白絹病菌、トマト萎ちょう病菌、トマト根腐萎ちょう病菌、トマト褐色根腐病菌、トマト青枯病菌、サツマイモネコブセンチュウおよびキタネグサレセンチュウに対する殺菌、殺線虫効果を確認した。

3.同様に、イネ科、キク科、カタバミ科雑草種子に対し発芽抑制効果が認められた。

4.処理期間は、処理開始から、深さ30cmの地温が50℃に到達するまででよいが、雑草種子や青枯病菌など耐熱性の強いものに対しては、地温50℃以上でさらに1週間処理すると消毒効果が高い。なお、夏期の好天時は約1週間で地温50℃に到達する。

5.土壌消毒後にキュウリ、トルコギキョウを作付けたところ、太陽熱消毒のみでは作付後の土壌からネコブセンチュウが多数分離され、また、甚だしい根こぶが確認されたのに対し、本法ではどちらも発生が少なかった。

6.8月の処理では、ハウス内の諸設備保護のため天窓換気によりハウス内気温を55℃程度に制限しても、地温50℃以上が確保できることがわかった。

[留意事項]

1.ハウス周辺部の地温上昇は中央部より小さいので、必要に応じ、ハウス周辺部に放熱パイプを1本多く埋設し加温をする。

2.消毒の残効はないので、消毒後の再汚染に対して注意を要する。

3.青枯病菌など耐熱性の強い菌については、消毒条件によっては菌が残る可能性があるので、注意を要する。

[普及対象地域]県下全域

[行政上の措置]

[普及状況] 山武地域の花き農家で導入

[成果の概要]

[発表及び関連文献]

 園芸学会平成12年度春季大会、13年度春季大会に発表
 平成12年度野菜、花き試験研究成績概要集(関東・東海)