ここから本文です。
ホーム > くらし・福祉・健康 > 人権・男女共同参画・DV対策 > 男女共同参画 > 千葉県男女共同参画推進懇話会 > 男女共同参画推進懇話会開催結果 > 平成22年度第1回懇話会開催結果
更新日:令和3(2021)年9月6日
ページ番号:1978
○千葉県男女共同参画計画(第3次)骨子案
○千葉県男女共同参画計画(第3次)のポイント
○千葉県男女共同参画計画(第3次)策定スケジュール
○平成22年度第1回 千葉県DV防止・被害者支援基本計画管理委員会結果報告
※丸数字についてはアクセシビリティの観点から、カッコ書きに変更して表記してあります((1)(2)・・・)。
(協議事項)千葉県男女共参画計画(第三次)骨子案について
(原田座長)
ただいま事務局のほうからご説明がありましたが、ご質問・ご意見ございましたら全員から1回はご発言いただくのはいかがでしょうか。
(長谷川委員)
まずこれを拝見しまして、基本計画の2次計画から今回の第3次の案、この基本理念の変更というのが、私は大変素晴らしい変更だと思います。「男女がともに認めあい、支えあい、元気な千葉の実現を目指します」非常に分かりやすい文言であるだけでなしに、これは実は10年前にこの全体の男女共同参画社会の基本法ができたときの、その一番の骨子の考え方が実はこの考え方だと言っていいと思います。先ほども原田委員からこの共同参画という言葉が非常に分かりにくくて難しくてみんな何だか分からないままお手上げだという、それを何とか分かりやすくしていきたいというお話がありましたが、そもそもこれは男女共同参画社会基本法であって、男女平等基本法ではないのですね。これは非常に大事なところで、実際に法案を作る現場の出発点に少し立ち会ったのですが、実際の出来上がった文言は非常にごちゃごちゃと分かりにくくなっておりますが、一番スタートの考え方は、単なる男女平等というのは実はかえって社会の活力を削いでしまうということがある。男女が共に認めあって支えあって元気な日本を作っていこうじゃないかというのが、実は本当の男女共同参画基本法の出発点なのですね。ですからこの千葉の骨子案の基本理念というのはまさに原点に帰ったというところで、私はこの原点を大事にして、そして目標や基本的な課題や施策の方向というのも、この基本法に全部沿っているかどうかという、そういう観点から全体をすっきりと見直して洗い直していくという、それが大事ではないかという気がいたします。
拝見いたしますと、この3次はだいぶ文言は変えているのですが、かなり2次の計画をそのままお使いになっているような部分があって、これがせっかくのこの素晴らしい基本理念とちょっとずれたようなところも見受けられるように思われます。例えば基本的な課題の2のところで「教育学習の場における男女平等教育の促進」とありますけれども、これは「男女平等」ではないんだと。むしろ「男性と女性がどのように違ってどのように補い合わなければいけないのか」というそういうことをしっかりと教えたうえで、その違いを互いに認め合って共に支えあう社会をつくるための教育にしていくという。私はむしろここでも男女共同参画社会的な観点というその言葉づかいをそのまま使うべきではないかという気がいたします。まず目に付いたのがそのあたりなのですが、その他にもいくつかあるかと思います。私が申し上げたいのは、基本理念は非常にすばらしいのでこれに基づいて全体の目標、基本的な課題、政策の方向を見直していったらいいのではないかと、そのことを申し上げたいと思います。
(原田座長)
今の長谷川委員の意見に事務局からは何かございますか?
(佐近課長)
いろいろなご意見を伺いながら検討してまいりたいと思います。他の委員さんもいろいろな意見をお持ちと思いますのでお願いします。
(岡田委員)
重点的な取組みはいくつもあるので、まず基本理念だけをお話させていただければと思います。今、長谷川委員から、今回の基本理念は素晴らしいというお話でしたが、私は少し違いまして、「ともに認めあい、支えあい、元気な千葉の実現」をというと若干抽象的で具体性がないと感じております。先ほどのご説明のなかで、基本法にあるからということで「人として尊重され」「個性を認めあえる社会」をというこの大事な文言が基本法のほうに入っているからそれでいいのだ、というようなご説明のように私には伺えたのですが、やはり男女共同参画計画の中ではここが一番大事な部分ではないかと思うのです。まだまだ今の社会の中で男性も女性も人として尊重されているのかな、と思われる部分がたくさんあるわけですし、個性が本当に認めあえる社会であるのかな、ということが考えられます。本当に共同参画の条例などができたときや法律などができたときに、こここそが大事だということで基本法に盛り込まれております。
基本法は国のものですよね。そこにあるから千葉県では盛り込まなくていいというように聞こえてしまったのですけれど、やはりこここそが大事ではないかというような思いがします。今回の元気な千葉の実現ということですと、少し抽象的で必要な部分が隠されてしまう気がします。前回の2次計画のままでもいいのではないか、言葉が多すぎるということなら、ここを生かしながら縮めていくというかたちにしていただきたいと思います。
(瀧田委員)
私は長谷川委員の意見に賛成です。理念に関しても認識としては同じです。特に目に付いたのが、施策の方向にあった「学校における男女平等教育の促進」です。先ほどの事務局の説明でも、「性別にとらわれない」という趣旨が入っていたかと思います。「学校における男女平等の教育の促進」は、千葉県の場合は堂本前知事が「ジェンダーフリー教育」の通知を全国に先駆けて発し、男女混合名簿を積極的に推進し、あるいは運動会等でも男女一緒の騎馬戦などを性差をなくすようなかたちで行っていくことでした。「性別にとらわれない」といった言葉がでてくるのは堂本知事時代のイデオロギーが職員には根強く存在するのではないかと考えます。基本的にはそれぞれが性差を含めて認め合って穏健なかたちで計画というものを、もう一度2次計画も含めて精査して作っていくのが重要だと思います。
また、参考資料1にあるような社会全体における男女の平等意識、こういった県民意識調査自体の意味がわからないです。あまりにも抽象的な設問でこれに基づいて男女とも7割以上の人が男性優遇であると感じている。こういったことに基づいて計画を作るということ事態がおかしいのではないかと思います。
(原田座長)
平等意識調査というのは確かに難しい調査だと思います。例えば家庭生活・教育・経済・風習・職場などに分けて調査をすることがあります。場合によっては、女性より男性の賛成が多かったり、または女性の賛成が多いなどいろいろな結果が出てくると思います。これからも千葉県では調査をなさることと思いますので、少し細かい分野別の調査が必要ではないかと思います。
(佐近課長)
昨年の10月にこの計画をつくるにあたって県民意識調査を実施いたしまして、男女の平等意識については、社会全体ではどうか、家庭においてはどうか、職場ではどうか、学校教育ではどうか、政治の場ではどうか、社会の通念ではどうか、などかなり細かく調査をしております。配布した報告書の11ページにグラフがあります。社会全体では男性優遇と考えている人が多く、学校教育の場では男女平等であると考えている人が非常に多いです。法律や制度の上ではこれもだいぶ平等であるという結果です。ただ、社会全体では男性優遇がまだまだ多いということで、これを参考資料の中に取り入れさせていただいたところです。
(瀧田委員)
一つ一つ細かく聞いているようですが、そもそも優遇云々という聞き方自体に問題があるのではないかと思います。具体的に「これとこれが支障であるからどうでしょうか」と聞くのではなく、漠然と“学校教育において優遇ですか”“家庭において優遇ですか”というのはあまりにも個別的なことであって、こういったものが意識調査になじむかというと、こういうものを見るたびに大いに疑問を感じるところです。
(原田座長)
このような調査は難しく、おっしゃるとおりですが、およその民衆の意識を感じ取るにはやはりこのぐらいの部分しかできないと考えています。教育の部分では差別は全然なくて、みな同じように教育をうける権利があるということでこういう結果がでているし、立ち入りすぎてもいけないので、このくらいの細かさでしかできないかなあと思います。
(渡辺委員)
瀧田委員に同感で、意識調査でどんな項目を並べてみても、つまり男女が平等であるかどうかを聞いたところで政策に反映させられるような有意な結果がでるとは思えません。基本的な課題のI-1では、男女共同参画社会づくりに向けた意識啓発と社会制度慣行の見直しと言っているわけですね。概念が非常に曖昧な調査結果に基づいて意識啓発をするという意味がすでにわかりません。ましてや、伝統的に積み上げられてきた社会制度・慣行というようなものを見直すというのは、非常に危険ですね。調査がはっきりしないデータに基づいてとんでもないことを言ってはいないか。もしこれを掲げるならもっともっと深い分析が背後にあるべきと思います。ごくごく簡単なデータに基づいて大きなテーマを語ってしまってはいないか。
それから長谷川先生が先ほどおっしゃったことと関連があるところですが、「男女平等教育の促進」とありますが、これを初めて読んだときになんという言葉づかいをしているのかな、と思いました。今、ジェンダーフリーの話がありましたが、いろいろな情報がありますが安易な言葉づかいは戒めるべきだと思います。第2次計画とくらべて、新しい3次計画のほうがはるかに優れているというのが前提なのですが、この前提の上で、さらに修正した方がよいところがあるのではないかと思います。
もう一つ気になったのが、施策の方向のIII-6-(2)「社会全体での子育て・介護の支援」です。これも、熟慮して使うべき言葉だと思います。言うまでもなく子育ては第一次的には家族であり共同体、そのうえに社会全体というように同心円的に広がっていくはずです。それなのにここでは一挙に社会全体でのということになっています。これはフライングです。
もう一つ疑問を含めて申し上げると、II-4のところですね。これも大きなテーマになっている「政策方針決定過程への女性の参画」。これは他の委員もおっしゃっておられましたが、いろいろな統計から見て女性が少ないということで、目標のIIにこういう形になって表れて大きな柱立てになっているわけですが、ここも意味が分かりにくい。我々は民主主義社会に住んでおり、住民の意志決定によって政策を決めている。つまり議員を投票で選び国政にいたるまで民意を反映させる社会に住んでいる。そういう状態を前提にして、なおかつ女性が足りないというのはどういうことか。審議会の女性委員のシェアが少ないということが何か男女間の不平等を表しているというように読んでいいのか。そこのところをお教えいただけるとありがたいと思います。
(原田座長)
日本は国連の女子差別撤廃条約に批准したのは82番目の国で非常に遅かったです。日本が男女共同参画基本法をつくったのが1999年です。そのころ、国が何を目指しているのか調べたことがあったが、国会議員や地方議員はともかくとしていろいろな政策に関与する審議会の委員は女性が少なく、それを高めて30%に持っていくのが国の目標でした。国も県もみな30%を目標にしていると思います。それが男女共同参画ということなのか、と私も最初は疑問に思ったのですが、女性の審議委員は少なかったのです。私もいろいろな審議会に出ていたが、初めての女性委員である、とか、女性が1人しかいないとかでした。今でこそ女性はたくさんおります。議員になることも男女共同参画の大きな指標の一つです。千葉県では26%と少し遅れているようですが、30%の目標に近づいていこう、ということです。
(関口委員)
行政における政策決定過程への女性参画の促進といったときに、率直に感じていることを申し上げます。そこに女性をどんどん送り、多くのみなさんからさまざまな意見をもらえる意味で女性が増えるのは一番いいことだと思いますが、ただ困るのは、女性を出してほしいと言われたときに、組織として責任をもてる女性がまだまだ育成し切れていない実態にあり、少し厳しい点があるというのが感想です。これを県として、女性が30%、40%、特にイーブンとなるという理想は理想としてお互いが平等の世界で出せるのが一番良いと思うのですが、もちろん実態面を分析調査されていると思うが、どこまで把握されてそこまで出せているのかなと思います。もう一度見直さないとあくまでも目標ベースで目標ありきで何かをするというのは避けるべきと思います。
会議冒頭の委員自己紹介の中で岡田委員が、県議会議員の女性比率を話されましたが、民意で選ばれている県議会議員95人(定数)で女性がこれだけというのは、自分で立候補した人が民意で選ばれなかっただけだと思います。県議会議員などの民意で選ばれる場合は、自分たちの自主権があるのでそこに委ねるしかないのかと思います。
それと、III-7-(1)「地域における男女共同参画の促進」とありますが、先ほどの説明では地域において男性の参加を促進するという意味合いがあったと思いますが、地域において男性が参加していない根拠があるのかわからないです。地域の何の活動なのか、NPOの活動なのか、地域の町内会の活動なのか、さまざまな点から見たときに参加するのは男性のほうが多いはずだと思います。でもそれは、様々な家庭の状況があるのでそういう状況になっていて、そこを促進ということで目標を掲げても抑制することはできないのでは、と思います。
あと、地域で県が方針を掲げたとしても、市町村がどこまで関係しているか疑問に思っています。県が主導で動いて市町村が納得して動いてくれるわけですが、県は条例がないのでこういう骨子案の計画を立てるわけですが、その一方で、市町村が何処まで計画を立てて実行して、千葉県と同じように目標を立てて、今までどういう実績ができているのでしょうか?今後は、実績に基づき、新しい第3次計画となるわけですが、では、第2次がどこまで成果が出ていて、何が足りなくて何ができなかったのか、もう少し分析をして一歩一歩進めていかなければいけないと思うのですが。
千葉県として、もちろんそのように進めてきているとは思うのですが、そこが実態として見えないのです。
(原田座長)
一番実態的に動くのは市町村だと思います。みな同じように条例を持っていて、行動計画をつくっています。例えば、実際に女性を育てるステップ・アップ講座を開いたり、いろんなかたちで女性が参画できるような基礎をつくりあげるというところに相当力を出している市町村があります。県や国では実際的にはほとんどできないので、国→県→市町村と下がれば下がるほど実際的に活動していると理解しています。
(佐近課長)
地域における男女共同参画については、是非男性に地域にはいっていただきたいという意味合いを込めたものです。例えば、自治会では会長は男性が多いが、実際に活動しているのは女性が多く、NPOの活動なども女性が多いという状況です。また、県では地域推進員制度を設けており、各地域に男女共同参画の地域推進員を置いて、市町村と地域推進員と県とで地域の課題を話し合いながらその地域にあった男女共同参画を進めております。
今までの2次計画の反省点は、この懇話会の専門部会として評価部会を設けております。その評価部会のなかで一つ一つの事業について成果がどうであったか検討しております。今後、事業計画を策定していくにあたっては、この評価部会の評価もよく検討したうえで関係各課と事業計画をつくっていきますが、そこで反映させていけるようにと考えております。
(関口委員)
その評価部会は、自分も参加したことがあります。今年の計画に対する外部評価をしていますが、外部からの指摘内容は次年度に繋げていないと思います。なぜなら、昨年の計画に対する外部評価を行って評価をしても、今年度の事業計画は予算計画に基づき進んでおり、その計画には、今回行っている外部評価は何も反映されておらず、以前から、「この評価は何処に反映されているのか?」、「一年後に意見反映をする方針は見直した方がよい」との意見提起をしている。
したがって、そこを見直さないと新しいものも、新しいものにはならないと思います。県としても予算計画に基づいて進めているので仕方がない点もあるとは思うのですが、うまく繋げる仕組みを考えないと、この計画も成り立たないので、なんとか考えてほしいです。
(中井委員)
基本理念です「元気なちば」というのは最初は少し違和感がありました。すごく抽象的ではなかろうかと。意欲は感じるが曖昧になりはしないかと思いましたが、その点では事業計画をしっかり定めて目標数値をしっかり定めていけばいいのかなと思いました。男女共同参画というのは県民に認知度が低いと思います。なかなか知られていないまだまだ難しい言葉なので、やはり男女共同参画ということを県民にわかりやすく伝えるということでは標語「男女がともに認めあい、支えあい、元気な千葉の実現」と言えるのは良いと思いました。例えば「男女共同参画とはどういうことか」と聞かれたときに、こういう状態をつくることと言えるのが大事だと思いました。具体的な施策の方向の中で例えばマスメディアのところに新たに子供を追加したとか、健康づくりのところで男性も加えたとか、職場での鬱であるとか、弱い部分をきちんとこの中で補足を3次の中にいれたのは非常にいいなと思いました。
(長谷川委員)
「元気なちば」は一見すると曖昧に聞こえるのですが、しかし「元気」ということは非常に大事なところで、元気が出るためにはまず安定していなければいけない。下のほうにDVの問題がでてきますが、男性と女性が認め合って支え合って、しっかりした家庭を築かないとどれだけ国の活力が削がれるか、いろいろな統計が示しているとおりです。元気ということの根本にはまずしっかりと社会の安定を目指していくという具体的な目標があると思います。
先ほど、渡辺委員からも施策の方向の「社会制度・慣行についての見直し」のところの「見直し」というのはちょっと危ういのではとのご意見がありましたが、見直しは再評価も含んだものでなければならないと思い、それが本来の男女共同参画の理念だと思いますので、ここに「見直しと再評価」という言葉を入れると非常にはっきりすると思います。これまでは単なる古くさい慣習だと思われていたことが、実は我々自身の無意識の内の男女が認め合い支え合うという、そういうシステムだったというように、社会制度・慣行というものは見直すうちに分かってくるものだと思います。最初に岡田委員がおっしゃった「3次の理念は抽象的すぎるのではなかろうか」「むしろ2次のその人らしく生きることができ、個性を認め合える社会といった理念の方が大事ではないか」というご意見がございましたが、ある人の個性というものが、その人が男性であること、女性であることを抜きにして個性というものがあるのか、というと非常に疑問であると思うのです。「男性であること」「女性であること」も含めて全人格であると思います。
そして、いろいろな数値目標がありますが、「女性がどうしていろいろな審議会に入っていないといけないのか?」政府は闇雲に女性のパーセンテージを上げろと言っておりますが、「では上げてどこにいいことがあるのか?」それを聞いてみることが大事だと思うのです。もしも、そこに意味があるのだとすると、それぞれの人の個性に「女性」であることが非常に大事な部分として持っているからこそ、審議会に参加することに意味があるので、まったくその人の社会的活動は性差に関わりないのだとすると、逆にそういった女性が審議会に入っても全く意味がないのですね。
ですから、原点に立ち返って「なぜ男女平等がいいの?」「なぜ女性がたくさん社会に進出しなければいけないの?」と振り返ってみると、実は一番根本のところで「男性と女性が社会を作ってお互いに支え合って生きているんだ」という基本の形が見えてくると思うのです。国も行政も、目標というと男女平等の五分五分というのがあたかも絶対の正義のように見えてしまっていると思うのです。だから、もう一度何でそれが大事なのかを考えることが必要で、そうすると結局、社会が安定して元気で活力のある社会を作るためにいろいろなことが必要なんだという原点が出てくると思います。
なので、3次の理念をよく考えてみると決して抽象的ではないと思っております。
(原田座長)
数値目標を立てないといろいろなものが分かりにくいので、たぶん国なども数値目標を出しているのだと思うのです。でも、いま長谷川委員のおっしゃったとおり、男性には男性の特徴があって、女性には女性の特徴があって、それぞれの特徴を尊重し合いながら、認め合って、その上で女性の意見も聴きたいと、そういう意味がその中にあるのだと私は解釈しております。ですから、男性も女性も全く同じだったら尊重・尊敬できないし、違いがあるからこそお互いに尊重し合えるのだと思います。全く同じであったら何も数値目標にする必要はないと思います。国はこのような男女の違いを前提として女性の意見を聴きたい、という意味であると思います。
他に何かご意見ございますか。
(岡田委員)
今、長谷川委員から「元気」ということは中身が安定することである、という意見がありましたが、全くその通りだと思います。
しかし、元気というだけでは表現しきれないことがあるのではないかと思います。
社会的に家族も安定して仕事にも打ち込める、家庭生活も円満であるということを文言として入れなくてはならないのではと思うのです。そこで「人として尊重される」の文言はどうしても必要な文言ではないかと思うのです。それは元気という言葉だけで象徴できるものとはちょっと思えないのです。基本理念はとても大事だと思うので「男性も女性も人として尊重される」という言葉は「認め合う」ということだけではなく、是非残していただきたいと思います。
それと、2回目の発言になるので細かい部分にも少し触れさせていただきたいと思います。I-2-(1)「学校における男女平等教育の促進」とありますが、何人かの委員の意見も出ましたが、学校内でDVの被害に遭う女性生徒もいるし、またいろいろな部分で学校だからこそできる男女平等教育ということがあり、これは促進していくべきだと思いますので、これはこのまま残すべきと思います。ただ「一緒に参画する」ということだけではなく、これも基本理念に関係するのですが、「人として尊重する」という平等の意識を学校教育の中で培っていくことが本当に大事なことだと思います。
(3)の「多様な選択を可能にする教育」でありますが、選択するだけではないのではないかと思います。教育ということは選択するだけではなく、男性も女性もそれぞれの能力が花開くということが重要ですので、「それぞれの個性を発揮できる教育・能力開発・学習機会の充実」としたほうがいいのではと思います。
それから、2次計画に、「エンパワーメントのための教育・学習機会の充実」という言葉があったのですが、3次ではなくなっています。これがI-2-(3)の「多様な選択」に入るという説明ですが、女性の意識啓発ということが大変大事なことですので、これも抽出しておくべきだと思います。
それとIII-5「労働の場における男女平等の促進」のところで、前回の計画では「自営業、家族従業者、起業家等に対する支援」がありました。これも自家営業されている方々、たとえば起業されているご主人の手伝いをされている奥さんは、働いた分の賃金保障がないのですね。自家労賃というのだそうですが、なんとか自分たちの働いた分の保障をするべきだという声も上がっております。2次計画にあった文言を削ってしまったのはなぜか、これはどこかに入っているのかどうか、どこかに入っているのだとしたら別項目として取り上げるべきだと思います。
それから、ひとり親家庭の支援がIV-9-(2)に入っています。特に母子家庭はとにかく就職が非常に困難であり、複数仕事をしなければ子どもを育てるだけの収入にならないということです。仕事が安定していればほとんど自立ができる状況ですので、このひとり親家庭への支援は「労働の場における男女平等の促進」の部分にしっかり入れてほしいです。IV-9だけではなく、III-5にも入れてほしいと思っております。
(原田座長)
同じものを両方に入れるのですか?
また、自営業等は「農林水産業・商工業等」に含められていると思いますがいかがでしょう?
(岡田委員)
一項目として別にするか、もしくは、自営業等の支援も入っていると分かるような表現をお願いします。
それと、IV-9-(3)「外国人が安心して暮らせる環境づくり」とありますが、これは前回は「地域社会」のところに入っていたので、「健康」の部分だけではなくて、地域社会の部分に入れるべきではないかと思いますので、場所の移動が必要ではないかと思います。
(原田座長)
2次を改定して新しいものを作ろうとしておりますので、ずいぶん言葉も変えてきていると思います。
私はこれでも言葉が多すぎると思っており、どの分野ももっと簡単明瞭にしたいと思っているくらいです。もっと言葉を簡単にする意見等はございませんか。
(花澤委員)
今までの話を伺った上で、今座長からも話がありましたが、この男女共同参画計画が「何を目指しているのか?」「いったい何が問題なのか?」といった問題のポイントをとらえてないと、きれいな言葉を選ぶ言葉の問題だけになってしまうと思います。何を目標とするのか、問題点を整理して何が原因で起きているのか、何を整理したらなくなっていくのか、その課題にプライオリティをつけて検討していくべきで、そうしないといつまでたっても、みなさんの心の中の課題のとらえ方がちがっていて、言葉の表記だけが議論されてしまう。
たとえば資料には「外国人が安心して暮らせる社会」が「施策の方向」欄に書かれていますが、男女共同参画社会の実現とどうつながっていくのかよくわかりません。今の社会が「外国人が安心して暮らせていない」というなら何が原因なのか。それと男女共同参画社会とどのようにつながっていくのか。きちっと問題の原因を押さえて議論しないと、解決すべき課題にたどり着いていかないのではと、そんな気がしています。ここは大変かもしれないがきちっと議論しないと課題が多すぎていったい何を目指しているのかよく分からなくなってしまう。
たとえば、DVですとかセクハラだとか、みなさんがすぐに認識できる課題はいいが、それ以外の、例えば「基本的な課題」として「教育・学習の場における男女平等教育の促進」とありますが、現実に男女の平等教育が出来ていないとするなら、それはどういった点を指しているのか。「どうしてそういうことが生まれてしまったのか」「それをどうしたらなくせるのか」、と議論を進めていかないと、男女共同参画計画の目指すものが見えてこない。
「すべての人の人権尊重と人権侵害の解消」とあります。では「人権侵害とは何を指していますか?」「どう変えたらいいのですか?」「そのためには何が必要ですか?」というように。
「雇用の場における男女平等の促進」。ここは法廷でもいろいろ議論されているところですから、こういったものはいろいろあると思いますが、具体的にきちっと問題を捉えてその原因を認識していくという形にしないと、どうもよく分からないということになってしまう。
(原田座長)
問題点はいったい何かということを一番簡単に考えると、重点的取組の四つの項目ということになると思うのですが、おっしゃられるとおりの曖昧な部分をこれからいろいろと練っていくわけなのですが、「男女共同参画っていったい何だろう?」と言ったときにいろいろと私も長いこと考えてきましたが、要するに「認め合い、支え合い、尊重し合う」ということが大事で、そのことを知らせること、「参画とはなんぞや?」ということを知らせること、だと思います。
もう一つは女性も同じように仕事ができる環境を作ること。「どうしたら同じように仕事ができるのか?」「賃金格差もあるがどうしたら解決できるのか?」といったことが大きな問題と思います。
あと、もう一つは暴力だと思います。北京会議でも大きな問題となったのが貧困と暴力でした。日本も北京会議後に暴力についての法律ができました。ですから、人権侵害とは何を言っているのかというと男女共同参画ではイコール暴力ということなのですね。
ですから、私は今の花澤委員の話を聞いて、もう少し具体的に取り上げて誰にでも分かりやすくするのか、それとも、こういった曖昧な形で書くのかということになると思うのですが、他に意見ございますか。
(松永委員)
基本理念のところですが、岡田委員のおっしゃるように「人として尊重される」、という文言は、是非入れていただきたい。例えば「雇用の分野における男女の均等な機会」とあるが、労働そのものが正当な評価を受けているかどうかが影響してくるのではないか、と思います。それぞれの分野で働く人たちが満足しているか、というとそうとばかりは言えない現状もある。どういう分野でも、それぞれの分野で働きたいという人がただその分野に行ければいいということではなく、人として尊重されるような働き方ができてなければならないとおもいます。だから、一つ一つの文言が「人として尊重されるようなあり方とは何だろう」ということを基本に据えておくと、例えば基本的な課題・施策の方向も少し変わってくるのではないかと感じます。
(原田座長)
時間の関係もありますので、あともう一名だけ何かご意見あればどうぞ。
(鈴木委員)
みなさんの話を聞かせていただき、大変勉強になりました。
I-1-(3)「マスメディアにおける女性と子どもの人権」で子どもが入ったのは大変よいことだと思っています。学校における男女平等教育の促進のところでは、学校では教育課程全体で人権教育・道徳教育等を通して、心の部分で育てていくということが学校の仕事だと思います。
(綾部委員)
基本理念で「男女がともに認め合い」という表現をしているが、男女の違いを認めている中でなぜ基本的な課題の2番目「教育・学習の場における男女平等教育の促進」のところで、ともに違いを認め合うという中でなぜそういった教育を受けなければならないのかよく分からないです。
元々人間は男と女が違うというところから出発していて、一人一人も違うところから始まっています。自分の意見だけを通すのではなく、その違いを互いに認め合い、相手の立場に立って認めると言うところまで持って行ければいいと思うのです。我々の農山漁村であると体を動かす方が主なので、なかなか頭で考えるのは得意ではないので、分かりやすく通じやすい表現にしていただければいいかなと思いました。
(原田座長)
平等教育という意味は、要するに男性と女性が認めあうべき、という意味合いだと思います。県によっては「男女共同参画教育」や「男女平等教育」と言ったりしていますが、お互いに認め合っていこうという意味で使っており、計画を作っています。平等という意味の取り方によって変わっていくのかなと思います。書き方の問題も出てくると思いますが、言っている意味は、お互いに認め合うという意味では変わらないと思います。
(綾部委員)
分かりました。
(原田座長)
他に何かございますか。
(関口委員)
基本理念について一点確認したいのですが。法に基づいて計画を作っている中で、当初から37年までの計画で作っているのに、1次、2次、3次と改訂のたびに基本理念が変わっていくものなのでしょうか。私は基本理念は変わらず、個別事業の重点をその時々の年度計画で変えていくものだと思っていたが、なぜ理念を変えるのかが分からないです。
(佐近課長)
基本計画ですから動かさないということも考えられますが、経済情勢等、様々な面が変わってきているためであり、1次から2次になったときにも基本理念を変えております。この度、3次を作るにあたって、県の総合計画や基本法の考え方に立ち返った上で、今回は基本理念をこういったものにするのがいいのでは、という提案でございます。
(原田座長)
私は基本理念は変わらないで、社会経済情勢に応じて文言が変わっていくのではないかと思うのですが。理念の基本、流れているものは同じだと思うのですが。
(佐近課長)
あくまで基本法の理念に基づいて計画を作っているので、「想い」というか理念の「基本」は変わらないです。
(報告事項)平成22年度第一回千葉県DV防止・被害者支援基本計画管理委員会結果報告
<飯塚副課長より報告>
(原田座長)
ありがとうございました。
では、以上で質疑を終わらせていただきます。
その他何かございますか。
(佐近課長)
本日は貴重な意見をたくさんいただきまして大変感謝しております。今回の皆様方のご意見を踏まえて、骨子案に必要な修正を行いたいと思います。その後皆様方にお返ししたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
(瀧田委員)
最後に1点だけよろしいでしょうか。渡辺委員のおっしゃったとおり、「意識啓発と社会制度・慣行の見直し」という言葉遣い自体がそもそも間違っていると思いますので、これについてはよく認識していただきたいと思います。
それから、いちいち数値目標を定めなければならない、定めるということにとらわれること自体がおかしいと思います。
それと、農業委員はそもそも公選・選挙を通して、議員等と同じ公職選挙に準じた形で選ばれるのですから、こういったものに数値目標を出す意味が分からない。それから農協・漁協といった民間団体に数値目標を掲げて行政が介入する発想自体がわからないです。
(原田座長)
それでは、本日のすべての議事が終了しました。
本日はどうもありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください